将棋の入門。
将棋は、盤上で駒を動かして、相手の王を取れるように攻め、自分の王を取られないように守るボードゲームです。
ヨーロッパで言うチェスと同様ですが、いくらかルールと駒が異なります。
将棋で勝つためには、初心者が何も考えずに攻めたとしても、勝つことはできません。いくらか考えるべきポイントがあります。
まず、将棋では、攻める前段階として、自分の陣営をより強くすることが必要です。
たとえば、相手よりも自分のほうがより多くの駒を持っている状態や、飛車や角といった強い駒を多く自分が持っている状態が、「強い」と呼べるような状態だと言えます。
ですが、どうすれば、相手よりも自分のほうが多くの強い駒を持つことができるでしょうか。
将棋には、「駒得」や「駒損」という言葉があります。もし、自分が駒を捨てることになったとしても、それによって相手の駒を取ることができるのであれば、それは「交換」と呼びます。そして、駒を交換した場合に、弱い駒を捨てて強い駒を取ることを「駒得」、強い駒を捨てて弱い駒を取らされることを「駒損」と言います。
なので、駒得をし、駒損をしないように心がけて攻めていけば、自分の陣営は強くなります。
また、将棋には「成駒」というルールがあります。たとえ小駒であっても、相手の陣営に攻め込んで「成る」ことができれば、それは自分の陣営が強くなったことを意味します。
序盤の攻め方として、まず、飛車や角といった大駒が相手の陣営に攻め込むことができるように、角や飛車の上にある歩兵をどかせます。そして、角や飛車で相手の陣営を攻め込み、多くの小駒を取ります。この持ち駒となった小駒を相手の陣営に「打つ」ことで、持ち駒を攻めに使い、さらに多くの駒を獲得することができます。
自分の陣営が、そのように相手より強くなるということが、まず、将棋で勝つことの第一要因となります。
もうひとつは、自分に有利な陣形を作り出すことです。
たとえ自分がいくらか損をしたとしても、相手の王を取ることができる状態(詰む状態)に持っていくことができれば、それが将棋の勝利につながります。
そのためには、相手よりも自分のほうが有利な陣形を作り、その状態に盤面の駒の配置状態をもっていかなければなりません。
また、できるだけ多くの駒を取るためにも、相手よりも自分のほうが有利な陣形を作り、どのように攻め込まれても、自分が最終的には得をする形に持っていくことも必要です。
そのため、中盤の「多くの駒が縦横無尽に動く」ような状況では、自分がどのように相手に勝利するのかという、「構想力」や「大局観」が必要になります。
終盤に差し掛かると、最終的な詰めの状況に近づいていきます。
終盤のポイントは、「正確に読むこと」だと思います。相手がどのように自分の王を守ろうとしても、失敗することなく詰む状態を「正確に辿っていく」ことで、詰み状態へと持っていくのです。
以下は参考文献。
将棋のルールとして言えるのは、盤上には、
・駒の場所
・駒の利き
・駒の可動範囲
・自分の駒か、相手の駒か
・相手と自分は交互に一手ずつ駒を動かせる
というルールがあります。
また、自分の陣営をパワーアップさせる方法として、
・相手の駒を取った時は、自分の持ち駒とし、あとあと好きな時に好きな場所に打つことができる(相手に取られた場合は相手の持ち駒になる)
・敵陣に入った自分の駒や、敵陣で移動した自分の駒は、「成る」ことでより強い駒になることができる(場合によっては成らないこともできる)
というルールにより、戦況を有利にできます。
また、詰将棋に限って言えば、
・どうすれば詰むのか、どうすれば詰まないのか
・どうすれば最短で詰むのか、手順のもっとも短い詰ませ方は何か
を考えます。
これらを総合して、相手の玉を詰ますことができたら勝利です。
大人になって馬鹿になったからといって、将棋を諦める必要はありません。
なぜなら、大人になって馬鹿になったと思っているのは、裏の人格になっているだけにすぎないからです。
子供が賢いのは、単純に最初に分かることをいつまでも分かり続けているからです。これが子供に存在する「表の人格」です。
ですが、大人になると、そのような最初に分かる表の人格がなくなり、何も分からない裏の人格になります。
ですが、裏の人格でもきちんと分かるようになると、逆に表の人格で分かる以上に、裏の人格で分かるようになります。
表の人格と裏の人格は違います。なので、表の人格で分かるのとは、裏の人格では違った分かり方をする必要があります。
僕は、将棋棋士でベテランとされる羽生九段などは、今まで表の人格で分かりつくしていたことが、裏の人格で分からなくなってしまったから、いつものような強さを失ってしまっているのではないかと思います。
なので、羽生九段はまだ終わっていません。裏の人格で、表の人格とは別の分かり方をすればよいのです。
そうすれば、羽生九段はさらに新しくなり、最強の棋士として帰ってくるでしょう。
また、一般のアマチュア棋士も、子供時代よりも大人になって、自分が馬鹿になったからといって諦める必要はありません。将棋は表の人格だけではなく、裏の人格とも相性がよいからです。裏の人格を大いに賢くすれば、逆に子供よりもはるかに賢いアマチュア棋士になれるでしょう。
AI技術は、人間の将棋棋士よりもはるかに強くなりました。
ですが、これで人間がAIに敗北したわけではありません。
将棋棋士は、AIの指す将棋ソフトを使って、「なぜこのような手を指すのか」という研究を、ほかの人間の棋士に勝つためにしています。
いわば、AIは既に、人間が倒すべき対象ではまったくありません。そうではなく、人間と人間が戦う上で、AIの指す「最善手」がなぜ最善手なのかを考えるための、「研究するための手段」として今のAIは存在しています。
そして、指す側だけではなく観戦する側も、AbemaTVのAIを見ながら、「今どっちがどれだけ勝っているのか」とか、「最善手はどれなのか」を確認しながら、将棋の対局を観戦することができます。
AIは人間を倒したわけでもなければ、人間がAIを倒すべきというわけでもありません。AIは手段であり、道具なのです。いくらAIが単独で最強であっても、それを上手く使えば自分が強いのであり、上手く使えないのであれば自分が弱いのです。
AI・人工知能も参照のこと。
自分の書いた「エリカの技術・芸術日記」2021/08/15より。
詰将棋について言えば、どの方向に相手の駒が動いたとしても、最短で詰む、すなわち相手がどこにも動けなくなって投了すればよい。
詰将棋は、将棋盤を使ったパズルで、問題として用意された盤面を見て、王手をかけ続けることで最短で詰むようにするゲーム。
三手詰は基本的に一手目で王手をかけ、二手目で相手がどこに受けたとしても、三手目で詰むようにすれば正解。
五手詰の場合でも、同様に王手を繰り返して五手目で詰むようにすればよい。
詰将棋は単純なパズルに見えるかもしれないが、それぞれの駒がどこに動けるのかを盤面を見て把握する力が必要であり、また捨て駒(駒をただで捨てる)が重要だったり、持ち駒として用意された駒を使ったり、あるいは前の手で取った駒を上手く使ったり、成駒を使ったりするなど、将棋の応用力が必要。
特に、駒の「利き」がどこまであるのかを、数手先まで読むことのできる力が必要で、さまざまな問題を解く中でそうした将棋力を養うことができる。
詰将棋の基本は、「必ず詰む」、すなわち相手が詰む方向にしか逃げることができず、絶対に詰むように自分の駒を動かすということです。
将棋には、詰将棋というやり方があります。盤面と持ち駒を与えられて、最短で詰むように指します。一手詰めであれば一手指すだけで相手が逃げられなくなって自分が勝利するように指します。
詰むとは、「王手で相手がそれ以上何もできず、投了するしかない」という状況のことです。
一手詰めは、比較的簡単です。なぜなら、一手自分が指すだけであり、相手が駒を動かすことを考えなくてすむからです。
では、三手詰めや五手詰めは、どのように指すことを考えたらいいでしょうか。
つまるところ、相手が逃げられない、すなわち「詰むことが確実」であればよいのです。これの意味するところは、「詰まない方向には逃げられない(動けない)」ということです。
どんな風に相手が逃げたとしても、必ず詰むということ、これが三手詰めや五手詰めの基本です。
僕は将棋棋士の藤井聡太さんが好きですが、藤井聡太さんは41手詰めを25秒で解きました。素晴らしいですが、こうなると本将棋とあまり変わらなくなってきます。詰将棋ができるということは、「その盤面からの勝ち筋が見えている」ということであり、難解な局面からでも自らを勝利へと持っていける「勝ちを奪い取る強さ」に直結します。
三手詰めがどうしても解けない方は、「王手をひとつひとつ選び、それに対するすべての受けを考え、そのひとつひとつの受けが詰むかどうかを確認する」という方法で、確実に解くことができます。
本将棋と違って、詰将棋は攻める方が王手をかけ続け、守る方は受けるだけです。盤面上の駒も多くありません。そのため、総当たり方式で解くことができます。
将棋の基礎力を鍛えるための特訓におすすめです。
詳しくは以下の書籍が参考になります。
最近、詰将棋にはまっています。
三手詰めの詰将棋を、数問(おそらく11問ほど、もっと多かったかも)解きました。
詰将棋のコツは、まず自分の持っている駒と相手の持っている駒を確認し、王の位置とどこに指せば王手をかけられるのかを全選択肢考えます。そして、王手を指した時、相手がどこに逃げられるかを考え、そこに逃げた時、自分は次の王手で詰ますことができるかを考えます。
相手が、少しでも逃げることのできる手順があれば、そこでその王手は間違っています。ですが、逆に言えば、ある相手の手順でその場合は詰んでいるように見えた状況でも、相手が別の手順で詰まない手順を持っていればそれは詰みではありません。なので、正解に見える手順であっても、本当に正解であるかどうか、すべての手を想定してよく考えましょう。正解だと思っても不正解であるということがよくあるからです。
詰将棋で学んだことは二つあります。ひとつは、数学は分からずに詰将棋と同じことをやっているということです。詰将棋をすると、前頭葉の知性が付きます。数学(特に中学数学)でも、同じように前頭葉を鍛えることができますが、数学と違うのは、一度中学数学を過去に学んだことのある大人は、中学数学の内容を既に知っていて覚えているため、もし前頭葉がなくなってもう一度付けなければならないような状況でも、中学数学を再びすることができません。また、数学は分からないままで前頭葉を付けているため、その間は賢い状態であっても、中学高校を卒業してしまうとそこで終わってしまい、前頭葉のある賢い状態を保てなくなってしまいます。その結果、大人になると、「中学高校の賢い状態が終わった馬鹿な大人になってしまう」という状況が訪れます。
そのような中では、詰将棋が役に立ちます。詰将棋を学ぶことで、中学数学と同じ知性が付きます。ひとつひとつ駒の動かし方を考えることで、「純粋にじっくりと考える」ということができ、前頭葉が再び活発になることができるのです。
また、詰将棋で学んだもうひとつのことは、「正しい手順ではなく間違った手順を選ぶのは絶対に悪い」ということです。将棋では、いかに正しい手順を指すか、ということが一番重要です。これは逆に言えば、いかに間違った手順を指さないで正しい手順だけを探っていくか、ということです。すなわち、精神がおかしくなった人間は、いくら間違った解決方法を繰り返したところで、それでは治りません。将棋を学べば分かることですが、「間違った手順を行おうとするのが一番悪い」からです。将棋では、間違った手順を指せばそこで勝負は負けです。
これは、藤井聡太のようなプロ棋士がきちんとしたもの言いをするのにも通じます。藤井聡太は、間違ったことをするということの愚かさを誰よりも知っているから、絶対に間違ったことを言いません。どんなに間違ったことを記者が言わせようとしても言いません。将棋というゲームがそうだからです。相手がどんなに誘惑しても、自分は間違えずに、間違いの絶対にない正しいことだけをするのです。そもそも、将棋とはそういうものです。
僕の精神がおかしいのは、将棋ではなく科学者のように考えるからです。科学者のように、「間違っているかもしれない可能性をすべて試し、そこから真実を探る」という発想をしています。しかしながら、精神を治す時には、間違ったことを試そうとした瞬間に、ゲームオーバーです。間違ったことを一切せず、正しい手順、当たり前の手順だけを行えば精神は治るのです。科学者のように精神を治すのは間違っています。正しいのは、将棋棋士のように精神を「正しい手順だけで治す」ことです。
2022.07.04
将棋というゲームは、相手が逃げられなくするということを突き詰めるゲームです。
将棋というゲームでは、一見、相手を追い詰めたように見えても、逃げられたのでは意味がありません。
勝つためには、相手が逃げられないような手を指す必要があります。
将棋の強い人というのは、相手が逃げられないような手、もし逃げたとしてもその逃げる手順で自分が有利になるような手を指します。
なので、どのような手を指せば相手が逃げられないかを考えることで、将棋に必要な「読む」という力をつけることができます。
そして、序盤の手順はゲームそのものを作ります。今からどのように相手を攻めていくか、ゲームそのものをどのように作っていくかということが、序盤の手順で決まります。
相手が逃げられる手をいくら指しても、それは最初から意味がありません。相手が逃げられない手を指すことこそが勝利のために必要なのです。
2023.06.26
Abemaでの将棋観戦についてはAbemaを参照のこと。
藤井聡太を参照のこと。