藤井聡太の世界観。将棋も参照のこと。
僕は、藤井聡太の物言いがまともなのは、将棋は数学と戦争が分かるからだと思います。
将棋は、自分の軍勢を支配して、数学的に戦争をします。相手は敵の王であり、自分は味方の王です。
盤上に現れているのは確かにゲーム的な「駒」に過ぎません。ですが、相手の王よりも自分が上手になるように、いろんな画策をしなければなりません。
藤井聡太は詰将棋というパズルから将棋に入りましたが、その中で、相手に勝ったり負けたりする中で、「どのようにすれば相手に勝てるのか」ということや、「どんなことをすれば相手に負けるのか」ということを分かったのでしょう。
そして、数学的な思考とAIに触れながら、相手というひとりの敵と戦争をしていると、明らかにまともな学校のことなんか全部分かります。大学の数学部など、大した敵ではありません。
自分で将棋の勝つ方法を理解するという行為は、まさしく1 + 2 = 3を指で数える幼い子供と同じで、明らかに知性がつきます。それが相手である王将と戦うことで、最強の「国王」となるのです。
また、将棋は言い訳がききません。勝ちは勝ち、負けは負けです。負けたゲームをいくら反省しても、そのゲームは勝ちにはなりません。できることは、もっと強くなって次のゲームで勝つことだけです。このような「実力主義」こそが、藤井聡太を育てたのです。
このような結果、藤井聡太という魔物が生まれました。この魔物がどこまで上り詰めるのか、僕は大いに楽しみです。
藤井聡太がなぜ強いのか、それは読むからです。
相手が正しい手を指すとしたらどうするか、すべて読んでいるだけです。
将棋では、読めば勝てます。それなら、勝ちたいのであれば、読まない手はありません。だから、読んでいるだけに過ぎません。
将棋ではルールや戦法も大切ですが、何よりも読むものが勝ちます。藤井聡太は、この「読めば勝てる」という魅力に、詰将棋で気付き、そして魅せられたのでしょう。
むしろ、藤井聡太を見ていると、明らかに詰みまで全部読んでいます。詰みに至るすべての経路を知っていて、自分の指す手が正しいため、相手が指し間違えればすぐに優勢に立ち、間違えそうになっても絶対に間違えません。AIとは違うレベルで、「将棋の勝ち方を証明している」のだと思います。
僕は、藤井聡太の真の強さは「正しい指し手がなんなのか分かる」ということだと思います。おそらく、膨大な数AIと対局したのでしょう。AIによって「正しい指し手とは何か」が完璧に分かっています。だから、自分の指す正しい指し手を読んでいるのだと思います。以前、豊島前竜王に大いに負け越していたのは、唯一藤井聡太よりさらに正しい指し手が指せる人間だったのでしょう。もう、豊島を攻略したため、向かうところ敵なし、「絶対コンピュータ」となること間違いなしです。
後日注記:すみません、「詰みまで読んでいる」は明らかに誇張しすぎでした。将棋は盤面でさまざまな戦法が戦い合うゲームであり、詰みまで最初から読むことは明らかにできません。藤井聡太は、「こう指せば必ずこう指さなければならない」ということを読むのが得意だと思いますが、将棋にはそうした「正しい手順ではこうなる」という側面と、もうひとつ「自分でこういう局面に持っていく」という側面があると思います。前者は読むだけでなんとかなりますが、後者は対応力や研究が求められます。そのため、「詰みまで読む」というのは不可能です。「相手がどんな戦法を使ってくるか」ということまでは読むことはできないのです。逆に言えば、相手がどんな戦法で来たとしても、正しくそれを向かい打つことができれば、将棋では勝てるのだと思います。
今の将棋界を見ていると、藤井聡太が強すぎて、そのうち「藤井聡太対藤井聡太以外全員」になるのではないかと思います。
そして、藤井聡太はそれでも倒れない、と言いたいところですが、状況は険しいです。
わたしたちは、まだ藤井聡太のなんたるかを知りません。藤井聡太がいったい何をしているのか、どうやって勝っているのか、分かっていないのです。
よって、藤井聡太がなんであるかを知った時、ほかの棋士にも光が生まれます。「そうか、藤井聡太はそうやって勝っているのだ」ということが分かれば、対策も立てやすくなり、研究しやすくなります。
藤井聡太の「無双状態」がいつまで続くのか、とても興味深いです。
藤井聡太五冠誕生、おめでとうございます。
今回も最年少記録となりましたが、それよりも重要なのは、棋界史上において五冠を達成されたのは、大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段、そして藤井聡太の4人しかいないのです。
もはや、藤井聡太は、今の将棋界においての「四強」どころではなく、歴史上においての「最高の四人」にひとりになってしまいました。
後日注記:実際には、「タイトルを何期取ったか」で比較するのが一般的であるため、まだまだ歴史上の四強と言うことはできないかもしれません。たとえば渡辺明名人はタイトル獲得数で羽生、大山、中原に次いで四位です。
後日注記:しかしながら、タイトル通算七期は既に上位陣です。藤井聡太は決して弱くありません。藤井聡太は自らが「森林限界の手前」と言うように、既に誰も入ることのできない場所に入りつつあります。ですが、ここからはっきりと視界が見えるようになるでしょう。
しかしながら、これは通過点でしかありません。八冠独占を目指すわれらが藤井聡太ファンにおいて、まだまだ先はあると言えます。ですが、八冠を得る可能性は、得ない可能性よりもはるかに大きいと言えます。
しかしながら、19歳で五冠を達成するとは、デビュー時の連勝記録を見ていたわれらがファンであっても、予想しなかったでしょう。
豊島将之九段に大きく負け越していた以前では、「まず豊島に勝てないと」という意見も多かったですが、今となっては豊島九段も渡辺名人も、藤井聡太が完全に圧倒しています。
ひとつ気になるのは、ライバルの存在です。将棋は、ひとりではなく二人で行うボードゲームです。もし、藤井聡太に匹敵するような相手が現れなければ、藤井聡太は将棋をするモチベーションを失ってしまうでしょう。AIがあるとは言っても、ひとりも人間の相手が居ない状況では、藤井聡太は果たして全力を尽くして将棋を指すでしょうか。
それだけが気がかりです。
ですが、渡辺名人や豊島九段に、より頑張ってもらうしかありません。渡辺名人は、かつての羽生九段の全盛時代に羽生九段との激戦を繰り広げた棋士であり、藤井聡太が現れる前までは現在の棋界の最高の棋士でした。今回はストレート負けになりましたが、次の番勝負ではより拮抗した戦い方を望みます。
ある意味、渡辺名人と藤井聡太竜王の棋戦は、「ほかの棋士には理解できないほどの名局」を生み出します。ほかの多くのプロ棋士にも期待します。なんとか、藤井聡太五冠に追いつけ追い越せで頑張ってほしいと思います。
2022.02.12
上記に書いたように、藤井聡太にはライバルが居ないということが大きく僕の心残りでしたが、若手の中に有望株が居ることを知りました。
それは伊藤匠四段です。
伊藤四段は、藤井五冠と同じ19歳で、対戦相手のレベルこそ違うものの、藤井五冠と勝率一位の座を争っている将棋の若手プロ棋士です。
という、無味乾燥な文章はともかくとして、以下の文春オンラインの記事をお読みください。
この、中学校でクラスメイトとなじめず、学校に行かなくなり、将棋だけが楽しく、高校には進学したが1か月で行かなくなってプロ棋士になる道を選んだというところが、まるで15歳の頃に周りと打ち解けずに不登校になってインターネットとLinuxに没頭していた自分と重なり、この記事が自分にはとても面白くて感動してしまいました。
プロ棋士の中で、この二人は同学年の19歳です。片方の藤井聡太が次々と最年少記録を打ち立てて史上四人目の五冠になる中で、もうひとりの19歳はなかなかプロになれずライバル心をむき出しにしていたのです。それも、子供の頃は藤井聡太に勝つこともあったというのに、「どこで差がついたのだろう」という根暗っぷり。その伊藤匠が勝率で(対戦相手のレベルは天と地ほど違うとはいえ)藤井聡太と同じぐらいの8割程度の成績を残しているのです。
こうでなければ、物語は面白くないではありませんか。
伊藤四段こそ、将棋漫画ならば、主人公に相応しい存在でしょう。渡辺名人や豊島九段は二人よりも全然年上です。藤井五冠と同じ19歳に、これほど自分(僕のこと)と同じような、そしていずれライバルになったとしてもおかしくないような存在が居たということに、将棋の神に感謝する次第です。
ですが、伊藤四段を手放しで喜ぶわけにもいかないでしょう。奨励会から棋士になってまだ昇段もしていない四段と、竜王含むタイトル七期の成績を残す五冠を比べるには、あまりにも力が離れすぎています。
ですが、まだまだこれからです。自分も10代の天才棋士であることを忘れないようにしてください。10代にとってもっとも正しいアドバイスは「まだまだこれから」だと思います。僕のように33歳になってしまうと、もはや新しいことを始めることすらなかなかできません。大人はそのような、少年にはないハードルを背負っています。あなたがたには、それがないのです。最初から自由な空を飛ぶことを諦める鳥はつまらないでしょう。
後日注記:今記事をもう一度見ると、「どこで差がついたのだろう」と言っているのは伊藤匠さんではなく、文春オンラインの記者が推測して書いたものです。また、それに対して「根暗っぷり」と言う自分は完全にお門違いです。申し訳ございません。
後日注記:藤井聡太が20歳になったことで、残る10代のプロ棋士は伊藤匠さんだけになりました。
僕は、藤井聡太のファンであり、藤井聡太さんが好きです。ですが、好きだからこそ、藤井聡太のことを心配してしまいます。
先日、棋聖戦の第二局が行われ、藤井棋聖が永瀬王座に勝利し、スコアを1勝1敗にしました。
特に、この棋聖戦第二局は、藤井聡太が持ち時間残り2分の中で、ただ捨ての飛車を毒饅頭にし、退路を封鎖する衝撃の一手「9七銀」を放ち、一撃必殺で勝利するなど、見ごたえのある素敵な将棋でした。
ですが、勝っているのに不調と言われるのはおかしいと言われるかもしれませんが、最近の藤井聡太は、前回の棋聖戦第一局で二度の千日手で三局指して永瀬王座に敗北するなど、少し不調のような気がします。
いつもの本調子の藤井聡太にはなかったような、「劣勢にされる将棋」が続いています。
確かに、ひとり五冠を守る多忙な毎日の中で、全員から研究される、ということはあると思います。早く五冠を手にしてしまった関係から、全員から研究され、本人は多忙なため研究のための時間を取ることができません。永瀬王座という「藤井聡太を誰よりも知りつくした共同研究の仲間」であればなおさらであり、永瀬王座は万全の研究のもとに将棋を指しています。結果、研究をつくした相手のペースに持っていかれて、早くから劣勢になることが多いように見受けられます。
ですが、僕が心配しているのは、藤井聡太のモチベーションの問題です。すなわち、「五冠ぐらいで十分だ」と藤井聡太が考えていないかどうかが心配なのです。
普通、将棋のタイトルというのは、ひとつ取るだけでも大変なことであり、「現役で最強クラスの棋士」であることを証明するとても名誉なことです。それを藤井聡太は既に5つも持っています。「羽生さんを超える八冠独占を」と簡単に言えるのは外野のファンだけであり、本人は五冠ぐらいで十分頑張ったと思っていないかどうかが心配なのです。
また、永瀬王座という相手が悪かったというのは言えると思います。一日に何局も指し直しを行う千日手を得意とし、体力補給のためにバナナを注文し、着るのは和服ではなくトイレで用を足しやすいスーツ、まるで「知力ではなく体力で勝負する」というタイプの棋士です。また研究仲間でありよく知った仲であるため、どんなことを藤井聡太が苦手とするか、どのようにすれば勝てるのかという「藤井聡太に的を絞った研究」がとても万全です。このような相手に、得意の体力勝負である千日手を二度もさせられ、第一局では負けてしまいました。
僕が思うに、藤井聡太はここが正念場です。ここでへこたれてしまうのか、それともへこたれず、倒れたとしても再度立ち上がる底力を見せられるかが、藤井聡太の将来の棋士人生を左右するように思います。盤上に宿っているのは、駒でも対戦相手でもなく、未来の自分です。また、藤井聡太の最終的な目標はもっと遠くにあるはずです。天才が努力すれば、最初に予想していたよりも100倍賢い結果を生み出すことができます。藤井聡太には絶対に負けてほしくありません。藤井聡太さん、頑張ってください。
2022.06.16
藤井五冠と豊島九段による王位戦が始まり、第一局一日目の封じ手までが行われました。
この対局は、藤井王位によって無冠にさせられた豊島九段による、いわば「雪辱を果たすための戦い」です。
序盤から、激しい戦いになりました。豊島九段は藤井研究の成果を出すためのハイスピードで駒損をいとわない攻めの姿勢で、序盤には「こんな攻めは見たことがない」といったような豊島九段による攻めの盤面が続き、ひとつしか正解のない一本道へと藤井王位を誘導、つまり「最初から全部分かっている通り指す」という絶対に勝つ姿勢で望み、対する藤井王位は持ち時間を大きく使いながら受けにまわり、間違えることなく最善手を指し続けることで、今のところ形勢はAIによれば互角ですが、藤井王位が大きく持ち時間を消費しています。
ですが、豊島九段、あっぱれです。本当にこの将棋に自分のすべてを懸けて挑んできた姿勢が素晴らしいです。
僕はもちろん藤井ファンなので、藤井聡太に勝ってほしいですが、ここで藤井聡太が勝つことよりも、未来において藤井聡太のモチベーションが発揮され、よい対戦相手に恵まれるために、豊島九段にもぜひとも頑張ってほしいです。
この一局に研究のすべてを懸けて挑むということは、逆に言えばこの一局で勝てなければ大きな精神的ダメージになります。特に駒損をいとわない攻めの展開は得るものに対して失うものも大きいです。豊島九段のすべてを、ここで出し切ってもらいたいと思います。
藤井ファンとして言っておくことは、これからの戦いは王者として、挑戦者を迎える形での戦いになります。
今までの戦いは、渡辺名人・豊島九段などのタイトルを複数冠持っていた「既にいる王者」に対する、何もないところから挑戦者としてタイトルを勝ち取るための戦いでした。
これからは、逆に既に自分がタイトルを持っている「王者」として、今度は自分のほうが挑戦される戦いになります。
そのため、このような「相手にたくさんの研究を事前にさせられて、自分はその研究に対してその場その場で対処する」という盤面が多く生まれるようになります。今までとは違う、より厳しい戦いになるでしょう。
ですが、藤井聡太なら、八冠独占やその後の栄光を見せてくれるのではないかと思います。本人にその自覚があるのかは分かりませんが、藤井ファンはみんな、藤井聡太に何かの素晴らしい世界を見せてくれるような、未知の世界を明らかにしてくれるような期待を抱いているのです。藤井聡太は、きっとその期待に応えてくれるでしょう。
藤井ファンとして言えるのは、藤井聡太がもう少し弱ければ、このような形で藤井聡太が永瀬王座や豊島九段による研究の矢面に立たされるのは、ある意味で「藤井いじめ」であると感じられたかもしれません。
ですが、藤井聡太ほどに強い棋士であれば、むしろ「これくらい研究をされて、それでようやく互角」であるように感じられてしまいます。
以前の、挑戦者で何も持っていないところからタイトルを奪還するような藤井聡太は、あまりに強すぎました。強すぎて、向かうところ敵なし、まったく藤井聡太に比するような相手がひとりも居なかったです。
ですが、藤井に対して研究を仕掛ける永瀬王座や豊島九段の本気度は半端ないと言えます。本当に、現役最強クラスの棋士たちを絶対に負けられないような本気レベルにさせています。藤井聡太、危うしですが、こうでなければ、面白い将棋はやはり見られないのでしょう。
後日注記:二日目に突入しても、豊島九段優勢の展開が進んでいます。ただし、豊島九段のやり方は「研究」とは言いますが、ネットでは「最初から分かっている通り覚えてそれを公式戦で指すのは暗記ゲームのよう」という否定的な感想も出ていたりします。
後日注記:王位戦第一局で、豊島九段が藤井王位に勝利しました。結果を見ると藤井王位の完敗で、なすすべがまったくなく負けてしまいました。
僕が思うに、やはりプロ棋士の中でもトップクラスの棋士が、「研究」するということは、相手の性格ややり方に対処するなどのそんなに生易しいものではなく、最初から最後まで豊島九段のペースのまま、すべてを豊島九段が分かっている形のままで、一方的に何一つできない主導権を握られて、ほとんど何もできないまま、最後まで研究の範囲内でそこから脱することができなかったように思います。
また、僕が思うに、今まで藤井聡太は、持ち前の「自分の持っている力」だけで勝ってきました。余計なことは考えず、ただただ自分が強いから当然のごとく勝ってきたのだと思います。ですが、このままのペースで多くの棋士から研究されてしまうと、今までのように「自分が強いから当たり前のように(悪く言えば何も考えなくても)正しい手順を指していればそれで勝てる」という時代は終わりだと思います。
藤井聡太は、ここから先は自分の力で「考えて勝つ」必要があります。自分が強いというだけで何も考えずに勝つのは終わりです。今一度、新しい方策や勝利の仕方を考えなければなりません。決して、ここで棋聖も王位も失冠して終わってはいけません。藤井聡太、はじめての「逆境」ではないでしょうか。この逆境を乗り越えられたなら、藤井聡太は大きく育っていくでしょう。
後日注記:ネットを見ていると、渡辺名人が「これくらいは普通」と言っているように、完全に豊島九段の(渡辺名人によれば普通の)研究による「最強の強さ」を見せつけられた、豊島九段の完璧な圧勝の戦いでした。無冠になってから、多くの修練を積み重ねられてきたようで、新しい気持ちで望まれているようです(揮毫には「新」の字)。ネットでも豊島九段を称賛する声が多くあり、藤井聡太だけの一強ではつまらないだけではなく、「竜王名人だった豊島九段はやっぱり強い」ということを再認識されている方が多いです。面白いシリーズになることを期待しています。
後日注記:もしかしたら、今の現時点で、将棋界で一番強いのは豊島九段かもしれません。なぜなら、藤井聡太を完全に攻略した可能性があるからです。これ以降、研究を重ねることで、豊島九段が藤井聡太に圧勝を続けることもあり得るかもしれません。ですが、藤井聡太、諦めるのはまだ早計です。永瀬王座や豊島九段のやっていることは、自らの研究の範囲内で主導権を握ることで、「本来の藤井聡太の指し回しができないようにさせる」ということだからです。藤井聡太が、本来の自分の指し回しをすれば、藤井聡太ならば絶対に勝てます。相手の策にはまることなく、自らの将棋を指せるかどうかということが、今からの藤井聡太の課題になっていくと思います。
2022.06.28-30
棋聖戦の第三局が今、行われています。
今回の一局では、対局前に藤井棋聖が「準備してきました」と言っていたことから、「何を準備してきたのか」と藤井ファンは期待していました。
そして、ニュース記事を読んでいると、序盤で主導権を握ろうとしている永瀬王座に対して、攻撃的な受けで「序盤は好きにさせない」という姿勢を見せています。
そう、藤井聡太の答え、それは「序盤を好きにさせないこと」です。
序盤を好きにさせてしまうと、永瀬王座や豊島九段の「研究」によって、何をされるか分かりません。
ですが、序盤を相手の好きにさせず、相手の好きな局面に持ち込むことができないようにすることで、藤井聡太はこれらトップ棋士の研究にも勝てると考えたのではないでしょうか。
まさに「準備してきました」と言っているぐらい、藤井聡太はまともで頭がよいのです。このまま、相手の「序盤の研究封じ」によって、永瀬王座の戦略に乗らないように展開が進むことを期待しています。
後日注記:藤井聡太、勝ちました。みんなから「不調・スランプだから出直してこい」と言われ続けながら、とても大切な一勝をもぎ取りました。
結果、ふたを開けてみれば、永瀬王座に負けたのは最初の一回だけで、きちんと調整した結果藤井聡太が勝ちました。いつもの藤井聡太の力を出した快勝でした。
藤井ファンにとって朗報なのは、これで棋聖戦はほぼ勝ったも同然です。次負けたとしても、連敗はしないでしょう。
そう、藤井聡太、ここからは豊島九段だけに的を絞って考え、研究することができます。
もしここで、永瀬王座に負けていたとしたら、永瀬と豊島の二人の「猛攻」を受けなければなりませんでした。
もしそうなれば、相手は藤井聡太ひとりに研究対象を絞ることができ、藤井聡太はそれに応じて二人同時に立ち向かわなければなりません。
ですが、永瀬王座を、ここで相手の研究を炸裂させることなく、藤井聡太がしっかりと調整したことで、逆に藤井聡太が永瀬王座の研究を「攻略」したかのような形になりました。
このままいけば、棋聖戦は藤井聡太の防衛の可能性がグンと高くなりました。
ここでへこたれるのでも潰されるのでもなく、きちんと調整していつもの快勝ができた藤井聡太にあっぱれです。
ここから、藤井聡太は、豊島九段にターゲットを絞ることができるでしょう。豊島九段の猛烈な研究に対して、藤井聡太が果たしてどのようにして防衛を行うのか、とても面白いタイトル戦になってきたと思います。
後日注記:今回の藤井将棋は、序盤に時間を使いすぎてしまう従来のタイムマネジメント問題を改め、ハイスピードで指してくる永瀬王座の差し回しに対して、同様にハイスピードで指す、「早指し」に近いものとなり、自分だけが時間を消耗しすぎてしまう癖を改めました。
また、途中前例のない新手を打つことで、事前に研究できない前例のない曲面を作り出し、研究を封じました。
その後、永瀬王座は長考の末に攻めるべきところを受けにまわってしまい、敗着となりました。
最後の詰めは、ほかに安全な勝ち手順があるにもかかわらず、ひとつ手順を間違えれば終わりであるかのような最短での美しい詰めを見事に間違えずに指し、まさに「詰将棋の達人」であることを再び将棋界に明らかにさせました。
このように、藤井聡太は、欠点や問題点があればそれを次の対局までに修正してきます。また、詰みの読みの速さと正確さには美しさと華があります。将棋はその対局で勝てればそれでよく見えますが、実際は自分の指した将棋はあとあと棋譜が残ります。美しい将棋を指せば、それは棋譜となって永久に残ります。まさに藤井聡太は将棋界の歴史に残る天才だと言えるでしょう。
2022.07.04-05
藤井聡太王位が、王位戦第二局で、豊島九段に勝利しました。
今回は、藤井聡太による研究勝ちでした。まるで「前回研究された借りを返す」という、「研究には研究で返す」というような、ある意味「僕だって研究できますよ」という感じの勝利でした。
今回の勝利は、僕は完全に信じていました。第一日が始まった昨日の途中の時点で、「今回は藤井聡太が勝つな」と分かっていました。
それもそのはず、永瀬王座との先の一局と同じように、タイムマネジメントが大いに改善されていましたし、「生きた心地がしない」と阿部光瑠七段が言うように、とてつもない攻めの攻勢が最初から見られました。
つまり、「やられた分だけやり返す」といった感じだったのではないかと思います。
将棋とは関係ありませんが、野球の大谷翔平がまたやってくれています。19本塁打を打ちながら9勝をあげました。メジャーリーグの前半戦(オールスター以前)だけで、去年の自分の9勝と同じだけ勝利し、去年達成できなかったベーブ・ルースの二桁勝利二桁本塁打に早くも王手をかけました。去年はホームラン王(には届かず)にからむ打撃を見せてくれましたが、今年は投手として張り切っています。
僕は今日はこの野球のニュースに持ち切りだったので、藤井聡太のほうのニュース記事はあまり見れていません。ですが、この二人の子供はやってくれています。とても素晴らしいと思います。
2022.07.14-15
藤井棋聖が棋聖戦第四局で永瀬王座に勝利し、棋聖戦の防衛を果たしました。
終わってみれば、藤井棋聖の負けは最初の一回だけで、自分の書いたような「逆境」はむしろありませんでした。まったく、藤井聡太の逆境というものは幻にすぎませんでした。
ここで負けてへこたれることなく、きちんと後手番でも勝つことができて(将棋は先手番が有利であるとされている)、とても良かったと思います。
藤井聡太において10代の最後の対局でした。藤井聡太が20歳になってからも、これからも藤井聡太を応援し続けます。頑張ってください。
2022.07.17
どうやら、藤井聡太は20歳になったようです。
そして、王位戦の第三局が始まり、一日目の封じ手までが行われました。
前回、「やられたのとまったく同じようにやり返した」という感じでしたが、今回は僕ははっきり言って良く分かりません。
どうやら昭和のクラシカルな戦型の角換わりになったようで、中盤戦の激しい局面で封じ手が行われ、まだあまりどちらが勝つかは分からないようです。
ですが、藤井聡太さん、20歳の誕生日、おめでとうございます。
20歳というと、僕はなぜか20代に何をやっていたかの記憶があまりないので、あまり何も言えません。
なんというか、何も言葉が出てきません。ですが、20歳以後の素晴らしい人生を楽しんでください。
あとは、スケジュール日程が過酷だと思います。正直、こんなに大切なタイトル戦をこれだけの過密日程でやらなければならないのは、疲れるのではないでしょうか。
そんなこんなで、僕は言うことは何もありません。藤井聡太さんがここで勝ってほしいだけです。
本当のことを言うと、僕はそろそろもう書くことは何もありません。将棋のニュース記事もまったく頭に入ってきません。もう、何も感じたくありません。もう疲れてしまいました。
後日注記:王位戦の第三局で、藤井王位が豊島九段に勝利し、スコアを2勝1敗としました。後手番の勝利であり、藤井聡太にとってはとても大きな勝利です。逆に、豊島九段にとっては、研究に完全にはまって勝てたのは第一局だけであり、「どこでまずくなったのか分かりません」と本人が言うように、厳しい状況になったと言えます。藤井聡太、不調と言われていましたが、これで、不調から脱したと言えるのではないでしょうか。豊島九段も分からない「どこでまずくなったのか」を、藤井聡太だけが知っているように思います。
2022.07.20-22
藤井王位が王位戦防衛を果たしました。
もはや、藤井聡太は完全に「最強」と言っていいでしょう。「絶対王者」の風格すら漂っています。
これ以降、藤井聡太にタイトル戦で勝つ人間は、10年以上現れないのではないかと思うぐらい、藤井聡太は強いです。
藤井聡太もトーナメント戦などでは負けることはあるかもしれませんが、今の将棋界を見ていて、藤井聡太に番勝負で勝てる棋士が現れるような想像は難しいです。
将棋界は、向こう15年、藤井聡太以外誰もタイトルを取ることができない時代がやってくるのではないかと思います。
2022.09.07
藤井王将と羽生九段による王将戦が始まりました。
このタイトル戦で、羽生九段は前人未到のタイトル100期到達がかかっています。
ですが、僕が思うに、タイトル100期の実現も重要ですが、何よりも、羽生九段にかつてのような絶対的なポジションに復活してほしいと思います。
今、藤井五冠は最強の地位を確立しつつありますが、ライバルがいません。藤井五冠に比類するライバルがいないのです。
ここで、羽生九段がかつての最強棋士として復活し、藤井五冠といい勝負をするようになれば、将棋界全体が盛り上がります。
何よりも、将棋界を30年に渡って盛り上げてきたのはほかでもない羽生九段です。羽生九段の全面復活、それだけを望みます。
本当のことを言えば、僕は最近将棋ファンになった人間なので、全盛期の羽生九段のことを全然知りません。
ですが、以下のようなニュース記事を読んで、思うところがありました。
それは、「知能の限界」という話です。
人間にとって、人間の知能がこれよりも限界を超えられないとするような、「知能の限界」はまだ見えていない、という話です。
この話を聞いて、僕が思ったのは、「僕自身が到達する頭脳の限界はどこまでいくのだろう」ということです。
羽生九段にも、将棋にも関係のない話で恐縮ですが、僕という人間が、どこまで行けば知能の限界が見えるのか、本当にその限界は超えられなくなってしまうのか、ということが僕にとって新鮮な考え方だったのです。
なので、羽生九段も、また、それと同じように、どこまで行けば限界が見えるのか、ということを考えていらっしゃるのかもしれません。
藤井五冠や羽生九段といった、将棋界の天才たちと、単純に僕の知能は比較できません。僕自身、そんなに大した人間ではないでしょう。ですが、傲慢な考え方かもしれませんが、両先生とともに、僕もまた、知能の限界に挑戦し、その限界を超えられないその地点にまで到達したいと、そう思った次第です。
羽生九段の大復活、そしてタイトル100期の大台を、一将棋ファンとして、知能の限界に挑戦するひとりとして、心から応援しています。
2023.01.08
しばらく将棋のニュースを見ていなかったため、大注目の王将戦の第2局と第3局を見逃してしまった。
驚くべきことに、第2局は羽生九段が勝利したとのこと。
このことを知って、僕は非常に喜び、興奮してしまった。羽生九段には、まだ藤井聡太に勝利できるだけの力がある。本当にタイトル100期のために頑張ってほしい。
また、第3局で先手番の藤井聡太が勝った。これは、同じ相手に連敗をしない、先手番で異常なほど強い藤井聡太に言わせれば、「順当」と言ったところか。
次局は羽生九段の先手番になるので、羽生九段には絶対に勝ってほしい。そして、「羽生九段はもう衰えた」と言うネットの藤井ファンを唖然と言わせてほしい。
僕は確かに藤井ファンではあるが、今回の王将戦だけは羽生九段を応援している。僕は将棋は素人並みに何も分からない。だが、今回のタイトル戦はとても面白くなってきた。今の将棋界は面白い。
2023.02.04
少し遅れて知ったニュースだが、王将戦第4局で羽生九段が勝ち、スコアを2勝2敗のタイに戻したということ。
なぜか、今回の王将戦は、藤井聡太がいつもよりも調子が悪い。
今回も、封じ手の一手を明確に「間違えた」などと言っている。
これは、もしかすると、羽生九段が勝ってしまうかもしれない。
そうすると、藤井聡太ファンでありながら、羽生九段のタイトル100期が見たい僕としては、複雑な心境ながら、むしろ羽生九段にも藤井聡太に対する「唯一の壁」になっていただきたい思いで、ここは羽生九段を応援したい。
ここで羽生九段が勝ってくれると、将棋界が面白くなる。タイトル戦で藤井聡太に勝てるのは、羽生九段しかいない。
2023.02.18
羽生九段を応援していた身としては残念なニュースですが、王将戦は藤井聡太が勝利したようです。
羽生九段のタイトル100期を見たかった人が僕以外にも多いとは思いますが、正直、現役最強棋士の藤井聡太に対して、羽生九段は非常に善戦したと思います。
これで、藤井聡太は五冠を維持出来ました。かつての羽生九段のように、全タイトルを独占するのはそんなに遠い未来ではないでしょう。
今後の藤井聡太に期待して、両対局者に「お疲れ様」と言いたいです。
2023.03.15
藤井聡太が、渡辺名人との棋王戦を制し、六冠を達成しました。
今までの歴史の中でも、かつて六冠を達成したのは、羽生九段だけで、藤井聡太は二人目の六冠達成者となりました。
本当に藤井聡太には隙がありません。必ず全冠達成を見せてくれるでしょう。
これからも藤井聡太を応援します。
2023.03.20
藤井聡太が、渡辺前名人との名人戦で勝利し、名人位を獲得、七冠を達成しました。
これで、藤井聡太は、最年少名人とともに七冠となり、平成時代に、羽生九段が達成したことと同じことを、令和時代に藤井聡太が達成しました。
名人というタイトルは、竜王とともに将棋界最高のタイトルであり、藤井聡太はこれで新しい「竜王名人」になったことになります。
残るタイトルは、永瀬王座の王座だけです。藤井聡太の今の力なら絶対に取れると思います。八冠達成のためには、王座獲得までの間にひとつも失冠しないことが条件ですが、藤井聡太ならば、王座獲得までだけでなく、八冠を達成してからも、長い間すべてのタイトルを防衛し、八冠独占を維持すると思います。
藤井聡太以外の将棋棋士を全員段位で呼ぶ時代が、すぐそこまで来ています。
2023.06.01
藤井聡太が佐々木大地七段に勝利し、王位戦四連覇、七冠を維持することに成功しました。
そして、31日には、いよいよ八冠制覇のための王座戦が永瀬拓矢王座との間で始まります。
藤井聡太ウォッチャーの僕としても、「いよいよか…」という気分です。
ですが、ここでタイトル戦負けなしの藤井聡太が負けるとは考えられません。99%藤井聡太が勝つと思います。
いよいよ、将棋界の新しい伝説が始まります。
2023.08.23
藤井聡太が、永瀬王座との王座戦で、初戦に敗北しました。
なんというか、僕はこのタイトル戦は負けるような気がします。
そもそも、七冠までは達成しており、これ以上タイトルの獲得が遅れても、最年少称号には問題がありません。
かつての羽生さんと同じように、ここで一度負けて、八冠独占は次回に持ち越すのではないかと思います。
とか言っていると、藤井聡太さんは連敗しない人なので、次からは三連勝しそうですが、「ここは負けても問題がない」と、藤井聡太さんはどこかで気付いているのではないでしょうか。
ここは負けていいシリーズです。次回までタイトル戦をすべて勝てば、もう一度チャンスが巡ってくることもあるでしょう。それがもっとも小さな可能性でも、藤井聡太なら引き当てると思います。
また、永瀬王座はここを勝つと永世称号である名誉王座が取れます。将棋の内容も、永瀬王座の卓越した受けによる勝利で、ネットでは「まさに永瀬の将棋」という人が多いです。実際に僕は将棋の盤面は分かりませんが、それでも素晴らしい名局だったようです。藤井聡太が敗れても、永瀬ファンにとっては素晴らしい将棋だったと思います。
永瀬王座のことを、もっと褒めてやってください。永瀬王座の表情を見ていると、まるで自分です。僕は昔から永瀬王座のような表情をしています。
2023.09.01
藤井聡太が、王座戦第二局で、永瀬王座に勝利しました。
これで、スコアは一勝一敗になりました。
ネットでは、終盤、藤井聡太の勝ちがほぼ揺らぎないものになっているのに、永瀬王座がなかなか投了せず、藤井聡太のポカを期待していつまでも指し続けたのを、「棋譜を汚す行為」と言って批判する人もいますが、仕方ないと思います。
まともに将棋をやって勝てる相手ではないため、どんなやり方であってもなりふり構わず、そのような戦い方をしなければ勝てる見込みはありません。
これで一勝一敗のタイに戻ったことは、藤井聡太にとっては大きいでしょう。逆に永瀬王座は、次を落とすと致命的に手痛い状況になりました。ですが、今回は第一局、第二局ともに不利とされる後手番が勝利しており、次は藤井聡太の先手番です。なので、永瀬王座は非常に厳しい局面に陥ったと言えるでしょう。
2023.09.14
藤井聡太が、王座戦第三局で、永瀬王座に勝利しました。
終盤までリードを守った永瀬王座でしたが、たったひとつの悪手があだとなって、藤井聡太に逆転勝ちを許しました。
これで、藤井聡太のスコアは二勝一敗、王座奪取と八冠独占に王手です。
もう、次の対局で勝利すれば、藤井聡太の八冠独占が見られるかもしれないので、今からワクワクしています。ですが、一方では、あまりに事が上手くいきすぎていることに対する不気味さも感じます。
次の対局は目が離せなくなりそうです。
2023.09.28
藤井聡太が、いよいよやってくれました。
王座戦第四局で、藤井聡太は永瀬王座に勝利し、王座のタイトルを奪取に成功、そしてついに八冠独占を達成しました。
今日の僕は、このニュースがいつ決まるのかでワクワクしながら、Yahoo!ニュースを何度も見ていました。
ようやくこの日がやってきたということで、とても感慨深い、というよりは、上手く事が進んでホッとしています。
一応、Yahoo!ニュースの記事を載せておきます(今までの藤井聡太のニュースを載せなかった理由は、たくさんの記事を読んでいたため、どの記事がそれであると言うことが難しかったからです)。
しかしながら、藤井聡太、これはやっちまったなあと思います。
ここまで、藤井聡太はタイトル戦で一度もタイトル奪取と防衛に失敗していません。すなわち、一度もタイトル戦という大舞台で負けていないのです。
なので、これからも簡単に負けるとは考えられません。
よって、もしかすると、これから先、藤井聡太以外のタイトルホルダーはひとりも現れないままの状況が続くことが考えられます。
そう、これでは、タイトルが8つある意味がありません。藤井聡太がすべてのタイトル保持者であり、あとのプロ棋士はすべて無冠のまま、といった状況が続くでしょう。
ですが、藤井聡太は強いです。勝率は約8割なので、トーナメントでは負ける可能性が2割程度ありますが、番勝負で藤井聡太に勝つのは至難の業であると言えるでしょう。
将棋の内容は僕は分かりませんが、ヤフコメなどを読んでいると、大激戦だった、そして最後に藤井聡太が大逆転をしたということで、とても見ごたえがある将棋だったようです。将棋が分かる人が羨ましいです。僕も将棋をやってみようかなという気にさせられます。
2023.10.11
ネットを見ていると、今回の王座戦の対局は、藤井聡太が八冠を独占したというよりも、終盤まで優勢だったにもかかわらず、悪手を指して大逆転を許してしまった永瀬王座への同情のコメントが多いです。AIで99%永瀬王座が優勢だったにもかかわらず、1分将棋の中で永瀬王座が悪手をひとつ指し、それだけで藤井聡太が逆転しました。永瀬王座の研究も粘りも、そこまでの優勢をすべて台無しにしてしまいました。悪手を指したことに気付いた永瀬王座は、髪をかきむしり、自らの額をゲンコツで殴るなどの、心を乱したふるまいをあらわにしました。僕は実際の対局風景を見ていませんが、それがまさに印象的だったようです。
今回の王座戦は、大きく言って永瀬王座が優勢であり、藤井聡太が負けていたとしてもおかしくないシリーズでした。ですが、ここで負けると八冠独占に再び挑戦することは困難を極めます。次に機会があるまで七冠をすべて防衛し、その上でまた八冠に挑むのは並大抵のことではありません。まさに「幸運だった」ということに尽きると思います。
永瀬王座、強かったです。ネットでは、「タイトル戦で藤井聡太に勝つとしたら永瀬王座が一番可能性がある」と言われています。藤井聡太の練習パートナーとして有名な永瀬王座ですが、今度こそ、藤井聡太に再び本気で挑戦してタイトル戦で勝利してほしいと思います。
2023.10.12
しばらく将棋のニュースを見ていなかったが、なんと藤井聡太八冠に伊藤匠七段が2連勝している。これで藤井聡太の1勝2敗。そしてカド番に追い込まれた!
スゴーイ。なんだか面白いことになっている。伊藤匠七段、頑張れ~。将棋界が面白くなってきた!
2024.05.02-03
いよいよ運命の日か。叡王戦の第4局が今日行われている。藤井聡太はカド番に追い込まれており、ここで負けたら伊藤匠七段にタイトルを奪われるかも!
対局は現在進行形で行われているが、僕は伊藤匠七段を応援している。
最近将棋のニュースを全然見ていなかったが、それは藤井聡太が八冠独占をしてしまって、言うならば目指すべき目標がなくなってしまい、見ている側もつまらなくなったからだ。
藤井聡太だけの最強の一強状態はつまらない。
21歳の同い年でもあり小学生時代からのライバルである若き挑戦者が現れて、ここでタイトルを奪取できたほうが、はるかに面白い。
藤井聡太にとっても、かつての羽生に対する森内のようなライバルは絶対に必要だと思う。
将棋はひとりだけで行うゲームじゃない。名局を生み出すためには力の拮抗した二人が必要。伊藤匠七段には頑張ってほしい。ここでもう一回勝つだけでいい。頑張れ、伊藤匠七段!
2024.05.31
伊藤匠七段を応援していた僕としては残念ながら、叡王戦第4局は藤井聡太が勝利しました。
しかしながら、まだ第5局があります。これで対戦スコアは2勝2敗のタイ。次こそは伊藤匠七段に勝ってほしいと思います。叡王戦第5局は6月20日になります。
僕個人の感想を言うと、ここで伊藤匠七段が勝って、単にタイトルをひとつ奪うだけで、その後に没落してしまうなら面白くない。そうではなく、きちんとライバル関係を築いて、羽生に対する森内のような圧倒的な存在になってほしい。今回の将棋は藤井聡太の完勝でしたが、それでも伊藤匠七段が何もできなかったのでなく、穴熊などの作戦を講じてきた。そのような挑戦的な気合いをもって、この一局で勝った負けただけではなく、今後も藤井聡太に挑戦し続けるような「好敵手」になってほしいと思います。
第5局でもし負けたとしても、伊藤匠七段は諦めるな。今回は既にいいところまで行った。今後も躍進を続け、いずれ藤井聡太の「同い年で最大のライバル」と言われるようになってほしいと思う。
2024.05.31
まさに運命の日。叡王戦の第5局が始まっています。
藤井聡太叡王の攻め、伊藤匠七段の受けの中、藤井聡太は銀をただ捨てする展開に。自信があるのでしょうか。僕はここで伊藤匠七段に勝ってもらいたい気持ちもありますが、藤井聡太八冠に堂々たる風格を見せてもらいたい気持ちもあります。
ここで伊藤匠七段が藤井聡太の「生涯のライバル」と言われる棋士になるのか、はたまた挑戦者のひとりだったこととして終わってしまうのか、とても気になります。
2024.06.20
なんと、嘘のようです。藤井聡太が負けました!
さっきまで、伊藤匠七段のことを知りたかったので、Yahoo!ニュースで以下のような記事を読んでいました。
それで、何の気なしにYahoo!ニュースのトップを見ると、トップニュースの一番上に「藤井聡太叡王敗れる」の文字。
伊藤匠七段を応援していた身としては、鳥肌が立つぐらいの衝撃でした。
この展開は面白いです。なぜなら、むしろ、八冠独占をいつまでも続けられると、将棋界が硬直してしまいます。ほかのプロ棋士にも「俺たちもいるんだぞ!」という気概を見せてほしいところ。そのような「藤井聡太一強」の今の将棋界を覆す存在として、ようやく伊藤匠新叡王が出てきました!
これから先、長きに渡って対戦する、同い年の二人方です。これからも末永く頑張ってください。もちろん、藤井聡太七冠のほうにも頑張ってもらわないといけません。めげずに頑張れ、藤井聡太七冠、そしておめでとう、伊藤匠新叡王!
また、以下の記事を読んでいると、伊藤匠さんとってもまともでいい人。自分のような社会不適合者の元ニートとはまったく違う。素晴らしい人格者だ。
伊藤匠さんのご両親、わが息子がタイトル取って嬉しいだろうな~。「あの最強の藤井聡太すら倒せた、これからは伊藤匠の時代!」と思ってそう。ただし、叡王は最近できた比較的優先度の低いタイトルなので(後日注記:後になって知ったことですが、実際は叡王は序列3位であり、決して低いタイトルではないそうです)、今度は竜王と名人を取れるように頑張ってほしい。藤井聡太と伊藤匠の間で竜王と名人を交互に取り合うような未来を今から待っています。
あと、以下の記事を見て、やっぱり藤井聡太はかっこいいなと。流石に八冠独占を実現できた人間であることが垣間見えるような、王者の風格のあるコメント。「(タイトル戦の敗北は)時間の問題だと思っていた」という本人の言葉がすべて。ですがこれは藤井八冠返り咲きもあるかもしれないですね。
後日注記:以下の記事に伊藤匠叡王の就位式があります。とても大人っぽい素晴らしい人だと思います。また、この記事のコメント欄によれば、叡王は序列3位だそうで、そんなに低いタイトルではないそうです。嘘を書いて申し訳ありません。
2024.06.20
2024.08.27編集
藤井聡太が王位戦で渡辺明九段と対局し、永世王位に挑戦している。現在のスコアは3勝1敗。
上の記事のコメントにもあるように、藤井聡太は既に永世棋聖を7月に獲得している。
この年齢で永世称号をたくさん得られるなんて、本当に凄いこと。本当によく頑張っている。尊敬せざるを得ない。
後日注記:結局、王位戦は藤井聡太が勝利しました。藤井聡太は強すぎる。でも、ほかのプロ棋士にも、もっと頑張ってほしい。
2024.08.27
2024.08.29編集
将棋中継をしているAbemaについてはAbemaを参照のこと。
2017-06-26、2017-06-27、2020-07-03、2020-07-04、2020-07-15、2020-07-16、2020-08-20、2020-08-20-3、2020-08-27、2021-08、2021-09、2021-11、2022-06-03、2022-07-14、2022-07-20、2022-10-30などに関連する内容があります。