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=七章 黒の都(6)=

【6.神とガブリエルとの対話-国と宗教的生き方】

国と宗教

ガブリエルには、「あなたには、国と宗教のことを教えよう。

この世界は、フランスとドイツの世界がある。その2つの国が、一番全てに達している。

神には、フランス的な側面と、ドイツ的な側面の、2つの側面がある。

昔は、この世界はフランスだった。今は、ドイツになっている。

世界は、アメリカ、ドイツ、ロシアが繰り返す。

仏教は、自由な中で、考え、教えられたことを信じる、自由で賢い宗教だ。

仏教では、執着を無くし、正しく教えを聞くことで、自らを向上させようとする。

仏とは、解脱によって永遠の安らぎを得たもののことを言う。誰でも仏になれる。

キリスト教は、罪と神の愛の中で、自らを反省し、善人となる、神による救いの宗教だ。

キリストは馬鹿では無い。きちんと分かった、神のようなマスターだ。それを神と言う。不思議と、キリスト以外にも多い。本当に、マスターのように分かる人間が多い。

キリストは、マスターだ。全てを経験した人間だ。そういう人間のことを書きたいだけだ。

ユダヤ教は、選民思想でもあるが、ユダヤ人のことを神がメシアによって救うと考える。

キリストは、自分こそ、そのメシアであると言った。そして、布教活動をした。

ユダヤ教やキリスト教の神は、神を信じるものを救う。神によってしか、救われない。

キリスト教は、人間を信じる宗教ではあるが、イエスは、神を信じることによって、誰もが平等に救われる、と説いた。そのため、キリスト教徒もユダヤ教の神を信じている。

イスラム教は、戦いの中で、本当に神そのもののような体験をする、ありえない宗教だ。

イスラム教を信じていると、本当にありえないことが沢山起きる。不思議と、ほとんどは神が勝手に人間を導いていく。そのせいで、神が導くものとされている。

イスラム教は、法律すら宗教で決めてしまう。それから、財産の喜捨のように、弱者を助けたり、イスラム帝国の聖戦による拡大など、戦って布教したり、と言うことがある。

そして、何かをしたいなら、宣言しなさい。宣言すると、未来や運命が良い方向に変わる。「自分は、生命の根源へと到達する。」と宣言し、「自分は、世界に全てのことを与える。」と宣言しなさい。宣言すると、あなたの未来が良い方向に変わる。

神を信じて、神と対話しなさい。その気になれば、神はいつでも対話の機会を待っている。あなたが対話したい、と思った瞬間が、対話にとって絶好の時だ。神と対話することによって、あらゆることが分かる。だが、神は悪い。悪魔のように悪いから、注意しなさい。

孤独な人間になるのも悪くは無い。だが、社会との接点を失わないようにしなさい。孤独な中で考えることで、思考力の豊富な自由な哲学者になることは出来る。

ただ、そうは言うが、社会からは離脱した方が良いところもある。この世界には、愚か者と怠け者しか居ない。マスコミやインターネットは、皆をいじめて、批判しているだけだ。一度、世界から離脱し、一人で現実と戦う体験をするのは、悪くない。

神は、宇宙のこと、未来のこと、世界の全ての国と人種のことを、全部分かっている。人間は、未来のことは、分かっていないようで、既に分かっている。神から見ると、過去より未来のことが先に決まっている。対話すると、予知を全部教えてくれる。

「ドイツ人になる」、「女になる」、「イスラム教徒になる」、「永遠を生きる」と宣言しなさい。そして、「神に支配される」、「神に導かれる」、「神に治してもらう」、「神に教えてもらう」と宣言しなさい。そういう宣言をしていると、本当に良い未来になる。

あなたは、愛と力の天使だ。その天使の仕事を、最後までやりなさい。使命があるだろう。

あなたの新しい名前は、チュールだ。北欧神話の、剣の達人の神だ。

また、ここには居ない者たちに対しても、新しい名前を与えよう。

澄香の新しい名前は、ロキだ。

北欧神話の、楽しくて、良いことも悪いこともする神だ。

そして、ミカエルの新しい名前は、トールだ。

北欧神話の、もっとも力の強い神だ。

そして、ラファエルの新しい名前は、オーディンだ。

北欧神話の、もっとも賢い老人の、主神だ。」と言った。


【物語の続き】

神と地獄

そして、一同は、気が付くと大広間のようなところにいた。一同は、まるで夢を見ていたかのように、体験を振り返った。本当に、神があらゆることを教えてくれた。そして、本当に辛い地獄だったことをそれぞれが分かち合って、皆、「本当に辛かった。」と言った。

地獄は、永遠の時間のようで、その時間はすぐさま変わり、分かりようが無く、何も分かることが出来ないまま、耐えるしかない、頻度が多くて、どのように起きるのか分からない地獄になる。何故か、そういう地獄になるのが、神の体験だ。

神は、内在的で異質な存在だ。自分の中で、自分で無いものになる。それが神だ。

宿の男との対話

一同は、疲れに疲れ果てて、町の中を歩き、宿を見つけて、そこで泊まることにした。

宿で、一人の男が仁たちに話しかけた。彼も、ヴァイスへと旅に出る旅人だった。

男は、「俺の名前はデーブと言うんだが、へえ、あんたたちもヴァイスへ行くのかい。ヴァイスは、色んな著名人や知識人の集まる、良いところだよ。いたるところに酒屋があって、作家、詩人、学者、芸能人、音楽家、色んな人間が集まる。へえ、その後は、ラッセルまで行こうってか。ラッセルに行くには、悪魔の国の領地を越えなければなんねいな。悪魔の国に出たら、一瞬でも隙を見せれば、すぐに周りの生き物から殺されちまう。ジャングル、砂漠、高い山、荒野、海など、色んな地形があるが、見たところ、あんたがたは杖を持っているな。そうだ。俺の持っている、この魔法の宝石を、コピーしてあんたがたにやろう。この宝石を使えば、長い旅の中で、あらゆる困難な自然環境に適応出来るし、沢山の攻撃から身を守れるようになる。魔法で簡単に複製を作れるから、遠慮することは無い。それ、コピー・マテリアル!これで、もう一つ宝石が出来た。これ六つ作って、あんたがた全員にやるよ。それから、ヴァイスへと着いたら、冒険家たちが集まる、居酒屋の「ブランド・スタンド」へ行くと良いと思うな。俺はそこを薦めるよ。」と言った。

デーブのおかげで、旅の準備は完全に出来た。


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