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わたしの名は、詩人アッシー四世。未来のフランス地域に存在する王国である、薔薇の国、スカーレット王朝を支配する晴帝(はれ帝)である。
わたしたちの薔薇の国では、時間の流れ方がほかと違う。
すなわち、わたしたちの、国としての世界の時間は、一秒も過ぎることなく、完全に停止しており、世界は一切何も変わらない。だが、その上で、わたしたちの毎日の人生の時間は、時計の秒針が一秒を刻むたびに、一年が過ぎる。そのため、わたしたちの時間はまるで10億年のような、永遠のような時間となる。
スカーレット王朝は、「王朝」という名前はついているが、実際は革命政権だ。すなわち、王と革命の支配を融和させた「革命王国」という考え方をわたしたちは取る。その意義とは、「常に王国の皇帝が自らの国を革命する」ということである。
この物語は、そのような、未来における「神の絶対聖域」、すなわち薔薇の国で起きたことの一部始終を、そのすべてを体験した詩人アッシー四世が、思い出して書いたものである。
わたしたちのこの奇妙な国は、名前がスカーレット王朝であることからも明らかなように、世界全体を見ても「赤い国」である。だが、その紅蓮のような赤い国が、黄金の存在と交わる。わたしたちの運命の恋人である「黄金の少年」がどこかにいて、その黄金の少年と、スカーレット王朝晴帝が支配する、わたしたちの赤い世界がいずれ運命の出会いを果たすことになる。わたしたちは、紅蓮の王国でその「黄金との出会いの時」を待っているのだ。
わたしたち、薔薇の国は、実際は地球だけの国ではない。なぜなら、わたしたちは、テレポーテーション装置「アストロ・フライ」を作ることに成功したからだ。
この空間原子論(物質だけではなく空間にも原子構造があり、その原子を操作することで空間が操作でき、空間の物理法則が変えられるとする理論)を基にしたアストロ・フライ技術を使うことで、わたしたちは、たとえばシリウスであってもベガであってもプロキオンであっても、宇宙のどこへでもテレポーテーションでワープして移動することができるようになった。
未来において、フランスを中心とする薔薇の国は、宇宙全体へと拡大する。すなわち、薔薇の国の主要な構成人種は地球人だけではない。シリウスやベガの宇宙人、そしてプロキオンにおける多様な生物種が、未来の薔薇の国には共存する。そしてシリウスやベガにおいても、地球人が移住する未来が訪れる。
そのような中であっても、わたし、詩人アッシー四世は、地球を愛している。わたし、詩人アッシー四世の名前の由来は、「アース」(地球)である。
2025.06.07