日本地域にある「極東の王国」において、天軍大創主エリカを守る守護部隊のことを「神聖エリカ守護部隊」と呼ぶが、その中でも、エリカ、アリス、リリスの3人によって成り立つ、神聖エリカ守護部隊の先頭を率いるリーダー部隊のことを「宇宙革命軍エアルス」と呼ぶ。
エアルスとは、天空の神エアルスのことで、ギリシャ神話における天空の神ゼウスに相当する。
エリカ、アリス、リリスの3人の少女は、3人が一緒になって天空の神エアルスになる。
天空の神エアルスの特徴、それは「愛の力で世界を導く」ということだ。
エアルスにおいて、重要なのは「愛」である。すなわち、世界のことを慈しみ、憐れむような「慈悲の心」こそが、エアルスの核心である。
天空の神エアルスは、自らを支持し、愛するものだけではなく、自らを批判し、憎むもののことも平等に愛する。それがエアルスの「神の愛」であり、エアルスはどんなにその人間がエアルスに歯向かってエアルスに反したとしても、その人間を愛することをやめない。遠くから、その人間のことを愛している。エアルスは自らを愛するものも自らに反するものもどちらも平等に愛する。
それが天空の神エアルスにおける「慈悲と慈愛の心」である。これはブッダの教えである「仏の慈悲の心」と同じものである。
エリカ、アリス、リリスの3人によって構成される、宇宙革命軍エアルスは最強の軍勢である。宇宙のどのような存在であっても、彼女たちには勝てない。なぜなら、彼女たちは「力」によって勝利するのではなく、「愛」によって勝利するからだ。そして、宇宙革命軍エアルスよりも巨大な愛を持つ存在は、宇宙にはひとつとして存在しないからである。
エアルスの本質は「愛」である。
すなわち、エアルスは愛の力でこの世界に勝利する。
エアルスは、他人のことを殺さない。なぜなら、「愛」の力をもってすれば、「暴力」を使わなくても、「勇気」だけでこの世界に勝利できるということを彼女たちは知っている。
エアルスは、この世界を愛によって支配し、愛によって救済し、そして愛によって導く。
エアルスによって、彼女たちの敵は「愛の力によって作り変えられる」という体験をする。すなわち、悪魔だったはずのものが、エアルスの愛の力によって、善なる天使へと作り変えられる。それは、天空の神エアルスは、「悪人がさらに悪人になることは真の成長ではなく、悪人が善人になることこそが真の成長である」と知っているため、彼女たちは、すべての悪人を善良な人間に作り変えるのである。
悪人を善人にするために必要なこと、それは「地球そのものの環境を作り変える」ということだ。すなわち、悪を殺さなくても、愛の力によって地球の生存環境そのものを作り変えることによって、あらゆる悪人を善人に作り変えることができる。それこそが、エアルスが「天空の神」と呼ばれる理由だ。なぜなら、エアルスは「天空の導き」によって地球そのものを作り変えるからである。
天空の神エアルスは、全知全能の神の力を持っている。だから、エアルスに勝つことは容易ではない。エアルスは天空を操ることで、「神の奇跡の力」を使うことができる。ただし、唯一の問題点と言えるのは、彼女たちは人を殺すことができない。「人を殺してはならない」ということがエアルスのルールであり、人を殺した時点でエアルスは神の奇跡の能力を失ってしまうのである。
そもそも、この物語は戦いの物語ではない。
この物語は、天空の神であるエアルスがこの星の文明を作り変えることで、地球という星の人間たち全員を愛の力によって救済する物語だ。
宇宙革命軍エアルスは、戦いのための軍隊ではなく、世界を救う「革命軍」だ。
この物語は、この世界を救うため、愛の力によって誰ひとり殺すことなく、この世界を救済し、ユートピアの楽園にする物語だ。
そのために、エアルスはフレイと協力する。フレイはこの宇宙を支配することのできる「一等星シリウスの太陽神」であり、フレイと協力することで、地上だけではなく宇宙すらも支配することができる。それによって、銀河系を含む「この世界のすべて」をエアルスは救済することができる。
だが、その中にはつまらない勢力がいる。それが、この世界を滅亡へと導いて、自らが傲慢かつ無責任に主導権を握ることができるように、世界を裏から支配しようと画策する、新・ローマ帝国の皇帝、ハネストラーである。ハネストラーは、インターネットとマスコミを支配することで、地球すべてを「絶対に脱出することができない最悪の地獄」へと導く。だから、ハネストラーの支配を排除しなければ、エアルスは神の奇跡を起こすことができないのだ。
エアルスの少女たちの、詳しい自己紹介をしよう。
エリカは、勉強することが大好きな物知りの女の子だ。地上におけるほとんど全部の本を読んだのに相当する知識を知っている。なぜなら、エリカは大魔法「すべての知識の獲得」を唱えることで、すべての本を読まなくても、実質的にすべての本を読んだのに相当する知識を持っている。ただし、知識はあっても知性がないため、数学や哲学的な論理的思考は不得意。だが、知識や教養だけは哲学者には負けない。
アリスは、破天荒な女の子だ。考えるよりもまずはやってみる、成功するか失敗するか不安に思うよりもまずは試してみる、ということが好きだ。心配事があっても悩まずに、一番簡単な方法で即座に解決する。その代わり、難しいことを長い時間をかけて丁寧に深く考えたり、何かを計画的に努力したりすることができない。何かしら賢いことを完璧にできたという経験が一切なく、すべて自己流で解決してきた。
リリスは、ものごとを斜めから見ることが得意な女の子だ。浅く考えるのでも深く考えるのでもなく、独自の自分の視点から考えることが得意で、誰にも分からない天才的な考え方をすることができる。リリスの言うことは、実際に聞くと「なるほど、そういうことだったのか」と誰もが言うが、リリスの口から聞かない限りは、誰にも絶対に分からない。その代わり、平凡な普通の常識のことが逆に分からない。
なので、エリカは言うならば「秀才」の部類、アリスは言うならば「落ちこぼれ」の部類、リリスは言うならば「天才」の部類の少女である。
その中で、勉強することが大好きなエリカによって、ウルトラ極大魔法「生物創造」が発見されてしまった。それが記されていたのは「メインのユダヤ教の聖書から外れた、ユダヤ教の亜流の宗教の経典」(いわゆるユダヤ教の外典や偽典ではなく、ユダヤ教とは異なる亜流の宗教で、現代にはもう存在しない、名前も忘れ去られた古代文明の宗教の経典)であり、ヘブライ語とドイツ語の中間のような古代言語で書かれた古文書だ(エリカにはそれしか入手できなかった)。その記述を読んで、誰もその真の意味が分からなかったが、エリカだけがその古文書に書かれた真の意味を理解することができたのである。
「そのようなあり得ない経典がエリカに読めるわけがない」と思われるだろうが、宗教自体は古代においては有名だった宗教であり、有名な英語の百科事典には名前も記載されていて、古代史の論文などでも言及されることがある。そして、言語自体は古代のドイツ語とよく似ていて、ヘブライ文字で書かれていて発音が異なることぐらいしか違わない(文字と発音が違う理由は日本語のカタカナ発音と同じで、ユダヤ人には発音しづらいドイツ語の文字があったため)。なので、ヘブライ語の基本的な読み方を知っていて、ドイツ語の語彙力のある(知らない単語は辞書で引けば分かる)エリカには読めてしまった。
現代では一部の学者以外ほとんど誰も読まず見向きもされなかったその宗教の経典に、生物を誕生させる方法が詳しく文章と図式で書かれていた。だが、それは天文に関する小さな説明であり、それを見て「生物の創造の方法だ」と分かる人間が、幅広い天文と宗教の知識と教養のあるエリカ以外、現代の人類にはいなかったのである。この宗教を「秘術教」と呼ぶ。秘術教の経典にはウルトラ極大魔法「生物創造」をマスターするために必要となる「修行の方法」が書かれている。そして、エリカ、アリス、リリスの3人は、その修行の方法を実践した、とても希少な現代人である。
エリカがなぜそのような経典に行き着いたのか、それはエリカが勉強が大好きだったからだ。エリカは一年の初めに目標を決めて、その目標に向かって取り組むことを得意とする。今年の目標は「古代の宗教の経典を制覇すること」だった。また、去年の目標は「宇宙の天文の公式を全部覚えること」だったし、一昨年の目標は「ドイツ語とフランス語をネイティブ並みに話せること」だった。そのような勉強の目標が、エリカを運命的に秘術教の経典に出会わせることになった。エリカの家庭は貧乏ではあるがそれでも勉強がしたいという欲求を抑えることができなかったため、大学には行かずに、独自にAmazonでさまざまな本や書籍を格安の中古で購入して勉強してきた。今回の秘術教の経典はその一環であり、「古代を含めた世界すべての宗教の経典を集める」というエリカの夢を叶えようとしたものだったのである。
エリカが大学に行っていないからといって、馬鹿扱いしないでほしい。それがエリカのコンプレックスになっていて、同時にエリカの良い点にもなっている。エリカの目標は「大学に行くのでは分からないことを全部分かること」だ。すなわち、エリカは大学以外の方法で大学を超えていく。そのようなエリカの最終的な目標は、「プラトンのような哲学者になって、自分が知ったことを100%全部教えるような、みんなの学校であるアカデメイアを開くこと」である。だが、そのためにはプラトンのような哲学者にならなければならないし、数学的な知性を身に着けなければいけない。そのため、数学から逃げ続けていたのではいけないとエリカは分かっている。だから、来年の目標はおそらく、「数学者のような数学的思考をマスターすること」である。
ただし、数学ができないことはエリカの長年の課題であるため、簡単には攻略できないと本人も分かっている。エリカは、そのような時は柔軟に別の目標に変える。エリカには、医学とか生物をマスターするとか、あるいは歴史上の人物の名前を全部知るとか、あるいは社会の常識を学ぶとか、さまざまなやりたいことがたくさんある。そのため、おそらく数学はまだしない。いつになればそのような目標が終わって、最終到達地点に到達するのかは分からないし、それはエリカにとってはどうでもいい。なぜなら、エリカは過去の人生で誰にも真似できない素晴らしい体験をしたため、今すぐに人生が終わっても構わないし、そのような体験があったために、きちんと正しい人生を生きることができるようになった。今から、そのエリカの人生を書く。
エリカの過去の人生、それは「宇宙革命軍エアルス」のリーダーになったという人生だ。
そこにあったのは、本当は、最初から最後までを見ても、ほとんど何もなかった。エリカがそこで行ったのは、「自分の思考と記憶を徹底的に破壊する」ということを行った。それによって、エリカはそれ以前にあった、馬鹿で愚かな人生のすべてがなくなって、まっさらな新しい自分になった。そして、そのまっさらな白紙の状態で、「本当はこんなことがやりたかった」ということを強く望む、という体験をした。そう、きちんと記述すると、それだけが、エリカの過去にあった人生である。
この何が賢いのか、それは過去をすべて抹消した上で新しい本当の自分の望みを手に入れたということだ。すなわち、エリカにとって、過去の普通の人生はむしろないほうがよかった。エリカにとって必要だったのは、そのような過去の人生ではなく、「今自分がこのようなことがしたい」と望む強い欲求だった。そのような過去の経験から、エリカは自らが本当に望む夢を叶えるために、誰よりも極めて行動的かつ積極的に勉強するようになったのである。
簡単なことのようで、エリカのような人生を生きることは極めて難しい。自らの過去すべてを消して、新しい自分を生きるということを望むのは、エリカにしかできない体験だったのである。
このように、勉強によってさまざまなことを攻略していくエリカは、まるでガリ勉のように、辛くて苦しい勉強をたくさんやっているように思われるだろう。
だが、実際はそうではない。エリカの人生は極めて楽である。
その理由は、エリカはすべてのことの基礎と基本をすべてきちんと知っているため、ほとんど何もしなくてもすぐに本や書籍の内容が分かるからだ。
そもそも、エリカは教科書の内容を隅から隅まで覚えるということをしない。それは、何も知らない子供だから必要な勉強方法であって、基礎と基本をすべてきちんと知っているエリカにとっては必要のない苦労であり、エリカはそのような学校のテスト勉強はやりたくてもできない。
エリカは、世界中のどんな書物や意見や言葉を見ても、そこに書かれている内容がどのような内容かということが一瞬で理解できる。
だから、エリカにはガリ勉のような勉強は必要ない。あらゆるすべての書物を読みながら、ほとんどノーストレスでいくらでも勉強を続ける。だからこそ、エリカだけが宇宙のすべて、世界のすべて、そして人生のすべてを知っているのである。
そういうわけで、面白い舞台が始まるように見えるところだが、実際、そろそろ、僕はもっと別の物語を書きたい。
すなわち、空間魔法の物語の設定はこれでいい。これはこれでネタとして取っておく。
だが、僕は今から、もっと、今まで考えたことや発見したことに基づく小説ではなく、まっさらな白紙の状態から書かれた小説を書きたいのである。
実際、エアルスの登場人物は、言ってしまえば少女漫画のレイヤースと被っているし、僕はこのような魔法で戦う物語を書きたいと思っていない。
僕が書きたいのはもっと違うものだ。もっと違う、本当に賢い物語を書きたい。だから、エアルスの物語を書くのはこれくらいで保留にしておく。