博物館の世界観です。
博物館に詳しい父親の話を参考にしています。
僕は、博物館というものは、自分たちの文化と知恵を、そうでない多くの人々に対して公開し、共有する、というところにあるのではないかと思います。
これは、たとえば、アメリカで移民としてやってきた多くの国の人が、それぞれの文化を共有するために、アメリカのフロンティアで新しい町を作った時、学校よりも博物館の方が先にできた、というところから言えることです。
自分たちの文化や知恵、知識、そして風土や慣習などを共有することで「知を多くの人に広げ共有する」ということ、それが僕は博物館の大きな目的ではないかと思います。
僕は、父親が博物館の仕事をやっていたせいで、博物館とはどういうものなのか、知っています。
そこで言えることは、博物館には「展示」だけではなく「保管」(収集・調査研究・保管)の役割もあること、そして展示にはものだけではなく、「体験」の展示もあるということです。
人々が実際に体験して、科学の面白さを分かる。そのために展示だけではなく装置を作ったり、遊べるものを作ったり、あるいはサイエンスショーなどもする。そうした施設が博物館です。
父親が博物館学芸員だったといっても、どのような博物館だったのか、人々は疑問に思うかもしれません。
父親はさまざまな博物館の職員を経験しましたが、一時期は、プラネタリウムの職員だったことがあります。
プラネタリウムで、面白かった話は、プラネタリウムを見るのに、「今日の空は晴れていませんが大丈夫ですか」とか、「どれくらいの防寒着を用意すべきですか」といった質問が寄せられることです。
プラネタリウムは室内で疑似的に再現した星空を見るものですが、人々は望遠鏡のようなものとか、あるいは寒い夜の野外で見るものだと勘違いしていたのです。
ほかにも、父親はさまざまな博物館を経験しました。父親は大学時代物理専攻だったので、ほとんどは自然系の博物館の学芸員でした。博物館学芸員の仕事をする前は、中学校の理科の教師だったそうです。
父親が科学に興味を持ったきっかけは、アメリカによる月面着陸です。それまでは技術系の会社の工場で働いていた父親でしたが、あれを見て、科学を勉強することを志すようになり、独学で勉強して理系の一流大学に入りました。その後は中学校の理科の教師を経て、僕が生まれたぐらいの頃(詳しくは知らない)から、博物館の学芸員に転職したそうです。
2025.01.08-09
プラネタリウムでは、投影機を使って室内に星空を再現する。
まず、天井がドーム状の巨大なスクリーンになっていて、この巨大スクリーンに、投影機を使って光を当て、そのひとつひとつの光が星のように見えることで、星空を作り出す。
投影機には、ひとつひとつの針で開けたような小さな穴があって、その投影機の中で電球のように光を放って、それを天井のスクリーンに映し出す。この穴が、星座と同じ形をしているので、投影機の穴として作られた星空の星座が、そのまま星空として映し出される。
この時、単に穴から光を放つだけだと、遠くにある場所では光がぼやけてしまう。このぼやけるのを起こさないために、光の穴にはひとつひとつレンズがついていて、レンズによって一点に光を集中させ、シャープな光を作り出している。
投影機は地球の回転と同じように、真ん中で回転する。この際にも、星空の天体の動きを忠実に再現するために、モーターやギアがとても複雑な仕組みをしており、精巧かつ正確に天上の動きを再現する。
投影機には二種類ある。ひとつは北半球の星空、もうひとつは南半球の星空である。
普通、人間が大陸を移動して別の場所から星空を見たりするのには時間がかかるが、プラネタリウムから別の地域の星空を見るのには時間はかからない。日本の星空からロシアの星空へと瞬時に切り替えることができる。ただし、経度が異なると時差が発生する場合があるので、アメリカの星空を見ようとしてもアメリカが昼だという場合もある。
プラネタリウムを作るのには精巧な機械技術が必要であり、そんなにたくさん作って儲かる仕事でもないため、製造業者は限られるが、一般的なプラネタリウムでは、日本やドイツの精密なカメラ技術を持つメーカーなどが作っていて、ひとつ当たりの値段も高額で、メンテナンスで金を取っている。投影機は高額になるため、プラネタリウムでは長い間修理しながら投影機を使うことが一般的である。
ただし、そのようなプラネタリウムにも革命が起きつつある。それはコンピュータ技術だ。コンピュータの能力が上がり、プラネタリウムのような巨大で精密な計算も簡単にできるようになり、またディスプレイも4Kや8Kのようにまるで写真を見ているかのように高精細になってきている。そのため、ディスプレイとレンズを使ってスクリーンにコンピュータ技術で星空を投影することもできるようになってきている。そのメリットは、投影機という機械を使わないため、極めて自由に星空が投影できる。どこからどこへと地域を切り替えるのも簡単にできて、プラネタリウムのほうで自由に技術を作ることができる。
2025.01.09
歴史については日本の和の文化や昔の日本の生活や日本史や世界史も参照のこと。
美術館については美術史も参照のこと。
プラネタリウムについては天文学も参照のこと。
気象台については気象も参照のこと。