人間は、最後まで分かってから、すべてが分かった状態で分かると、この世界のことがきちんと分かる。
「最終的に分かった状態」というのを仮定し、その最終的に分かった状態になり、その状態に基づいて、自らの理性を操り、未来へと導かれるように生きる。
すなわち、哲学的に人生を生きる上で、最後まですべてが分かった状態になることができるような、そのような段階が転機として訪れる。そして、最後まですべてが分かった状態に仮想的になった上で、宇宙と人生と世界のことを分かるようにする。そうすると、哲学者のように考えることが簡単にできるようになる。
今シーズンのメジャーリーグは、佐々木朗希と大谷翔平に期待できる。
「得意なプレーを続けるべきだと…」大谷翔平、今季もDHに専念すべき!? 本塁打王が助言「変える必要はないだろう?」(ベースボールチャンネル) - Yahoo!ニュース
実は大谷より30年前にあった「50-50」の好機 伝説ボンズが「できた」というワケ「数字を見てくれ」(THE ANSWER) - Yahoo!ニュース
ボンズが言うように、僕も大谷翔平をもっと打者で見たい気持ちがあるが、最近は二刀流復活という時期が近づくにつれて、「二刀流のいつもの大谷翔平の勇姿を今度こそドジャースファンたちに見せつけてやりたい」という気持ちもある。
打者専念の大谷翔平は、かりそめの姿だ。大谷翔平の真骨頂は二刀流にある。大谷にとって打者はプラスアルファであり、本職は投手だ。だから、大谷翔平にはそれをドジャースファン全員に見せつけてほしい。「こんなにあり得ない野球選手が世界にいて、それが日本人である」ということを、まざまざと見せつけてほしい。簡単に言えば、いつもの大谷翔平に復活してほしい。
佐々木朗希が避けられない「165キロの代償」。大谷&ダルビッシュも受けた“メジャーならでは”の洗礼(週刊SPA!) - Yahoo!ニュース
佐々木朗希メジャー進出も「ヒール扱い」大金が投じられた“宿題”の持ち逃げにMLB球団が激怒(週刊女性PRIME) - Yahoo!ニュース
佐々木朗希はもう完全にヒールになった。プロ野球関係者やメディアやSNS上のファンのみんなからあまりに嫌われている。でも、ヒールでいいじゃん。上等でしょ。みんなから誰からも好かれるような聖人君子のような主人公役ばかりの野球チームはつまらない。ひとりだけ、ダースベイダーになったアナキンのような悪役がいてもいい。ベジータがいるからカカロットがさらに引き立つのではないのか?
なんで、全員が大谷翔平のような、誠実で何も悪いことをしない選手でなければいけないのだろう?佐々木朗希が自分で選んだ発言や行動や態度、なんでメディアだけがそれを批判する権利があるのだろう?
僕自身、日本のプロ野球での佐々木朗希の試合を見たわけではないが、ロッテでの佐々木朗希の立ち振る舞いを見ているからこそ、佐々木朗希が嫌いだというファンもいる。そのようなロッテファンの意見は、大体が「佐々木朗希は日本では手を抜いている」というものだ。だが、手を抜いているかどうかなんて本人にしか分からないし、その理由も本人が判断した結果であって、ロッテファンだからといってそれをネット上で誹謗中傷のように批判する権利はあるのか?
たとえば、大谷翔平という完全無欠のヒーローがドジャースに既にいるのであれば、完全無欠のヒーローはそんなにたくさんいなくていい。むしろ、正反対の、みんなを敵に回したヒール役こそが必要とされる。シャアのいないアムロばかりのガンダムはつまらない。たとえば佐々木朗希がもしヒール役を自ら選ぶのだとしたら、それはとても素晴らしい選択だと僕は分かっているし、なぜなら、昔の僕がそうだったからだ。天才になるためにもっとも手っ取り早い選択肢、それは世界みんなを敵に回してしまうことだ。
えてして、佐々木朗希という名前は北欧神話のロキ(現地の言葉ではローキと書かれることもある)を連想させる。ロキのような、最終戦争で神々の側ではなく巨人の側につくような存在でいいのではないか?ロキのいない北欧神話は、砂糖を使わない味の抜けたクッキーのようなものだ。ロキがいなければトールの物語は面白くならない。善人だが頭が馬鹿で力だけが強いトールはひとりで構わない。
メディアによれば佐々木朗希は完全な個人主義者で、チームのためではなく自分のために行動する。それはまさに北欧神話のロキと同じだ。ロキはトリックスターとも言われるが、その言葉の意味は「ジョーカー」だ。すなわち、トランプでスペードのエースが大谷翔平なら、佐々木朗希はジョーカー。どちらもトランプで遊ぶためになければならないカードであり、どちらのカードもトランプにとっては同価値だ。
北欧神話のロキは、決して悪いだけの悪神ではないし、つまらない存在では決してない。ロキという存在がいるから、どれだけ北欧神話の価値が高まったことか。ロキは悪い神じゃない。
一部では、「佐々木朗希を悪者にするな」とか「メディアの作ったペンの暴力だ」と言っている人もいる。そのような人々は素晴らしい。どんなにみんなから嫌われているように見えても、自分はそのみんなと同じように誹謗中傷をしないという人々だ。その原則を守り続けてほしい。アンチは簡単に生まれるし、扇動して集団で批判することのほうが、佐々木朗希自身が不誠実な行動をすることよりもはるかに恐ろしい。そして、みんなから嫌われているからといって、決して悪ではないということ、そのような人間が善良なヒーローになることもできるということを、佐々木朗希本人に成し遂げてほしいと思う。
実のところ、僕は佐々木朗希、全然嫌いじゃない。日本人として、これからやってくる試練をたったひとりで迎え撃つことになるだろうし、本人にとっても良い経験になると思うし、むしろ、佐々木朗希の批判をしたい人は何がしたいのかよく分からない。人のことをメディアの意見で判断して、なぜ、自らの理性で判断しないのか。彼の人生を考えれば、彼は誰よりも頑張っていることは明らか。それを素直に応援すればいい。「佐々木朗希は応援したくない」という人は、何かしら「理想の野球選手」というものを勝手に作って野球選手を評価しているが、そのモノサシがそもそもあるはずのない単位で作られたものだと考えたほうがいい。普通のまともで誠実な人間が、正しい人間だと思うなら、それは何も人生で経験したことのない人なんだろう。
ただ、僕は同時に、「ヒール役」という存在が好きだ。もっと言えば、僕はフレイが好きだからだ。僕は北欧神話のフレイが大好きで、自分の小説の準主人公として使っている。彼のようなヒール役がいると、物語が格段に面白くなる。そういうヒール役が野球チームにいても面白いのではないか?ロキは決して悪だけの神ではないから、佐々木朗希には善でも悪でもない面白い選手になってほしい。
ただし、ということは書いたものの、佐々木朗希自身はヒール役には仕立て上げられたくはないだろう。昔の、WBCのチェコの選手に死球を与えたお詫びとしてロッテのお菓子を配っていた佐々木朗希は、どこにも悪役のような面影はなくて、はつらつとした日本を代表する素晴らしい青年に見えた。悪役にされた原因は全部、マスコミやメディアのせいだ。アンチのゴミがネットに誹謗中傷を書くのを、そのまま完全に利用しているだけで、そのせいで「佐々木朗希はわがままで超個人主義」というイメージがついてしまった。マスコミとメディアは死んだほうがいい。だから、佐々木朗希をこれ以上叩く必要はない。
ここまで書いていて、申し訳ない。これでは、僕自身が佐々木朗希について「ヒール役に徹しろ」と言っているようなものだ。
佐々木朗希については、米国での期待は高い。なぜなら、佐々木朗希はプロスペクトランキングで1位。若手の有望株の中では誰よりも評価されている。怪物スキーンズに匹敵する成績を残すという「スチーマー」と呼ばれる予測システムによる成績の予想も出ている。
【MLB】佐々木朗希 1年目の成績は米国の怪物スキーンズに匹敵(東スポWEB) - Yahoo!ニュース
佐々木朗希はなぜ若手有望株1位なのか MLB公式が解説(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
ちなみに、大谷翔平はスチーマーによって以下のように予測されている。昨年に比べれば控えめの予想。
大谷翔平、球界No.1の「8.1」 メジャー唯一の“領域”…二刀流復帰で再び最強、米予測(Full-Count) - Yahoo!ニュース
そのスチーマーですら、佐々木朗希の予測される成績は高い。
だから、態度とか性格とかそういうことでなく、佐々木朗希は必ず素晴らしい結果を残すと思う。プロの野球選手としてもっとも大切なのはそこであり、佐々木朗希は今から最高の投手になるだろう。
ただし、残念なことだが、僕個人が思うのは、少し、日本の「プロ野球」という小さな異国のリーグが、アメリカ人の野球選手から見て、過剰評価されているところがあると思う。
その原因は、まず、間違いなく言えるのは大谷翔平の存在のせいだ。日本から二刀流の大谷翔平がやってきて、打者専任であっても異常なほど素晴らしい成績を残し、ワールドシリーズ制覇までかっさらった。このことが、「日本という外国の野球選手を無視してはいけない」ということを、アメリカのメジャーリーガーや野球関係者にまざまざと見せつけた。
もうひとつが、WBCで日本は何度も優勝している点。特に、吉田正尚などは大谷翔平に匹敵するかあるいは凌駕するほどの活躍をしたし、投手陣は層が厚すぎて、出てくる投手出てくる投手みんな最高級の一流投手ばかりで、あまりにたくさんの有望なプロ野球選手がいるかのようにアメリカには映ってしまった。
最後に、イチローの功績も忘れられない。イチローがいたせいで、「日本の野球はアメリカとはまったく違う進歩を遂げている」ということが見せつけられた。「イチローの野球は、ほかの野球選手が信じている野球とはまったく違う」ということが分かり、イチローのおかげで日本のプロ野球の評価は格段に上がった。
そのようなさまざまな理由で、日本のプロ野球は、「単なる島国の小さなリーグではなく、アメリカに匹敵あるいは凌駕するようなハイクオリティなリーグ」だと、アメリカ人から評価を受けたのではないかと、僕自身はそのような情報を何か持っているわけではなく、個人の主観として感じてしまう。
だが、実際、それらは多くが過剰評価だ。「極東の島国の中国系アジア人のプロ野球リーグ」ということが、ある種の未開世界への神秘性を持って受け入れられている。実際は、大谷翔平ひとりだけが特別な存在であって、村上宗隆なんかは守備がお粗末で、鈴木誠也すらDHになる世界でどうしていくのかとも思うし、吉田正尚もCランクぐらいの選手になってしまった。現実の日本の野球選手はそんなものだ。
それから、WBCで優勝ができているのは、アメリカの代表が本気の選手たちでないのが大きい。アメリカはWBCという大会が嫌いだから、本気の選手をWBCに出してこない。結局、日本のプロ野球は、そんなに大したレベルでないにもかかわらず、ある種の神秘性バイアスによってアメリカ人から「素晴らしい(はずの)リーグ」として幻想を抱かれているのである。
そういうわけで、メジャーリーグですべての日本人選手が活躍するだろうとは決して言えない。もしかしたら、大谷翔平以後、何十年もの間日本の野球選手はメジャーで活躍できないかもしれない。メジャーリーグはそんなに甘いものではないと思う。
だが、日本のプロ野球選手自体も、勘違いを多々している。それは本当に大谷翔平のせいだ。大谷翔平がいるこそで、投手であっても打者であっても、「あわよくば自分もそうなれるのではないか」という想いを、みんなに抱かせてしまった。だが、それはないとは言い切れないが、本当に可能性として少ない。
なぜなら、みんな、大谷翔平のやっていることがベーブ・ルース級であることを忘れている。大谷翔平になれると言っているのは、ベーブ・ルースになれると言っているのと同じだ。頑張ってもイチローが限界であり、大谷翔平には絶対になれない。よくて、藤浪晋太郎並みに多額のお金を稼ぐことぐらいならできるかもしれない。
ただし、僕が思うに、逆に、アメリカもそんなに大した賢い国ではなくなっている。
今、世界一の金持ちであるはずのイーロン・マスクが、トランプとの演説で、ナチ式の敬礼を何度もしたことで騒ぎになっている。今のアメリカは、最悪だ。
例の敬礼とナチスのジョーク連発で「イーロン・マスクがホワイトハウス追放」の噂が広まる(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース
そのような今のアメリカに比べて、あまりに今の日本はいい国だ。悪いことをする人間がそもそもいない。どこにも一切悪い人間がおらず、治安はよく、格差は少なく、トイレは綺麗で、電車は時間通りで、料理は安いのに美味しくて、みんなナイスガイで、労働者は勤勉で、子供たちは真面目で、国民は国や社会のことを第一に考えている。アメリカ人から見ると、そんな日本があまりに賢く見える。
僕は英会話教室に通っていたから、アメリカやイギリスの現状をよく知っている。日本でも高校生の不良がタバコを吸ったりしているが、イギリスの不良ははるかにタバコを吸う高校生が酷い。おそらく、アメリカも同じだと思う。日本だけがあまりに良い国になりすぎていて、アメリカやイギリスはあまりに最悪の社会に見える。
どんなに資本主義の金や経済の力で勝っていたとしても、それは資本帝国主義の大英帝国が世界分割で全世界を植民地にしていたのと何も変わらない。それに立ち向かうロシアは人を殺してものを盗み、核兵器で地球の未来と引き換えに西側諸国を脅す。日本はそういう国じゃない。そのような最悪の国ばかり見てきた白人にとって、特に大谷翔平のゴミ拾いをきちんとする仕草などが、あまりにカルチャーショックを受ける。まさに「ジャパン・アズ・ナンバーワン」だと思える。おかしなトランプのせいで、そういう「日本スキー」な人間が世界中にどんどん増えている。
それから、できるだけ謙虚につつましく言うとしたら、僕の研究成果がなぜか素晴らしいものに見える。日本人は人間のように動くロボットを作り、物理法則を書き換えて空間魔法を使い、宇宙の星と地球の生物が同じプロキオンから派生した兄弟だと分かっていて、天国のような終末の神の楽園を築く。そんなに賢いと、きちんと聖書に書かれている終末の神の王国を救世主が作るように見えてしまう。そのような理由で、あまりに日本は賢い国に見える。アメリカと日本を比較すること自体が、まったく意味がなく見えてしまうのである。
日本はかつての、力があった頃の日本ではなくなってしまったし、経済も企業も弱体化し、音楽や漫画やゲームのような日本のサブカルチャーも衰退の一歩を辿っているが、なぜか今、白人は日本の文明を見直している。日本は素晴らしい文明だと、今、細く長く衰退期に入った頃になって、ようやく白人も分かってきたのである。