プレゼント
仁は、このまま涼子に会おうかと思ったが、もう、夕方の7時を過ぎているので、止めることにした。そのまま家に帰って、指輪を自分の机の中に隠した。不思議なことに、家族には誰にもこの旅のことを言わなかった。何か、問題が起きて、アルミヤ国にもう行けなくなるのは避けたい。そのために、旅のことを言うのは、恋人の涼子と、親友の太一と康平だけにしようと、強く思った。
そして、次の日。クリスマス・イブの日になった。仁は涼子に会って、こう言った。「はめると凄いことが起きる、指輪を2つと水晶玉を手に入れたから、その1つをあげるよ。はめて見て。」と言った。涼子は、「凄いことって何?まさか、地獄に堕ちるとかじゃないよね?」と言った。仁は、「地獄じゃないよ。天国みたいなところに行けるのだ。僕から、この指輪をはめるから、その後で、はめてみて。アルミヤ国、っていうところに行けるから。」と言って、指輪をはめた。涼子は、不思議そうにそれを見ていると、仁の姿がどこかへと消えてしまった。涼子は、「あれ?仁ちゃん、どこへ行ったの?」と思った。「アルミヤ国、って言っていたけど、そこへ行ったのかな。私もはめてみよっと。」と思った。そして、指輪をはめると、また、美しいエメラルド・ブルーの海の景色がそこにあった。仁はもう驚かなかったが、涼子は驚いた。涼子は、「凄い!この指輪、ワープが出来るの?」と言った。仁は、「この世界は、魔法の世界なんだ。前僕は1回来たことがある。色んなところが日本とは違う、アルミヤ国っていう世界なんだ。この指輪は、ゴミ捨て場で見つけたんだ。」と言った。涼子は、「ゴミ捨て場?でも、結構綺麗な指輪ね。」と言った。
デート
しばらく歩いていると、また澄香と出会った。澄香は、「やあ、仁さん。その人があなたのガールフレンド?初めまして。私は澄香と言います。ここで、ガイドをやっています。」と言った。涼子は、「凄い。ここは魔法の世界なのですか?」と言った。澄香は、仁にしたのと同じように、この世界の説明を涼子に対してしてくれた。
仁と涼子は、一緒に海岸を歩きながら、色んな話をした。涼子は、「本当に素敵なクリスマス・イブになったわ。まだ、この世界のことが信じられない。」と言った。仁は、「それは良かった。この世界のものはタダで食べられるのだけど、太ってしまうから、沢山は食べちゃいけないらしい。あそこのフルーツ店に行ってみようか?」と言った。涼子とともにフルーツ店に行った。そこにはまだ、太った従業員の大輔が居た。大輔は、「あれ、仁さんじゃないか?その人がガールフレンド?」と同じことを言ったが、仁は、「今度は当たりです。」と言った。涼子は、「本当にここにあるもの、タダで食べても良いんですか?」と言った。大輔は、「そうだなあ。そこの、バナナが良いと思うな。牛乳もあるから、バナナミルクにしてあげよう。」と言って、魔法の言葉を言った。「メイク・バナナ・ミルク!」そうすると、バナナミルクが現れた。そのバナナミルクは、ミルクが採れたてだったせいで、格段に美味しかった。涼子は、「この世界、本当に素敵ね。」と言って、満足そうにバナナミルクを飲んでいた。
ここで、仁は、あることを説明した。「ねえ、ハルミヤ国にも行ってみない?」と仁は言った。涼子は、「それは良いわね。でも、もうこんな時間よ。もう帰らなくちゃ。」と言った。それもそうだ、と言うことで、二人は日本に戻った。いつものように、ゴミ捨て場のところに帰った。まず、涼子の家まで仁が送って行って、その後に仁は自分の家に帰った。