古代ペルシャ帝国の世界観です。
古代ペルシャ帝国は、イランを中心に栄えた巨大な帝国で、それまで帝国が征服した土地の国民を虐殺し、奴隷化していたのとは対照的に、虐殺や奴隷化をせず、文化や風習も自由にしていいとしたため、「殺されないのであれば占領されても文句を言わない」とした人々の間で領土を拡張し、巨大な大帝国を作り上げました。
また、ペルシャ帝国では、ゾロアスター教を信じていました。これは一神教の二元論の宗教で、二元論、終末論、救済論を唱え、また正しいのは民族や宗教ではなくその人の行為であるとする「特定の民族に帰依しない普遍神の考え方」を持っていました。この思想は、ユダヤ教やイエス・キリストに影響を与えました。ユダヤ教の一神教のオリジナルを作ったとともに、イエス・キリストの唱える「民族を超えた神の無償の愛」というものをすでに持っていたと言えます。
後日注記:征服されても奴隷にされず文化や風習を自由にしていいと言われたので、原住民は自らペルシア帝国に占領されることを歓迎した。被征服民を奴隷化するローマやギリシャのような軍事的帝国とは異なり、ペルシアはとても巨大かつ自由な帝国を築いた。
2024.09.10編集
(以下は放送大学「国際理解のために ('13)」を参考に執筆しました。)
アケメネス朝ペルシア帝国は、紀元前550年にキュロス大王によって建国された、イラン地域にあった帝国。
巨大であるだけでなく、被征服民の安全や財産、信仰の自由を保障し、虐殺や奴隷化をしなかった。
キュロス大王は、被征服者の生活を守り、税金を納めさせて兵を徴収する以外は、自由だった。どんな宗教を信仰していても、ペルシア帝国は「好きにして構わない」という立場だった。
このため、ペルシア帝国は部族や民族の垣根を超えて、とても巨大になった。
ゾロアスター教は、ペルシャ帝国の宗教で、ユダヤ教やキリスト教のオリジナル的な側面を持つ。
後日注記:ゾロアスター教は、特定の民族だけではなく、神を信じれば普遍的にどのような民族であっても救われると説いた「普遍神」の、「神はひとりしかいない」「世界の歴史は神と悪魔との戦い」と説いた一神教であり、歴史的に見ても人類の偉大な進歩である。同様に一神教を信じるユダヤ教や「神を信じればどのような民族であっても救われる」と説いたキリスト教にその考え方は受け継がれた。
ゾロアスター教も参照のこと。
2024.09.10編集
古代ペルシャ帝国については以下の書籍が参考になります。