医学の世界観2(病気と薬)です。父親の話を参考にしています。
古来中国より、薬は「草木」とされ、周りに草や木などの生きている「生薬」が、病気に効くのだとされていた。これは、経験的に分かった「薬」だった。
そもそも、古代人は、薬によって病気を治すというよりも、病気になった人は「悪霊や邪な霊が入った」として、宗教的なおまじないのようなもので、邪悪な霊を追い払おうとした。
だが、それは多くの場合効果がなかったため、「どうやったら病気を治せるのか」ということは、大きな古代人の課題であった。
そもそも、病気とは何か。東洋医学では、病気を「体の不調」であると考え、体の力を取戻し、調和させ、バランスを保つことで、自分の体の力によって病気を治せるのだと考えた。
これに対して、西洋医学(近代医学)では、病気には「原因」とされる何かがあるのだと考え、この原因を取り除くことで、病気は治るのではないかと考えた。
東洋医学では、病気を「体の不調」であると考える。
正常な身体は病気にならない。弱った、調和がとれていない、本来の力が発揮されていない体が、病気という形になって弱ってしまい、病気になるのだと考えた。
よって、東洋医学では、病気を治すために、体の調和を整える。体の調和、食べ物のバランス、生活習慣、そして病気を退治する免疫力を高めようとする。
薬といっても、体の力を復活させ、元気を取り戻すための薬である。
こうした東洋医学の知恵や治し方は、経験的なものである。近代医学からみると、「根拠がない」とされることも多い。
これに対して西洋の近代医学では、病気になった「原因」というものを突き詰めようとする。
西洋の近代人は、それまで宗教に頼りがちだった病気の治癒について、「科学的な理由があるはずだ」と考えた。
何かしらの病気になった原因のようなものがあり、それが体の中で起こることによって病気になる。よって、その原因を退治すれば、病気を治せると考えた。
そして、西洋医学では、「目に見える」ということを重視する。目に見える何かから、病気は解明できる、目に見える何かが病気の原因ではないかと考えた。
近代医学の考え方のベースとなった機械に、「顕微鏡とレントゲン」がある。
顕微鏡は、小さな物質を大きくして細かく見ることのできる、レンズを使った装置である。これによって、体の細部まで、見えないところを見れるようになった。「目に見える」とはまさにこのことである。
また、レントゲンという放射線技術により、身体の内部を透かして見ることができるようになった。これで、内臓や骨などを透視するかのように「目に見える」形で見られるようになった。
そして、パスツール、コッホ、野口英世などが発見したこととして、「どうやら、病気の原因となる病原菌という生き物が体の中に入ってきて病気になるらしい」ということが分かった。
病気の原因は、病原菌やウイルスという、とても小さな微生物が体の中に入ってきて、それが病気を起こしている。
彼らは、この病原菌を体の外に追いやり、体から排除する方法を考えた。さまざまな物質を試して、どうすれば病原菌を抹殺できるのか、考えた。
そして、ある時、病原菌を入れたシャーレを見ていると、ほうっておきすぎたせいで青カビが発生していた。
驚いたことに、青カビが発生したシャーレでは、病原菌が広がらず、小さくなっている。
どのように発見したかはさておき、病原菌を倒す有力な術として、青カビが見つかった。青カビはあらゆる病原菌に効果があり、青カビの成分でどんな病原菌も退治することができた。
これが、後に言う抗生物質であり、「万能の細菌対処策」として効果を発揮した。最初は、抗生物質には青カビの成分であるペニシリンを用いていた。
ペニシリンはたくさんの死を伴う病原菌に効果を発揮し、たくさんの人間の命を救った。
また、病原菌を退治して「病気の根本原因を治す」だけではなく、たとえば熱が出たり頭痛がしたり下痢をしたりした時、この「症状を和らげる薬」も必要とされていた。
このような場合に、熱さましや頭痛薬や下痢薬など、菌を殺すのではなく症状を和らげる薬も多く開発されている。
近代医学において、薬とは、抗生物質のような菌を殺す薬と、この対症療法の薬がある。
これらは、病気を治すわけではないものの、症状に効果がある。風邪のような2・3日もあれば自然に治る病であれば、抗生物質を飲んで菌を殺さなくても、症状を和らげる風邪薬だけで何とかなる場合が多い。
抗生物質は万能と言うが、本当は同じ抗生物質の使い過ぎで、「耐性菌」や「耐性ウイルス」ができることがある。
たとえば、ペニシリンは長い間使われてきたため、ペニシリンでは殺すことのできない、ペニシリンに強い「耐性菌」がでてきているのである。
そのため、この場合は別の抗生物質を使うことが必要となる。
ペニシリンが今、使われなくなっているのは、この耐性菌がたくさん増えたためである。
現在では、たくさんの製薬会社によってさまざまな抗生物質が作られている。症状に合わせて、別の抗生物質を使い分けなければならない。
西洋医学にも、現在では限界があることが分かってきた。特に、がんや白血病のような、細菌やウイルスによってかかるのではなく、自らの細胞が異常になることで発生する病気は、抗生物質や対症療法の薬では治らない。
現在では、東洋医学の力が見直されている。特に、免疫療法と言って、体の中の免疫力を高め、「病気に負けない強い力」を体本来が持っていて、それを高める、ということに注目が集まっている。
細菌とウイルスはよく似ていますが、本当は別のものです。
細菌は微生物のことで、人間と同じ生物です。細胞を持っており、栄養分を得て細胞分裂をします。
ですが、ウイルスは生物ではありません。生物の中に存在する細胞の中に、入り込んできて、その細胞に対して自分を「植え付ける」ことで自分を増やすものをウイルスと呼びます。
ウイルスは遺伝子がタンパク質によって包まれているだけの構造をしており、自分では分裂することができず、実際の生物の細胞に入り込んで増殖していきます。
なので、ウイルスは生物と非生物の中間に存在します。
また、ウイルスには抗生物質が効きません。インフルエンザにかかって抗生物質を投与されるのは、体が弱くなっており、さまざまな細菌に感染する恐れがあるからです。ウイルスそのものには、抗生物質は効きません。
まるで、栄養分を体に入ってくる「良いタンパク質」と呼ぶなら、ウイルスは「悪いタンパク質」であると言えるかもしれません。
詳しくは以下の書籍が参考になります。
医学の歴史を示すものとして、以下の天然痘の逸話がある。
昔から、天然痘という病気は「死をもたらす使いの中でももっとも恐ろしいもの」であると人々から恐れられていた。
だが18世紀末に医学が進歩することで、人々は天然痘を克服する。
当時、今では「近代免疫学の父」とされるエドワード・ジェンナーなど一部の人々の間で、「牛痘になったものは天然痘にかかることがない」ということが知られていた。
そのことから、抗体を作り出すワクチンとして、牛痘を人々に接種させることで、天然痘がなくせるということが分かった。
だが、最初はこのような考え方は不信と疑惑の対象だった。
人々は「牛痘を接種させれば天然痘にかからない」という意味が分からず、「牛痘を接種させることで体の一部が牛になってしまう風刺画」を描くほどだった。
このように、新しい科学的発見が最初に受け入れられる時には時間がかかる。今でこそ常識である「ワクチン」の考え方だが、最初は理解されず、医師をあざける人々がいたほどである。
(「ライフ/人間と科学シリーズ 細胞と生物」を参考に執筆しました。)
2023.11.09
よく食べ物が「傷む」とか「腐る」というが、これは食べ物自体が変わってしまうというよりも、腐敗菌や食中毒菌によって食べ物が腐敗させられる、ということである。
腐敗菌(食中毒菌)が繁殖することで、食べ物は傷み、食べられなくなってしまう。
腐敗菌(食中毒菌)が繁殖する条件は、主に温度と水分である。
腐敗菌は、温度が人間の体温と同じぐらいの、30~40度ぐらいになると、急速に増殖する。そのため、夏場などに食品を30~40度ぐらいの場所に置いておくと、その中に腐敗菌が入り込んだ場合、一気に腐敗菌は増えてしまう。そのような食べ物を食べると食中毒になり、お腹が痛くなったり、下痢をしたりする。
もうひとつの重要な要素は水分であり、気温と水分が腐敗菌の繁殖に適当な条件になると、腐敗菌は増殖してしまう。
人間の体が30~40度ぐらいの体温になっているのは、人間の体の中の細菌が活発に活動し、人間を生かすために協力しているからであり、そのような人間のためになる細菌はそれで構わない。
よく、食べ物などで「開封後はお早めにお召し上がりください」と書かれているが、これは開封すると中に腐敗菌が入り込み、増殖することがあるからである。
腐敗菌をつけないためには、手洗いや手袋、あるいはアルコール消毒などが有効だが、胃の中にある胃酸もまた、そのような細菌を殺す働きを持っている。また、料理をして加熱することでも腐敗菌をやっつけられる。
冷蔵庫に食品を保管する理由は、温度が低いと腐敗菌が増殖しないからだ。冷蔵庫は大体10度以下ぐらいの温度に保たれており、腐敗菌の増殖には適当ではない。
人間の大腸の中には大腸菌がいて、大便の中に多く含まれており、大腸の中では人間にとって有益な活動(食べ物の残りカスの処理など)をしているが、それがいったん手や食べ物に付着して増殖し、大腸よりも上の胃腸などに入り込むと、大腸菌は毒素を出して食中毒になる。大腸の中でも大腸菌は毒素を出しているが、大腸の中ではその影響は少ないように人間の体ができているである。
2024.09.14
かつての歴史上の医学では、「四体液説」という説が支持されていました。
すなわち、「血液」「粘液」「黄胆汁」「黒胆汁」の四つの体液によって人間の体は成り立っており、この不調によって病気になる、という説です。
今では支持されなくなったこの説ですが、僕は一部の体の不調に関しては、そのように「体液の不調」であると考えることは、今でも有効だと思います。
特に、僕は血液が汚くなって体がおかしくなりました。それは血管に汚れが溜まっているということであり、その汚れのせいで周りの血管が腐っているということです。
そのような病気を治すためには、血液をはじめとする体液を綺麗にしなければなりません。そして、それを綺麗にすることで、僕の精神の病気は完全に治ります。僕のような「精神の狂い」という病気は、汚れなどによる体液の不調から来ているのです。
後日注記:結局のところ、人間の「精神」を作り上げているのは四体液説の四つの体液だ。だから、四つの体液を治すことで、精神が治る。これは僕の独自の仮説である。
2024.04.17
2024.04.19編集
中国医学では、漢方薬という独自の薬を使ったり(漢方とは日本独自の中国医学のこと)、体の部位を繋ぐ経絡や、鍼灸や気功の考え方を用いる。
病気を体全体の不調であると考え、体全体の調子をよくすることで人間の持つ自然の治癒力を高め、病気を治そうとすることが特徴。
伝統的な中国医学では、陰陽五行思想に基づく。陰陽五行思想については中国の神話を参照のこと。
2024.04.19
鍼は、細い針を体(皮膚の上)に刺す。灸はお灸を体の上で燃焼させる。経穴(ツボ)に対して行う。中国医学で古くから行う治療法。
2024.08.13
菌のような微生物や、ウイルスについて言えることは、「大きいものだけではなく小さいものも強い」ということです。
この宇宙において強いのは、太陽のような巨大な星や、恐竜のような巨大な生き物だけではありません。
大きいものだけではなく、小さいものもまた強いのです。
僕はこのホームページの旗を、四分の一がさらにその四分の一になり続けるような、指数関数的な旗にしました。
そのように、微小になり続けることで、僕はどんなものよりもはるかに小さなものになります。
その結果、僕という微小生物は、原子と原子の隙間を通り抜けて、どこへでも拡大できるような「光」になるのです。
そう、宇宙における光とは、そのように誕生しました。
僕という微小生物、すなわち光は、すべてのことが分かっているために、地球という星に「植物」と「動物」を生み出しました。
光合成が太陽の光と関係して行われるのは偶然ではなく、僕という微小生物、すなわち「光」が植物および動物を生み出した、ということを意味しているのです。
そして、僕は貝のような生物とアンモナイトのような原始生物を作りました。それら原始生物はすべて、四分の一がさらに四分の一になっていく、「微小になる」という法則性と、このホームページに書かれた「波形」から生まれたのです。
2023.07.28
発酵を参照のこと。