精神を治すコツについて。
まず、不可逆的変化ばかり行っていると、治るように見えて、どんどん何もできなくなって、辛いまま、脱出できなくなってしまう。
治すためには、もっと可逆的変化を行うこと。
もし、敵対している世界の敵や世界自体に敗北するとしても、可逆的変化をすることで、逆に、それによって世界を救うことができる。
次に、長い時間をかけてひとつひとつ治そうとすると、同じ場所でぐるぐると回り続けてしまい、いつまで経っても本質的な部分を治すことができない。
一度、そのような長い時間をかけてひとつひとつ治すことを放棄し、一瞬で治るような方法で治すことを考えること。
一瞬で治る方法を考えることで、案外、簡単に治る方法が見つかるものだ。
次に、一部分だけを治すことに囚われず、執着しないこと。
異常な部分がたくさんあった時、その中のひとつをどうしても治したいと思ったとしても、その部分だけに囚われてしまっては、別の部分が治れば治るはずの病気が治らなくなってしまう。
だから、治したい部分だけを治したいと、常にその部分を治すことだけを考え続けると、逆にその部分はいつまで経っても治らない。
もっと別の治すべき部分があると信じて、その部分から治すこと。
それから、最後に、神の導きを信じて、どこかにある異常が、どこにあるのかを探索し続けること。そうすれば、神がその治すべき部分がどこにあるのかを教えてくれる。
それらの方法によって、精神はすべて治る。
精神を治すコツ、それはあり得ないほど高度で不可能なことをすること。
そのためには、頭の中で、そのようなあり得ないことをイメージすればいい。
それをイメージして、それを実際に今の自分の精神に適用すれば、精神は治る。
そして、失敗しないのが逆に悪い。もっと、できないことを実際に行って、そして失敗したほうがいい。失敗した経験でこの世界から離脱し、自分自身だけが自由になれる。そうならなければ治らない。
そろそろ僕は、歴史で馬鹿になった頭が治った。
そもそも、僕は世界史の通史で、ギリシャやローマやユダヤしか、賢い文明がなかったと思っているのが一番間違っている。
実際には、それらの国家や文明で、それらの特徴ある文化が遺っただけにすぎない。
つまり、古代ギリシャでは、ユークリッドの原論、プラトンのアカデメイア、ギリシャ悲劇などを通じて、ギリシャ神話を含むギリシャの文化が遺った。
ギリシャではそのように遺っただけであり、ギリシャが特別優れていたわけではない。
すなわち、同じ時代に、もっと賢い文明や国家は、いくらでもあったはずなのである。
だから、たとえば邪馬台国はおそらくとても賢い国であるはずだし、王国や帝国は栄えては滅び、栄えては滅びの繰り返しで、たくさんの賢い王国があったはずなのである。
それに気付くと、歴史に騙されて馬鹿になっているのが治る。
近代ヨーロッパ文明しか賢い国がないと思っているのは、おかしい。本当はもっと賢い王国はたくさんあった。そのことに気付くと、馬鹿な頭が治る。
僕自身、もはや賢い人間に治った。
僕が馬鹿なのは、頭が「悪」になっている。あるいは、「転がって死ぬだけの赤ん坊の頭」になっている。
これはすべて、頭が悪になっているのが悪い。だから、頭を善にすればすぐに治る。
今から、頭が上に上がっていく。
今まで、さユりがやっていたように、机あるいはハシゴを少しずつ積み上げていくことで、なんとか高くなってきたが、それはもう必要ない。
今から、天使たちが僕を上に上げていく。
必要なのは、もっとも高い地点から、この世界を見下ろすように考えることだ。
だから、高い地点に戻って、世界を見下ろすようにすると、僕は賢い人間になれる。
最後に、僕の神経がおかしいのは、全部虫歯が悪い。
だから、虫歯を最後に治して、僕の病気は終わりになる。
これで、最後の壁が終わった。最後に、僕は「虫歯を治す」という壁を乗り越える。
それで、大魔王ハネストラーは完成した。僕が、世界を支配する大魔王、ハネストラーだ。