核エネルギーの世界観です。一部父親の話を参考にしています。エネルギーの世界観も参照のこと。
石炭と石油以外のエネルギーについて、原子力が挙げられる。特に、核分裂をする原子爆弾や、核融合をする水素爆弾が挙げられる。水素爆弾では、原爆と水爆の2つをセットにした爆弾を作り、まず原爆が核分裂し、その核爆発のエネルギーによって水素爆弾が核融合して巨大なエネルギーを発生させる。
原子力発電は平和的な原子力の利用であると謳っていたが、福島原発事故を受けて「放射能のゴミをどのように廃棄するか」などが懸念される事態となっている。
原子爆弾の広島と長崎への投下以降、アメリカはたくさんの核実験を行い、核開発を進めてきた。それに対抗する形で、時に技術を盗みながらソ連(ロシア)が核開発を進めてきた。今では何千発という核兵器数があり、これを米ソは「抑止力」と言い続けてきた。最近では米ロは核ミサイルを実際に使うための小型核ミサイルを開発実験している。キューバ危機のような事態になっても、なんとか人類は存続してきたが、今は北朝鮮の核保有問題がある一方で、核兵器禁止条約がノーベル賞を取ったりもしている。僕としては、核兵器に無くなってほしい、その技術すら完全に消してほしいと思っている。
アインシュタインは、核エネルギーの定理である、E=mc2を発見した。
これは、「エネルギーは質量×光の速度の二乗になる」という、とてつもない高エネルギーを原子がもっている、ということの発見であり、このエネルギーは原子力技術によって発明され、人類はものすごく巨大なエネルギーを簡単に作ることができるようになった。
原子力は、石油や化学エネルギーと比べて、比較にならないほど巨大なエネルギーを起こさせることができる。物凄い大発見だが、同時に、世界全体を滅ぼす発見である。
アメリカは日本に原爆を落とし、米ソは軍拡競争で何千発の核兵器を作り、水爆実験を繰り返した。
後日注記:アインシュタインの発見したE=mc2は、「物質そのものにエネルギーがある」という発見であり、それは光の速度の二乗に比例するという、とてつもない莫大なエネルギーだった。人間にとっては大発見だったが、残念ながら兵器に利用され、そして平和利用であるはずの原子力発電所も、核のゴミやデブリという大きな問題を残した。
2024.09.29編集
核エネルギーが発見されて最初に作られたのは原爆(原子爆弾)である。これは、「核分裂」と呼ばれる仕組みによって、巨大な大量破壊・殺傷能力を有する。
核分裂の仕組みは、まず、燃料としてウランやプルトニウムを用意する。ウランの核に中性子をぶつけると、ウランの核は分裂し、違う物質になる(核によって分子の種類が決まるため、分裂すると違う分子になって違う物質になる)。この時、質量が少し小さくなる。この少なくなった質量の分だけ、エネルギーが発生する。また、ある程度以上のウランがあると、分裂させた時に中性子が発生し、この中性子によってさらに核分裂の「連鎖反応」が起きる。
ウランは、こうした核分裂の連鎖反応が起きやすい物質で、ある程度以上のウランがあると連鎖反応が起きる。少ないウランでは起きない。
原爆を作るためには、鉄の球の中にある程度小さいウランを2つほど入れておく。これを普通の爆弾などで爆破すると、ウランがある程度以上の大きさになり、核分裂が起きる。
ウランは、小さい量でも常に少しだけ核分裂をしている。よって、ウランからは常に放射能が出ている。だが、このウランをたくさん集めると、核分裂の連鎖反応を起こして、爆発する。この量を「ウランの臨界量」と呼ぶ。このため、たくさんのウランを1つに集めるのはとても危険である。
後日注記:実際には、原子力発電などでウランを使う場合、ウランをより臨界させやすいように、濃度を高めるためにウラン濃縮と呼ばれる技術を用いる。天然のウランには、燃料にできるような「ウラン235」が約0.7%ぐらいしか含まれていないが、これを濃縮して3~5%ぐらいにまで高める。
後日注記:ウランやプルトニウムの原子核に中性子をぶつけると、原子核が分裂して別の物質になる。この時、質量が少し小さくなり、それがエネルギーを発生させる。そして、原子核が分裂した時にさらに中性子が出るため、その中性子からさらに原子核が分裂するという「連鎖反応」を生み出す。そのため、巨大なエネルギーを発生させることができる。
2024.09.29編集
原爆の次に作られたのは水爆(水素爆弾)である。これは、核分裂ではなく「核融合」を行うことで、さらに莫大な破壊能力を有する。
水素爆弾では、原爆と水爆の2つをセットにした爆弾を作り、まず原爆が核分裂し、次にその原爆のエネルギーによって水素爆弾が核融合して、巨大なエネルギーを発生させる。
水素爆弾の燃料は水素。水素は最も小さな核を持つ物質である。水素と水素の核が融合すると、ヘリウムになる。この時、質量が少し減って、巨大なエネルギーが発生する。この時の質量の減り方がウランやプルトニウムよりも大きいため、原爆とは比べ物にならないくらいの巨大なエネルギーが発生する。
原子爆弾は原子核を分裂させることで巨大なエネルギーを発生させるが、水素爆弾は原子核を融合して別の原子にすることで莫大なエネルギーを発生させる。これは太陽の巨大なエネルギーの発生と同じである。原子核融合には巨大な一億度を超える熱が必要であるため、人類が実現することは難しいとされていたが、水素爆弾は原子爆弾をまず爆発させてこの高熱度を実現し、これによって水素爆弾のエネルギーを発生させる。水素爆弾の破壊力は、理論上「無限」である。
原子爆弾の父はオッペンハイマーであり、水素爆弾の父はテラーである。テラーはとても神経質でおかしな人物であり、無限のエネルギーに魅せられた可哀想な科学者として有名である。
原子力発電は原子力エネルギーの平和利用である。火力発電や水力発電と比べ、とても巨大なエネルギーを発生させることができるが、その代り、放射能のゴミ(核のゴミ)をどのように処理するか、きちんとできていない。
東日本大震災と福島原子力発電所事故の経験から、原子力エネルギーは津波などの自然災害に対してとても弱く危険であることが示された。
だが、それでも国や経済界は原子力発電をやめようとしない。それは、とても巨大なエネルギーを発生させる「大きな力」があるだけではなく、核兵器をいつでも持てるような「用意」を持っておきたいからである。
発電所も参照のこと。
ただし、原爆や水爆の問題は、巨大なエネルギーだけではない。その一帯が、放射能汚染地域になる。特に、アメリカやフランスなどの各実験によって、太平洋の小さな島のような場所が放射能汚染で苦しんでいる。原子力は放射能汚染に直結するのである。
放射能汚染は、癌や白血病の原因となる。また、遺伝によって未来の世代にも禍根を残す。いくら凍土壁や除染で頑張っても限界がある。原子力による放射能汚染だけは、やってはならない人類のタブーである。
原子力発電施設では、核エネルギーを発生させた後の核物質を再処理工場で再利用するが、この時にどうしても再利用できなかったものを「核のごみ」と言う。核のごみは、今のところどうやって処理するか決められておらず、現状では300メートルを超える地下に何重にもくるめられた状態で埋められている。これは人間が近くに居るだけですぐに死んでしまうほど危険な物質だからである。宇宙に放出するなどの提案がなされているが、まさに原子力エネルギーは「ばかげている」と言える。
だが、それでも原子力エネルギーを使いたいのは、テラーと同じく、原子力はとても魅力的だからでもある。E=mc2ほどの巨大なエネルギーが利用でき、戦争にそれだけで勝つことすらできる原子力は、日本だけではなくどこの国でも魅力的である。北朝鮮が核ミサイルの開発をしたのは、「作れるということが分かりたかった」からである。もう、作れるのが分かったから必要ない。だから、交渉のカードに使おうとしているのである。
後日注記:そもそも、そんなにも巨大な殺傷能力のあるエネルギーが使える、ということがまさに犯罪的なのである。核兵器の保持は犯罪である。アインシュタインが悪いわけではないが、地球の生物たちにとって核エネルギーを人類が発見した、ということそれそのものが、「人類が滅亡すべき理由」である。核エネルギーを持った生物など、地球には必要ない。
今から数十年ぐらい前の時代、世界では核兵器保有国がいつも核実験(水爆実験)を行っていました。
広島・長崎に落ちた原爆は15キロトン(広島)や21キロトン(長崎)程度の威力でしたが、現代的な水爆は何メガトン以上であり、はるかに威力は高いです。そのような水爆を、いつもどこかで勝手にピカドンと爆発させる実験をして、自らの核兵器の安全性と効果を確認し、ほかの国よりも優位に立とうとしていました。
アメリカやイギリス、フランスなどは、太平洋のようなほかとは離れた植民地の島国で、核実験を行いました。それに対して、ソ連などは内陸部で、誰も住んでいない僻地で核実験を行いました。ほかにも、はるか上空の大気圏で行ったり、地中深くを掘って地下で行ったりしていました。
今でこそ、核実験をする際には事前に通告をしなければなりませんが、昔はそれもありませんでした。それぞれの核保有国が、「わたしたちの国が核実験をするのは自由だ」とか、「誰もいない場所でやっているから安全だ」といった、エゴを全面的に主張して、核実験は何度も繰り返されました。
事前に通告がされなかったため、核実験による揺れを地震計が地震として観測することも多く、後になってから地震ではなく核実験だと分かるようなケースもありました。
最近では、核実験は「臨界前核実験」といって、最終的な爆発に至る状態の前(臨界前)までの核実験をするようになりました。最終的な爆発に至らなくても、臨界前までのプロセスを確認することで、核兵器の有効性を確かめる核実験です。
後日注記:核実験を行っているのは、アメリカやロシア(旧ソ連)だけではありません。イギリスやフランスも、イギリス領やフランス領の太平洋の美しい島国などで、住んでいる島民を無視して、メガトン級の水爆実験をたくさん行っています。これに対してドイツや日本は第二次世界大戦で負けたため、核兵器を持たないだけではなく、国連の常任理事国からも排除されています(イギリスやフランスは常任理事国に含まれている)。
2024.07.14
2024.12.08編集
非核三原則は、「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」という日本の非核化における三原則。だが、これは日本国内だけの話であり、アメリカの「核の傘」に頼って守られているという「アメリカとの同盟関係」には変わりがない。
後日注記:アメリカはおかしな国で、日米地位協定によって米軍の起こした事故の調査もできない。日本はアメリカの実質的な植民地であり、日本が「軍隊や核兵器を持っていなくて平和かつ善良」であるなど何の意味も無いことを言っている。
核兵器禁止条約は、核を持たない国の連合による、核兵器を無くすための国際条約。ICANなどが中心になって定められた。
だが、この条約には核保有国の同意は無く、日本は「核保有国とのバランスを取る」などとしてこの条約には参加しなかった。
後日注記:日本が核兵器禁止条約に参加しないのは、世界的な潮流を見ていない。日本は世界から取り残され、温暖化対策会議のCOP25で「化石賞」を取ったのと同じように、核兵器禁止条約でも、核兵器削減の機運に完全に取り残されている。唯一の被爆国として、これはとても残念である。
広島は、原爆を落とされた地域であるため、核兵器の保持には懐疑的である。だが、日本全体を見ていると、そうでもないことに気付かされる。特に、日本の右翼政治家には、核兵器を持ちたい政治家が多い。
だがしかし、日本は唯一の被爆国である。日本が被爆国であることによるリーダーシップを持って、何千発も核兵器を持っているアメリカとロシア(もともとはソ連)の核ミサイルを少なくしていかなければならない。
オバマは黒人初のアメリカの大統領だが、核兵器を無くそうと頑張っていた。
だが、オバマには核兵器を無くすことはできなかった。到底不可能だった。
それは、やはり、アメリカの大統領であるため、アメリカの国民や政治家の意見に反することができない、ということが言える。いくらオバマが良い人間でも、アメリカを独裁者の国にすることはできない。
よって、オバマには核兵器を無くすことは出来なかった。だから、アメリカではなく、日本がリーダーシップを持って、世界から核兵器を無くさなければならない。
後日注記:今のアメリカには核兵器を無くすことはできない。ロシアや中国にもできないなら、日本がやるしかない。アメリカの犬であることは、絶好の被爆国の立場を利用できる日本にとって、とてももったいない。核兵器禁止条約を定めようとする人々を日本はリーダーとなって牽引しなければならない。核兵器禁止のシンボルとして一番ふさわしいのは被爆国日本である。そうしたプレイヤーも広島や長崎に大勢いる、ということが今の自民党政権には分かっていないのである。
残念ながら、核兵器についての国際的な決まりや枠組みは極めて不平等である。
簡単に言えば、「既に持っている国は持ったままでいいのに、まだ持っていない国は持ってはいけない」ということ。
アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国といった、先の戦争での戦勝国は核兵器を既に持っていて、引き続き持っていて構わない。
にもかかわらず、日本やドイツなど大多数の国はまだ持っておらず、新しく持つこともできない。
だが、イランやイスラエルやインドやパキスタンや北朝鮮などは、そのような約束事を無視する形で核兵器を持っている。
これでは「約束事は破られるためにある」といったような状況であり、アメリカやロシアのような核大国が、地球上の人類みんなを騙していると言える。
このままいけば、そのような核兵器の保有国が本当に核兵器を使う場面が生じるだろう。それが昔からもっとも怖くて、歴史上にはキューバ危機のようなこともあった。いつ、人類が核戦争で滅びるかは「いつかは分からないし、それを防ぐこともできない」という結論に至る。だからこそ、滅びる前に核兵器をなくさなければならない。
日本は唯一の被爆国なのに、アメリカの「核の傘」にあるため、アメリカの言うことをそのまま言うような立場を保っている。人類の未来における存亡に対する責任において、あまりに無責任だ。
2024.09.29
原子力発電では、原子力によって巨大な熱エネルギーを発生させる原子炉に対して、水を送り続けます。この水を、原子炉の熱エネルギーによって、まるで湯沸かし器で湯を沸かすように温め、沸騰させて水蒸気にします。この蒸気が発生することによる高圧によって、タービンを回し、電気エネルギーを発生させます。
ですが、なんらかの理由で水(冷却水)の循環が途絶えてしまい、冷却水が送られなくなると、原子炉から熱を奪うものがなくなり、原子炉は「空焚き」のような状態になって、どんどん熱くなり、制御できない異常な高温になってしまいます。水が循環していた状態では、適切にゆっくりと核分裂していた原子炉が、水が循環しないと、そうでなくなってしまうのです。
原子炉が制御できない異常な高温になると、コンクリート設備が溶け出してしまい、原子炉の巨大なエネルギーを発生させるためのウランやプルトニウムといった核燃料も溶け落ちてしまいます。これが「メルトダウン」と呼ばれる現象です。
ウランやプルトニウムが溶け落ちると、一か所に集まったウランやプルトニウムが核分裂を始め、放射能を発生させます。たった1グラムのウランやプルトニウムであっても、アインシュタインのE=mc2のように、これらは巨大なエネルギーを持っています。結果、メルトダウンが起きると、原子力発電所の辺り一帯は放射能汚染地域となってしまい、何万年もの間生物が正常に暮らせないようになってしまいます。
このように、とても危険な原子力発電所ですが、簡単に原発をなくすことはできません。国民に十分な電力を供給するためには、原発を削減するのであれば、火力発電所などを代わりに作る必要があります。ですが、化石燃料を使う火力発電所は、膨大な量のCO2を発生させます。このCO2は温暖化を引き起こします。これはこれで重大な問題であるため、おおっぴらに原発をやめて火力発電所を作ることはできません。
再生可能エネルギーを使うという手はありますが、個人がいくら大金を払って太陽光発電の設備投資をしても、そこから生まれた電力を電力会社がすべて買い取るとは限りません。金をかけて太陽光発電設備を作っても、見合った利益が生まれるとは限らないのです。このため、再生可能エネルギーの普及には壁があります。
いわば、「人類が近代的生活を求め続け、知性を高めすぎた結果、その知性と欲望自体が人類を滅ぼそうとしている」という状態にあります。
原子力発電には、単なる事故や災害によるメルトダウン以外にも危険性があります。それは戦争で破壊される危険性です。ロシアとウクライナの戦争で、ロシアは原子力発電所を攻撃しています。これによってメルトダウンがもし起きれば、福島やチェルノブイリで起きたことが、新しくウクライナ戦争で起きるかもしれません。ロシアは直ちに戦争をやめるか、そうでないとしても原子力発電所だけは攻撃してはなりません。原子力発電所にミサイルを投下するなどといった行為は絶対にしてはならない行為です。
原子力発電においては、原子エネルギーを用いて発電をします。
核燃料が中性子をぶつけて核分裂をする際に、核分裂が中性子を出してさらに核分裂が起きるという連鎖反応が起きますが、単純にやってしまうと、巨大なエネルギーがいっぺんに発生してしまいます。
ですが、発電をするのであれば、ゆっくりとじわじわと電気エネルギーを発生させたいです。
なので、原子力発電では、核燃料を水に浸します。水は中性子の動きを遅くして和らげる作用があるため、水に付けることでエネルギーの発生をコントロールします。
そして、そのような原子炉の原子力エネルギーによって熱を発生させます。その発生した熱で水を温め、蒸発させて水蒸気にして、大きくなった容積の力でタービンを回して電力を発生させます。
ですが、問題なのは、核のゴミが発生することです。
まず、使い終わった核燃料が核のゴミになります。それから福島原子力発電所事故のように、核燃料が原子炉から溶け出てしまい、こぼれ落ちていくことがあります。これは原子炉を冷やすための冷却水が送られなくなってしまい、水が蒸発してなくなってしまって、原子炉が熱くなりすぎてしまったために、原子炉から核燃料が溶け出てしまうことです。そのような、核のゴミを「デブリ」と呼びます。
核のゴミは極めて危険です。廃棄する場所や廃棄する方法にも困ります。その場にいれば人間でも生物でもすぐに死んでしまうような放射能が、何万年も出続けるのです。そのような問題があるため、原子力発電は必ずしもよいとは言えません。それでも、現代においては電力エネルギーは必要不可欠であり、国民の生活を成り立たせるために、嫌だと言いながらも原子力発電を使う必要があります。
2024.09.29
現代物理も参照のこと。