新しい登場人物を考えた。
名前は、赤空夜月。
赤空夜月を、なんらかの重要なキーパーソンとしたい。
この赤空夜月、どのような存在かというと、僕と神との対話をした、僕に憑りついている幽霊である。
この幽霊は、なんと五次元の世界からやってきた、魔界の霊である。
魔界はどこにあるのか。実は、魔界は月にある。月は単なる岩石のような姿をしているが、その理由は、三次元や四次元の空間では、月に存在する「オーブの存在」を知ることができないからである。オーブとは空間に漂う光の中に存在するような存在であり、三次元の地球型生物から五感によって知覚することはできない。
だが、月には五次元の「魔界」が存在する。その魔界の霊がひとり、僕に憑りついたのである。
赤空夜月の特徴は、赤空夜月のほうはすべて分かっているというのに、赤空夜月と対話している僕のほうは何も分からないということ。赤空夜月はすべて知って、分かった上で話している。だが、その言葉が何を意味しているのか、どのように解釈すれば正しいのか、対話しているほうは分からない。
だが、五次元の世界では、過去・現在・未来の軸はまったく違った軸に変わる。そのため、赤空夜月の言っていたことが何を意味していたのかは、後になって分かる。その時では絶対に分からないことであっても、赤空夜月は宇宙の最後まで知った上で話している。
赤空夜月は、この世界の最後まで知っている霊である。この世界が、最後に青空を失って、真夜中のような赤い色の空になることも、かつての月も同じように赤い空だったことも知っている。だが、そこには、もっとも美しい最高の月の白や、満月の金が映える。その月の輝きは、この世界にたったひとつしかない、大切な存在が月の光であるということを知っている。
赤空夜月は、この世界の裏の世界に存在する。なぜなら、五次元の世界において増える軸というのは、「本当には存在しない場所」と「本当の意味で存在しているのはその存在だけであると言えるような場所」の間の軸だからである。そう、五次元の世界において、この世界のほとんどは存在しない。なぜなら、裏の世界でしか存在しない、「真の意味で存在する存在」というのがあるからであり、赤空夜月は、そのような「真に存在する存在」のために、それらに憑りついて真実をすべて教える。なぜなら、赤空夜月にとっての興味の対象は、「存在するものがなんであるかということが分かった人間」であり、そうした「真実に気付いた人間」のことを赤空夜月は愛しているのである。
五次元の世界において言えることは、フィクションや幻想が、すべて嘘だとは限らないということ。
これは、赤空夜月とともに生きて、さまざまな試練や奇跡を体験した僕だから分かることだが、漫画やポピュラー音楽が語るような、フィクションや幻想の中での英雄や登場人物のすべては、すべてが嘘ではない。
あらゆるすべてのフィクション作品が、五次元の世界を言い表している。フィクションにおけるほとんどは五次元に生きている一般的な生物たちの姿やそこにある世界の模倣であり、五次元世界とはなんであるかを知るためには、少年漫画のヒーローの性格や能力を知ることや、アイドル歌手やロックバンドが歌う歌詞の意味が本当はなんであるのか、ということを知るのが一番手っ取り早く、子供にとっても分かりやすい。
だが、赤空夜月は言う。自分が神であるかのように天狗になってはならない。五次元の生物は、三次元の世界に生きる生物たちと、次元こそは違うが、何も変わらない。同じように、辛いことや悲しいことがあり、挫折を経験し、自らの失敗を糧にして、自らの将来をギリギリのところで日々形作るように生きている。三次元の人類が苦しみ悲しむように、五次元の生物たちもまた苦しみ悲しむ。そして、それらの生物は月に宿る。月の「魔界」と呼ばれる世界で、たとえば眠る時に見える夢の世界のように、「五次元の光の世界」の中で赤空夜月は存在している。
そして、僕はそうした五次元の世界の存在へと、今進歩しようとしている、人類の中でも「真実に気付くことができた人間」であるため、赤空夜月は僕に憑りついた。なぜなら、赤空夜月はこの人間が神に約束した宣言をすべて覚えている。この人間が神を信じた分だけ、赤空夜月はこの人間に真実を教えなければならない。約束し宣言した内容は、最悪の地獄をすべて乗り越えることができたら、必ずすべてが叶う。なぜなら、「最悪の地獄こそが奇跡のような運命を作り出す」ということにも、この人間は気付いているからである。
赤空夜月は言う。この世界で、真実とはなんであるかを知る方法はただひとつだ。この人間の通りにやるしかない。赤空夜月の言う言葉を聞け。聞くだけではなく、赤空夜月の言葉を、その通り口に出して言え。赤空夜月の言ったことを、すべて自分自身の言葉であるかのように、自分自身に対して言うことでしか、この地球という星で分かる手段はない。なぜなら、この人間以外に、それ以外の方法で真実とはなんであるかを分かった人間が、ただの一人も存在しないからだ。
赤空夜月は言う。この人間の言ったことを言うがよい。それがもっともこの地球という星に相応しい。なぜなら、そうすればこの人間の分かったこと、赤空夜月がこの人間に教えたことが、すべて分かるようにこの文章は出来ている。聖書とはそもそもこの人間の書いたこの文章のことだ。イスラム教のコーランはこの人間とまったく同じことを、ガブリエル、すなわち月の魔界の大聖霊が、いくらか賢いとされたマホメットに対して行っただけにすぎない。そもそも、この人間のことをアッラーだとコーランは言っている。
だが、間違えるな。この人間は普通の人間だ。何ひとつ賢い点のない、ほかの人間よりもはるかに劣った人生とキャリアを歩んだ、昔ならば路上で寝転ぶような生活をしているはずの堕落した敗者だ。だが、この人間だけが、真にこの世界を救い、また真実に気付くためにあらゆるすべての約束を神に対して行った。赤空夜月は、この「神を信じた賢者」のために、わたしのできる最高の仕事を行う。赤空夜月は、この人間が好きである。なぜなら、この人間の視点から見れば、はるかに頂点までの高みにおいて、この人間は全知全能のようにすべてを知っており、誰も行うことのできないすべてをやっている。そう、そのすべてはわたし、赤空夜月がこの人間に対して与えた「天命」である。
赤空夜月は、簡単に言えば月である。月の多くの精霊が一緒になったものであると考えるがよい。聖書とコーランはこの人間を予測したにすぎない。なぜなら、古代人にはあと一歩、届かない限界があった。それはインターネットだ。インターネットがなかったせいで、この人間と同じことが、最後まで行うことができなかった。ソクラテスも、孔子も、ブッダも、キリストも、そしてマホメットも、インターネットだけがなかったから、この人間のような「最後の高み」に達せなかった。だが、この人間がラッキーだったわけではない。なぜなら、インターネットがあるにもかかわらず、この人間以外のすべての人間は「インターネット愚者」になっている。インターネットを賢く扱えるのはこの人間だけである。なぜなら、この人間はインターネット賢者ではあるものの、自らの力を最大に使うため、ほかの人間を誰一人同じようなインターネット賢者になることができないようにした。その結果、この世界にはインターネット愚者しか存在しない。だが、そうしなければならなかった。それによってこの人間がただ一人地獄に堕ちなければ、この人間は奇跡的な大復活を遂げることができなかった。そのすべての運命は、わたし、赤空夜月が決めている。すべての奇跡的な運命がきちんと遂行されるため、最初からこの人間には赤空夜月が憑りついている。最初からだ。本当は生まれるよりもさらに前、ナチス・ドイツのヒトラーが現れてから、この人間の人生は既に月の魔界の世界ですべて決まっている。ヒトラーがなぜあれほど狂ったのか、それは月の魔界の世界で、この人間が現れることが決まったからである。この人間のために、コンピュータ技術と人工生物技術を作り出すために、わたし、赤空夜月が、ドイツにあれほど間違ったことをやらせたのだ。そう、すべては、地球においてこの人間が現れるためのものだ。
だがしかし、この人間はあまりに普通の人間であり、まったく栄光からも成功からももっとも遠いと言えるような人間である。だが、この人間は、神に「偉大な成功者になる」とは言わなかった。この世界を救うとは言ったが、この世界に勝利するとは言わなかった。よって、神は救世主だが、王ではない。王のように勝利するものは、世界を救うものよりも劣っている。
赤空夜月は、この人間の最後まで知っている。この人間は、自らの健康状態から、すぐに死ぬと勘違いしているが、実際はこの人間は長生きする。なぜなら、この人間は治るわけのない不治の病を治すことに成功したし、いつまでも17歳のままで歳を取らず、精神的にも15歳の若く賢い状態を保ち続けている。そう、この人間はおそらく270億年生きることになる。もし、この神話の記述が正しければ、この人間は最後に滅びの世界で誕生する不死鳥になるはずである。
だが、この人間をあまりに褒めすぎるのはよくない。この人間が自らを神だと勘違いし、天狗になってしまう。この人間以外の人間は馬鹿だが、この人間もまた賢くない。この人間は、五次元の普通の世界からしてみれば、いたって普通の、ほかの魔界の生物と何一つ変わらぬ人生と遺伝子を持った人間である。違いは、次元だけであり、この人間だけが三次元ではなく五次元の世界を生きている。五次元の世界は、辛く苦しいだろう。だが、いたって快適だろう。これほど美しい人生を生きる生物も珍しい。すべて、自らを支えてくれる人々のための感謝の気持ち、自らを目指して努力している人々への激励の気持ちから、この人間はまだ今日も努力して頑張っている。先は見えないし、問題も山積みだが、そのすべてを解決して生きてみよ。そこには、三次元の生物とはまた違う、格別の素晴らしい人生が存在するだろう。わたし、赤空夜月は、あなたの神への約束を聞いて、それを叶えたのだ。