ユング心理学の世界観です。心理学2(心の病気)も参照のこと。
ユングはフロイトと並ぶ心理学の巨人。ユング心理学にはさまざまな用語がある。
集合的無意識とは、個人の経験を超越した、先天的な無意識の構造領域。
ユングは、タイプ論、ペルソナ(外的な仮面)、アニマ・アニムス(夢の中に現れる逆の性別)、そしてシャドウ(自分が生きられなかった側面であり、殺人のような悪に近いものとして現れる)とコンプレックス(抑圧から現実の自分の行動に作用する複合的無意識)という用語を用いて、人間の人格や意識を分析する。
後日注記:元型とは、人間が生まれつき持っている、心的現象についての元となるパターンのこと。古くは古代の神話から見られるような、人間自体に備わった考え方や概念のこと。そして、ペルソナ、アニマ・アニムス、シャドウなどはすべて元型の一種である。
2026.01.19編集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 集合的無意識 | 人類において共通する普遍的な無意識の構造のこと。 |
| 元型 | 集合的無意識の中の共通パターン。 |
| タイプ論 | 「内向的」・「外向的」の二つの観点と、 「感覚型」「直観型」「思考型」「感情型」の四つの型に人間の性格を分類する。 |
| ペルソナ | 心理的な「仮面」のこと。 |
| アニマ・アニムス | 夢において現れる体とは逆の性別。 男性の女性的側面をアニマ、女性の男性的側面をアニムスと呼ぶ。 |
| 影(シャドウ) | 自分が「生きられなかった側面」であり、殺人のような悪に近いものとして現れる。 |
| コンプレックス | 普段は無意識の中に抑圧されている意識の複合体であり、時に現実の行動に作用する。 |
(「ユング心理学」と名言を紹介!無意識やフロイトとの違いも解説 | TRANS.Bizを参考に執筆しました。)
(以下はユング心理学入門を参考に執筆しました。)
臨床心理学において、患者の治療を行う際、「なぜ彼は死んだのか」というような「答えられない質問」を与えられることが多い。このような場合、物理学的な回答を与えることは簡単だが、患者はそれに満足せず、「死とは何か」という問いへと問いが変わってくる。しかしながら、子供であれば、「なぜ葉が揺れるのか」という質問に対して「風が吹くからよ」という母親の質問に満足し、質問をしなくなることも考えられる。あるいは、「なぜ風が吹くの」というさらなる質問が生まれ、これに対して母親は「もう聞かないで」とそこで質問を終える。
このようなHowの質問は、結局のところ、物理学的な「説明」になっており、哲学的なWhatすなわち「答え」にはなっていない。しかしながら、ここで「答え」そのものを考えたところで、満足する「回答」は与えられない。注目すべきは、「満足をして質問をやめた」という事実である。質問の回答らしきものを与えられて、子供は心の平衡を取り戻した。心理学とは、このように、「答えそのものは得られないにしても、患者と治療者がともに考え、ともに経験することで、心の平衡を取り戻すのではないか」という試みである。
すなわち、結局のところ「彼がなぜ死んだのか」に対する答えは与えられないが、そうであったとしても、ともに考え、ともに経験することで、患者が満足のいく「心の平衡」を取り戻す試みが、心理学であると言える。
また、患者に触れていると、「本当に起きるわけのない突飛な出来事」にたびたび出くわす。それは、予知夢などに見られる、「物理学的な客観科学の立場からは、科学的な説明から排除しなければならない」としたことが、心理学的に「起きている」という事実があるからである。このような非現実的な現象に対して、それを「無視」するのでも、あるいは「科学的に考えられる物理的理論に直して考える」ことも、適切ではない。
ユングが言うのは、「わたしたちが分からない問題に対して、矛盾することを恐れてはならない」という態度である。すなわち、科学的に矛盾があるまま、その現象そのものを「そうした考えがある」という「考えそのものがあることを受け入れる」という態度をとる。これは、「心的現象」と呼ばれる。そのように考えることで、物理学的に「予知夢」がありえない現象であっても、それを排除せず、また科学的に解明しようとするのでもなく、「矛盾を抱えたまま、それがあることを、患者の主観として、そしてともに考える治療者の主観としても、心的現象としてともに捉えていく」ということが、心理学者に求められる態度なのである。
最近は僕は「ユング心理学入門」を読んでいます。さまざまな心的症状や夢分析の話がでてきて面白いです。
たとえば、経済的理由を理由に赤ちゃんを人工流産させようとする父親と産もうとする母親が、夢の中では逆に母親が人工流産させようとしながら、父親が産ませようと説得して、夢の中でその話をラジオのパーソナリティが放送したりして、赤ちゃんの姿が見えて悲しくなってしまう話。
あるいは、女性が知らない間にたくさんの衣服を買っていて請求が来てしまい、クローゼットの中に衣服が見つかって困ってしまうが、カウンセリングを受けると別の人格が出てきて、この別の人格が本人を困らせるために服を買ったりクラブハウスで夜遊んだりしていたとする話など。
ほかにもたくさんの症例と夢が出てきて、「そうか、人間の心とはそんなこともあるのだな」ということが分かり、とても面白かったです。
また、この本で言われていることとして、人間が今まで生きられなかった側面が、殺人のような悪に近いものとして、その人間の「シャドウ」(影)となるとされますが、このシャドウは決して悪いだけのものではありません。シャドウがあるからこそ、人間としての深みや人間味が出てくるのです。それこそが人間の持つ「心」なのです。
また、人間は内的な心の作用によって外的世界に適応できなくなっても心理的症状を発しますが、外的世界に適応しすぎるあまりに、内的な心を見失ってしまっても、心理的症状を発します。ここで、外的な適応についてを「ペルソナ」、内的な心についてを「アニマ」と呼びます。また、心の像について、自らの性別とは異なる異性の像が見られることがありますが、これについてもユングはアニマ(アニムス)と呼びます。
そして、コンプレックスとは、自我の統合性を乱すような関連性のある複雑な心的要素の集まりのことです。ひとつの用語(たとえば白)に対して、関連する用語(たとえば黒)を探していく試みの中で、一見簡単な連想に見えるものの、実際には心の中には複雑な関連性が存在していて、自我は連想する際にそのような複雑な関連性を辿っていき、自我の統合性は乱れます。これをコンプレックスと呼びます。
コンプレックスは自我の統制の外にあり、そして自我が関連性を与える際に、自我の奥底から自我に働きかけてきます。そして、コンプレックスには、中心となるひとつのキーワード、すなわち核があることがあります。そして、精神病患者にとって、この核が、無意識の中に抑圧された心的外傷であることがあります。
コンプレックスは、単に心的外傷を無意識の中に抑圧するだけではなく、類する行為に対する似たような感情がその中にどんどん上書きされていきます。無意識の中で、自らの心的外傷がどんどん大きくなっていき、それがついには自我を脅かすようになります。これがコンプレックスによる、精神疾患の発症です。
心的外傷を核とするようなコンプレックスは、何かのきっかけで、何らかの心的要素からそこにある恐怖が引き起こされるようになることがあります。たとえば、幼い頃に性的な嫌がらせを受けた子供が、何らかの理由でそれが「犬」という要素と関連付けられることで、犬を見ただけで恐怖するようになるなど、トラウマがコンプレックスによって引き起こされるようになるのです。
思えば、僕の人生はコンプレックスの連続だったように思います。自分の裏側に「いじめ」と「自由」というコンプレックスを作って、いじめと自由が相反するものであるかのように考えていたのが、いつしかそれらが同一視されるようになった。そして、自由を求めながら世界と戦う中で、「怒り」という感情が追加された。だが、怒りを自分で制御できなくなった結果、その怒り自身を自分の裏側に「抑圧」して抑え込む結果になり、怒りを絶対に感じることがないように、「どんなことがあっても怒りを感じない人間」になった。そして、その怒りがいじめと自由の同一視の根源のコンプレックスになっていったのです。
2026.01.18
(以下はユング心理学入門を参考に執筆しました。)
ユング心理学には「元型」という用語が出てくる。この意味は、人間が本来生まれながらにもっている、心的な考え方や概念のパターンのこと。
元型は、たとえば古代の神話などに見られる。男の神は力と勇気の象徴であり、女の神は優しさと美の象徴である、といったことであったり、ほかにはヨーロッパでよく知られている伝承として、赤ん坊はコウノトリが運んでくるとか、日本なら、太陽が昇ることは神の巨大な力であるといった具合。
ほかにも、おとぎ話や民話にも、心理学的な元型が多くみられる。たとえば、植物から赤ちゃんが生まれるといったお話は、日本でも桃太郎や竹取物語などがあるが、ヨーロッパでもジャックと豆の木など、このような話は多く存在する。このようなお話は、たとえば豆の木が天へと向かって伸びていくのが「生命力の象徴」であり、子供が生まれるのは「新しいものの誕生」であり、その結果倒される巨人は「古いものを新しいものが打ち倒す」ということを意味している。
そのようなおとぎ話はたくさんあり、心理学的には「巨大な生命力を持った新しいものが生まれて古いものを打ち倒す」ということを意味する。ユングによれば、これも元型のひとつである。
そして、ユング心理学においては、ペルソナ、アニマ・アニムス、シャドウといった心理学的な用語が出てくるが、このペルソナやアニマやシャドウなども、元型の一種である。また、夢分析などをする際には、登場する元型の意味を解釈することが重要となる。
2026.01.20
ユング心理学では、集合的無意識を考えますが、これは「裏の心はみんな繋がっている」という、少しオカルトチックな心理学です。
しかしながら、この事実は、「心を探っていくことで、ほかの人間と繋がる」ということを意味します。
また、ペルソナやシャドウなどの考え方は、「仮面の自分」とか「裏の自分」という発想に繋がり、「本当の自分とは何なのか」を人格的に把握する試みであると言えるかもしれません。
すなわち、ユングは「心の裏側に隠された、本当の自分の姿とは何か」あるいは「心の裏にある自分自身を写し出す鏡の法則や抑圧的な裏の働きは何か」を考える試みと言えるかもしれません。
以下は、ユング心理学を知らない自分が書いているため、間違いかもしれません。
僕は、「今までの自分の生きられなかった側面」、すなわちシャドウが、「新しい自分のコンプレックスになる」のではないかと思います。
たとえば、優等生の体験をした人間は、いじめや不良的な側面を生きることができませんでした。
そのため、優等生の経験が終わると、今度は自ら不良となり、インターネットなどでいじめをするようになります。
しかしながら、彼は左翼の側面を体験したものの、右翼や戦争の側面を生きることができませんでした。
そのため、不良の左翼が終わると、彼は右翼の戦争を経験します。
しかしながら、彼は戦争を経験はしたものの、世界を滅ぼすだけであり、世界を維持するために生きることができず、また今までの人生で勉強や修練をすることができませんでした。
これが最終的な人生における最終的なコンプレックスとなり、彼は大学や仕事で、勉強と修練のために、生涯を捧げるようになります。
このように、「生きられない側面が新しいシャドウとなり、新しいコンプレックスになって新しい人生になり、それが永遠に続いていく」ということが、僕はユング心理学の教えの「裏にある原理」ではないかと、少しの知識を持って考えただけです。
ユング心理学のタイプ論では、人間を2つの態度(内向・外交)と4つのタイプ(思考型、感情型、感覚型、直感型)に分けられるとします。
| タイプ | 説明 |
|---|---|
| 外交的思考型 | 世界すべてを思うがままに支配しようとする。 |
| 内向的思考型 | 事実よりも解釈や見解が得意。 |
| 外交的感情型 | 心に嘘をつかずスムーズに生きていく。 |
| 内向的感情型 | 物静かに見えて本当は心に情熱を抱いている。 |
| 外交的感覚型 | 客観的な事実を積み重ねていく。 |
| 内向的感覚型 | 見ているものと感じているものが異なる。 |
| 外交的直観型 | 可能性やチャンスに基づいて行動する。 |
| 内向的直観型 | 現実の単純なものには興味を示さないが、表現をする術を得ると独創的になる。 |
(ユング心理学入門を参考に書きました。)
ユング心理学のタイプ論以外にも、さまざまな類型論がある。
現代の定番は「ビッグファイブ理論」で、誠実性、情緒安定性、外交性、開放性、そして協調性に対して、それぞれの強さと弱さで捉えるモデルが一般的である。
詳しくは以下の書籍が参考になります。
以下は最近話題の性格診断のサイト。
ちなみに自分がやってみたところ、仲介者のINFPでした。内向的で詩人・芸術家肌であり、みんなを大切にしながらひとりで直観や探究にはげむのが好きだとか。
診断は無料でできるので、みなさんもやってみてはいかがでしょうか。
2023-08-14も参照のこと。
2023.08.14
ユング心理学については以下のページ・書籍が参考になります。
結局のところ、僕自身の心を治すために必要なのは、ペルソナとアニマを作り直すことだ。
ペルソナとは、外的な仮面のことで、世界に対する適応のことを表す。
アニマとは、心の像のことで、内的な心のことを表す。
僕が狂っている理由は、ペルソナとアニマの極度の不一致のせいだ。すなわち、外的な仮面では「とても善良で明るくよい人間」を演じているが、内的な心の像では「壊れやすく何もしない、しかしながら暴力的な人間」になっている。
何がおかしいかというと、昔の自分をアニマにして、今の自分をペルソナにしている。それが間違っている。
今の自分をアニマにしたい。あるいは、ペルソナを昔に戻したい。その心の中の本能的な欲求を理解することなく、押し込めているだけが今の自分である。
昔の自分はかっこよくて、とても麗しい、普通の男だった。だから、ペルソナを昔に戻すだけで、かっこいい男になる。それを拒否しているのは、今のペルソナがあまりに馬鹿だからだ。
あるいは、僕の中にあるアニマは、とても美しい女性になっているが、このアニマという存在が僕を蝕み、「これ以上何もする必要のない人間」になってしまっている。
一度、ペルソナもアニマも、全部消してしまうしかない。その上で、コンプレックスの中にいる、おかしな気持ち悪い生物をすべて消し去る。そうすれば僕は治る。僕の心はすべて今、治った。
2026.01.18
アドラーを参照のこと。
2026-01-18も参照のこと。
フロイトと並ぶ巨人、ユングの心理学です。
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