交通の世界観です。交通に詳しい父親の話を参考にしています。
昔の日本には、鉄道やトラックというものはなく、あまり頻繁に地域の間で物流が動くことはありませんでした。
ではどのようにしてものを売り買いしたり別の場所のものを得たりするのかというと、「市」というものがありました。
たとえば、「五日市」などは、毎月5日に行われる市のことです。
市には、各地方から、川や海を使った船などで、ものが運ばれ、人々は市に立ち寄ることで、さまざまな各地の食料や工芸品を得ることができました。
川や海を使ってものを運ぶため、市は川や海に面した場所で行われることが多いです。山間部などでは、宿場町など、交通の要所で市が開かれます。あるいは、城下町などの人の多い場所で市が開かれます。
市でものを買うのは、一般の市民だけではありません。自分の店で八百屋や果物屋などを営む店主が、市で野菜や果物を購入し、それを自らの店に持ち帰って売ります。
市に訪れた商人はものを市場に並べて、そのまま手ぶらで帰るかというとそうではありません。肥、すなわち人間などの糞を持ち帰ります。これにより、畑で作物を育てるための「肥料」を得ることができます。
牧場も参照のこと。
昔の旅は、徒歩で移動することが普通でした。
人間が徒歩で移動できる距離は、一時間に4kmから5kmです。なので、8時間歩いたとしても、一日には30kmから40kmぐらいしか移動できません。
なので、それくらいの距離で、旅の途中には「宿場町」と呼ばれる町があり、その町の宿で宿泊を行います。
宿は宿泊の場所でありながら食べ物を食べる場所でもあり、寝て朝起きると昼に食べるおにぎりと新しいわらじを買い、何かあってもいいように時間の余裕を持って次の日の旅を出発します。
昔のわらじは、今のスニーカーのように丈夫ではなく、すぐに壊れました。わらじが壊れると歩けなくなります。なので、旅に向かう人はわらじを何足も用意して所持しており、宿場町でおにぎりと一緒に新しいわらじを購入します。
旅の途中では、何があるか分かりません。山賊にあった時のために、お金は腹巻きの中に隠したり、わらじの中に隠したりなど、分散して所持します。また、何かあった時のために、おにぎりは一度に全部食べず、半分ずつ残して食べます。ですが、そのおにぎりの匂いを嗅ぎつけて、猿のような動物が襲ってくることもあります。そのように、昔の旅は命がけでした。旅の途中で何もできず倒れて死んでしまうことを「行き倒れ」と言いました。
もし、体の具合が悪くなったり、宿場町にどうしても辿り着けなくなったなど、旅の途中で何かあった時は、駆け込むことのできる場所として寺がありました。寺は宿場町と宿場町の間に点在して存在し、旅をする時は宿場町以外に寺の場所を覚えておくことが重要でした。
宿では、ひとりにひとつ部屋があるわけではなく、多くの旅人が相部屋で寝泊りをします。相部屋で一緒になる旅人は、こちらから行く人だけではなく、向こうから来る人も一緒でした。なので、相部屋で泊まった時、そのような旅人から情報を得ます。たとえば、あそこで土砂災害があって道がふさがれてしまったとか、あの場所で山賊や猿が出たとか、そういう情報を共有します。そして、もう二度と会うことはないと分かっていても、縁を喜んで互いの旅の安全を願います。そのような「一期一会」の関係が、昔の旅人にはありました。
旅行も参照のこと。
2024.06.01
交通とは、交わり、通うこと。それぞれの地域に人とものを運び、移動する手段として、交通は発展した。
交通の発展によって、人々は遠くの場所に行くことが出来るようになり、遠くのものを運んで得ることが出来るようになった。
町と町のつながりが増えることで、農村部と都心部を繋ぎ、農村部からは米や食料品、都心部からは工業製品を運ぶことで、さまざまな地域のつながりが増えていった。
原始時代も参照のこと。
まず、交通の発展として言えるのは道路である。道路が整備されたことで、人々は町と町を行き来することが出来るようになった。
道路などのインフラは、自由な経済を成り立たせる基礎である。
コンクリートで舗装された道路というものは新しい発想ではなく、ローマ帝国の時代、すでに人々はモルタルで接合した道路を作っている。
整備された道路によって、古代の人々はさまざまな場所を「一つの国」として繋ぐことが出来た。古代ペルシア帝国などでは、さまざまな文化がまじりあい、人々は一つの巨大な帝国で、どこに居ても同じ恩恵を受けられるようになった。
古代ローマや土木建築やセラミックス・コンクリートを参照のこと。
古代より、交通には船が使われる。昔は、たくさんのものや重たいものを乗せ、運ぶためには、多少遅くても船を使うのが一般的だった。
たとえば、江戸と広島を結んで、さまざまなものをやりとりし、商売を行う。江戸時代のような昔の時代は、そうした「各地を往来する商人」の存在が活発だった。
船は遅いが、とても巨大な船を作ることが出来る。そのため、いっぺんにたくさんのものや重たいものを運ぶのに適している。
昔は、海外旅行も全て船によるものだった。
ルネサンスや産業革命とともに、羅針盤や蒸気船が生まれ、長い航海が可能になった。このことから、ヨーロッパ人は武器を持って各地を侵略し、ある時は征服し、ある時は資源を交換し、またある時は文化の交流、たとえばキリスト教の宣教師の往来などが可能になった。
また、船は植民地の形成や人々の文化の交流にも役立った。古くはギリシアの植民都市から、近代ではスペインやイギリスの植民地帝国などがそれに当たる。
世界史(近世・近代)やスペインや日本史(江戸時代)などを参照のこと。
2024.06.10編集
また、産業革命とともに、鉄道と機関車の整備が行われる。
アメリカなどは、広大な大陸の移動とものの運搬のため、アメリカ大陸を横断する鉄道網を整備した。
鉄道は、船のように港と港を繋ぐだけではなく、あらゆる場所を陸路でつなぐことが出来る。そのため、たとえば海で取れた新鮮な魚を山奥の村の住民でも食べることが出来るようになった。
日本にはアメリカのような大陸の横断のための「鉄道」という発想は小さいが、それでも、海の交通手段だけではなく、陸地の交通手段が生まれ、人々の往来は活発になった。
後日注記:産業革命による鉄道は世界を小さくしたと言われる。多くの世界を繋げた代わり、この世界全体が均一化し、小さくなってしまった。異文化が無くなり、どこも同じになってしまったのである。
また、戦争における攻撃手段として、第一次世界大戦以後、航空機の発展が行われた。
戦後、戦争に使われていた航空機はそのまま旅客機として使われる。航空機は船や鉄道に比べて、とても移動にかかる時間と速度が速い。
航空機は、発展とともにたくさんの人を乗せることができるようになった。初期の飛行機は少人数が乗るものだったが、軍事的発展とともに巨大になり、とても多くの人を乗せることができるようになった。爆弾を積んでいた航空機の中身は、そのままたくさんの人々を詰め込めるようになった。
また、航空機はものを運ぶのにも使われる。航空機は上半分は人を乗せるためにあり、下半分は運搬するものを乗せるためにある。航空機は乗せられるものは少ないが移動速度が速いため、軽いものやできるだけ速く移動させたいもの、たとえば速達の郵便物や、新鮮な食料品などが乗せられる。
2024.06.10編集
父親が生まれた時代には、個人が持つ自動車というのは少なかった。ルノーやクライスラーのような高級車か、あるいはバスなどのような公共の交通機関が馬などと一緒に道路を走っていた。そのころには、日本にはまだ自動車を作る技術は無かった。
日本人は、「外国の自動車を分解して仕組みを学び、自分たちで同じものを作る」というパクリ技で自動車を作った。そして、物まねするだけではなく、元のものよりも性能の優れた良いものを作り出した。
日本はたちまち優れた車、それも壊れない安い車を作ることに成功し、さまざまな国に輸出して外貨を稼ぐようになった。日本の経済成長も、自動車が主役だった。
日本のような、安く輸入して高く輸出する、というのは、日本の専売特許ではない。絶対主義のフランスなどが重商主義・貿易差額主義経済をしているように、昔からある古典的なモデルである。だが、日本人には技術力があった。どこよりも品質の高い自動車を安価に作ることが出来た。これには、産業革命以後の工場による「大量生産」の恩恵もある。
また、高速鉄道である新幹線が整備され、航空機に負けないほどの速度を持つようになった。
中世の交易路については、世界史(中世)を参照のこと。
新航路・新大陸の発見については、世界史(近世・近代)とスペインを参照のこと。
宇宙ロケットについては、宇宙ロケット・ミサイルを参照のこと。
蒸気機関を参照のこと。
自動車を参照のこと。
飛行機を参照のこと。
新幹線は日本の高速鉄道。日本列島を横断する。とてもスピードが速いだけではなく、レールに継ぎ目がないため「ゴトンゴトン」という音がしない。
このような技術を作り出せるのは、本当に日本が技術力が高いことの証である。
後日注記:僕はこう見えて新幹線が好きです。昔は新幹線に乗ってよく旅行などに行っていました。不登校専門の高校に行くために新幹線で姫路に行くことが多かったです。東京まで新幹線でひとりで行ったこともあります。楽しみなのは昼食などに食べる駅弁などで、あるいは知らない場所でぶらりと入ったレストランで昼食を取ることもありました。新幹線は駅の構造(出口や乗り場)が複雑だったりするので、間違えないように気を付けましょう。
2024.10.10編集
リニアモーターカーは、次世代の高速鉄道技術。
リニアモーターカーは、二つの磁力で動いている。
1.レールから浮く磁力。リニアモーターカーは、磁力によってレールから浮いた状態で動く。車体全体が空中に浮いている。
2.前へと進むモーターの磁力。リニアモーターカーは、普通の丸いモーターではなく、直線に伸びた「磁力のモーター」を使う。直線に伸びた電磁力が、磁力をまっすぐに「移動」させることで、前へと進むモーターになる。
自動車などを使って道路などを移動・運転する際、交通ルールを守ることはとても重要です。
日本では、自動車などが免許制となっており、自動車学校で免許を得なければ、自動車を運転することができません。
僕は足が悪いため、自動車に乗ることはできません。交通ルールについても、標識などの細かいことは分かりません。
ですが、たとえば信号を守るとか、左側走行が基本(日本だけかと思いきや、イギリスなど多くの国が左側走行を採用している)とかいうことは、分かっておいた方が良いと思います。
また、生活する上で、交通の便があることはとても重要です。
たとえば、JRの電車やバスに乗ることができたら、市街地に行くことができます。市街地には、デパートや百貨店などさまざまなものが売られており、ここから生活に必要なものを得ることができます。
交通の便があるのとないのとでは、生きる上での便利さがまったく違います。特に、市の中心地に行く方法は分かっておいた方が良いと思います。
僕は、赤字路線の廃止は間違っていると思います。
田舎であっても過疎地域になると、JRなどは電車を走らせても採算が取れず、赤字になります。そのため、JRは赤字路線を廃止しようとします。
ですが、赤字路線が廃止になると、交通の便が悪くなり、さらにその地域の過疎化が進んでしまいます。
はっきり言って、郵政民営化のような「民営化してサービス向上」という考え方は、まったく間違っています。
国として、全国民に平等に与えられるべき公共サービスは、民営化するべきではありません。民営化とは要するに「利益を出せ」ということであり、それそのものが黒字の事業を残して赤字の事業を廃止するということであり、民営化と赤字路線の廃止の問題は直結しています。
赤字路線を廃止するような、JRの方針には、僕は異議を唱えます。ほかの黒字の路線で計上した利益を使って、赤字路線を維持しなければならないのです。
電車の旅は、とても楽しいものです。
多くの人が知っているように、電車で切符を買って駅を乗り降りする際に、「乗った駅」と「降りた駅」だけが重要であり、その間どれだけ旅をしても切符の値段は変わりません。
なので、たとえば東京の場合、駅に降りないのであれば、山手線を何周しても構いません。
JRの電車は、景色がたくさん見れます。この「電車から見える景色」が、鉄道オタクには堪りません。鉄道に乗るオタクを「乗り鉄」、鉄道の写真を撮るオタクを「撮り鉄」と言いますが、実際、乗り鉄はたくさんの風景が見れて、とても面白いです。
それから、小さな駅にはほとんど何もありませんが、大きな駅にはお土産が売られていたりバスや路面電車の停留所があったりと、駅も面白いです。特に広島は今でも路面電車が走っているので、単にJRの広島駅で降りるだけでなく、そこから広電の路面電車に乗って、たとえば宮島に行くために宮島口からさらにフェリーに乗り、厳島神社で初詣をするなど、旅行の計画は膨らむばかりです。
2024.07.07
有名な長距離鉄道には、ロシアのシベリア鉄道やヨーロッパのオリエント急行などがある。
ロシアのシベリア鉄道は、その名の通りシベリアを横断する鉄道のことで、ロシア帝国時代に作られた。総距離は世界一。昔から鉄道ファンが憧れる「大陸横断鉄道」である。
また、オリエント急行はもうなくなってしまったが、ヨーロッパの各都市を繋ぐ長距離の夜行列車のこと。これも鉄道ファンの憧れである。
2024.09.30
世界一周クルーズは、世界の各港に停泊しながら、世界一周を船で目指すクルーズの旅のこと。料金はべらぼうに高いが一生の記念になる。
2024.09.30
たくさんの荷物をいっぺんに運ぶために、「コンテナ」という容器を使うことがある。
コンテナとは、荷物を入れるための容器(箱)のこと。
コンテナの大きさや寸法は世界標準であり、どのような交通手段であっても変わらない。船であっても貨物列車であってもトラックに乗せる荷台であっても、コンテナは同じ大きさかつ同じ寸法である。
コンテナは、中のものが壊れないように、頑丈な鉄でできている。だが、それはデメリットでもある。鉄は重量が重いため、コンテナの中に入れる荷物よりもコンテナ自体のほうが重たいことがある。そのような時には運ぶためにたくさんのエネルギーが必要であり、車で言えば燃費が悪くなる。
だが、それでも、コンテナが世界標準であることは大きなメリットがある。船に積んで海を渡ってきたコンテナを、そのまま貨物列車やトラックの荷台に乗せることができる。中にある荷物を入れ直す必要がない。コンテナはとても楽で便利な輸送のための発明品である。
郵便・配達も参照のこと。
2024.10.02
海洋も参照のこと。
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