社会契約論の哲学者。
ルソー。
画像はパブリックドメイン。
自分の書いたブログ「わたしの名はフレイ」2020/09/07より。
ルソーは、社会契約論の哲学者。
ルソーを含め、フランス革命の時代には、革命思想の基本や基盤を形成する「啓蒙思想」が流行したが、ルソーはこのひとり。
彼らは社会が原始や古代の最初の「自然状態」とは何であるかと考え、「支配され抑圧されていることが当たり前だということは、支配が正しく正当であることを意味しているわけではない」といった、半ば過激な論評が特徴で、ルソー自身も過激な人間として知られ、何度も逮捕状が出たことで有名である。
啓蒙思想には、ほかにイギリスの啓蒙主義をフランスに取り入れたヴォルテールや、三権分立を主張したモンテスキューなどが知られる。
ルソーは、人間の最初の社会である「自然状態」を考え、社会をそれぞれの契約だとする「社会契約説」を唱えた。ここで、社会が堕落した原因を私有財産に求めた。
後日注記:私的所有権の廃止はよくある考え方であり、ルソーだけではなくヘーゲルも同じことを言っている。ルソーはピストルによる強盗の例を示したが、「社会的にそれが普通だとみんなが思っていても、それは絶対的必然ではない」ということを言いたいのではないかと僕は思う。みんなが普通に受け入れていることは、本当にそれが正しくて、絶対にしなければならないわけではない。みんなの社会的合意によって変えられるのである。
後日注記:ルソーは、ホッブズなどと異なり、自然状態をある意味で階級の存在せず平等な「相互配慮状態」とした。そして、自然状態が成立しなくなった社会において「共和国」を作り上げるべきだと主張した。
フランスの啓蒙思想は、フランス革命に影響した啓蒙思想のこと。
三権分立を主張したモンテスキューや、イギリスの市民革命(議会制民主主義や立憲君主制)をフランスに取り入れたヴォルテールのほか、百科全書のディドロやダランベールなどが知られている。
詳しくはフランス啓蒙思想 - 独学ノートが参考になる。
「読まずに死ねない哲学名著50冊」より引用。
“確かに、ピストルを持っている人間に脅されたときには、自分の財布を差し出さないと殺されてしまうかもしれない。だがこのことは、ピストルを持っている人間には財布を差し出さねばならない正当な義務があることを意味するわけではない”―ルソー
“各人は社会契約を結び、自由を相互に承認することで、みずからを『一般意志』の指導のもとに置き、『共和国』を作り上げるのだ”―ルソー
“ただ力だけが彼を支えていたのだから、ただ力だけが彼を倒させる。万事はこのように自然の秩序に従って行なわれる。”―ルソー
「人間不平等起源論」、「社会契約論」、など。