ベジェ曲線の描き方です。
以下の内容は、僕自身がデザインの作業所で見習いとして学び経験したことに基づきます。書いている当時がとても未熟であったため、誤解や勘違いが多くあります。
作業所の同僚やスタッフにも多くのことを教えていただきました。
実際に僕が制作したデザイン作品はイラスト・作品ギャラリーにあります。
ベジェ曲線とは、Illustratorのペンツールで図形を描くために用いる、アンカーポイントやセグメントとハンドルによる、「なめらかで綺麗な曲線」のこと。
基本的に、ハンドルを線に水平に近づけるほどなだらかな曲線になり、垂直に近づけるほど極端な曲線になる。
Illustratorのペンツールでは、ベジェ曲線を使うことで、拡大しても劣化しない滑らかな曲線を描くことができる。
ハンドルは向き以外に大きさ(長さ)があるが、これを上手く調節することで線が美しくなる。特に、ハンドルを長く伸ばしてアンカーポイントを少なくすることで、美しい曲線を引ける。
ベジェでパスを描く時は、コツが要ります。出来るだけ、ハンドルを伸ばし、アンカーポイントを少なくします。
コーナーポイントとスムーズポイントを上手く使い分けながら、Altで折り返したりしていると、すぐに綺麗なパスが引けるようになります。
ペンツールでパスを描く練習をするためには、企業のロゴをなぞったり、カープ坊やのような簡単なイラストをなぞったりして、画像トレースの練習を行うと良いでしょう。
線を単純になぞるようにハンドルを伸ばしたり、正確性を重視してアンカーポイントを増やしたりしてしまうと、パスがいびつになってしまって、汚い線になってしまいます。
綺麗なパスを引くコツとして、
1.ハンドルを思い切って外側に長く伸ばすこと
2.要らないアンカーポイントは削除すること
3.曲線の部分を丁寧に作って、同じ曲線の部分に複製すること
が挙げられると思います。
ペンツールだけではなく、フリーハンド系のツールを使うことも出来ます。塗りブラシツールを使えば、ある部分を塗りつぶすようにブラシで塗っていくことでパスオブジェクトを作ることも出来ます。ブラシツールとブラシを使うことで、手書きしたパスにさらに毛筆のような表現をすることも出来ます。
ベジェ曲線とは、この表現で分かるかは分からないが、要は、「曲線をハンドルで釣り上げる」ことだ。
釣り上げる、という表現が重要だ。一つのベジェ曲線には、両端の二つのハンドルがあるが、これを外側にどれだけの長さで、どれだけの角度で伸ばすかで、曲線の曲がり方が変わってくる。
だが、頭で理解するのは難しい。中学三年で習った数学の「二次曲線」を思い出してほしい。あんな感じで、放物線のように曲線が伸びる。その上で、それを角度を強く、弱くし、大きさや長さを長く、短くする。それが、僕の言う、「釣り上げる」の意味だ。
これを読んだだけでは分からないと思うが、ベジェ曲線は曲線を釣り上げながらハンドルを作っていくことで綺麗なパスが描ける。僕も、もう作業所に行き始めて1年と4か月ぐらいが経つが、やっと描き方が分かった。ただ、「釣り上げるように」描けば良い。今までは、そういう風に考えることが無く、綺麗なパスが描けるようになったとは言っても、簡単なイチゴの輪郭すら描けなかった。やっと描けると思う。
どうでも良いが、最近一番良く使うのは、グラデーション、ぼかし、そしてリフレクトとシアーだ。文字オブジェクトに使うことで、文字がとても綺麗にデザインできる。(2018.03.29)
アンカーポイントは角に付ける人が多いと思うが、ベジェ曲線という特性から考えて、直線部分にアンカーポイントをつけて、綺麗な曲がり角をハンドルで作る、というやり方も僕は良いと思います。
パスは、「考えて引く」こと、それが鉄則です。適当に何も考えず引くのはやめて、考えながら引きましょう。
ベジェ曲線は、「膨張させる」という表現をすると良いかもしれません。直線をある方向に膨張させることで曲線を描く。それがベジェ曲線です。
ペンツールでベジェ曲線の練習をするために、有効なのはロゴやイラストのトレースです。
トレースとは、画像の輪郭線をなぞって同じ輪郭のパスを引く作業のことで、背景レイヤーにロゴやイラストの画像を配置し、その輪郭線をペンツールでなぞっていきます。
これが出来ると、きちんとペンツールで複雑な曲線のパスを描くことができます。
初心者の人は、ハンドルを長すぎたり、短すぎたりして伸ばしてしまいますが、基本的にハンドルを長すぎず、短すぎないように引くことで綺麗な線が引けます。
曲線について引く時は、ハンドルを出来るだけ大きく外に伸ばしましょう。それによって綺麗な曲線になります。
ロゴのトレースなどをする時は、線幅を1ptから0.5ptなどに細くすることで、一段と難しくなってやりがいが出ます。簡単だと言う人はそうしてください。
ただ、後から編集できるとは言っても、普通、ペンツールでイラストを描くのはトレースとか切り抜きの時が主になります。パスはさまざまなグラフィック効果や素材の編集・作成には使えますが、基本的には紙に描いて練習しましょう。
ハンドルを伸ばして曲線をトレースするコツとして、「ハンドルは曲面に水平に」というのがあります。
特に、サインカーブなどはハンドルを曲面に水平に伸ばすことで、綺麗な曲線をトレースできます。
ただし、ペンツールでベジェ曲線を描くのは、やはり、基本は慣れです。
特に、ベジェ曲線は、慣れてしまえば、どんな曲線でも引けるようになるため、適当に何も考えずに引いていても、綺麗な曲線が引けるようになります。
特に、数センチ間隔でアンカーポイントを増やし、元の画像にできるだけ忠実にパスを引いていけば、綺麗な曲線は誰でも慣れれば引けます。
最近の自分の経験から言って、ベジェ曲線は線を曲げる時に横につけるものだと思えば良いです。
また、できるだけ長くパスを引いて、できない時は少し短くする、といった方法でパスは誰でも引けると思います。簡単です。
僕は、長い間修行してきたために、パスが綺麗に引けるようになりました。
パスを引くとは、ペンツールでベジェ曲線を描くということです。
パスが綺麗に引けると、写真の切り抜きも綺麗にできるようになりますし、アートワークも描けるようになります。
ですが、パスを綺麗に引けるだけでは、絵やイラストを描くことはできません。絵やイラストは、何もない白紙の状態から、ゼロから作り出さなければならないからです。
僕は、そのように、絵やイラストを描くということは、まだあまり上手ではありません。
ですが、デザインは、絵やイラストだけではないと思います。
たとえば、円を描く際にも、ただ円を描くだけではなく、塗りと線に色をつけた上で、オフセットや破線などを使って、白の点線を内側に描くような「工夫」を行うことができます。
そのように、綺麗にする「工夫」を行うことで、絵を描くだけではなく、あるいは絵を描くだけではできないような効果やエフェクトについても、Illustrator上で行うことができます。
僕は、そのような「工夫」、すなわちテクニックをもっと身につけていきたいと思っています。
2023.03.18