Adobe Illustratorの世界観E(グラデーション・透明)。
以下の内容は、僕自身がデザインの作業所で見習いとして学び経験したことに基づきます。書いている当時がとても未熟であったため、誤解や勘違いが多くあります。
作業所の同僚やスタッフにも多くのことを教えていただきました。
塗りを単色ではなく、パターンやグラデーションにすることも出来ます。透明度を設定することで、品のあるデザインに出来ます。
パターンを作ることで、簡単に見栄えの良いデザインを作ることが出来ます。
パターンを編集するために、パターン編集モードを上手く活用しましょう。
グラデーションは、グラデーションツールを使うことで、円形のグラデーションの位置などを動かすことができます。これによって、美しい金属や水の球体を表現できます。
パターンとは、塗りに設定できる機能で、画像を並べて複数表示することができます。上手く使うことで、簡単なものならチェック柄のようなものを、背景画像として表示させられます。
パターンの編集には、スウォッチに画像をドラッグしても良いですし、パターン編集モードを使うこともできます。パターン編集モードでは、並び順についてレンガや六角形を選べるほか、並べる間隔の比率を設定することができます。
イラストACなどの素材サイトでも、パターン用の素材を多く配布されているため、参考にしてください。
後日注記:僕の行っている作業所では、丸などを使うことで「邪魔にならない背景」をパターンで作っています。グラデーションとパターンと不透明で丸を表示するだけです。これをもみじなどに変えることで、秋のパターン背景を作り出せます。
グラデーションとは、ある色から別の色へと変わっていく色合いを出すことのできる機能。色には透明も設定でき、ある色が徐々に消えていくようなグラデーションをかけることで、水の中に映った映りこみのような表現も出来る。
グラデーションを使うためには、グラデーションパネルのグラデーションスライダーにスウォッチからドラッグ&ドロップしたり、グラデーションスライダーをクリックして新しい色を作り、カラーパネルから設定することができる。スライダーを動かすことで微調整ができ、角度を変えることで別の方向へのグラデーションを設定できる。
また、グラデーションツールを使うことで、ある方向へのドラッグによるより直観的なグラデーションの設定が可能。円形グラデーションではグラデーションの位置を調整できるほか、表示メニューのグラデーションガイドを表示がONになっている時は表示された点線の円でサイズを調整できる。また、円形グラデーションの縦横比はグラデーションパネルから設定できる。
それから、線のグラデーションでは、通常のグラデーションの他に、グラデーションパネルから「パスに沿ってグラデーションを適用」や「パスに交差してグラデーションを適用」ができる。これを使うことで、たとえばグラデーションに七色の虹を設定し、それを線に適用できる。上手く使うことでブラシと同じような方法でグラデーションを使用できる。塗りに対して行いたい時はグラデーションメッシュを使うことで、パスにフィットさせたり、一部のメッシュポイントを移動・変形させてグラデーションをかけることができる。
IllustratorではなくPhotoshopを使うことでさらに柔軟なグラデーションもできる。
後日注記:線のグラデーションをテキストにかけることで、立体的なテキストを表現できます。またIllustratorの最近のバージョンでは、もっと柔軟にグラデーションをかけられるようになっています。
透明ツールからマスクを設定することで、部分的に画像を透明に出来ます。グラデーションなどをかけることで、段階的に消えていくようなマスクをかけることが出来ます。マスクは、白い部分で画像が見え、黒い部分で画像が消えるようになります。
不自然な写真やイラストの切れ端があった場合に、自然にぼかして消えていくような処理をかけることが出来ます。
後日注記:不透明マスクは白黒のグラデーションからもかけることができるほか、白と黒単色の2つの色を使った画像でもかけることができ、Photoshop効果などとも組み合わせることができます。
後日注記:不透明マスクは、通常のクリッピングマスクでは切り抜けないような複雑な図形によるマスクにも使えます。たとえば、図形の中に図形があるようなパスで写真にクリッピングマスクをかけようとすると、グループや複合パスの関係から上手く切り抜けないことがあります。このような時、不透明マスクを使えば、白い部分が残り、黒い部分が消えるような図形を写真の上に重ねることで、マスクでその部分だけを透明にできます。
たとえば、白くぼかした円を透明度100%と白のグラデーションで作ることができます。他の方法として、ぼかし効果を使う方法や、光彩などを使う方法もありますが、グラデーションで行うと、調整がしやすいです。下に記述するグラデーションメッシュや不透明マスクを使う方法もあります。
イラレでオブジェクトを編集する際に、効果やアピアランスを多用する方法ももちろんありますが、複数の複製を前面にコピーして、透明度や白を上手く使って重ね合わせで色を表現することもできます。この時は、アピアランスを使ったり、マスクを使ったり、あるいは描画モードを使うことで、たとえば「写真をパスで切り抜いて、外側の部分だけ色を重ねる」などといった手法が使えます。
グラデーションメッシュを使うと、写実的な絵画のような、美しい陰影と立体感があるグラデーションを作ることが出来ます。
イラレの中で最も複雑で難しい機能の1つだと思います。頑張ってマスターすれば、ネットにある素材のようなイラストカットを作るのに役に立ちます。
基本的には、グラデーションメッシュを作成して、メッシュラインとメッシュポイントを変更し、グラデーションの色を付けていきます。
メッシュポイントに色を設定することで、ポイントとポイントが互いに干渉し合う、印象的で立体的なグラデーションを作ることができます。メッシュラインを変えることで、へこみを表現できます。
グラデーションメッシュと不透明マスクを組み合わせて写真に使うことで、写真を徐々にぼかすような効果をつけることもできます。
波型の輪郭をした図形など、単純な図形であれば、グラデーションメッシュを使うことで、「パスにフィットしたグラデーション」をかけることができます。たとえば、クリスマスのデザインなどの場合、長方形のパスにジグザグで波型にしてアピアランスを分割し、その上でグラデーションメッシュを列数・行数ともに1にしてかけ、その上でメッシュポイントを選択して赤と白のグラデーションにしたりすることが考えられます。通常のグラデーションでは波型にフィットしたグラデーションはできませんが、グラデーションメッシュならばできます。その上でぼかしをかけたり、前面のオブジェクトとして英文フォントでクリスマスのタイトルを書くこともできます。元のオブジェクトから波線部分だけをコピーして、パス上文字にしても良いでしょう。
特に、扇形に開いた長方形のように、簡単にグラデーションをかけることが出来ない場合に、グラデーションメッシュを簡単に使って綺麗なグラデーションを作ることができます。扇形の長方形はワープで作り、アピアランスを分割しましょう。
後日注記:グラデーションメッシュは、パスによって直線的にはっきりと色が分かれていない時に、徐々にぼかした色の変化をつけて、濃淡を表現するために使えます。たとえば、イラストでない油絵とかの表現に使えます。また、徐々に色を変えられるため、IT技術のポスターの背景を作る場合などに、サイバー感を出すために黒と青のグラデーションメッシュを使う、などという表現ができます。
透明パネルから描画モードを選択することで、透明のかけ方を変えることができます。
たとえば、「乗算」にすることで、背景の色と前面のオブジェクトの色を掛け合わせて、一味違った透明のスタイルを行うことができます。
描画モードは、パターンやアピアランスと組み合わせて使うことで、綺麗な透明がかったパターンの背景などを作ることができます。(ただ、自分でも出来ていません。そうした技術力がほしいです。)
描画モードを知らない方は(僕を含む)、適当なパターンをスウォッチに登録し、アピアランスから塗りを追加して、塗りに適当なパターンを適用し、塗りを追加して、新しい塗りに色を設定し、新しい塗りをパターンの下に移動して、塗りの上にあるパターンに対して透明パネルから「描画モード」を変えてください。パターンの下にある塗りの色が、パターンを透過して「重なって」表示されるようになります。この状態で、描画モードを色々と変えて試してみましょう。
ブレンドを上手に使うことで、立体感のある光沢を表現できます。
まず背景にベタのオブジェクトを配置し、その上に小さな水玉のようなパスを作成し、ブレンドを作成します。
小さく作ったパスの色と形から、全体のオブジェクトが綺麗な光沢のある背景になります。
また、文字に対してグラデーションをかけ、スライダーでそれを狭い範囲に調節することで、文字オブジェクトに対して光沢を表現できます。
後日注記:ブレンドはあまり使わない機能ですが、オブジェクトをたくさんコピーして自動配置したり、オブジェクトに色を自動で設定したりすることができる便利機能です。
映りこみの表現は、リフレクトしてコピーしたオブジェクトの上に、透明と白を設定したグラデーションをかけることなどで作ることができます。
この白と透明のグラデーションをスウォッチに登録した上で、オブジェクトをリフレクトコピーし、アピアランスから新しい塗りを長方形に変換して、長方形の色にこのスウォッチを適用するようにしても良いでしょう。
グラデーションは、透明を上手く使いながら、重ね合わせることで真価を発揮します。描画モードなども上手く使いながら、色と色を重ね合わせて新しい色を作ります。
パターンが徐々に消えていく表現をするためには、不透明マスクを使うか、白と透明のグラデーションを上からかける、という方法もあります。
また、グラデーションメッシュは使いこなせると良いでしょう。縦と横の値をそんなに増やしすぎず、少ないメッシュで色を分けることで、綺麗なパスに沿ったグラデーションを作れます。
上手く使うことで、背景などを綺麗に作ることができる。パターンなどと一緒に使おう。
パターンのコツは、「変形」効果を上手く使うことです。
たとえば、チェックやストライプや水玉のような柄で、変形効果の中で45度回転させると、綺麗なパターンになることがあります。
また、変形効果では拡大縮小もできますし、移動することでパターンの位置を上下左右に綺麗に合わせることもできます。
変形効果を使わなくても、~(チルダ)を押しながらカーソルキーを押すことで、パターンだけを移動させることができます。
2024.03.27
以下の書籍が参考になります。