剣道入門2(コツ)です。
剣道で勝つには、3つのコツがあります。
まず、自らの攻撃で相手の守りを崩すことです。相手の小手、面、胴が空くように攻撃を仕掛けます。どの方向に相手の構えが崩れればスキができるのかを考えます。そして、空いたスキを逃さずに取ります。
次に、相手の攻撃を上手くかわすことです。相手は小手、面、胴を狙って攻撃を仕掛けてきます。その攻撃をかわすことができるように相手から離れ、自らにスキが生まれないように構え、守ります。
最後に、攻撃するスキをつくことです。相手は攻撃を仕掛けるために積極的に動いてきます。この攻撃をしてくる時こそ、相手にスキが生まれます。そこを逆に取ります。逆に言えば、自分が攻撃を仕掛ける時にも、スキが生まれることを知っておきましょう。
剣道の基本は、間合いを取ることです。
剣道では、相手が守るよりも速く攻撃し、相手が攻撃するよりも速く守る必要があります。
相手が攻撃するよりも速く守るには、間合いを取る、すなわち、相手との間隔や距離を広くとります。
同時に、相手が守るよりも速く攻撃するには、間合いをつめる、すなわち、相手との間隔を少しずつつめていきます。
このように、間合いを取り、間合いをつめながら、相手より速く動くこと、これが剣道の基本となります。
剣道において、「正しい竹刀の振り方」というのはありません。あるのは、「自分なりの竹刀の振り方」です。
確かに、素振りの正しいやり方とか、すり足の仕方とか、そういうものはありますが、剣道において相手を倒す方法というのは、学校の優等生がテストで高得点を取るような、「正しい方法」があるものではありません。
自分なりの竹刀の振り方をすれば、それが正しい竹刀の振り方となって、「きちんと正しく竹刀を振れるようになる」のです。
攻め込み方についても同じです。正しい攻め込み方というのはありません。自分なりに、ただチャンバラごっこを楽しむのではなく、相手を圧倒するように竹刀を振り、動くことができたら、それが「正しい攻め込み方」となります。
すべて、経験的に身につくものです。誰かから「これが正しい攻撃の方法だ」と言われて身につくものではありません。なので、正しい竹刀の振り方や攻め込み方がもしあるとしたら、それは自分なりに攻撃する「知恵を身につけた結果」であると言えるでしょう。
どうしても竹刀の正しい振り方が分からない人にとってのアドバイスとして、「竹刀を手足の延長線上とみなす」という考え方が有効かもしれません。
竹刀の切っ先を自分の手足と同じもの、自分の手足の一部とみなして、攻撃を仕掛ければ、さまざまな攻撃手段が見つかるかもしれないと思います。
また、剣道において言えることとして、手を使った竹刀の振り方と同じぐらい重要なのが、足を使った踏み込みです。
相手の間合いの中に素早く入り込み、相手が守る時間なく、スキをついて小手、面、胴を取る、という「踏み込み」が、剣道においては何よりも重要です。
僕は足を怪我してしまったため、あまりできなくなりましたが、それでも、スニーカーなどを履いていれば、この踏み込みを今でもすることができます。
竹刀の振り方と同様、踏み込みも自分なりの正しい方法が正しいと言えるかもしれません。ですが、すり足など、多くの方法は経験的に明らかになっており、日々稽古に励むことが推奨されるでしょう。
スキのない人間とはどのような人間か。
スキのない人間とは、相手がどのように攻撃してきても、その「一歩先」を見ていられる人間のことです。
相手が、そのように攻撃してくるなら、そう攻撃することを既に考慮して、「相手の一歩先を常に考えられる」人間、これがスキのない人間です。
常に、相手の攻撃の可能性を、すべて既に対処し終えているような人間、「どう攻撃されても常に守ることができる人間」こそがスキのない人間です。
剣道で勝ちたいのであれば、そのような「スキのない人間」を目指すとともに、相手の構えを観察することで、相手のどこにスキがあるかを分析しましょう。
剣道で、どのように戦ったらいいか分からない人は、攻めると守るのどちらに適しているかを考えましょう。
たとえば、縦に構えるのは、自らの面や胴や小手を守るのに適していますが、横に構えるのは、相手の面や胴や小手を攻めるのに適しています。
また、前に進むのは攻めるのに適していますが、後ろに下がるのは守るのに適しています。
また、頻繁に素早く動くことで、相手の守りを崩すことができますが、自分の守りにもスキが生まれます。
剣道で勝つコツは、まず、なんにも分かっていない人間から勝つことです。
剣道をやっている人間にもっとも多いのは、何も考えずに試合に出て、何も考えずにチャンバラをしているだけの人間です。
このような人間は、勝つための方法がそもそも分かっておらず、典型的にスキだらけで、何も考えずに攻撃をしてきます。
まず、このような人間がどのような攻撃をしてきやすいかを考えて、このような「もっとも弱い人間」から勝ち方を考えます。
そして、このような人間に勝てるようになったら、次はなんにも分かっていない人間にだけ勝てるような人間に勝つ方法を考えます。
つまり、それは今の自分です。そのように、今の自分よりも強くなっていけばいいのです。
すなわち、一番弱い人間から想定し始めて、その後はそうした弱い人間に勝てる今の自分を想定して、自分自身に勝っていけばいいのです。
そのようにすることで、すべての人間に勝てるようになります。
剣道で勝つコツは、スピードです。
もし、相手が見ることのできるような、ゆっくりとした攻撃をすれば、必ず防御され、回避されてしまいます。
ですが、相手が見ることのできない、素早いスピードと踏み込みで、一瞬で相手のスキをつけば、攻撃が有効になります。
ですので、基本的にスピード勝負だと思って剣道の練習を行ってください。剣道は一瞬の勝負です。相手の動きをよく見て、どのように攻撃が来る可能性があるかを考えながら、どこを制すれば勝負を決められるのかを考えて攻撃すればいいのです。
剣、すなわち竹刀は、攻撃のツールでありながら防御のツールです。
相手は竹刀を使って自分に攻撃をしてきます。その攻撃から自分を守るのもまた竹刀です。
自分は竹刀を使って相手に攻撃をしかけます。その攻撃から相手を守るのもまた竹刀です。
そして、剣道の試合において、頼れるのは竹刀一本だけです。
どんな攻撃に対しても、竹刀を使って常に自分を守れるように練習しましょう。また、相手が守る中を切り込んでいけるように、竹刀を速く、強く、軽く、大きく振れるように練習しましょう。
そして、相手の構えを「見る」ことが重要です。相手がどのように構えているのか、ということから、相手が攻撃できる「延長線上の構え」が見えてきます。その構えから自分を守りましょう。
同時に、必要なのは手だけではありません。足も必要です。足は、自らの胴体を動かすため、相手の胴体が動くために必要です。自分自身がどのように動けるのかということを常に考え、相手の構えを翻弄するように動きましょう。
剣道部で強くなる秘訣は、素振りをすることです。
剣道部員は、素振りをすることで強くなります。
これは、他のスポーツでも、たとえば野球などでも同じです。バットをたくさん振り、千本ノックを何百回とやると強くなります。
剣道部であっても、素振りを何度もし、何度も相手の面を取る練習をし、それを何百回と繰り返せば強くなります。
どのスポーツでも、そのような「基本」ができている人間が一番強くなります。
もし、素振りだけで強くならないなら、何かしら、自らの「考え方」におかしな間違いがあります。その間違った考え方を取り去ることが、練習と同じぐらい大切です。「間違った考え方を信じているからできていない」ということが、どんなことについても言えます。
剣道も同じです。考え方を正しながら、ひたすら練習をすることで、人間は強くなります。僕のようないじめられっ子でも、いじめに負けないぐらい強くなれるでしょう。
2024.03.11
はっきり言って、剣道部とは言いますが、その内実は「修行」に近いものです。
ここに書いたのは、剣道部員の修行の一部です。竹刀を振ったり、すり足などを習得し、武具をきちんとつけたり、あるいは実際に対戦したり稽古をしたりしますが、他にもマラソンに近いような持久走をしたり、長い階段を急いで上がったり、さまざまなことを「修行」のように行いました。
僕は、その修行が好きでした。小学校時代に駅伝の大会に出たことがあるように、僕は持久力があり、実際息は誰よりも一番長く続きました。
しかしながら、僕には「勝つ知恵」がなかったため、2年生ぐらいになると、次第に落ちこぼれ組になりました。フェイントもできないし、間合いについても分かりませんでした。初段の昇段試験にも落ちましたし、みんなと円陣や総当たりでやっていても負けることばかりが続きました。
また、重すぎる防具を中学生が担いで学校に持っていくのには、中学校から僕の家までの距離は離れすぎており、長い坂を防具を持って運ぶのが辛かったりもしましたし、剣道部は夕方の遅くまで練習をしていて、他のどの部よりも遅かったため、僕は次第に剣道が嫌いになりました。
そう、僕はクラスメイトからのいじめなんかよりも、剣道部の方がはるかに辛く苦しかったです。僕は中学三年で不登校になりました。しかしながら、当時の剣道部員の友人には感謝しています。いじめられっ子だった僕に対して、不当な行為をする友人はあまり居ませんでした。剣道部のみんなは、僕の仲間だったのです。
僕が中学時代、剣道部で落ちこぼれだった理由は、先輩から「やれ」と言われたことをただやっているだけだったからです。
中学の剣道部で、僕は試験勉強で優等生だったのと同じように、「やれ」と言われたことをこなすことしかせず、それで上手くなると思っていました。
他人から「やれ」と言われたことをやっていれば、剣道で強くなれると勘違いしていたのです。
ですが、実際は、「やれ」と言われたことをやっているだけでは、剣道部では成長しません。強くなることもなければ、後輩を満足に指導することすらできません。
本当に必要なのは、自分の力で考えること、自分にしかできない練習をすること、そして誰にも持っていない人生経験やスキルのような「自分だけの力」を築き上げることです。
剣道部時代、僕はそういうことがまったく分かっていなかったため、小学生の頃から駅伝をしていた持久力や体力はありましたが、剣道のスキルや強さのようなものはまったく身につきませんでした。
みんなと同じ練習はしていたつもりですが、「みんなと同じ」だけでは十分ではなかったのです。
剣道の初段の昇段試験に落ちて、失望した僕は剣道部に行かなくなり、試験勉強もつまらなくなってくると中学校自体を中学三年で不登校になりました。
ですが、その時の僕は、本当のことを言えば「何を本当にするべきか」ということに気付いていました。
不登校の引きこもりになってから、僕は家のインターネットでひとりで人生経験を積みました。ネットの実際の社会を知って、そこからIT技術の知識を取り入れることで、誰よりもLinuxやオープンソースに詳しくなりました。
その後に、僕は文章をいくらでも大量に書き続けるようになります。そこまでの人生経験で、どんなことでも書き表せる「知性に先出つ経験」ができたからです。
本当に中学生の頃の僕に必要だったのは、そのような「経験」と「才能」です。そして、僕の経験や才能は、生まれ持った先天的なものは何もありません。すべて、中学生の頃に絶望した後に、自分の力で身に着けてきたものです。
そう、剣道部で落ちこぼれだった僕にとって、本当に必要なのは、そのような人生だったと言えます。あのまま高校に通って優等生になっていたとしても、僕は何も才能や経験のないままだったと思います。結果的に、これですべて良かったのだと今は信じています。神が与えてくれたこの人生は、「自分にしかできない力」であふれているのです。
2023.06.01