人工知能・AI・機械学習・データマイニングに関する世界観です。Pythonも参照のこと。
ディープラーニングは機械学習の方法のひとつで、「機械自らがデータの特徴をひとつひとつ読み取り、その結果特徴を判別できるようになる」というもの。
人間からの指示を一切出さずに、自らの力で機械学習をしていく。
機械学習には、人間が指示を出す「教師あり学習」と、人間が指示を出さない「教師なし学習」がある。ディープラーニングは教師なし学習に相当する。
僕は、人工知能とは、「与えられたパターンから、最適な結果を膨大なデータの中から見つけ出す」ということではないかと思います。
今流行っているディープラーニングなどは、プログラムがデータを分析して識別することができるようになるまで特徴を分析し記録する、ということです。
この分析した結果、あるいは分析するための材料を、機械は膨大なデータからひとつひとつ探し、最適解を見つけ出すのです。
このような特徴があるため、ディープラーニングでは「データの量が精度に直結」します。つまり、データがたくさんあれば、それがプログラムやサービスの質の向上に直接貢献するのです。
人工知能は、一見すると、「なんて馬鹿なことをやっているのだ」と言えるかもしれません。たとえば、僕が見たテレビの特集では、イチゴの形を学習させて、形から「おいしいイチゴ」と「おいしくないイチゴ」を判別します。ですが、このような「基礎的分析の積み重ね」が、大きな効果を生み出すこともあると思います。世界は20年後になると、今とはまったく違う、「ほとんどすべてを機械が自動化できる社会」になるかもしれません。
また、最近はインターネットで全ての世界が繋がるようになって、これまで無かった巨大なデータにアクセスできるようになりました。携帯電話の位置情報などから、どこに誰がどれだけ居るか、どのように変化しているか、といったことが知れるようになりました。
このような分野で強いのは、Pythonと呼ばれる言語です。Pythonは機械学習やデータサイエンスに必要なライブラリが整っていて、Anacondaを導入することですぐさまデータサイエンスを行うことができます。ビッグデータや人工知能以外でも、SQLやExcelのデータをPandasで処理して、「煩わしいデータ処理を最低限の記述で行う」ことができます。
このような分野でなぜPythonかというと、Pythonは手軽かつ高機能で、「簡単な処理をさっとやる」ためにも「数学のような処理を簡単に書く」ためにも使いやすいからではないかと思います。
AI技術の具体例として、SVM法がある。
なんらかのパターンについて、8種類の区別があったとすると、このデータには8次元のベクトルが存在する。
ここで、パターンを大量に機械学習させる。たとえば80個のデータを学ばせると、ここには80個のベクトルが存在する。
その上で、あるデータを与えると、そのデータが「識別境界」と呼ばれる境界線の、左上の側に近いのかそれとも右下の側に近いのかを答えてくれる。
このような境界線が、8次元のベクトルの区別があったとすると、全部で8本存在し、そのベクトルごとにどちらの側に近いのかを識別することができる。
(放送大学「コンピュータとソフトウェア ('18)」を参考に執筆しました。)
2023.04.21
後日注記:この記述はAIについて何も知らなかった頃の自分が書いた文章であり、実際は生成系AIにはLLM(大規模言語モデル)やGAN(敵対的生成ネットワーク)のような高度な技術が使われています。注意してお読みください。
高次元のデータ解析を行うことで、絵を描いたり、文章を作ったりするAIが実現できます。
絵には、色という情報以外に、描かれている物体の情報や、絵のタッチやデフォルメのような次元が存在し、そのすべての次元で似通ったものと異なるものを解析することで、高次元のデータ解析によって既に存在する絵を模倣することができます。
文章を書くのも同じで、ひとつひとつの言葉の意味していること、それがどのような意味合いで説明されているかということ、文章の中でどのようなことを言いたいか、それをどのように表現するか、というそれぞれの次元が存在し、既にある文章を元にした新しい文章が、高次元のデータ解析によってデータから模倣できるのです。
高次元のデータ解析を行うために、高次元の数値解析が必要となります。そのため、AI技術では、ベクトル、行列、あるいはテンソルのような、数学的な高次元のデータ構造を、数式とともに使用します。これはPythonではNumPyなどで実現できます。
機械学習という技術では、このような高次元の解析が行えるデータを、ビッグデータのような巨大なデータソースから、大量にプログラムに学習させます。それによって、どのようなことを聞かれても、既に学んだデータを元にして、瞬時に模倣した作品を自動で作成できます。絵や文章だけではなく、音声や画像や自然言語のような、従来のプログラムでは解析できなかったデータも識別することができます。なので、英語のような自然言語で命令された内容についても理解することができるのです。
また、大量に存在するデータから自動的に共通のパターンを発見し、そのパターンに従って人間の知能が行うことと同じことを行うことができます。そのために、scikit-learnなどでは、データ解析の主な手法である分類、回帰、クラスタリングのような考え方を用います。
2023.05.05
2023.06.07編集
上記に書いたような、何も知らない僕が考えたAIの仕組みを、そのまま文字通り受け止めないでください。
僕はAIについてほとんど何も知りません。単に、「もっともらしい嘘」を書いただけにすぎません。
実際には、以下のgihyo.jpの記事のように、AIについて、特に生成系のAIについて書かれた文献は、ほかにたくさんあります。
AIの開発を本格的にやるのであれば、このような信頼できるソースから学ぶことです。決して、ツイッターのような誰が書いているか分からない情報を当てにしてはいけません。きちんとした記事を読めば、AIについてきちんと分かります。AIの学習には、きちんとしたソースから学ぶことをおすすめします。
2023.06.07
ロボットと人工知能は、単に人間を作り出すだけではなく、人間ではできないことや疲れてしまうことを何度もしたり、人間の代わりに考えたり分析したりしてくれる。
AIは多くの場合、Pythonで人工知能のプログラムを書く。データ分析とビジュアル化に使われることも多い。たくさんのデータをAIの機械学習プログラムに学習させることで、「単純な処理の積み重ね」から、人間ではできない膨大なデータ処理ができる。
実際のところ今のAIはそんなに賢くない。将棋や囲碁でやっと人間に勝てるようになってきた。だが、決して人工知能は自分だけの力では勝っていない。さまざまな人間の作り出したデータがなければ、人工知能は無から考えることはできない。
Wikipedia
将棋も参照のこと。
スマートスピーカーは、対話型のAI処理に対応したスピーカー。「OKグーグル、テレビをつけて」などというと、テレビをつけてくれる。音楽をかけたり電気をつけたりしてくれる。
Amazon EchoとGoogle Homeが競争している。
Wikipedia
スマートホームは、IoTやAIなどの最先端技術によって、より暮らしやすい家を作ろうという取り組み。
Wikipedia
自動運転車を参照のこと。
PythonでAI入門、NumPy、Pandas、scikit-learnを参照のこと。
R言語を参照のこと。
ロボットに鋭意開発中の人間型のロボットとAIに関連する話題があります。
ボーカロイドも参照のこと。
人工知能・AIの開発において、鍵を握るのは「データ」です。
AIの開発においては、プログラムに膨大なデータを機械学習させ、解析・分析し、その分析結果を見ながらプログラムを開発します。そのため、データが無ければプログラムそのものが開発できません。
GAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)は、スマホやSNSなどに入力された膨大な個人データを収集し、それを使ってAIを開発しています。
そのため、Googleの自然言語処理やAmazonのスマートスピーカー、あるいは顔写真の画像認識などの「自然言語や音声認識やパターン認識をする技術」は、そのように膨大な個人データを握れるところだけが開発できることになります。
日本では、個人情報保護法がある影響から、なかなかこういうことはできません。一部では、「GAFAがあんなにデータを持っていてうらやましい」という声が聞かれます。今からは個人データの膨大な集積資源が「第二の石油」になると言われており、「データがたくさんあればAIのような最先端技術が開発できる」という時代になろうとしています。
後日注記:実際のところ、機械学習の世界では「データの量=判別機能の精度」となります。データが多いか少ないか、それだけでサービスの質が変わってくるのです。
AIは、将棋や囲碁のプロ棋士に勝利したり、自動運転の自動車に搭載されたり、ほかにも株価の予測やファッションの流行のように、さまざまなビジネスに応用され、「人間の分かり得ない大量のデータを集めて解析・分析する」ことができるようになりつつあります。
そして、AIは人間の労働をも脅かすようになっています。ほとんどの仕事が、人間ではなくAIを搭載したコンピュータやロボットによって、「奪われる」ようになってきているからです。
ここでどうするか。それは単純です。AIに人間が支配されるのではなく、人間がAIを支配すること。すなわち、AIと敵対する立場に居るのではなく、AIを自ら作り利用する立場に立つことです。
AIは、一種の占いや呪術のようなもので、「人間には分からないけれども、呪術師であるAIさまの言うことだから従おう」といったものになりつつあります。本当に「AIを盲信して間違った判断をする」のか、それともAIの技術に精通して「AIを上手く応用して良い判断をする」立場になるのかは、人間のやり方次第です。
そして、AIは難しいものではなく、Pythonコードをscikit-learnなどを使って書くことは、「とても簡単で面白い」ということを知ることから、AIを上手くコントロールすることの第一歩が始まるでしょう。
また、「AIが人間を超えるのか」という議論がなされることもあります。
現在のAI・ロボット技術というのは、まだ、人間並みの「認識と行為」を行うことはできません。少しずつ、弁当の盛り付けなどができるようになってきているぐらいで、まだまだ人間のような身のこなしを行うことはできていません。
ですが、僕はきっとAIは人間をそのうち超えると思います。そのために必要なのは、人間と同じ頭脳をAIが持てるのか、ということですが、僕は持てると思います。
人間型のAIを作る上で必要なのは、僕は以下の4つだと思います。
1.人間や動物と同じように、この世界を「見る」ことができるかどうか。
2.人間が何かを思考するように、ある一定の「思考判断と制御」を行うことができるかどうか。
3.人間が感情や意志を持つように、自らの行動を「意志と感情」を持って、「自律」して行動することができるかどうか。
4.パターン認識や記憶処理によって、外界からの「反応や認識判断」を行い、自由自在に行動し、自らの「人生に基づく生活」をできるかどうか。
この4つができれば、きっとロボットは作れます。
僕は、AIを宇宙ロケットに乗せて、刻々と定期的にロケットの軌道を修正するようにすればどうかと思う。
ロケットをAIが人間の代わりに操縦する。きっと、月や火星だけではなく、もっと遠くまで行けるようになる。
(以下は、AIについて何も知らない僕が書いた文章であるため、間違ったことを教えています。必要がなければ無視してください。)
最近はマスコミなどでもAIという言葉がよく使われるために、AIとは人間の代わりをしてくれる人間のようなプログラムで、最近はどんどん人間に近づいている、と思っている人が多いです。
確かにAIは、人間の代わりをするプログラムですが、実際のところ、単なるプログラムにすぎません。
そして、AIの多くの処理は、データを解析し、データベースと照会する、データ処理プログラムにすぎません。
確かにAIは、ニューラルネットワークやディープラーニングを中心に、「AIらしいモジュールや関数を使う」ということが中心ですが、僕の言いたいのは、「AIも単なる普通のプログラムである」ということです。
ですから、マスコミなどには、「AIが崩し文字を解析できるようになった」というよりも、「ソフトウェアの技術が向上して崩し文字が解析できるようになった」と言ってほしいのです。
AIだからといって、特別なプログラムではなく、ソフトウェアの技術のひとつであり、多くの場合まさに、ソフトウェアの技術が向上しているだけである、というのが、最近の「AIというトレンド専門用語」に僕が感じるところです。
逆説的に言えば、データを解析し照会することができれば、それだけでAIができます。そこで機械学習やデータ解析のために使われる便利なモジュールとして、AIのさまざまな技術があるのです。
AIはデータが命です。同じAIのプログラムでも、データが1000かあるいは10万かでは、そのソフトウェアの精度が著しく変わってしまいます。「データの量=AIの精度」となってしまうのです。それが、GAFAの優位性や、データが新しい石油だと言われる理由です。AIの精度はデータをどれだけ集められるかにかかっています。
(にわか知識で書いているため、間違っているかもしれません。)
実際、AIをやるなら、データがないとダメです。
機械学習の世界では、まずデータです。データがたくさんあれば答えが導きやすくなり、サービスの質と機能が向上します。
たとえば、イチゴの良し悪しを判別するなら、たくさんのイチゴのデータがなければいけません。
AIをやるのであれば、プログラムを書くことも大切ですが、判別や予測のために使うデータをどこから入手するのか、そこから始めなければいけません。
AIの真の賢さは、人間に勝つことでは既にありません。AIの賢さは、そういうことではないのです。
プロの将棋棋士と対戦して勝ったからといって、人間と同等の知性と感情あるロボットはまだ開発できていません。
しかしながら、AIは「とても巨大なサイズのデータを、すべて学習して把握できる」という、とてつもない脅威を秘めています。
たとえば、インターネット上にあるすべてのHTMLファイルを読むことのできる人間はいません。しかしながら、Googleのクロールは、Web上のすべての情報を知っていて、瞬時に適切な判断をして国民を誘導します。
AIの真の賢さとは、このように、「ある程度人間と同等の知性があって、その上で人間にはとてもすべて理解・解析できないような膨大な巨大サイズのデータをすべて知ることができる」というところにあります。
Googleが真に脅威なのも、その理由です。Googleは、AIを使うことで、この世界のほとんどすべての情報を既に知っています。人間と同等のロボットは作れなくても、世界すべてを知るロボットは作れてしまいます。
僕は、これから、IT技術はそのように、人間にできることをするのではなく、人間にはできないがコンピュータであれば人間よりも「圧倒的に優越」した形でできることをするようになっていくと思います。人間ができることを自動でやる機械ではなく、人間にはできないような圧倒的な計算を行う機械になっていくことでしょう。
僕は、これからのAIは、単にデータを識別するだけではなく、人間のやり方や生き方を分析して提示してくるようになると思います。
今までのAIとは、大量にあるデータを照会し、判別することで、正しい答えやおすすめの内容をレコメンドしてくるようなものでした。
たとえば、YouTubeのAIであれば、大量にある音楽から、おすすめの曲をレコメンドで表示してくれます。
しかしながら、新しいAIは、「音楽の聴き方そのもの」を分析してくるようになると思います。
たとえば、どんな歌手であっても同じ歌手による曲をたくさん聴く人と、流行の最新の曲を聴く人では、プログラムが自動で作るべきプレイリストが違います。
同じ歌手の曲をたくさん聴く人に対しては、同じ歌手の曲がたくさん含まれたプレイリストを自動作成すべきです。
ですが、流行の歌手の最新の曲を聴く人には、古い同じ曲を聴かせる必要はありません。常にアップデートされた最新のプレイリストを自動作成すべきです。
また、ボカロ曲が好きな人には、ボカロ曲をふんだんに盛り込んだプレイリストが必要です。マイナーな曲であっても、ボカロ曲に違いないのであれば、誰も知らないようなボカロPの曲であっても、広く含んだプレイリストを自動作成すべきです。
このように、僕はAIが「データの照会と識別が中心だったもの」から、「人間のやり方や生き方そのものを提示してくるもの」へと変わってくると思います。
検索エンジンであっても同じです。動画ばかり見る人は、動画を多く一覧に加えるべきです。Wikipediaしか見ない人には、第一にWikipediaへのリンクを与えるべきです。最新の情報を欲しがっている人には、古い内容は必要ありませんので、最新の内容を与えるべきです。
僕は、このように、「機械の側がいろんな提案をしてくる」ものに、AI技術は変わっていくかもしれないと思います。
要するに、今までは同じアルゴリズムの中で、大量にあるデータをバッチのように処理していました。新しいAIは、アルゴリズムそのものを自動で作成します。それぞれのユーザーにとって必要な、ぴったりとその人に当てはまるアルゴリズム自体を、AIが自動で経験的分析に基づいて作成し、それを実行するようになっていくでしょう。
ですが、ここまで書いておいて思うことは、「AIによるギミックは果たして本当に必要か」ということです。
確かに、YouTubeのレコメンドは素晴らしい機能です。歌手の名前を知らない音楽初心者であっても、自分の聴いている曲のいいねやチャンネルの情報から、自分に合った曲を自動で選び出してくれて、似たような曲を教えてくれます。
ですが、このような機能は、むしろ「人間が知性を使って、楽しく音楽を探そうとするような、人間本来の活動と人間性を奪っている」と言えないでしょうか。
Webサービスに、どうでもいいギミックは必要ありません。そして、AIによるレコメンドはその最たる例だと思います。
しかしながら、このようなことを書くと、検索エンジンという技術を全否定していることになります。検索エンジンは、ロボットによって自動的にWebの世界を巡回し、キーワードにもっとも一致する一覧を自動でランキングして作成しています。これを「便利」と考えるか「人間の本来ある活動の否定」と考えるかは自由ですが、明らかに自分でWebの世界を自力で探索するということができるわけがありません。データセンターにキャッシュを格納してそこから検索するGoogle先生が居るからこそ、このWebという世界は成り立っているのです。
そのように、AI技術は、これからのIT技術のいわば「縁の下の力持ち」となっていくでしょう。普段接する場面に一見AIが存在しないように見えて、そういう「本当に人間ではできないことをやらなければいけない分野の下支え」として、今からのAIは進歩していくでしょう。
また、僕は大好きなYouTubeを否定したくありません。僕は最近の音楽について詳しい音楽愛好家ですが、ほとんどその知識はYouTubeのレコメンドで知ったものです。
僕は、IT技術はAI・人工知能によって、どんどん中国や北朝鮮のような国に近づいてきていると思います。
まず、たくさんのデータを分析して、政府に攻撃的な人間を自動で割り出すことができます。IoTで繋がった機械や機器を通じて、その人間の行動と思想信条を人間を介することなく自動で把握し、「この人間が悪い社会主義者だ」ということを突き止めます。
次に、割り出した人間がどこに居るのか、何をやっているのかを自動で探し出します。画像認識と監視カメラを組み合わせて、その人間の居場所や住んでいる場所を突き止め、逮捕することができます。
また、ソフトウェアは通常の機械に比べて、何かしらの理由で壊れることが多いです。また、壊れるだけではなく、誤動作することもあります。なんらかの誤動作によって、自分は何も悪くないのに、ソフトウェアが勝手に間違った動作をすることで、事故をしたり、間違った情報が政府機関に登録されたり、悪い人間に仕立て上げられたり、自分だけ公共サービスから排除される可能性もあります。そして、政府や警察がそのような理由を勝手にでっちあげる可能性だってあります。
同時に、ソフトウェアにバグやセキュリティホールがあった場合、ハッキングされる危険もあります。自分は絶対にそういうことをしていないのに、自動で感染し拡散するワームやウイルスにより、自分のデータが偽造されたり、自分のIPアドレスやアカウントで犯行声明をされることがあるかもしれません。
危険なのは個人だけではありません。企業の機密データが盗まれる可能性や破壊される可能性もあります。自分たちしか知ってはならないはずの機密情報が、どんなにセキュリティを向上させても、どこかから穴があってそれが外部に漏れることがあります。現に、もっとも技術力の高いマイクロソフトであっても、Windows 11の情報は発表よりも前にリークしました。このようなことは、これから当たり前のように起きるようになります。セキュリティホールをどんなに技術的に潰そうとしても、社員のITリテラシーが低ければ、人為的な理由で(たとえばハッカーに対するメールの添付ファイルにパスワードを送ってしまうなど)本来守るべき大切な情報が漏洩することもあります。
このようなIT技術は、中国や北朝鮮のような国にとって、とても便利なツールです。また、アメリカだって信用はできません。自分の祖国の政府である日本だって信用できません。絶対に誰も信用しないつもりでも、個人がひとりで生きられることはありません。そして、どんどんひとりの自由は奪われていき、「いつ何があってもおかしくない世界」になっていくのです。
また、真に恐ろしいのは政府ではありません。国民です。国民が全員、同じ思想を信じるようになり、その思想を信じないものを排除するという、戦前のような共同体が、インターネットで復活しようとしています。右翼の意見はすべて正しく、左翼の意見はすべて間違っているとし、右翼であれば攻撃されず、左翼であれば何をわめいても批判されます。このような世界になったのは、特にSNSやツイッターのせいです。SNSやツイッターは、集団で「みんな仲良しの仲間」を築き、「異端は排除して仲間に入れない」とします。そう、どんなに自由な社会の可能性が素晴らしいと信じても、自由な社会において築かれるのは、結局そのような社会なのです。
AIは人間並みに賢くなりましたが、その代わり、人間以上によく間違えます。
たとえば、僕はWindows 10で指紋認証を使っていますが、読み取られる時と読み取られない時があります。
指紋認証が読み取られない時は、結局PINを入力してログインするため、指紋認証の良さがちっともありません。
また、スラドでは以下のような記事があります。
このように、AIは人間よりも多く間違えるだけではなく、その間違いが明らかに間違っていたりユーザーにとって有害あるいは危険だったりしても、それを途中で止める手段がありません。
コンピュータが、厳密に正しく計算することができる装置だったのは過去の話で、今のコンピュータは、人間と同じように曖昧なものを解析できるようになった結果、人間以上に曖昧に計算し、間違えることも人間よりも多くなりました。
このようなAI技術を自動車の自動運転に使おうというのは、今のAIでは不可能ではないかと思います。
AI技術が本当に何のためにあるのか、社会を幸福にするためにあるのかそれとも不幸にするためにあるのか、ということを考えないといけません。SNSやツイッターと同じように「テクノロジーの進歩は人間を不幸にする」という、その通りのことになりつつあると思います。
ここまで、AIについて否定的なことを書いてきましたが、ひとつ、肯定的なことがあります。
それは、「プログラミングに必要な知性がつく」ということです。
たとえば、GNU創始者のリチャード・ストールマンは、MITのAIラボに居たLispハッカーですが、彼はフリーソフトウェアを提唱して、OSのさまざまな分野(特にコンパイラとテキストエディタ)を含む大量のフリーソフトウェアを開発しました。
彼のように、AIを勉強すると、プログラミングにおいて、もっとも必要となる「知性」の部分が分かります。
いわば、AI以外の分野は、AIを勉強してしまえば、あとから簡単についてくると言えます。
また、AI以外の分野は、簡単な分野しかありません。制御やAPIの基本を学べばできてしまいます。もっとも知性が必要なAIだけを勉強すれば、あとの分野は簡単にできてしまうのです。
また、たとえば、Ruby on Railsを学べばプログラミングに基本的なことが身につくとは言いますが、これには懐疑的な意見もあります。「RubyとRailsしかできない人間になる」と言われるからです。
Railsをやると、何も考えなくても数行書けば簡単にプログラミングができます。しかしながら、それでは、プログラミングに必要なノウハウや知性はまったくつきません。
プログラミングの練習や修行として、PythonでAIを書くことは優れた教育法です。Pythonが教育向けの習得しやすくシンプルな易しい言語であることも、これを特徴付けます。
また、人工知能において、昔はLispをやることが重要でしたが、Lispはプログラミングの上達に優れた効果を発揮します。カッコだけの醜い言語だと思っている人が多いLispですが、実際は違います。LispやHaskellのような関数型言語は、今のプログラミング言語において新しい機能とされていることの多くを何十年も昔から備えていました。まさにLispを学ぶことは、プログラミング言語をたくさん学ぶよりもいい効果をもたらします。PythonやRubyやJavaScriptなどの似たような言語をたくさん学ぶよりも、Lispだけを学んだほうが身につくものはたくさんあると言えます。
よって、人工知能やAIを、PythonやLispと一緒に学ぶことは、とてもよいプログラミングの習得法であると言えます。
僕が勝手に近未来を予測すると、「AIだけの会社」が生まれると思います。
社員は、社長がひとりだけ。あとの社員はみんなAIで、仕事は全部AIとコンピュータがこなす。
社長は単に「どのような事業を行うか」だけを考えて、その事業については、経営判断から工場などの生産システムの制御、サプライチェーン管理まで、すべてAIが行う。
そして、AIには給料を払わない。利益はすべて社長だけがガッポリと持っていく。
冗談ではなく、そのような形態の組織に近い会社が、近いうちに現れることでしょう。
僕は、人工知能の脅威となる点は、「人力を必要としない」という点だと思います。
人工知能は、人力を必要としません。なので、コンピュータのリソースが許される限りにおいて、無限に世界の把握と監視が可能となります。
これは、つまり、ロシアや中国のような国が本気になれば、「世界人類全員を自動的に監視」することも可能であるということです。
人によって監視するのではなく、人工知能が自動的にインターネット全体を監視し、何か当局に不都合のある人物をインターネット上で見かけたら、それを当局に自動的に報告するようなこともできるのです。
人力を必要としないため、低コストで莫大な数の人間、あるいは全人類を監視することが可能となります。
僕は、このような人工知能技術は、科学技術としては賢くても、自由な社会のためには非常に脅威になる技術だと思います。
今でこそ、人工知能は、自然言語処理、音声・画像認識、あるいは絵を描くなど、頭脳的な専門的学習を行っています。
ですが、僕は身体的・技能的なことも、いずれは機械学習によって学習できるようになると思います。
機械学習により、ロボットが人間のように運動したり、ロボットアームが人間の職人技をコピーしたりするように、おそらくはなっていくでしょう。
その時、本当に「人工知能とロボット技術が人間のほとんどの仕事をリプレースする」ようになると思います。
ここまで、人工知能について否定的なことを書いてきたが、人工知能にもよい点はある。
それは、人間の知り得る範囲を超越した理解力があるということ。
たとえば、古代の歴史において、解読不可能な文字の意味を人工知能にたくさんデータを学ばせて解析するという方法がある。
あるいは、生物的に、原始人や恐竜などの古生物がどのような姿をしていたのか、どのような生活をしていたのかということも、データを学習すれば予想できる。
あるいは、難病の新薬やワクチンを作るために、実験生物に頼らない方法で、人工知能を使って解析することもできる。
お金儲けの話であれば、もしかすると、今自分がどのように稼いでいいか分からないような人は、人工知能に聞けば、「どのように稼ぐのがもっとも効率的か」を教えてくれるようになるかもしれない。
このようなお金儲けの人工知能は、決して冗談ではない。どの会社でも、人工知能を使うことで「どのように儲けるのが最善か」を探ろうとしている。人工知能に経営や競争の策を頼ろうとするのは、今から資本主義社会において勝ち残るために必要な手段となっていくだろう。
機械がデータの特徴を分析し、データを識別できるようになり、正しい答えを探し出す。
統計解析専用のプログラミング言語。
立ち位置的にはPythonと似ている。
人工知能の使いどころとして、たとえば恐竜の骨格の復元図の作成が言える。恐竜の化石は骨格が分かっても肉付きが分からない。人工知能に膨大な動物の骨格と肉付きのデータを学習させることで、精密な復元図を再現できる。
ほかにも、顔認識技術や野菜の良し悪しを選別する技術などが作れる。ビジネスにおいては、消費者の購買層を可視化したり、正確な購買の要因を把握したりするのにも使える。