宇宙ロケット・ミサイルの世界観です。天文学も参照のこと。
ニュートンの運動方程式において、運動は最初の運動が始まった地点が分かってしまえば、その後は数式を計算することで追跡と予測が可能である。
たとえば、小惑星探査機がはるかに長い旅をして、目的の小惑星にたどり着けるのは、運動と重力を追跡して計算することができるからである。
しかしながら、さまざまな要因からランダムかつ多数の作用を受けるようなものの運動の追跡は難しい。小惑星探査機の追跡が可能なのは、太陽と近くの惑星の万有引力だけを考慮に入れればよいからである。
(以上は放送大学「自然科学はじめの一歩 ('15)」を参考に執筆しました。)
宇宙ロケットの技術は、爆薬を積んで高度な軌道計算を行い、敵国の領土に落として大量破壊を行う、「ロケット弾」(ミサイル)の技術から生まれた。
ナチス・ドイツの科学者フォン・ブラウンは、V型ロケット(V1, V2と技術が向上していった)を発明し、ドイツはイギリスなどに向けてV2ロケット弾を大量に撃ち込んだ。
ロケット弾、すなわちミサイルは、ヨーロッパではとても衝撃的な兵器で、「悪魔の兵器」であると呼ばれた。
戦争が終わり、ドイツが負けると、フォン・ブラウンらはアメリカに亡命する。アメリカは「アメリカのために働くなら、戦争犯罪を許してやる」といって、ミサイル技術者をアメリカで雇い、その技術と知識と経験をアメリカのために活用した。(アメリカだけではなくソ連などもV2ロケットの技術者を多く引き抜いた。)
ナチス・ドイツも参照のこと。
戦後、米ソの対立が大きくなる。アメリカとソ連は相次いでロケット技術を開発した。アメリカによるロケットの開発は、人類が宇宙に行く、という「宇宙開発」の理想はあったが、その本当の目的は「大陸間弾道ミサイル」の開発であり、開発したロケットは色を塗り替えるだけでソ連へのミサイルとして兵器に応用することができた。ソ連もこれに負けてはおらず、アメリカに追いつくかのようにロケット技術を開発した。同時に米ソは核兵器の核実験(水爆実験)を太平洋などで行い、世界中を滅ぼすかのようにどんどん核弾頭を搭載できるミサイルを開発した。
最初に有人宇宙飛行に成功したのはソ連だった。ソ連はまず、犬を乗せた宇宙ロケットを飛ばし、成功した。次に、ガガーリンというソビエト人の宇宙飛行士をボストーク1号という宇宙船のカプセルの中に乗せた「世界初の有人宇宙飛行」に成功し(1961年)、ガガーリンは「地球は青かった」という有名な名言を言った。ガガーリンを乗せた宇宙船は、地球を何周もして帰ってきた。世界初の女性宇宙飛行士もソビエト人のテレシコワ(1963年、ボストーク6号)であり、彼女は「ヤー・チャイカ(私はカモメ)」と言ったとされている。
これに危機感を感じたアメリカは、1970年までに月旅行をすると明言。その目標通り1969年にアームストロング船長らがアポロ11号で月へと到達した。
だが、このアメリカによる有人月飛行は「嘘だったのではないか」と言われている。その理由として、「空気のない月なのに、旗が風に吹かれてたなびいている」とか、「アポロ11号以来、どの国も誰も月まで行っていない」ということが言われている。今の技術でも、有人の月旅行は容易ではない。
宇宙ロケットの技術は、高度な軌道計算の技術であり、一度発射したらその軌道を変えられないため、寸分狂わぬコンピュータによる軌道計算が必要である。ただし、現在の宇宙開発ではリモート・コントロールの技術も向上しており、はやぶさ2のように遠く離れた宇宙船と地球を電波で繋いでデータを送受信することも可能となってきている。
後日注記:すでに搭載されているのかもしれないが、僕は宇宙ロケットに軌道を調節するAI・人工知能を乗せると良いと思う。飛んでいる最中に適切に軌道を修正し、月どころか火星まで飛べるようになる。
こうした中において、本当に核戦争になるのではないかという危機も起きたことがある。それが1962年のキューバ危機で、アメリカに近いカリブ海の社会主義の島国であるキューバ(チェ・ゲバラやカストロで有名)で、ソビエトの核ミサイルが配備されるという事件が起こった。
一時核戦争の寸前まで達した危機だったが、ソビエトの書記長だったフルシチョフが核ミサイルを撤去したため、核戦争にはならなかった。
武器や兵器の歴史については、武器・兵器を参照のこと。
はやぶさ2がタッチダウンしたことでニュースにもなっている小惑星リュウグウだが、「有機物や水のある小惑星を探査して生命誕生の起源を解明する」というとても大事な目的がある。
小惑星リュウグウは、C型小惑星という炭素を多く含む炭素質コンドライト隕石と似た小惑星で、有機物を含んでいる可能性がある。
もし、はやぶさ2が持ち帰った資料から、「宇宙における生命」が存在していたり、「生命がどのように誕生したのか」などの生命誕生の起源が解明されれば、これはノーベル賞級の発見である。とても期待のかかったプロジェクトだが、はやぶさ2は日本による研究・探索である。日本には、アメリカやロシアのような「有人宇宙飛行」の技術はあまり優れていないものの、「無人宇宙飛行」の技術ではとても優れた技術を持っている。日本の技術力の向上のためにも、宇宙の「まだ未知とされているベール」の中に挑むためにも、はやぶさ2には頑張ってほしい。
生物も参照のこと。
ボーイング社の新型宇宙船「スターライナー」が、正しい軌道に乗らず打ち上げ失敗した。
アメリカの以前の宇宙船である「スペースシャトル」は、安全性や維持コストなどの問題から退役を余儀なくされて(安全性・危険性の問題を解決・向上するために保守コストが高くなった)、今ではロシアのソユーズしか有人宇宙飛行を行える宇宙船は存在しない。国際宇宙ステーションへの宇宙飛行士の輸送も、ロシアの技術に依存している。
スターライナーの失敗の原因は、時刻をきちんと同期できていなかったという人為的なミスであり、初歩的な管理ミスである。
だが、今の時代、Linuxなど多くの技術が最先端技術であり、僕はボーイングも、時刻の同期をしなければ動かないことを知らず、Linuxをそのまま使っていたのではないかと思う。だから、地球上での開発や試験ではテストを通ったのではないかと思う。
僕は、これから宇宙飛行船の技術は、ロシアや中国が台頭するのではないかと思っている。
僕が思うに、ロシアには「ローテクの良さ」のようなところがある。聞いたところによれば、ロシアは壊れた宇宙船の部品をきちんと修理して、長く使うのだということ。どんなに古びた部品やシステムでも、直して使う。(これは僕個人の推測にすぎないが)それはロシアにとっては「もったいない」だけではなく、僕はロシアの宇宙技術は、新しい技術への移転やリプレースのスパンがアメリカよりも長いのではないかと推測している。
ロシア人は、どんどんアメリカの技術が進歩して、自分たちが遅れた技術になっても、平然として古いまま使う。これが、逆にコストを抑えながら枯れた技術を使い、高度な計算や制御はできなくても、「絶対に動く枯れた技術」となっているのではないのかと思う。
僕はロシアの機密情報を知っているわけではないし、宇宙技術にも詳しくないので、嘘になるかもしれないが、僕は今からの世界では、こうした「ローテクながら使える枯れた技術」が流行るのではないかと思っている。
たしかに最新のWindowsの方が優れているかもしれないが、僕が思うに今から来るのはロシアである。ロシアは、確かに政治的には悪い国で、経済的にも遅れた国かもしれない。悪人や犯罪集団の親玉、総元締みたいなことをやっている。だが、僕はそうした悪から足を洗って、ロシアはアメリカとは違う文化圏になれば良いと思う。
アメリカ人は、「ロシアは国民を豊かにする努力をせず、国の威信をかけて宇宙技術をやっているから、法外な予算をつけられるのだ」と言う。だが、僕はそれは違うと思う。国民を豊かにする努力を「しない」のではなく、「できない」のである。ロシアだって、国民を豊かで生活水準の高い国にはしたい。だが、それは今のロシアでは不可能である。北海道と比べて著しく生活水準の低いシベリアのロシア人は、トナカイを使って移動し、アザラシの肉を食べ、トナカイの毛で毛皮の毛布とコートを作り、マキを燃やして生活している。それでも、彼らはそれで幸福なのである。
僕は、ロケットの軌道を刻々と、定期的に修正するような、人工知能を乗せた「AIロケット」を作れば、ロケットは月や火星だけではなく、もっと離れたところまで到達できるようになると思う。
AIも参照のこと。
原子力については核エネルギーを参照のこと。
ニュートン力学については、力学やニュートンとアインシュタインや微積分を参照のこと。