SUSEに関する世界観です。メインフレームでのSUSEについてはメインフレームが参考になるかもしれないです。
SuSEはもともとSlackwareをベースとしたドイツのディストリビューションだった。
使いやすい設定ツールYaSTや、Qt/KDEの安定したデスクトップ環境で、ヨーロッパで強いディストリビューションであり、Red Hatと長年のライバルだった。
だが、NovellによりSuSEは2003年11月に買収された。
SUSE Linuxはオープンソース版のopenSUSEとエンタープライズ版のSUSE Linux Enterpriseに分裂し、100%オープンソースコミュニティでopenSUSEが開発されることになった。
Ximianは、GNOMEのサポートを行う会社で、GNOME創設者のミゲル・デ・イカザとナット・フリードマンにより創業され、SUSEと一緒にNovellに買収された。
Ximianを参照のこと。
NovellはNetWareと呼ばれる製品で成功したが、Linux戦略を行うためにSuSEやXimianなどを買収した。一時期はRed Hatへの対抗軸として見られていたが、成功せず、Attachmateによって買収された。
NovellのLinuxは「SUSEという名のKDE」と「Ximianという名のGNOME」となって、KDEとGNOMEのどちらにも強く、一時期は良い位置に居たと僕は思う。
COBOLの会社マイクロフォーカスによってAttachmateが買収されたことで、迷走につぐ迷走、混迷の境地に立っている。先行きは不安である。
最近は、SUSEはマイクロフォーカスからEQTというスウェーデンの投資会社に売却されたようである。本当に、どこが作っているのか分からない状況になった。
openSUSEにはTumbleweedとLeapの2種類があり、Tumbleweedはローリングリリースモデルを採用して最新のパッケージを提供し、Leapはサーバーや一般ユーザー向けにバージョン番号でリリースされている。
基本的に、LinuxオタクはTumbleweedを使い、プロのシステム管理者はLeapを使えば良い。長期サポートなどの有償サポートが必要ならばEnterprise版を買う。
openSUSEには、さまざまな技術が存在する。たとえば、さまざまなパッケージを構築できるOpen Build Service(OBS)や任意OSの自動テストができるopenQA、仮想化環境やDockerで使用できるLinuxイメージを作るKiwiなどがある。SUSEは昔から技術レベルが高く、商用としては初のLinuxディストリビューションだった。
SUSEの使いやすいと評判の設定・管理ツールだが、「素の設定ファイルではなくGUIツールで設定するのはいかがなものか」という批判もある。
openSUSEのパッケージ管理ツール。Zypperはコマンドラインツールだが、GUIの場合はYaSTからパッケージを管理できる。
セキュリティのために、openSUSEではSELinuxではなくAppArmorを採用している。Ubuntuの開発企業カノニカルもAppArmorを支持し、LinuxカーネルのメインラインにもSELinuxと一緒に採用されている。AppArmorを参照のこと。
openSUSE AeonとopenSUSE Kalpaは、SUSEによるコンテナベースのイミュータブルデスクトップOS。AeonはGNOME、KalpaはKDEを搭載している。システムの内部は変更できないが、イミュータブル(不変)であるためセキュリティが高い。
2023.06.05
SUSEは経営母体を変えながらも成長を続けている。また、エンタープライズでの評価は高く、欧州企業のインフラ基盤に多く使われている。