Web3に関する世界観です。
Web3とは、ブロックチェーン上に構築される、分散ネットワークをベースにした次世代のWebのことです。
TwitterやFacebookのような「中央集権的」なWebを改め、プライバシー保護や個人情報漏洩の問題を解決します。
Web 1.0とは、昔のネットスケープブラウザなどが想定していた、静的HTMLを中心としたWebのことです。
個人個人が、自らのホームページを公開し、それが読者によってダウンロードされて読まれるという、「読み取り専用」のWebのことを指します。
これに対してWeb 2.0は、サーバーでTwitterやFacebookのような「Webサービス」を提供し、そこにユーザーがアカウントを登録して、みんなで投稿し合うという、「読み書き両用」のWebのことを指します。
以前、梅田望夫さんが「Web進化論」で書かれていたWeb 2.0も、これを指す言葉です。当時はWeb 2.0ですら新しい存在でした。
TwitterやFacebookよりも前に、既に匿名掲示板やブログなど、静的HTMLではなく、Perl/CGIやPHPを用いた「Webアプリケーション」はありましたが、それもこのWeb 2.0であると言えるでしょう。
Web 2.0の問題点は、サーバー・クライアント方式のネットワーク形態にあります。
今のインターネットは、多数の人間が投稿するとはいえ、そのためにはサーバーという「共通の集まる場所」が必要であり、このサーバーが、多くの人(まるで世界人類全員)の個人情報やプライバシー情報を独占してしまいます。
そのせいで、YouTubeを管理するGoogleや、ソーシャルメディアを管理するTwitterやFacebookのような会社が、まるで「帝国」のように中央集権的な権力を持ってしまいました。
これはプライバシー保護だけではなく、セキュリティの問題からみてもよくないことです。GoogleやFacebookのような大企業なら信頼できると思うかもしれませんが、実際はサイバー攻撃の被害に遭うこともあり、いつ、個人情報が漏洩するかも分かりません。
Web3は、このようなサーバー・クライアントでWebを実現するのではなく、ブロックチェーン上に構築される分散ネットワークによってWebを実現します。
ここで、ブロックチェーンという「簡単には偽造することのできない暗号化データ」の仕組みを備えた、NFT(非代替性トークン)によって、ネットワーク上における自分の「所有権」を示します。NFTとは、「自分以外が偽装することのできない、自分しか持ちえないことを保証する財産」のことです。
このNFTを用いて暗号通貨を使ってものを売買することで、分散ネットワーク上でも、芸術のような「自分以外が偽造できないアート作品」や金融のような「自分だけがそのデータの所有者だと言えるようなデータの市場取引・売買」が可能です。
そして、ブロックチェーンとNFTを用いた上で、サーバー・クライアント方式ではなく、P2Pの通信を行います。HTTPはP2PのIPFS、クラウドサービスはDAppsへと置き換わります。
今までのWebにおいては、まずサーバーにすべてのデータが集約し、データを読むときはサーバーにリクエストをし、データを投稿する時はそのサーバーのアカウントにログインした上でサーバーにデータを投稿していました。
Web3においては、サーバーやクライアントという区別はありません。分散ネットワーク上で、P2Pでそれぞれの端末同士がやり取りを行います。これは昔、P2Pのファイル共有ソフトが実現しようとしていたのと同じ感覚だと思います。
Web3によって何が変わるのか、それは中央のサーバーが巨大な権力を持つ今のソーシャルメディアのような「巨大テック企業」から権力を分散できるということです。
Web3により、FacebookやTwitterのように、Webのほとんどを少数のサービス提供者が支配し、個人情報やプライバシーを独占するようなWebはなくなります。
ブロックチェーンとNFT上に構築される、分散型のネットワークになります。
僕個人の感想から言えば、ようやく昔のP2Pのファイル共有ソフトに追いついたという感じではないでしょうか。僕はそもそもサーバー・クライアント方式が好きではないため、個人的には分散ネットワークの仕組みには賛同しますが、暗号通貨でお金を儲けようという「新しいビジネスのためのバズワード」の感があります。サーバーを高いお金やコストをかけて構築しなくても、自分のホームページを持てるということなら賛成しますが、P2Pのファイル共有ソフトがそうなったように犯罪の温床になったりする可能性はあると思いますし、中央の巨大テック企業が存在しないなら、さらにフェイクニュースが増えるような感は否めないと思います。
以下は参考文献です。
P2Pを参照のこと。
ブロックチェーンについてはビットコイン・キャッシュレスを参照のこと。