時計の世界観です。機械いじりが子供のごろから好きだった父親の話を参考にしています。
機械式の時計は、振り子の等時性を上手く使う。振り子は、常に同じ時間間隔で左右に振れる。昔は、これを使って振り子時計を作っていた。
振り子と同様の技術を腕時計に応用したのが、テンプ時計である。
だが、振り子は長さによって時間が決まるが、夏と冬で振り子の長さが変わってしまう。だから、振り子の長さを調整する必要があった。
しばらくして、クォーツによる時計が生まれた。水晶に電気を与えた時、水晶が振動するが、この振動数でも等時性を実現できる。これが現代腕時計などに使われるクォーツ時計である。
最近では、電波時計という、電波を使って定期的に時計の狂いを直す時計が生まれた。ここで使われているのは原子の仕組みを応用する原子時計というもので、これは、ほとんど狂わない。それぞれの国に数か所ずつしかない原子時計の施設から、ネットやGPSで国内のそれぞれの施設に原子時計の時刻が送られ、それが電波によって各家庭の電波時計へと送られる仕組みになっている。
昔は、ラジオなどで時刻を伝える時刻放送があった。時計の狂いは、この放送を聞いて直していた。
後日注記:昔のラジオや電話番号には、「時刻を正しく伝える放送・番号」というのが必ずありました。「何時何分をお伝えします、ピッ・ピッ・ピッ・プーン」という音声が永久に流れ続けます。電波時計(電波によって常に正確な時刻になる時計)がまだなかった昔の時代は、そのような方法で時計を正しく直していました。たぶん今でもあると思います。
2024.05.13編集
古代の人類にとって、今の人類と決定的に違うのは、「時計がない」ことです。
古代には時計がなかったため、今の時刻や時間を知るすべは、太陽が昇ったり沈んだりすることと、月の満ち欠け、それから季節の移り変わりぐらいしかありませんでした。
古代人は、時計の無い中で今がどの時間と日付なのかを知るために、太陽と月を崇拝し、季節を愛し、暦を作り出したのです。
世界史(古代)も参照のこと。
昔の時計は狂った時に人間の力で直していましたが、今の時計は電波時計といって、基地局と電波でやり取りをして自動的に正確な正しい時間に直してくれるようになりました。
なので、電波時計は、人間の手で直さなくても、常に正しい時刻を表示してくれます。
ただし、なんらかの理由で基地局と通信ができなくなると、時間が狂います。場合によっては電波時計が製造された年などの1月1日の0時0分に戻ることがあります。
電波も参照のこと。
2024.05.13
僕の家には、手動で時刻合わせをする昔の古時計が今でもあります。
実際には、時刻合わせを常にするのは面倒なので、大体が時刻合わせをせずに放っておいていますが、この古時計は時刻合わせをすると鐘で時刻を教えてくれて、それが美しい音色なので、何度か手動で時刻合わせをして、その鐘の音色を聴いたことがあります。
昔の時計は、電子音ではなく鐘で時刻を教えてくれます。あるいは、寺などでは定時に鐘を鳴らすような寺もありました。そのように、昔は時間だけを見ても風情がありました。今の時計は朝起きる時に目覚まし時計として使う関係上、そのような風情というよりは必ず起きることができるように大きくてびっくりする音を鳴らします。また、スマホでもそのような目覚まし時計機能があり、スマホを持っている人は目覚まし時計を買う必要すらなくなりました。
風情がなくなっていく現代において、僕の家にある手動で時刻合わせをし定時になると鐘が鳴るような古時計は貴重であり、この古時計はひとつしか家にないので、壊れるまで大事に使いたいと思います。
2024.05.31
昔は時計は貴重品でありながら精密機械であり、逆に言えばよく動かなくなりました。なので、時計職人がよく修理を行っていました。
このような精密機械の時計は、カメラとよく似ており、時計とカメラの修理は同じ会社が行っていたりしました。
時計の修理は細かい作業であり、ルーペをかけた職人が修理を行います。この時重要なのは、小さな部品をなくさないこと。特に、小さなネジをなくさないように、場所ごとに分けて小皿に入れて管理します。場所ごとに小皿に入れる理由は、もし組み立て直した時に、ネジが何本か余ってしまった時、その余ったネジがどこの場所のネジだったかということを、小皿の種類で知ることができます。
それでも、修理する際に、ネジがなくなることはよくあります。そのために、職人は、小皿をたくさん入れた棚を持っていて、その中にさまざまな種類のネジを保管しておきます。特に、同じメーカーのネジであれば、その会社の別の製品でも使えることがあります。また、「この時計は修理できないから新しいものを買い替えたほうがいい」と言った時に、「じゃあ、今までの時計は処分しておいてね」と言われた時は、しめたものであり、その時計の部品を大切に取っておきます。
昔は、自動車の部品の種類も少なかったので、もし自動車の部品が壊れてしまって、新しい部品を簡単に取り寄せられない時は、同じ会社の別の自動車の部品を使って修理することができることがありましたが、今では自動車の部品の種類が増えて、IC化が行われるなど複雑になってしまっており、そうした荒業は使うことが難しくなりつつあります。
2025.06.15