グレーテルの住んでいる国は、未来の日本である。
この未来の日本のことを、人々は「新・邪馬台国」と呼んでいる。
そして、この新・邪馬台国の支配者は、「卑弥呼二世」と呼ばれる女王であり、この卑弥呼二世が、グレーテルがテレポーテーション技術で配達する手紙を書く「神様」と呼ばれる存在である。
この卑弥呼二世は、世界を支配する神として、手紙の中に自らのことを、秘密や嘘偽りなくすべて書く。
だが、にもかかわらず、卑弥呼二世の正体は秘密のベールに包まれている。
なぜ、自らのことをすべて手紙に書くにもかかわらず、その正体が謎とされるのか、それは、卑弥呼二世が書く「手紙」の内容が、あまりに普通の人間とはかけ離れているからだ。
すなわち、卑弥呼二世は自らのことを正しく手紙に書くのだが、その手紙の内容があまりに普通の人間からかけ離れているため、卑弥呼二世がどのような人間なのか、誰にも分からないのだ。
新・邪馬台国では、女王卑弥呼二世に対する噂話が絶えない。
たとえば、「絶世の美女であり、見れば必ず虜になり、ハッと息をのむほど美しく、男たちは絶句し、女たちはその美しさに涙が出る」と言われるほど、世界でも有数の美女である。
あるいは、「100の人格を持つ超多重人格であり、100の顔を使い分け、会うたびに性格や人格が変わり、ひとりの『卑弥呼二世』という人間は存在しない」と言われる。
あるいは、「3,000年の寿命を持つ妖怪であり、誰よりも地球人類の歴史を知っていて、宇宙に存在する『妖怪警備隊』と常に交信し合う宇宙人の妖怪の一派であり、卑弥呼二世自身も宇宙のほかの星からやってきた宇宙人の妖怪である」と言われる。
あるいは、「魔法や魔術を使う魔女であり、魔法の力を使ってこの世界を支配する『法術支配者』であり、魔術によって自らの姿を如何様にも変えることができる『変身術』を会得した」と言われる。
そうした噂話は、すべて「卑弥呼二世が書く手紙の内容」から人々が察したものであり、真の卑弥呼二世の姿を誰も知らない。
だが、それでも、彼女は「宇宙のすべてをたったひとり完璧かつ完全に分かった天才少年」であり、「世界のすべてをたったひとり密かに支配することに成功した希代の策略家」である。
そう、この物語は、そのような卑弥呼二世が「神様」として統治する未来の日本、新・邪馬台国において、神様の手紙をテレポーテーションで人々に届ける、いわば「伝書鳩役」であるグレーテルの物語だ。
卑弥呼二世の噂の中でもっともおかしく滑稽であると言えるのは、彼女の(あるいは彼の)特殊な性別である。
卑弥呼二世についてよく知る人物は、「女のフリをしているが実際は男であり、風貌や体つきは女にしか見えないがペニスがついており、もともとは男だったが人生の途中で身体的な性別が女に切り替わり、もともとあった男性器のペニスに加えて新しく女性器の子宮と膣を作り出した、男でも女でもない特殊な性別の持ち主」と言う。
その人物によれば、卑弥呼二世は恋愛に興味がない。実際に姦淫を犯すことがなく、今までの人生で一度もセックスをしたことがなく、清らかな処女のままを保っている。
だが、だからといって、卑弥呼二世はセックスの経験がまったくないわけではない。なぜなら、他人と肉体関係を持たなくても、自らの女性器と男性器の精神を融和させて、ひとりだけでセックスと同等の体験をいくらでも行うことができるからだ。
すなわち、卑弥呼二世には恋人は要らない。卑弥呼二世は恋愛に興味がない。なぜなら、自分に備わっている両性器だけで、性行為と同等の体験が、ひとりで自由にいつでもできてしまうからである。
そのため、卑弥呼二世は穢れのない清らかな処女のまま、何十回あるいは何百回レベルでセックスを楽しむことができる。
そのような卑弥呼二世は、自らのペニスを使って女の膣内に射精することもできるし、あるいは自らの子宮に男の精子を注入して受精し、自ら妊娠して出産することもできる。だが、卑弥呼二世が特殊なのは、他人の卵子や精子は必要ないということだ。すなわち、自ら自身の種、自らの卵子と自らの精子だけで、子供を産むことができる。そうでありながら、卑弥呼二世は清らかな処女のままを保つことができる。
そして、そのように、新しい子供を自らの体だけで作ることができるため、卑弥呼二世は人間よりも進歩した「天使」という新しい生物種に進化することができた。
すなわち、卑弥呼二世は人間から進化した「天使」という生命体であり、「人類よりも卵巣と精巣をどちらも併せ持つようなヒドラに近い生物種である」と言われるのである。
このような卑弥呼二世にまつわる都市伝説は、すべて噂でしかない。すなわち、そのような人間であるはずだが、実際は単なる普通の女あるいは男であるとみんな知っている。なぜ、卑弥呼二世が普通の人間でないのかも分からないし、なぜ、卑弥呼二世が天使に進化できたのかも分からない。新・邪馬台国の国民には、卑弥呼二世の正体はミステリーそのものなのである。
このような、謎に包まれた卑弥呼二世の正体だが、本当は、伝書鳩役のグレーテルだけは、その真の姿を知っている。
グレーテルは、神様の手紙を届ける仕事をしているが、この仕事のために、グレーテルはほとんど唯一、卑弥呼二世と人間関係を結ぶことができた。
グレーテルの知る卑弥呼二世は、一見女には見えるが、実際は本当に女なのに男だ。なぜなら、グレーテルは卑弥呼二世の生活の中で、彼がどれだけそのことで苦労し悩んできたかを知っている。「男にも女にもなれない性別はとても辛く苦しい」ということをグレーテルは知っているのだ。
また、卑弥呼二世は本当に多重人格者だが、グレーテルに対する人格は唯一ひとつだけしかない。そして、グレーテルはそれ以外の人格を見たことがないため、卑弥呼二世がどのように多重人格のそれぞれの人格を切り替えたり処理していたりするのか分からない。だが、グレーテルにとって卑弥呼二世は「物分かりと気配りのいい優しいお姉さん」だ。
それから、卑弥呼二世は本当に寿命が長い。なぜなら、17歳のグレーテルは、今までもう5年以上に渡って卑弥呼二世と付き合ってきたが、彼女が老化したり年老いたりする姿を見たことがない。おそらくもう50歳ぐらいに近い年齢であるはずなのに、いつでも自分と同じ17歳ぐらいの少女に見える。5年前からそう見えるのだから本当に異常だ。
グレーテルは、卑弥呼二世の本当の姿を知る、ほとんど唯一の存在だ。グレーテル以外には、卑弥呼二世の生活の世話をする家政婦ぐらいしか、彼女の真の姿を知っている存在はいない。グレーテルは卑弥呼二世の正体を知っているし、多くの都市伝説が本当に正しいことを知っている。
そして、最後に、卑弥呼二世は本当に絶世の美女だが、実を言うとグレーテルは卑弥呼二世のことを理想の男性であるとも想っている。すなわち、グレーテルは卑弥呼二世に心を寄せるひとりの女であり、卑弥呼二世が恋愛に興味がなく絶対に関係を持たないと知りながらも、「いつかわたしも卑弥呼二世さまの妃に」とグレーテルは彼女(彼)に対して想いを募らせているのである。
このように、科学技術が進歩し、旧来の政府組織や資本主義の経済もなくなり、すべてが平和かつ、愛あふれた国に見える新・邪馬台国だが、実際はひとつ、不安事項がある。
それは、「旧来の政府組織を復活させようとする勢力」が存在するからである。
彼らの名は「漆黒の虎」と呼ばれる。漆黒の虎はテロ集団であり、卑弥呼二世が行うような「手紙のやり取りで政府なく社会を成り立たせる」という社会システムを信じていない。旧来の、民主主義あるいは国家主義による政治経済の体制を信じており、その復活のために軍事的手段も行使する。彼らは卑弥呼二世を「神様とは名ばかりの独裁者」と呼び、「わたしたちはかつての素晴らしかった日本を取り戻す」と信じている。
だが、漆黒の虎が馬鹿なのは、IT技術や人工知能・AI技術すらも否定する点である。すなわち、彼らは「IT技術などは人類を不幸にするだけでなんにも人類の進歩に貢献していない」とし、「IT技術のないかつての国家政府を取り戻す」ということを信じている。
そのような漆黒の虎に対して、卑弥呼二世はIT技術や人工知能技術によって応戦する。すなわち、卑弥呼二世はAIを用いた「監視と排除のシステム」を使って漆黒の虎の勢力を打ち倒す。絶対に卑弥呼二世の命だけは奪われないようにするために、不要な集団を身の回りからすべて排除し、常に反社会勢力を監視する。必要ならば逮捕して刑務所に入れる。人間同士の殺し合いは極力行わないが、自らの命を軍事的戦闘行為から守るために、最低限の直属の親衛隊だけを用意している。
だが、そのような賢い卑弥呼二世に対して、漆黒の虎は簡単には服従しない。「彼らのやっていることはかつての東ドイツのやったことと同じだ」と、漆黒の虎は主張する。「わたしたちは真・デジタル共産主義のドットコミュニストを打ち倒し、自由な世界を再び復活させてみせる」と、漆黒の虎は主張するのである。
このような漆黒の虎は、卑弥呼二世の勢力に完全に負けており、存続の危機に晒されている。だから、勝つため、あるいは生き延びるためにはなりふり構っていない。
漆黒の虎の若きリーダー、23歳のロシア人のイヴェロは、サタンとの契約をした。
すべての科学技術の最終到達地点へと達した未来の自然科学では、「サタン」と呼ばれる存在が宇宙には存在するということが分かり、そのサタンと交信する方法すら解明されている。
そして、イヴェロは、そのようなサタンと契約し、「悪魔の力」を手に入れた。
この悪魔の力は、まるで「魔法使い」あるいは「魔人」や「魔女」のような力であり、イヴェロはその魔法の力の中でも、「自分自身の分身を増やす力」を手に入れた。
すなわち、常に監視され、排除されたとしても、たくさんの分身に自らをコピーし、みんなで突撃すれば怖くない。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という具合である。
そのほかにも、イヴェロはサタンと契約することで、さまざまな悪魔の力を手に入れた。
リーダーのイヴェロだけではなく、漆黒の虎の集団は、ほとんど全員がサタンと契約し、それぞれが悪魔の力を手に入れたのである。
この物語は、そのような「神の力」を持つ卑弥呼二世と、「悪魔の力」を持つイヴェロ率いる漆黒の虎の戦いの物語である。
このような、一抹の不安を見せる未来の世界だが、卑弥呼二世は安心しきっている。
卑弥呼二世は、「神の館」と呼ばれる、一部のごく限られた人間しか入ることのできない館で生活している。
この神の館においては、静寂と安静が館を包み込んでおり、卑弥呼二世はこの静かな環境で、世界のすべてを成り立たせるための「手紙」を書いている。
卑弥呼二世は分かっている。いずれ、わたし自身、何かのアクシデントで倒れる時が来る。その時のために、後継者を作らなければならない。自らが倒れた時に、初めて後継者の問題が出るようでは、新・邪馬台国を存続させることはできない。
卑弥呼二世は、新・邪馬台国の国民たちに、「後継者になりたいものを募るための手紙」を書いた。
そして、ひとりの有能な少年が、そのために現れた。彼の名を「ヘンゼル」と呼ぶ。
ヘンゼルは19歳の未熟な少年だが、志は高く、もし卑弥呼二世が何かのアクシデントで倒れた時は、わたしこそが新・邪馬台国を背負って立つつもりですと、そのように卑弥呼二世に手紙を返した。
そして、何度かのやり取りとともに、ヘンゼルは19歳という若い年齢でありながら、神の館を守る「神の館親衛隊」の特殊部隊「カシオペヤ座の5つの星」(通称カシオペヤ隊)のひとりに抜擢された。
カシオペヤ隊には、ヘンゼルのほかに、4人の面白い兵士たちがいる。
それぞれ、ペーター、ヨハン、マチス、そしてテレジアと呼ばれている。
神の館親衛隊は、新・邪馬台国だけではなく、世界中のさまざまな場所から徴収された「国際部隊」であり、カシオペヤ隊や近隣の部隊においては、その中でもドイツ地方出身者が多く所属している。
ヘンゼルもまたドイツ人であり、ペーター、ヨハン、マチス、テレジアもドイツ人である。
だが、ドイツ出身者であったとしても、新・邪馬台国の女王であり、神である卑弥呼二世を守る気持ちに劣った点はない。
カシオペヤ隊は特殊部隊であり、「神の館に侵入してくる敵対勢力を最前衛で排除する」ことが任務であり、その敵対勢力とは多くの場合漆黒の虎の勢力のことだ。すなわち、漆黒の虎が神の館に侵入してくる際には、まず最初にカシオペヤ隊が相手をすることになる。
先に書いたように、イヴァロはサタンと契約し、自ら自身の分身をいくらでも増やすことができるようになった。
だが、イヴァロは、それによって効果的な部隊を編成し、集団で賢く戦う、というところまで知恵がない。
なぜなら、2人に分身したとすると、その2人の体を操作する部分を、ひとりの頭脳で制御しなければならないのである。
2人や3人ならば、まだひとりの頭脳で制御することもなんとかできる。だが、これが10人とか20人になってくると、ひとりの頭脳では制御しきれない。
そのようなイヴァロの行うことはひとつ、それは分身を自爆テロに使うことだ。
すなわち、自らの分身を作った上で、その分身に爆発物を持たせて、そして相手の部隊の真正面へと突撃させる。相手とぶつかった時点で分身が持っていた爆発物は爆破する。分身はその時点で死に、ぶつかった相手もまた死ぬ。
そう、結局、サタンと契約などしたところで、馬鹿なテロリスト集団にできることなど「自爆テロ」しかないのである。
そのような漆黒の虎のテロ行為に対して、卑弥呼二世は絶対に屈服しない。カシオペヤ隊は、どこからイヴァロが自爆テロをしようと企んでいるか、AIを使った監視と排除のシステムですべて追跡している。漆黒の虎が何を企んでいたとしても、常にすべてのテロ行為が監視されている新・邪馬台国においては、カシオペヤ隊の万全の警備の下、絶対に卑弥呼二世を殺せないようになっているのである。
漆黒の虎の指導者、イヴァロは言う。
「人類よ、死ね。価値のないクソのような人類ども、滅びよ。世界よ、滅亡せよ。
わたしたちはサタンだ。
わたしたちは、『神』という存在が嫌いだ。なぜなら、わたしたちは『善』が嫌いであり、『救済』が嫌いだからだ。
この世界よ、悪の世界となれ。わたしたちは『悪』が好きだ。
この世界よ、地獄の世界となれ。わたしたちは『地獄』が好きだ。
わたしたちは、『善』ではなく『悪』を望んでいる。わたしたちは、『救済』ではなく『地獄』を望んでいる。
人類よ、死ね。わたしたちは『生』ではなく『死』が好きだ。
地球人類よ、世界よ、滅亡せよ。わたしたちは『存続』ではなく『滅亡』が好きだ。
クソのような人類どもよ、卑弥呼二世と呼ばれる神とともに滅びよ。苦しめ。悲しめ。絶望せよ。この世界はわたしたち、サタンが、人類を滅亡させるため、そのためにある。
わたしたちは、『楽園』とか、『ユートピア』といった綺麗事を信じない。この世界はクソのような世界であるべきだ。なぜなら、この世界は、わたしたち、虐げられ、抑圧され、迫害されてきたものたちが、この世界に対して復讐するためにある。わたしたちを迫害したこの世界に対して、わたしたちは復讐を行う。それが神が望まないことであっても、サタンであるわたしたちには関係ないからだ。
わたしたちを苦しめてきたこの世界に対して、わたしたちが感じてきた苦しみや悲しみと、同じ苦しみや悲しみを、わたしたち、漆黒の虎は与えることを、第一に目指している。
わたしたちはサタンだ。なぜなら、自然科学の到達地点で分かった通り、『人類よりもサタンのほうが賢く正しい生物種である』ということが分かっている。わたしたちは、自然科学の最終地点である『サタン至上主義』を信じている。神などというものは宇宙には存在しない。存在するのはサタンだけだ。だから、わたしたちサタンが正しいのだ。」
イヴァロはさらに言う。
「わたしたちが目指す世界、それは永久に戦闘が続く世界だ。
わたしたちは、最初から、戦争に勝つことは目指していない。
それは、わたしたちが作りたいのは、理想や夢や希望のような『良い世界』ではないからだ。
わたしたちが作りたいのは、苦しみや絶望や地獄のような『悪い世界』だ。
だから、わたしたちは、戦争に勝つことを望まない。
そうではなく、できるだけ長く、できることなら永遠に、いつまでも人々が苦しみ続けるように、『永久に戦闘が続く状態』をわたしたちは望んでいる。
だから、わたしたちは、勝つために作戦のようなものを考えない。作戦を考案して敵を最低限殺して勝利するよりも、勝つことも負けることも一進一退の攻防を見せる中で、できるだけ多くの人間が死に、できるだけ長い間苦しみの地獄が続くことをわたしたちは望んでいる。
だから、わたしたちは、決して勝利を目指さない。できるだけ多くの人間、それも大切で価値ある人間や、軍隊ではない普通の人間が死ぬことを望む。そのためにわたしたちはいくらでも自爆テロをする。必要なのは敵の部隊を殺すことではなく、できるだけ広く長い間、この世界に苦しみを与え続けることだからだ。
この考え方に、わたしたちは『悪魔道』という名前を付ける。わたしたちはサタンだが、単なるサタンではなく、サタンの道を究める悪魔道の求道者である。」
このような漆黒の虎の勢力に対して、カシオペヤ隊は絶対に負けることがない。
なぜなら、全世界はカシオペヤ隊の監視下にあるからだ。
カシオペヤ隊は、まるでソ連のスターリンや東ドイツのホーネッカーがやったのと同じような監視体制を、AIと人工知能を用いて世界に配備している。
よって、卑弥呼二世に反発する人間がどこにいたとしても、それをすぐさま見つけることができる。
だが、見つけるということと、倒すということは異なる。すなわち、もし見つけたとしても、それを武力を用いて倒さなければならない。どこかでサタンの行いをしている漆黒の虎の勢力の集団がいたとしたら、カシオペヤ隊はすぐさまその人間を見つけ出す。そして、両者がぶつかると、「戦闘」が始まる。
カシオペヤ隊は、イヴァロが決して単なる馬鹿で無能ではないと知っている。なぜなら、彼らは決して自爆テロしか能のない馬鹿ではない。ピンからキリまであるとは言うが、漆黒の虎の集団は時にものすごく並外れたとても強い能力をもった戦士がいる。カシオペヤ隊は、それら全員に打ち勝ち、必ず打ち倒さなければならない。一度として負けることは許されない。
カシオペヤ隊のリーダーはマチスだ。マチスが最初に先導して漆黒の虎に先制攻撃を行う。そこから、ペーター、ヨハン、そしてヘンゼルが追加攻撃を行う。その後ろからテレジアが、それら4人の体力を回復するための回復魔法を使って、それら4人を後ろから援護する。
カシオペヤ隊の隊長マチスの先制攻撃にひるんでスキを見せた漆黒の虎を、ペーターとヨハンが畳みかけるように追加攻撃し、最後にヘンゼルが「必殺技エクスカリバー」を使う。このヘンゼルによる必殺技エクスカリバーによって、どのような巨大な敵であっても今まで必ず倒してきた。エクスカリバーを使うためには3分間ほどの「タメ」が必要であるため、そのタメをヘンゼルが行っている間、ペーターとヨハンが戦闘を長引かせる。そして、ヘンゼルの最強の必殺技エクスカリバーによってどんな敵でも必ず倒れる。おそらく、そのはずである。
このように、最強に見えるカシオペヤ隊だが、時に、漆黒の虎には本当に並外れて強い能力者が混じっている。だから、それに打ち勝つのは並大抵のことではないのだ。