相対性理論の世界観です。
自分の書いた「エリカの技術・芸術日記」2021/08/15より。
光速度は不変であり、どの慣性系についての物理法則も不変。何らかの星や空間の中で運動している物体は、静止しているように見えても静止していない。これが加速した場合、通常の加速なら、単に速度を加えれば良いが、光の速度に近づくと、時間の流れそのものが遅くなる。これが相対性理論だ。
特殊相対性理論は、等速運動の場合に成り立つ、重力を抜きにした慣性系の理論だが、一般相対性理論は、重力場についても一般化する加速運動の理論。等価原理は慣性力と重力加速度を区別できないとするが、これを基に、加速度による見かけの重力と重力場においても等価であるとする。
(以下は、「別冊宝島116 宇宙論が楽しくなる本 - すべてはアインシュタインから始まった!(金子隆一)」を参考に執筆しました。)
アインシュタインの相対性理論は難解で理解できないと言われるが、一般相対性理論に先立って発表された特殊相対性理論は比較的簡単である。
アインシュタインが現れるまでの間、宇宙を正しく説明したとされる物理学は、ニュートン力学だった。
絶対空間と絶対時間の中で、ニュートン力学の三つの法則、「慣性の法則」「加速度の法則」「作用・反作用の法則」により、宇宙のほとんどの現象は正確に説明できた。
だが、ニュートン力学においても、まだ分かっていないことがあった。それは光の存在である。
音波は、空気という媒体の中を通過してくる波である。音の速度は、運動している人と、静止している人から見て違った速度を示す。
では、光についても同じように媒体の中を通過してくる波であると考えられる。この「光にとっての媒体」のことを「エーテル」と呼ぶ。
それならば、光の速度についても、運動している人と静止している人から見れば、速度は違うはずである。
アインシュタイン以前では、ニュートン力学のほかに、電磁波の特性と法則を考える、マクスウェル方程式があり、ニュートン力学とマクスウェル方程式が主要な物理学の学問だった。
だが、マクスウェルは、電磁波の速度を測定していると、これが著しく光の速度と一致することを発見し、この光の速度を定数cとした。
ここで、光の速度cという値が、定数として与えられてしまったため、「宇宙においては光の速度は不変である」ということが分かってしまった。
また、エーテルを観測しようとした試みはことごとく失敗する。
アインシュタインは、このような物理学の「光という最後の課題」を解決するために、特殊相対性理論を発表した。
特殊相対性理論は、以下の二つの仮説から始まっている。ニュートンの運動方程式が成立する座標系のことを「慣性座標系」と呼ぶ。
原理 | 説明 |
---|---|
1.光速度不変の原理 | 光速度cは、光源の速度に関係なく、宇宙において不変である |
2.相対性原理 | あらゆる慣性座標系において、物理法則は変わらない |
2については、今までの物理学と同じである。重要なのは1であり、光の速度は宇宙において絶対に変わらない。
ここで、エーテルの存在は否定される。光はなんらかの媒体ではなく、宇宙空間そのものを漂う波である。そして、この光の速度は、定数cであり、絶対に変わらない。
このようなアインシュタインの考え方の結果、宇宙において真に静止しているものは存在しないということが分かる。地球も回転しているし、宇宙だって動いていないとは限らない。なぜ、運動方程式がそのような宇宙において成り立つのか、それは運動方程式が加速度を使って書かれているからである。
特殊相対性理論に続いて、アインシュタインは一般相対性理論を発表した。
特殊相対性理論は、相対性理論の中でも「特殊な状況下で成り立つ」ような理論である。一般相対性理論は、この特殊相対性理論のような考え方を、「加速度的に動いている空間の中でも適用できる」ように拡張したものである。すなわち、宇宙における一般的な環境においても、一般相対性理論によってアインシュタインの主張が成立する。
相対性理論において、時間と空間の正しい記述の方法は、ガリレイ変換ではなくローレンツ変換である。
ガリレイ変換とは、一般的なニュートン力学における、絶対時間・絶対空間による空間記述の方法である。
ローレンツ変換とは、エーテルの存在を考えた時に、エーテルがもし存在するとしたら、ガリレイ変換とマクスウェル方程式の間で、その矛盾を解消するために考えられた、いわば「エーテルのための修正記述法」である。
アインシュタインによれば、このローレンツ変換のほうが正しい変換である。だが、エーテルは存在しない。光速度cは宇宙において不変である。
光の速度が、観測している人間が運動しているか静止しているかによらず「不変」であるということは、「『同時』であると考えられるものは本当は『同時ではない』」という、奇妙な現象を引き起こす。
たとえば、宇宙船の部屋の中の真ん中に電球があったとして、宇宙船の中だけを見れば、光は宇宙船の部屋の真ん中にあるため、部屋の前方と後方に同時に到達するように見える。
だが、宇宙船がもし前方に向かって動いていたとしたら、光は前方よりも後方に先に到達するかもしれない。
つまり、宇宙船の中から見て「同時」であることは、宇宙船の外から見れば「同時」ではない。これは宇宙船が静止していないからである。
この結果見えてくることは、宇宙には「同時」は存在せず、光の速度に近くなれば、質量が膨張したり空間が歪んだりするという「アインシュタインを導入した結果正しいと言える奇妙な現象」である。
そして、このような奇妙な現象を考えた時に、正しいのはガリレイ変換ではなく、ローレンツ変換なのである。
また、一般相対性理論によって、「等価原理」と呼ばれる考え方が正しいことが分かった。等価原理とは、重力と慣性力を同じものとみなす理論のことだ。等価原理を適用した一般相対性理論においては、慣性質量と重力質量について、まったく同じ等価なものであるとされる。加速度によって起きる「見かけの重力」は、重力場とまったく同じ等価なものである。
特殊相対性理論は、「等速運動をしているもの」という特殊な場合にのみ適用できる。特殊相対性理論は「重力を抜きにした慣性系の理論」である。これに対し、一般相対性理論は、「加速運動をしているもの」についても、相対性理論が成り立つように拡張する。一般相対性理論は「重力場と慣性系を結び付けた理論」である。
アインシュタインの相対性理論では、重力を「時空を曲げる力」であると定義する。アインシュタインにおいては、重力によって時空は曲がってしまう。このため、ニュートンの言う「絶対時間」や「絶対空間」は間違っていたということになる。
以下のページを参考に執筆しました。
ローレンツの理論とは、エーテルの方向に物体が進行した時、進行方向に物体が縮むという理論です。(ゼロからわかる相対性理論 改訂第2版 (ニュートン別冊)が参考になります。)
後日注記:ローレンツ変換の数式は、慣性系S(x,y,z,t)と、速度vでx軸方向へと動くもうひとつの慣性系S'(x',y',z',t')において、まずローレンツ因子を
\[ \gamma \equiv \frac{1}{\sqrt{1 - v^2/c^2}} \]
とした上で、
\[ \begin{eqnarray} x' &=& \gamma (x - v t) \\ y' &=& y, \quad z' = z \\ t' &=& \gamma \bigg(t - \frac{v}{c^{2}} x \bigg) \\ \end{eqnarray} \]
となる。cは光速度。
詳しくは以下のような記事が参考になります。
2024.03.24編集
以下は、作業所の指導員の方や父親に聞いて、自分なりに理解した内容であり、間違っているかもしれません。
特に、光よりも速く移動することはできない、ということが重要だと思います。
2019-11-08より。
今日はアインシュタインの相対性理論について考えた。
光の速度で移動している物体の中にある物体は、静止しているように見えて、光の速度で移動している。
この相対的な光の速度で移動する物体の中で、物体が移動した場合、どうなるか。
これが、光の速度でない場合、外側の速度に中の速度を加算すれば良いが、光の速度ではそうはいかない。
光の速度は、宇宙において不変だからである。
そして、どうなるかと言うと、時間そのものの進み方が遅くなるのである。
この時、相対的な空間の中にいる人間は、特に変わらずに普通の時間となるが、外側から見ると、時間が遅れて経過する。そのため、浦島太郎現象が起きるのである。
空間と時間は別物であるかのように見えて、実際は四次元時空のひとつの軸に過ぎず、リンクしているのだ。
また、光の速度は不変だが、実際にはたまに変化することがあり、これを説明するために「場」という概念を導入する。場がねじれるために、光速は変わらないが、それでも光の到達時間は変わることがある。
重力場のゆがみについては、ブラックホールの後ろ側からの光の速さが変わることが観測されている。実際には光速は変わらないが、場のゆがみによって変わったように見える。また、万有引力の原因は、質量が場をゆがませるからだと説明されている。
上記と同じようになってしまいますが、再度解説すると、
光の速度に近い速度で動いている空間の中で静止している物体は、静止しているように見えて、光の速度で動き続けている。
この、「光の速度に近い速度で動いている空間の中にある物体」が別の方向に動いた時どうなるか。
これが光の速度でなければ、話は簡単である。動いている速度に加算して速度を増やせば良いからである。
だが、光の速度であれば話は別。宇宙では、光の速度以上速く動くことのできる物体はない。光の速度で動いている空間の中にある物体は、静止しているようで静止していない。
ここで、ありえない現象が起きる。時間そのものの動き方が遅くなり、「時間がゆっくりと流れる」ようになるのである。
相対的空間の中にある物体や人から見ると、何も変わらず、普通の速度で時間が経過しているように見える。だが、相対的空間の外側から見ると、中にある物体や人の時間は遅く経過する。
これが、相対性理論の意味である。
相対性理論には特殊相対性理論と一般相対性理論があり、特殊相対性理論は等速運動をしている空間について、一般相対性理論は加速運動をしている空間についての理論である。
また、アインシュタインは、「重力とは時空の曲がり」であるということを考えた。
物質があると、その周りにある時空が曲がる。
このことが、互いにひきつけ合ったり、ものが地上に落下したり、という力や運動を作り出している。
まず、薄いゴム膜の上をボールが乗っていると考えてみる。ボールの重さによって、ゴム膜はゆがんで曲がってしまう。ここにもうひとつボールを置くと、ゴム膜はボールが二倍に増えたことでさらに曲がり、二つのボールはその上を転がってくっついてしまう。このくっつく動きが、重力なのである。
(図解 相対性理論がみるみるわかる本を参考に執筆しました。)
現代の物理学で、一番新しい物理学は、20世紀に生まれたアインシュタインの相対性理論と、プランクやボーアなどが唱えた量子力学である。
そして、それ以前の物理学は、それより300年も昔の、ニュートン力学である。
だが、現代物理学がアインシュタインの相対性理論や量子力学だからと言って、ニュートン力学が間違っているわけではない。ニュートン力学も、相対性理論も、量子力学も、どれも正しいのである。
たとえば、今の宇宙研究で行われている、月や火星への探査機とロケットの研究などは、ニュートン力学に基づいている。ニュートン力学は、現役でバリバリ使えるのである。
では、相対性理論や量子力学には何の意味があるのか。相対性理論は、地球や太陽系よりも遠く、「宇宙全体」のようなことを考える時に、効力を発揮する。
つまり、ニュートン力学では、地球や太陽系の周りのことは説明できても、宇宙全体のスケールでものごとを考えた時に、上手く説明出来ないことが多かった。だが、そこで、アインシュタインの相対性理論をもってすれば、それらも一部は説明できたのである。
そして、量子力学はどうかと言うと、量子力学は逆に、とても小さな世界、原子や陽子・電子、そして素粒子のような世界で、効力を発揮する。とても小さな世界でも、ニュートン力学では説明できなかったことが、量子力学をもってすれば説明できるのである。
ニュートン力学では、粒子と波は別のものであると考える。だが、量子力学では、それらは同じものであると考えている。量子力学と相対性理論でも、矛盾する点はある。だが、これらはそれぞれ、どれも間違っていない。ニュートン力学は、我々の生きている地球や太陽系の周辺では正しい。相対性理論は、スケールの大きい宇宙全体では正しい。量子力学は、とても小さな量子の世界で正しいのである。
天文学、宇宙ロケット・ミサイルも参照のこと。
そして、今物理学者が考えていることは、「ニュートン力学の範囲でも、相対性理論の範囲でも、量子力学の範囲でも、包括的かつ普遍的に適用できる、統一理論の構築」である。
宇宙が本当に一様であるとすれば、ニュートン力学と相対性理論と量子力学が、それぞれ別個にあるのはおかしい。統一できるひとつの理論を、誰かが考え出すだろう。それはノーベル物理学賞に値するだろう。
アインシュタインの相対性理論は、とても難しく複雑で、僕のようなアマチュア哲学者が簡単に説明できるようなものではないため、ポイントの特徴だけをいくらか書いておこう。
・物体の運動が光の速度に近づくと、空間や時間が変化し、時間は止まり、質量が無限大になる。
・光よりも速い存在は宇宙に存在しない。
・光は質量とイコールであり、エネルギー、速度、時間もイコールである。
まさに、僕なんかが説明して分かるわけがないが、アインシュタインは唯一この理論を理解したと言っても良い物理学者である。誰も本当の相対性理論の意味をきちんと正しく理解していない。
アインシュタインはE=mc2という数式を打ち立て、「エネルギーは質量と光の速度の二乗をかけたものに等しい」ということを発見してしまった。
アインシュタインは「この理論で作られる爆弾を、ヒトラーが先に作ったら大変なことになる」といって、ルーズベルト米大統領にアメリカが先に作るように手紙を書いた。だが、これによってアメリカは広島・長崎に原爆を落とし、米ソの軍拡競争が始まった。
核エネルギーも参照のこと。
力学も参照のこと。
電磁気学も参照のこと。
ニュートンとアインシュタインも参照のこと。
2024-07-26に関連する内容があります。
物体や相対的空間の運動が光の速度に近くなると、時間の流れ方が遅くなる。
たとえば地球の上にある物体は、静止しているように見えても、実際は地球の運動とともに運動している。
移動する相対的空間の中にある物質が運動したとき、その運動速度は、相対的空間の運動速度に加算されたものになる。
これが光の速度に近くなければ、単純に速度を加算すればいい。
しかしながら光の速度に近い場合、速度は加算できない。光よりも高速に移動できるものは宇宙になく、光の速度は宇宙において不変だからである。
ここで、なんと時間の進み方そのものが遅くなる。
実際には、その空間の中においては、通常の速度でものごとが展開しているように見えるが、外側から見ると、時間が遅く経過している。
このため、浦島太郎現象が起きる。
特殊相対性理論は、等速運動をしている場合における理論であり、一般相対性理論は、加速運動をしている場合における理論である。
また、一般相対性理論では、加速度による「見かけの重力」と重力場を等価とし、「重力とは時空のゆがみである」とする。質量を持った物体があると、その物体によってまわりの時空に「ゆがみ」が生じる。時空のゆがみによって「直線」自体が物体に向かって曲がる。これが重力である。
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