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=三章 もう一つの異界=

もう一つの異界

次の日、2人は会って、ハルミヤ国に行こうと思ったが、涼子がこんなことを言った。「こんなに楽しい世界を、私達2人が独占するのも良いけど、私の友達にも教えてあげたいわ。親友の聡美ちゃんを誘っちゃ駄目?」と言った。仁は、「それなら、僕の親友の太一と康平も誘ってみよう。」と言った。そういうわけで、それらのメンバーを集めて、仁と涼子は3人に指輪の世界の説明をした。太一と康平は、「本当に凄いものを手に入れたな。」と言う。聡美は、「その話が本当なら、ちょっと怖いけど、でも面白そうね。」と言った。

一同は、水晶玉を持って、「ゴートゥハルミヤ」と言った。そうすると、一同の周りにある光景が変わった。一同は、いつの間にか、教会のような場所にいた。大きなステンドグラスと、高い天井のある、荘厳そうな教会だった。一同は、「凄い!本当にワープした。」と言ったが、すぐに、自分たちのおかれている状況が目に入った。それは、そこに居る色んな人々が、まじまじとこちらを見ていたのだ。その人々の中で、牧師のような服を着た一人の人が言った。「あなた方は、シルミヤ国から来たと見た。ハルミヤ国は、初めてかな?」と言った。そして、一同は「はい。そうです。」と言った。そうすると、牧師が言った。「私の名前は庄司。この世界はハルミヤ国と言う。あなたがた、アルミヤ国には行ったことがあるかな?」と庄司が言った。仁と涼子は、庄司に「私たちは行ったことがありますが、この3人は行ったことがありません。ただ、アルミヤ国の説明は私たちがしました。」と言った。そうすると、庄司は、「それなら話が早い。ここは教会だ。この、ハルミヤ国と言うところでは、大冒険のような体験が出来る。シルミヤ国から来たものには、まず、この杖を持ってもらう。この杖は、持つと沢山の呪文を言うことによって、沢山の魔法の力を使うことが出来る。そこに杖がちょうど5本あるから、あなたがたに授けよう。」と言った。庄司は、「そして、帰りたくなったら、水晶玉を持って、ゴートゥシルミヤと唱えると良い。そうすると、すぐにあなたがたの居た世界に戻ることが出来る。」と言った。

庄司は、「このハルミヤ国と言う世界では、色んなところに教会と村が点在していて、そこには1人の牧師が居る。それから、森の中では妖精に会うことが出来るし、杖を持って魔法を使うことが出来る。そして、村には沢山の人々が住んでいるが、そこには人間だけでは無く、天使のような存在も居る。そこに居る天使たちに会うと良いだろう。そうだ、ガブリエルを呼んできなさい。」と言った。一同は驚いたが、そこにガブリエルが呼ばれてやってきた。美しい、翼の生えた天使だ。太一は、「凄い!本当に翼のある天使だ。本当に居たんだ。」と言った。ガブリエルは、「あなたがたは、杖を持っている。その杖があれば、人間は無敵だろう。ちょっと、そこの空き地で、杖による魔法の使い方を練習すると良い。マスターすると、魔物のようなものに出会っても、簡単に倒すことが出来るようになる。」と言った。一同は喜んで、空き地へと向かった。

魔法の練習

一同は、ガブリエルの指導で、様々な魔法の力を身に着けた。

ガブリエルは、「杖による攻撃のための魔法は3つ。ファイアー、スパーク、クラッシュだ。ファイアーは、燃える炎を出すことが出来る。スパークは、弾ける稲妻を出すことが出来る。クラッシュは、物理的な力をかけて、潰すことが出来る。練習すると良い。僕は天使だが、教師でもある。いつも、こういう初歩的な魔法のことを、この村に住むものや、異界から来るものに対して、教えている。そういうわけで、唱えて見なさい。」と言った。

まず、康平が「ファイアー!」と言った。火のようなものは出たが、そんなに大きな炎は出なかった。ガブリエルは、「まだまだ未熟だ。練習して、上手くなりなさい。」と言った。そうこうしているうちに、太一が、「もしかして、僕らは戦士となって、戦場で戦ったりするのだろうか?」と言った。ガブリエルは、「それは、望むなら出来る。ただ、戦って命を落とすことは、君たちの望みではないだろう。もし、行きたいのであれば、ここから離れた西の場所に、このような杖や水晶玉を生産している、特別な村であるラッセルという村がある。そこへ行くと、君たちの既に持っている、指輪や水晶玉のような、もっと色々なものを手に入れられるだろう。そこに行くと良い。だが、そこへ行くためには、沢山の道のりがある。途中、悪い山賊や、悪い国のような、沢山の悪い人間たちが居る。ラッセルに行くためには、それらを越えなければならない。」と言った。聡美は、「ちょっとそれは無謀だと思う。そんなに僕らは強くない。」と言った。それ以後も、魔法の練習は続いた。ガブリエルも、「ラッセルは本当に、遠い最果ての場所だから、君たちには無理だと思う。それに、魔族だけではなく、沢山の障害が山のようにある。君たちには無謀すぎる。この杖を使って、北の地域である、ドナーグと言う町に行くと良い。ドナーグでは、本当にこの世界で最も美しい景色と、最も美味しい料理が食べられる。ただ、君たちにはそれもまだ早いかもしれない。もっと、力をつけることを薦める。」と言った。ガブリエルは、厳しい言葉遣いはするが、真剣な眼をした天使で、一同は、時にこのガブリエルを恐ろしいと感じることがあった。涼子は、「ガブリエルさん。あなたは、強いのですか?」と言ったが、ガブリエルは、「昔、このハルミヤ国と言う場所で、デバインと呼ばれる悪魔を倒したことがある。その時は、デバインを倒せるものは、一人も居ないだろうと言う評判だった。僕がそれを倒した。それ以降、このハルミヤ国では、色んな場所で、色んな人々に最先端の魔法の技術を与える、大学の教授のような仕事をしている。」と言った。

いくらか練習をして、一同は沢山の魔法を身に着けた。ガブリエルは、「今日学んだ魔法は10つだ。炎の魔法ファイアー、稲妻の魔法スパーク、押し潰す魔法クラッシュ、魔法薬を作る魔法ポーション、移動する魔法ムーブ、空を飛ぶ魔法フライ、食べ物を焼く魔法バーン、必要な日用品を作る魔法クリエイト、ものを小さくする魔法スモール、相手から身を守る魔法ガードだ。」と言った。

仁は、「僕は、アルミヤ国で、魔法の剣と盾をもらいました。」と言ったが、ガブリエルは、「その剣と盾は、弱い敵には役に立つが、ちょっと強い敵になると、途端に役に立たなくなる。冒険の時に使う、ナイフのようなものだと思うと良いだろう。敵を倒すのではなく、色んな冒険の中で、役に立つ場面で使いなさい。」と言った。

そして、一同は、一度日本に帰ることにした。

一同は、水晶玉を持って「バックトゥシルミヤ」と言った。そして、一同は、またゴミ捨て場へと戻った。

太一は、「一度ラッセルへ行ってみたいな。」と言った。康平も、「僕も。それに、僕らはまだ弱いけど、ガブリエルと一緒なら、行けるような気がする。」と言った。仁は、「明日、もう一度ハルミヤ国に行ってみよう。それから、大冒険がしてみたい。」と言った。

一同は、それぞれの家へ帰った。


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