キリスト教批判で知られるドイツの文献学者。
ニーチェ。
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自分の書いたブログ「わたしの名はフレイ」2020/09/07より。
ニーチェは、キリスト教を批判した哲学者。
キリスト教を、「天国ばかりが価値があると言うせいで、今のこの地上の世界の価値を見失っている」などと批判した。
神に変わって「超人」の概念を導入し、真理など存在せず、「権力への意志」によって「解釈しているだけだ」とする。
彼の思想はセンセーショナルでかっこよかったが、反ユダヤ主義思想を生み出す元凶となったなど批判も多い。
ナチス・ドイツなども参照のこと。
ニーチェは、キリスト教を批判し、キリスト教を「天国を価値あるものとするせいで、この世界を無価値なものだと見なしている、弱者の幻想」であると考えた。
後日注記:ニーチェは、キリスト教が強者の力を否定し、弱者を救うことを善であると述べることは、弱者による強者に対する妬みの感情(ルサンチマン)にすぎないと、痛烈にキリスト教を否定しました。
キリスト教も参照のこと。
2025.12.22編集
ニーチェは、この世界の全てを、それぞれがそれぞれの「権力への意志」によって「解釈しているだけだ」と考えた。
ニーチェによれば、哲学的真理などこの世界には存在せず、人間は権力の意志によって世界を解釈しているだけである。
後日注記:ニーチェとは関係ないが、ニーチェとよく似た思想家として、騎士道における君主論を説いたマキャベリが居る。マキャベリは、君主にとっては善だけではなく悪も正義であり、「君主にとって必要ならば悪徳も行使すべきである」と説いた。
後日注記:ニーチェは「神は死んだ」とし、「真理など存在せず、人々は権力への意志によって解釈しているだけだ」と言ったが、それは正しい部分と間違った部分がある。人々が解釈しているだけであるというのは正しいが、神の与える真理は存在する。すなわち、神の与える真実は唯一ひとつしかなく、同じものであるにもかかわらず、人間にそれを正しく理解する方法がないために、それぞれの個人個人が違う解釈をする。そのせいで、キリスト教の異なる派閥が争い合い、殺し合うようになるのである。
2025.12.22編集
また、ニーチェは神に代わる考え方として、「超人」を導入した。超人とは、既存の道徳観に囚われず、自ら価値を創造できる人間のこと。詳しくは中田敦彦さんの動画が参考になる。
後日注記:ニーチェの哲学では、超人を可能にするような「本能」が重視される。理性ではなく本能にこそ、人間本来の「正しい判断」が備わっているとニーチェは考える。
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哲学とは言えないが、現代思想に大きな影響を与えた5つの非哲学として、以下がある。
| 論 | 説明 |
|---|---|
| ダーウィンの進化論 | 生物は別の生物から進化して生まれた。つまり、人間は猿から進化した。 |
| マルクス主義 | 社会の歴史は階級闘争であり、資本主義は供給過多によって滅び、共産主義社会になる。 |
| フロイトの精神分析 | 顕在意識の裏に無意識があり、幼いころからの抑圧は無意識の中の「エス」にたまっていく。 エスとの仲介役である「自我」と、築かれた道徳心である「超自我」、そしてエスの間で、 人は精神疾患を発症する。 |
| ニーチェ思想 | キリスト教は弱者の幻想であり、人間は権力への意志を解釈しているだけである。 |
| 構造主義 | ソシュールの言語学や、レヴィ・ストロースの未開社会論など。 |
これらの非哲学思想は現代の科学・哲学・芸術などの分野にとても多くの影響を与えた。ナチス・ドイツのヒトラーのような悪に対しても、それは例外ではない。
ニーチェを、「反キリストの反ユダヤ主義の源流」であると安易に否定するのは間違っています。
哲学を学んでいて、どの哲学者の言っていることも理解できず、哲学的に考えることもできない、という「哲学入門者」は、ニーチェの著作を読むべきです。
ニーチェには、ドイツ人が普通哲学的に考える際に、どのようなことを素朴に感じるか、という「哲学者としての基本的知性」が存在します。
ニーチェを読むことで、「哲学者とはどういう人間か」ということが良く分かります。ニーチェによって哲学者になることができるのです。
後日注記:ニーチェ自身は、ナチズムとはなんにも関係のない人間だったが、ニーチェが死んで遺稿を遺した時、その遺稿を編纂した妹エリーザベトが反ユダヤ思想の持ち主だった。そのせいで、ニーチェ思想はナチス・ドイツに大いに利用されてしまった。まさに、無念である。(詳しくは「読まずに死ねない哲学名著50冊」が参考になる。)
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「悲劇の誕生」、「道徳の系譜」、「権力への意志」、「ツァラトゥストラはかく語りき」、など。