金融政策の世界観です。
経済に詳しい父親の話を参考にしています。
円安や円高は為替の用語で、円安はドルなどに対して円が安くなること、円高は円が高くなることです。
円安になると、同じ円の価格で、海外向けに商品を安く提供できるため、輸出産業は儲かります。
逆に円高になると、同じ円の価格でたくさんのものを買えるため、輸入産業が儲かります。
インフレとは、物価が上がり続けること、デフレとは、物価が下がり続けることです。
インフレになると、一時的に企業の業績は上がりますが、一度インフレが起きると歯止めがかからないくらいインフレが急速に進んでしまいます。結果、紙幣は紙くず同然になり、貯蓄された財産を維持するには金(カネではなく金塊)などを買うことになります。
デフレになると、買い控えが起きます。ものの価格が下がると、企業の売り上げや業績が下がり、従業員に給与を支払うことができず、人々は消費をためらうようになり、さらにものの価格が下がるという「デフレスパイラル」に陥ります。
平成の頃の日本では、この「デフレスパイラル」が深刻でした。このデフレに対して、金融緩和をすることで物価を上げ、国民の給与を上げようとしたのが、アベノミクスと日銀の黒田総裁による金融緩和です。
後日注記:経済を上手く回すためには、過度な円高も過度な円安も好ましくない。また、過度のデフレも過度のインフレも好ましくない。今は物価が上がっており、生活に打撃が出ているが、デフレのようになっても逆にいいことはない。円安であっても円高であっても関係なく、株価や企業の業績やGDPの成長率が高くなるなどの景気の向上があるべきである。
2025.12.07編集
アベノミクスの三本の矢により、黒田総裁は、物価を上げ、企業の売り上げや業績を上げ、給与を高くし、人々が「もっとものを購入したい」と思わせるような、デフレ脱却の正のスパイラルを実現しようとしました。
日銀はゼロ金利あるいはマイナス金利政策を行い、一万円札を刷りまくって、銀行の国債を買います。
このことで、銀行にはたくさんのお金があふれ、このお金を企業に積極的に融資して、企業がどんどんお金を借りて従業員に給与として支払うようにしたかったのです。
ですが、結果は失敗しました。なぜなら、企業の業績は良くなりましたが、企業はお金を給与として従業員に支払わず、会社の中に内部留保として蓄積してしまったのです。
この理由は、日本企業の競争力の低下です。日本企業はほかの国に比較した競争力が低下しつつあり、先を見通せないため、「お金は会社の中に留保する」という決断をさせてしまったのです。
企業がお金を内部留保するということは、すなわち、銀行に預けるということです。ですが、銀行は低金利政策をしているため、銀行にお金を預けても銀行は儲かりません。そのため、銀行は国債を買って利子で儲けるという残念なことになってしまいました。
このような状況で、ロシアとウクライナの戦争が起き、皮肉にも物価は高くなりましたが、「物価も高くなって従業員の給与も高くなる」という正のスパイラルではなく、物価だけが高くなって従業員の給与は実質的に低くなってしまいます。
このような金融緩和政策は、日本だけではなくアメリカでも行っており、アメリカのほうは景気がよくなってきたので、FRBでは金利を高くし始めます。その結果、日本で円を預金するよりも、アメリカのドルで預金したほうが、高金利で儲かるようになります。この結果、円安が起きているのです。
さまざまな社会不安から、社会はデフレに陥ることがある。
「いつ、社会がどうなるか分からない」という社会不安が広がると、人々はできるだけお金を消費せず、貯蓄に回すことで、お金を出すことを渋る。そうなると、ものを安くしなければ買ってくれなくなるため、物価が下がる。物価が下がると、企業の利益が減る。企業の利益が減ると、従業員の給料を減らしたり、リストラで従業員をクビにしたり、正規雇用ではなく非正規雇用で労働者を確保するようになる。そして、給料が減ると、さらに消費者はお金を出し渋るようになる。
また、会社の利益が減ることで、会社は新しい投資をしなくなる。企業が新しい投資をしなくなるせいで、銀行からの融資が減り、銀行もお金を回すことができなくなる。そして、社会全体のお金が回らなくなることで、景気が悪化する。景気とは、社会のお金がより多く回ることである。そして、景気が悪くなると、社会不安がさらに大きくなる。
このような負のスパイラルを、「デフレスパイラル」と呼ぶ。そして、日本は20年以上にわたって、デフレスパイラルが深刻だった。
そのようなデフレスパイラルを、負のスパイラルから正のスパイラルに変えるために、安倍元首相が行ったのが、アベノミクスによる金融緩和である。金融緩和をすれば企業がお金を使うようになり、負のスパイラルが正のスパイラルになり、最終的に物価が高くなってデフレスパイラルは終わる。
アベノミクスは、「2%の物価上昇率」を目標に掲げた。景気が悪いのに物価が上がることが景気にとってマイナスに出るように一見思えるが、それは物価が上がって経済が回るようになり、デフレスパイラルを脱却すれば、社会全体の景気がよくなると考えた。
だが、実際は、そのようなアベノミクスは成功しなかった。その理由は、企業が従業員に給料を払うのではなく、お金を内部留保してしまったのが原因である。アベノミクスの効果を企業が信じなかったため、せっかく企業に入ったお金が、従業員に給料を払うことで社会全体に回ることなく、企業の内部に留保してしまった。結果、物価が高くなっても景気はよくならなかった。
2024.12.29
高市首相の政策で、なぜ長期金利が上がるのか。
それは、財源を明確にすることなく消費税減税を行い、積極財政でお金を使いまくることにある。
高市首相による、物価高対策の消費税減税は、財源が明確ではない。減税をしたら、どのようにして減税分の財源をまかなうのかが分かっていない。
また、高市首相による積極財政は、借金をしてでもお金を使う。お金をどんどん使うことで、借金は増えるかもしれないが、その分だけ景気がよくなるのだと言っている。
だが、実際は、それらの政策により、通貨としての円の信用が失われる。財政健全化の見立てが不透明になり、円を売ってドルを買う動きが大きくなり、円安が進行する。
円安が進行すると、外国からの輸入品の価格が高くなって、物価がさらに高くなる。
物価が高くなると、金利が上がる。物価が高くなるのに対して、経済の回り方が追いついていかなくなる。経済の回り方とは、お金を借りたり返したりすることであって、通常はその利率で儲ける。物価が高くなると、それが追いついていかなくなるので、追いついていくために金利を上げる。
だから、高市首相の政策で、金利が上昇する。
物価が高くなるのは、国内政策だけでなく、イラン情勢も絡んでいる。イラン情勢の泥沼化により、原油が高くなることで、インフレが懸念される。そのような理由で、長期金利は30年ぶりに3%に達したのである。
後日注記:イラン情勢の泥沼化により、政府は北米などから原油を調達していますが、単価が高いことと、輸送日数に時間がかかることなどから、コストが大きくなり、円安の一因になっています。
2026.09.02
2026.09.07編集
円安が続いている背景には、日米の金利差と財政の持続可能性への懸念がある。
アメリカのFRBの利上げ(政策金利)のペースが大きかったのに対して、日銀では利上げに慎重だったため、アメリカの金利が高く、日本の金利が低い状況が生まれた。
だが、銀行に預金する際には、金利が大きいほうが儲かるため、ドルのほうが円よりも魅力的だった。
そのため、ドルを買って円を売る動きが大きくなった。
もうひとつは、日本政府は積極的財政で、国債を増やしながらも支出を増加させた。そのような結果、日本政府の財政への持続可能性の懸念が生まれ、円の信用が落ちたことで、円安が進んでいる。
2026.09.06-07
最近の日本については2024-07-06に関連する内容があります。
日本銀行(日銀)は日本の中央銀行。日本のすべての銀行の親分的存在であり、為替や金利など日本の金融政策を行う。
2024.07.16
FRBは「連邦準備制度理事会」のことで、アメリカにおける中央銀行のこと。
IMFは「国際通貨基金」のことで、国際的な金融と為替の政策を行い、各国の中央銀行を取りまとめる国連の機関のこと。
「円安」「ドル高」のような金融用語を使う際に、円をドルと比較した為替のレートは重要。だからFRBとIMFは日本にとっても重要な金融機関である。特にFRBによる利上げなどは効果が大きい。
2024.07.14
MMTは「現代貨幣理論」のことで、ケインズ以降の新しい経済学。通貨や貨幣はいくらでも国が自由に作り出せるため、財源を確保するために税金を取る必要はなく、財政が赤字になっても国は破綻することはないとし、国債をいくらでも発行せよ(国債は通貨の発行でいくらでも返済できる)とする理論のこと。
2025.01.05
スタグフレーションとは、給料が上がらずに物価だけが上がっていく現象のこと。今の日本では、景気がよくならず、円安で物価ばかりが上がっている。デフレとはまた異なる日本の危機である。
後日注記:今の日本はすべてのものの物価が上がっており、その分だけ給与が上がっていないので、みんな困っている。ガソリン税の暫定税率が緩和されて、少しだけ楽にはなったものの、米の価格の高騰は続いており、すべての商品の物価が高くなってしまっている。なので、人々はスーパーなどでも購入する商品の点数が少なくなってしまう。だが、物価高に対する効果的な対策は打ち出せていない。
2025.02.15
2025.12.07編集
労働者の生活が困窮していく中で、誰かを「敵」に仕立て上げたいために、トランプ米大統領が外国製品への関税を引き上げようとしているが、実際は物価をさらに高めるだけであり、極めて逆効果である。
後日注記:物価高はアメリカでも同じ。コーヒーや卵や家賃などを中心にすべてのものの値段が上がっている。トランプ大統領の過去の発言の多くは嘘だった。それを信じたアメリカ国民も馬鹿である。
極右・ポピュリスト・陰謀論も参照のこと。
2025.02.15
2025.12.07編集
このように、資本主義は景気に常に左右されて経済政策をしなければなりませんが、共産主義にはそれがありません。
共産主義の計画経済では、計画経済に失敗がない限り、景気変動は起きません。
ですが、この事実は机上の空論のようなもので、実際には働いても働かなくても給与が同じ共産主義経済では、誰もきちんと働こうとしないため、結果ものが十分に生産されず、「生活に必要なものが足りない」という状況を生み出します。
なので、共産主義経済には景気変動はありませんが、いわば「いつでも常にものが手に入らない」という、別の意味で悲惨な結果になります。