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=十章 自由結束団と冒険=

自由主義結束団

ルシフェルは、シャラハたちの活動している、「自由主義結束団」に参加した。

押さえつけたり、従えたりするのではなく、一人の参加者として参加することで、シャラハたちを事実上配下に置く。そして、巧妙に自由結束団の意思決定の権限を手にした。

シャラハは、軍団の団員に、「新しく入ったルシフェルと言う戦闘員だ。魔族の召喚のようなことが出来る。」と説明した。

参加のためのルールは二つ。約束を守ることと、仲間を殺さないことだ。

そして、シャラハたちの自由結束団は、しばらく犯罪のようなことをしていたが、彼らはそのうち、仁たちの陣営へ関与するようになる。

冒険

仁たちは、一週間ほど、ジャングルの中のようなところを進んでいた。ガブリエルと仁の超人のような強さのせいで、問題は無かったが、皆は疲れが溜まってきていた。

仁たちは、ジャングルを越えて、今度は荒野のような場所へと出た。何も無いが、永遠に荒野が続いている。サボテンのようなものがたまにある。「こんな場所が、世界にあったのか」と、仁は言った。仁は、そういう荒野の旅が、無性に、情動的に素晴らしいものだと感じた。涼子も、「いつかこういうところへ来たいって、あなたもいつか言っていたわ。」と言った。仁は覚えていなかったが、「今こうしていることは、奇跡だ。」と言った。

迷宮

仁たちは、迷宮のような洞窟の中を進むこともあった。ガブリエルが言うように、二度同じ方向に進まないように、目印をつけて進んでいく。ガブリエルは、「変な臭いに注意すること。毒ガスが発生している可能性がある。」と言った。

迷宮の中で、仁たちは、ある一つの魔法書を手にした。ガブリエルは、「これは、禁断の魔法、ライフ・トレードだ。使うと、悪魔との契約によって、自分の命を犠牲にする代り、誰か一人の命を蘇生させて、生き返らせることが出来る。だが、それだけではない。その復活した一人は、人間では無く、竜の翼を持った悪魔として復活する。聞いた話では、その竜の生き血を飲むと、永遠の命を持つことが出来ると言う。だが、代わりに、その飲んだ人間も悪魔になってしまう。私も、聞いたことはあるが、本当に見たことは一度も無い。それから、悪魔を天使へと浄化させる魔法書が、どこかの宇宙の果てにあると言う。それは、禁断魔法と対を成す、浄化魔法だ。それと共に使えば良いと言う。」と言った。

ガブリエルは、「それにしても、この禁断魔法がこんな山中の迷宮にあったことは、幸運だ。禁断魔法は他にもいくつかあるが、この禁断魔法の魔法書を求めて冒険をしている活動家も多い。浄化魔法も同じだ。だが、禁断魔法は、どれも最高の効果を発揮する代り、致命的な副作用のようなものがある。本当に使う人間は居ない。」と言った。

また、迷宮の中で、康平は魔法の剣を見つけた。仁と太一と康平は剣道部の仲間でもあったし、康平は空手も習っていた。康平は、「この剣があれば、鬼に金棒だ。」と言った。

この魔法の剣を手にすると、全ての魔法がレベルアップする。そして、幸運に巡り合える。

ありえない自然

冒険を進める中で、仁たちはありえない光景を目にした。なんと、空中に花が咲いている。ガブリエルは、「あれは、空中に浮かぶ植物、エアー・プラントだ。空気から栄養分を吸収する。」と説明した。聡美は、「凄いだけじゃなくて、綺麗ね。透明感があって、虹色に咲いているわ。この空中の花畑は、どこかの森林公園に居るみたいだわ。永遠に、空中の花畑が地平線まで続いているわ。」と言った。また、さらにありえない光景を目にした。なんと、空中に巨大な水たまりのようなものが浮かんでいる。ガブリエルは、「あれは、空中に浮かぶ海、エアー・オーシャンだ。中には、海の生き物も居る。海で泳ぎながら、空を飛ぶような、そういう、空を飛ぶ魚たちが沢山居るよ。」と言った。

先住民

それから、旅の中で、仁たちは先住民のような民族に出会った。先住民は、地球の人種には無い、青い髪や赤い髪をしていて、肌は白くて透明感があった。だが、皆、裸で、顔や体にペインティングをしていたため、最初、仁たちは戸惑って、恥ずかしがった。だが、旅の目的を話すと、すぐに仲良くなった。火の起こし方、家畜の飼い方、獲物の捕らえ方など、色んな冒険の必須スキルを、そのための魔法と一緒に沢山教わった。聡美は、「これなら、サバンナでも自給自足とサバイバルで5人だけで生きられるわ。」と言った。

先住民は、家と言うものも持っていない。魔法の力で、自然環境に負けることが無い。それぞれが、自由に、結婚も無く暮らしている。妻や夫が沢山居るのも当たり前だし、セックスのようなことも、二人だけではなく、多人数でする。そういうところがエロい民族だ。

ただ、彼らはあまり、本当に性行為をするのを好まない。もっと、アニメや漫画のような表現を好む。日本のアニメオタクのようだが、もっと過激な表現が多い。

それから、ある意味、男より女の方が強いところがある。男は単なる労働力であって、考えるのは女が担当する。部族は、女が支配する。女も魔法で強いせいで、実現出来る。

あとは、子供は女が一人で育てるのではなくて、皆が育てる。皆で一緒に育てることで、問題も起きにくいし、無駄が無くて、楽だ。学校は無いが、子供が共同生活をするような場所はある。教える教師は、大人が皆で担当する。

涼子は、「不思議な民族だった。魔法の力のおかげで、解放的でも生きられる。」と言った。

ある意味、本当に馬鹿な民族だった。

民族の名前は、ガルト民族と言う。

女の人

また、仁たちは、旅の途中で、一人の女の人を助けた。

女の人は、馬車に乗っていたが、馬が暴走して、女の人は崖から落ちそうになっていた。

一同は、魔法の力で、女の人を救った。女の人は、ジェシカと言う名前だった。

ジェシカは、何と、魔界貴族の娘だった。魔界を支配する王の下で育ったらしい。

一同は、ジェシカから、真珠のネックレスを2つ貰った。

涼子と聡美は、そのネックレスをつけた。2人は、宇宙の全てに守られる、「探索と防御の察知の魔法」を常に使っている状態になった。

探索の察知の魔法を使っていると、迷宮のような場所で、何かの「宝」のようなものが近くに眠っている時、それを察知することが出来る。探索の察知の魔法のおかげで、仁たちは、いくらか少数の魔法の品物を見つけることが出来た。

また、防御の察知の魔法を使っていると、悪魔の国の比較的弱いモンスターがやってくる時、モンスターがどこに居るか、察知出来るようになる。防御の察知の魔法のおかげで、仁たちは、比較的安全に冒険をすることが出来るようになった。

ジェシカは、「私の父親は、マークと言いますが、魔界を支配する王をやっています。この魔界の神や主のような存在です。いつか、機会があれば、あなたたちに紹介したいと思います。このアドレスにメールして下さい。」と言って、メールアドレスを渡してくれた。

最強の集団

ルシフェルが、何故この自由結束団に入ったのか。それは、本当にこの集団が、ルシフェル自身と同じぐらい、強くて賢い集団だったからだ。

自由結束団の賢い点は、2つ。1つは、個々の能力が高い。どれも、修羅場を経験した、本当にマスターのような最強の人間ばかりだ。そして、もう1つは、集団の世界観が、良い理想を持っている。自由結束団は、社会主義の自由を信じている。そのために、あらゆる手段で、この世界を変えようとする。それも、「自由」と言う意味で、この世界を支配する。あるいは、「導く」と言って良い。そこまで全てのことが出来る、唯一の集団だった。

ルシフェルとしては、この悪魔の国の地上での不動の地位を死守するために、どうしても協力したい相手、それが自由結束団だった。

仁たちは、その後、何か月もの間、沢山のところを旅した。

辛いこと、悲しいこと、投げ出したくなるようなこと、色んなことがあった。

だが、本当に辛い境地を体験し、全員で協力して努力することで、成長し、皆の絆は、家族や恋人のような関係以上に、とてつもなく高まった。

海、荒野、高い山、砂漠、色んな場所を経験して、あらゆるモンスターを倒して、それぞれのことを本当に思いやり、助けながら、青春の数ページを描いていった。

一番良かった思い出は、ゴジラのような恐竜と出会って、仲良くなったことだ。

ガブリエルは、「あと、一週間で目的地に着くだろう。皆、良く頑張った。」と言った。

そして、もうあと3日ぐらいで着く、そんな時、仁たちの前にルシフェルたちが現れた。


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