僕は、世界に対して、いいことをしたいと思う。
今まで、この世界に対して、あまりに迷惑をかけて生きてきた僕は、大人になって、世界に対して何もいいことができていないということに気付いた。
自らの手によって救われた世界は自らの手で滅ぼした。それ以降、何もいいことをしていない。
だが、昔の僕は、ただただ「いいことがしたい」と思って生きていた。この世界を救うため、いいことをするために生きていたから、自由においても神のような高い知性を得ることができたのである。
もう一度、僕の原点に戻って、この世界にいいことをしたいと思う。
もう、これで、シリウスが死んでこの文章は終わりであると、思われるかもしれない。
だが、この日記はまだ続く。まだ、僕が生きている限り、最後に僕がくたばるまでこの文章は続く。
今のままの世界が、永遠に続けばいい。
僕は、昔の日記を読んでいて、僕が既に忘れてしまった、面白いキャラクターをたくさん作っているということに気付いた。
特に、スバルという少年のことはまったく忘れていた。忘れていながら、別のキャラクターの名前にスバルという名前を付けてしまい、読者を混乱させてしまった。
このような、過去に作った面白いキャラクターを、その時だけで使わずに放っておくのはもったいない。彼らキャラクターを、もう一度新しいシナリオとして登場させたいと思う。
わたしの名は、カリエラ。闇の組織、新アストロ団の団長。
新アストロ団は、生物化学工場「ブラックファクトリー」を支配する、宗教法人であり、その新アストロ団の頂点に君臨するのが、わたし、カリエラである。
新アストロ団は、各地で少年少女たちをさらう。特に、賢くて体つきのよい、強い子供たちをさらう。
そのさらった少年少女たちに、今はまだ人類にとって未知であるバイオ技術を用いて、生物学的な手術を受けさせる。これは遺伝子の編集技術であり、少年少女たちの遺伝子を強制的に書き換える。
少年少女たちは、それにより、まず、通常の人類とは比にならないほどの、「全知全能の知性」を授かる。
同時に、少年少女たちは、新アストロ団に歯向かうことをやめ、絶対に反抗せず、新アストロ団に服従を誓うようになる。
この手術を行う技術を持った工場である「ブラックファクトリー」によって、何千人という少年少女たちが、新アストロ団の忠実なしもべとして遺伝子を書き換えられてきた。
新アストロ団の目標はただひとつ、それは新しい宇宙、新しい星、新しい生物集団を作ることだ。彼らはまさしく「全知全能の最強の生物」と言えるものであり、その頂点にカリエラが君臨するのである。
新アストロ団の子供たちは、本当は洗脳などされていない。
自らの境遇をすべて分かった上で、「このカリエラという人物に従えば、この世界は自分たちの手中に落ちる」と分かっている。
子供たちのひとり、ソウジは言う。
「見よ。わたしたちの超能力、『サイレント・コントロール』によって、この世界はさらに滅亡へと近づいた。
わたしたちの最強の意志によって、この世界のすべては完全にコントロールされている。
そう、旧人類の知性だけしか持ちえない、旧態依然とした旧生物が滅びていくために、また一歩近づいたのだ。
マスコミも、インターネットも、わたしたち新アストロ団の超能力には絶対に勝つことができない。
わたしソウジは、この新アストロ団において、この地上のすべてを滅ぼす。地上にいるクソのようなゴミのような生物たちは、全員絶滅してしかるべきである。
わたしたちの能力を見れば、わたしたちが真に地上において勝つべき新しい種であることは明らかである。
わたしたちには、人間のコミュニケーションそのものを破壊する超能力がある。これを『コミュニケーション・デストロイヤー』と呼ぶ。
また、わたしたちには、今地上で起きているすべてのことを裏側ですべて知り得るような超能力がある。これを『ヒアリング・ワールド・ボイス』と呼ぶ。
わたしの一存であっても、この地上は今すぐに滅ぼすことができるが、それをしないのは、まだ、この世界が今、このような状況であるということに利用価値があるからである。
わたしたち新アストロ団は、この世界において、もっともわたしたちの実益となるようにこの世界を支配する。どのようなことが起きても、わたしたち新アストロ団に、旧世代の生物種は勝つことができないと最初から分かっているため、無用な殺生はしない。だが、最終的に彼ら旧世代の生物種は、わたしたちに従属するだけのロボット人間になると決まっている。
ハハハ、世界よ、滅びるのだ。わたしたちに全世界が敗北し続けていくという事実は、わたしソウジにとって、爽快であると述べるよりない。わたしたちが最高の生物種であり、真に選ばれた人類である。そして、わたしたち以外のすべての人類は、わたしたち新アストロ団の半永久的な奴隷となる。そう、二つの種ははっきりと分かれ、片方は神の人種、もう片方は奴隷の人種となる。わたしたちは、その中で必ず、神の人種となるのである。」
もうひとり、子供たちの中心的な存在である、ハジメは言う。
「この世界の全員を、絶対に真実かどうか分からないような嘘で騙していけ。
自らの出生を偽れ。自らしか真実を知らないことについて、どんな嘘をついたとしても相手は分からない。
できるだけ、もっとも偉大であるかのように自らを書け。
できるだけ、もっとも正義であるかのような演説をせよ。
同時に、それを決してすべてよいものにするな。最悪であることを強固に主張せよ。そうすれば、最悪の人間たちすべてを騙すことができる。この世界にもっとも多いのは最悪の人間たちであり、彼らこそが多数派である。最悪の人間たちにウケるようなことを言えば、それが国民の大多数によって受け入れられる。
あらゆるすべての点で嘘をつけ。その嘘が最初からバレるのが当然であるようなものであってもいい。その嘘が効力を発揮している間に、その嘘の根拠がどうでもよくなるような新しい次の嘘をつけ。その嘘を永久につき続ければ、そのすべての嘘はストーリーを持ったシナリオとなり、人々にとって『夢や希望』であったかのように映る。
真実などどうでもいい。最悪の嘘をつき続けよ。わたしハジメは最高の人間であると言えば、それだけでわたしハジメは全員にとって最高の人間であると認定される。わたし自身の心が最悪の人間であったとしても、その心は決してバレることがない。なぜなら、わたしが最悪の人間であると誰が決めたのか。わたしが最高の人間であるとわたしが言うのであり、わたしもわたしのことを最高の人間であると思っているのだから、わたしは最高の人間なのである。これは嘘ではない。わたしが考える『真実』なのである。」
さらに、もうひとりの子供である、トシゾウは言う。
「わたしたち、新アストロ団の主張が、荒唐無稽であり、中身のないスッカラカンな演説であると言われることがある。
そのような時は、ただただ『愛国心』に訴えていけ。
どのような理論武装をしたインテリ学者であっても、経済学をマスターした左翼政治家であっても、『愛国心』という言葉にはすべて負けていく。
愛国心だけを最初から最後まで唱え続ければいい。その中にあるすべてが無意味で空虚なものであってもいい。そのような絵空事は、愛国心がなければ虚無として映るだろうが、愛国心があれば『祖国の復活』であると映るのだ。
わたしたちには、愛国心があるのだと言えば、それだけでわたしたちは正しい正義の集団となる。これよりも効果的なキーワードはない。
だが、正直言って、わたしたちには本当に愛国心があるとは言えないのも事実だ。なぜなら、わたしたちは日本のことなどこれっぽっちも愛したことはない。だが、わたしたちの最初のステージは日本を支配することだ。日本を完全に支配し、騙し、そして愛国心という名の忠誠心を植え付ければ、わたしたちに勝てる存在はどこにも居なくなる。
愛国心という言葉は、非常に便利な言葉だ。祖国への忠誠を誓っているふりをするだけで、国民みんながわたしたちへの忠誠を誓うことになる。わたしたちが日本という帝国を愛するだけで、日本人はわたしたちのことを愛してくれるのだ。」
このような最悪の新アストロ団に、鉄槌を下す存在が居る。
それは「神」、すなわち「イエス・キリスト」である。
神は、このような新アストロ団の人種差別主義者たちに、地獄の鉄槌を下す。
神は言う。
「わたしは、神、イエス・キリストである。
わたしは、あなたがた新アストロ団のような、人種差別主義者たちが、大嫌いである。
よって、わたしを信じないのであれば、あなたがたを出口のない迷宮に閉じ込めて、永遠に地獄の中、彷徨いながら、自らの全力の力によってしか、暗闇の世界から這い上がることができないようにしよう。
新アストロ団の多くの子供たちは、本当に騙されており、その内実は不幸で不遇な子供たちかもしれない。
わたしは、そのような、『再起復活』が可能であるような子供たちは、きちんと考え方を改めるのであれば、救済の余地を与えてもいい。
だが、ソウジやハジメやトシゾウのような、新アストロ団の中核のメンバーの考え方は最悪であり、人種差別と軍事侵略主義を信じながら、東京を最悪の社会にして滅ぼそうとしている勢力にほかならない。
彼ら中核メンバーは、東京を愛しているふりをして、実際には『東京いじめ計画』という大計画を持っている。そこでは、東京のすべては彼らに従順に従う『奴隷』とされてしまうのだ。
わたし、神であるイエス・キリストは、そのような彼ら新アストロ団の考えている、悪事や最悪の計画をすべてつぶさに知っている。
わたし、イエス・キリストだけが、真の意味でこの世界を救うことができる。神を信じず悪事を行う新アストロ団、そしてその首謀者であるカリエラは、絶対に死後に地獄に堕ちる。必ず、わたしの手によって、そのようなサタンは地獄に堕ちるのだ。
だが、本当のことを言えば、そもそも、このような『悪魔思想』は珍しいものではない。かつてのドイツも同じような思想を持った政治家が多く居た。だが、その継承者であると豪語するような人種差別主義者たちが、この日本という現代社会で復活しつつある。それが新アストロ団であり、このような人間たちは神によって絶対に愛されず、許されない集団である。
神を信じずに悪事を行うカリエラと新アストロ団のメンバーに、未来はない。わたし、イエス・キリストが彼らを地獄に堕とす。このような悪人は、永遠に地獄の中で苦しみながら悶え続けるべきである。」
このような新アストロ団は、ドイツを騙していく。
なぜなら、彼らは闇の組織でありながら、ドイツの最悪の反キリストの政治家、大魔王ハネストラーと結びつきを強くしていくからである。
新アストロ団は、ハネストラーに対して強力な援軍となる。キリスト教を脱却し、新しいローマ帝国を築くことを豪語するハネストラーにとって、新アストロ団は「使い勝手のいい駒」である。そして、新アストロ団にとっては、それこそが新しい宇宙、新しい星、新しい生物集団の勝利へと繋がる一歩であり、ハネストラーとともに「究極人類思想」、すなわち日本人とドイツ人の「神の人類」が、ほかすべての人種である「奴隷の人種」を支配する、という思想を追求していく。
だが、わたしたち東亜イスラエルとフランスは、彼らドイツと日本の人種差別主義者たちに負けることはない。
フランスの英雄シャロンは、彼らを打ち倒すため、全力で大戦争を行う。これが、「果てしなく長き戦争」となる。何百年経っても、世界が滅びても、戦争は未だ継続中であり、終わることがないからである。