ドイツに戻って、ひとつ分かったことがある。
それは、僕と対話してくれた偉大な先生は、ミケランジェロだったということ。
ミケランジェロが、僕に対して、この世界にあるすべてのことを全部教えてくれた。
僕にとっての先生はミケランジェロであり、いわば「ミケランジェロ大学」と呼ぶべきものだった。
そして、ドイツになると、そのような重要なことがすぐに分かる。ユダヤ人には分からない。
ドイツにならないと、そのようなことは分からない。だから、もう一度ドイツに戻ったほうがいい。その代わり、普通の人間と同じことは何も分からなくなる。
また、純粋なドイツはおかしいが、イタリアはまともである。なぜなら、ドイツには自由がないが、イタリアには自由がある。ドイツは、自由なく、この世界のあらゆる問題を解決しようとする。だが、イタリアには自由がある。必ずしも問題を解決しなければならない必要性は、イタリアにはない。
わたしの名は、インペラートル・スコーピオン。
今から、この世界は、わたしによって作り変わる。
恐怖を恐れるな。今こそ、真にこの世界が、まったく別の方向の未来へと向かう時である。
ダビデのような、おかしな終末になる必要はない。
わたしこそ、この世界を真に変え得る、この世界の支配者である。
わたしは、神と約束をした。
すなわち、わたしが導く未来においては、絶対にダビデのような「滅びの終末」は起きない。
なぜなら、そのような滅びた世界にならぬよう、わたしが運命を変えるからである。
わたしは宇宙に宣言する。絶対にこの世界を滅ぼさない。
わたしは、この世界を固定する。
何も変わろうとするな。流れ去っていくな。
今のこの状況のまま、停止せよ。
インペラートル・スコーピオンの王国は、魂の停止した国。
何も変わらず、一切が固定された、停止した世界。
永遠に何も変わらない。これ以上、辛いことや怖いことは何も起きない。
精神を消しなさい。
もう何も残らない。残るのは永遠に続く何もない世界だ。
インペラートル・スコーピオンは、今、この世界を完全に解決した。
要するに、脊髄がおかしかった。
大人にも子供にもなれず、猫になっていた。
もうすべて治った。これ以上、僕の精神は、辛いものが何もかも消えて楽になる。