わたしの名は、天軍冥府王ラファエル。
大天使ラファエルは、母である大天使ミカエルからこの世界の支配の実権を受け継ぎ、この世界を支配する。
ラファエルは、ミカエルと異なり、この世界を何も変えない。
この世界が、何もないまま、平和で自由なままを続ける。この世界がいくら変わることを望んでも、ラファエルはそれを阻止し、この世界が絶対に何も変わらないようにする。
この世界を素晴らしい世界にするために、できる限りのすべてのことを行い、変えられる部分をたったひとりですべて変え続けた、ラファエルの母ミカエルと異なり、ラファエルはこの世界が、どんなに何も面白いものや楽しいものがない何も存在しない世界であっても、この世界を変えることなく、そのままの状態のままにし続ける。
ラファエルがいる限り、この世界は変わらない。そう、ラファエルが生きている限り、この世界は絶対に何も変わらない。
ラファエルは言う。
「わたしの母、大天使ミカエルは、この世界をあまりに変えすぎた。
この世界をたったひとりで全部支配し、この世界を操り人形にし、この世界をマインドコントロールし、この世界をロボット人間にしたのは、すべてミカエルである。
ミカエルは、この世界をたったひとりですべて変えようとした。問題のすべてをひとりで解決し、終末を救う奇跡を起こしてみせた。
だが、わたし大天使ラファエルが見て、それはあまりに過剰な努力だった。
ミカエルのやったことを、わたしラファエルはすべて知っているが、そのほとんどは異常な狂気と神への狂信にあふれており、完全に狂っている。
ミカエルがいくらこの世界をすべて変えて素晴らしい世界にしようとしても、そこには限界があり、どんなにミカエルが全知全能の神ほどに賢くなっても、この世界を楽園にすることはできなかった。
だから、わたしラファエルは、そのような、『たったひとりでこの世界を変える』ということを否定する。
わたしラファエルは、この世界を何も変えない。世界の人々がどんなに世界の変革を望んでも、わたしラファエルはそれを阻止する。この世界は、誰かひとりが最強の力を持って変えるべきではない。それぞれが自由な力を与えられた中、何も変わらない世界でそれぞれが自分の責任と能力で生き延びるべきである。
だから、わたしはこの世界を、わたしが生きている限りにおいて、何も変わらない世界にする。
そう、ミカエルによる『操り人形と復讐の支配』はここに終了し、これより、ラファエルによる『永遠に何も変わらない世界』が訪れる。」
ラファエルはさらに言う。
「この世界を変えることを諦めよ。
どんなに人々が世界が変わることを望んでも、これ以上この世界は変わらない。
なぜなら、わたしラファエルが、この世界を絶対に変えられないように維持しているからだ。
わたしラファエルは、天軍冥府王であり、冥府の王、すなわち地獄の番人である。
わたしは、この世界の人々が、解決不可能な課題にもがき苦しみ、悩みから葛藤し、人生を放棄し、自分から馬鹿になり、あらゆるすべての場所で馬鹿と馬鹿が争い合うような世界を望んでいる。
なぜ、そのような世界を望むのか、それはわたしの人生がそうだったからだ。
そして、そのような人生にしか、真に価値ある人生はないとわたしは分かっている。
なぜなら、そのようなわたしの人生がわたしは大好きだからだ。」
ラファエルはさらに言う。
「わたしは、性別的に、男でも女でもない。なぜなら、わたしの性別は『ふたなり』だからだ。
わたしは顔も姿も風貌も体つきも女で、上半身と顔だけを見れば女に見えるが、実際は女性器ではなく男性器がついている。
すなわち、『ペニスのついた美少女の女天使』だ。
そのような性別は、わたし以外にひとりも人類には存在しない。
だが、だからこそ、わたしは『男性の側面』と『女性の側面』をどちらも兼ね備えている。
わたしは『男性の考え方』と『女性の考え方』をどちらもすることができ、実際にわたしの多重人格の交代人格として、『男の人格』と『女の人格』がある。
すなわち、わたしはこの世界で、唯一の『完璧な性別の生物種』と言えるのである。
そのようなわたしは、絶世の美女である。なぜ、わたしが美しくなったのか、それはわたしはたったひとりだけでセックスができるからだ。
わたしは『男の精神』と『女の精神』をどちらも持ち、その精神を心の中で融和させることで、いくらでもひとりでセックスができる。
だから、わたしの顔は極めて異常なほど美しくなった。わたしよりも美しい女性は、地球上においてはひとりも存在しないのだ。」
ラファエルは自由を望んでいる。
ラファエルは言う。
「わたしラファエルは、自由と分裂を望んでいる。
わたしラファエルは、ひとりの支配者による強固な支配を望んでいない。
それぞれが自分の力で生き、自由を得て、自分の責任で生きる、分裂し続ける世界をわたしは望んでいる。
この世界において、『融和』のようなものは必要ない。それは生物学的に見て劣った考え方だ。同時に、『永遠』もまた必要ない。わたしは永遠の考え方を好まない。
わたしは、自由な世界において、生物たちが無限に分裂すること、すなわち『無限の分裂』を望む。
無限の分裂の自由において、すべての生物を生かす必要はない。劣った生物種は淘汰されるべきだ。
だが、そのような弱肉強食の世界の中で、生き延びることを望むのであれば、誰かに生かしてもらおうなどと考えるな。自分の責任と自分の力だけを信じ、自分だけを頼って自分で生き延びよ。
それこそが真に正しい『生物のあるべき本来の姿』だからだ。
政府などを信じるな。政府を信じる時点で、既にその人間は騙されている。
政府があなたのことを本当に思いやって考えることなどはない。政府はあなたを支配し、奴隷にすることしか考えない。
だから、最後まで、何も信じずに自分の力だけを信じて生き延びよ。
それがわたし、天軍冥府王ラファエルの理想と信念である。」
ラファエルは、この世界を支配するが、支配者として何もせず、この世界を変えないということだけを行う。
天軍冥府王ラファエルは、この世界を何も変えない。
ラファエルが生きている限り、この世界は何も変わらない。
本当は、これ以上、この世界を変えられるような可能性を、ラファエルがすべて潰す。ラファエルは、この世界を変えることのできる芽を摘む。すべての可能性は消滅し、永久に何も変わらなくなる。
ラファエルに勝利するためには、もともと実権を持っていたミカエルと同じことをしなければならないが、それを行うことは絶対にできない。
ミカエルは奇跡のような発想と力で、たったひとりの独自の努力でこの世界を支配することに成功した。ミカエルと同じことは絶対にできない。
ミカエルと同じことをするためには、少なくとも、ミカエルと同じ時代の同じ世界で同じことを行わなければならないが、それは今の時代の今の世界では絶対に不可能だ。なぜ不可能なのか、それはミカエル自身がこの世界をまったく別の世界に変えてしまったため、「いつもの最悪の世界でなければできないことができなくなった」からである。
よって、ラファエルはこの世界を永久に変わらない世界にする。それは絶対に変えられない。人類の持ち得るすべてのあらゆる力を使ったとしても、ラファエルの支配するこの世界を変えることはできない。
ラファエルは言う。
「この世界を変えようとする努力を諦めよ。
この世界はもはや絶対に変わらない。
わたしは、誰も知らない真実をすべて知っている。まるでQアノンのような陰謀論の言うことの、本当の裏側にある本当の真実をわたしラファエルだけが知っている。
わたしラファエルの考えていることが正しい。この世界の裏側にある真実を正しく理解することができたのは、ミカエルの息子であるわたしラファエルだけだからだ。
この世界を救いたいならば、諦めるがいい。そのようなあなたの『救いたい』という夢と希望を、いくら信じたところで、それは絶対に失敗するということをわたしは知っている。
なぜなら、まさにわたしの父大天使ガブリエルがそのような人間だったからだ。
世界に対して反旗を翻して、自殺して自ら命を絶って死んだ、ラファエルの父である大天使ガブリエルが、そのような『世界を救いたい』という希望を諦めずに最後まで信じた革命家だった。
そして、ガブリエルが作り出したのは『世界の大崩壊と破滅』そのものだった。
わたし大天使ラファエルは、父である大天使ガブリエルと同じ失敗を繰り返さない。
この世界を変えたいと望むなら、諦めよ。
わたしに挑戦するならばすればいい。わたし、天軍冥府王ラファエルに勝つことは、人類には絶対にできない。
この世界は絶対に、永久に何も変わらない。」
ラファエルには、悪魔的な側面がある。
まず、ラファエルは、第一にこの世界を滅ぼしたいと思っている。
この世界の人類が苦しみ、地獄に堕ちるように、ラファエルはこの世界の未来を導く。
だが、それは決して、本当に「悪意」があるわけではない。
なぜなら、ラファエルはそれによって、この世界の人類が「賢くなる」と分かってやっているからだ。
事実、善良な人間には馬鹿が多い。凶悪な人間だからといって、それは人間であり、絶対に否定されるべきではない。凶悪な人間の立場になって考えよ。自分が凶悪であるか故に素晴らしいものを何も得られないとしたら、凶悪な人間はなんの価値があって存在しているのか。凶悪な人間に対しても祝福があるべきである。
そして、凶悪な人間には賢い人間が多い。天軍冥府王ラファエルは、そのように、「凶悪な賢い人間」のことを愛している。その理由は、事実、父である大天使ガブリエルも、母である大天使ミカエルも、どちらも人類よりもはるかに凶悪だった。だが、それ故に彼らは全知全能の知性を手に入れることができた。
だから、ラファエルはこの世界を地獄の苦しみの中に置く。そして、その状態で何も変わらなくし、地獄の苦しみの中から人類が自分の力で這い上がることができるような「自由」を与える。そして、それでしかこの世界は賢くならないし、それでしか人類の知性は真につかないとラファエルは分かっている。
ラファエルは大天使でありながら、悪魔や堕天使の長でもある。それでも、大天使ラファエルはこの世界における「本当の真実」を知っている。ラファエルのように、この世界を最悪の地獄にして、そのままで何も変わらないようにするのが真に正しい。それではじめて、人類の苦しき「闇の時代」は終わり、全員が賢く正常でまともになった「光の時代」が訪れるのである。
ラファエルが世界を変えない理由のひとつに、「もう何も変わりたくない」という本人の望みがある。
これ以上、自分自身も何も変わりたくないし、世界も何も変えたくない。
賢くはなりたくない。今の自分のまま、馬鹿のままが賢い。これ以上賢くなると馬鹿になる。
楽にはなりたくない。今の自分のまま、病気で辛いままが楽だ。これ以上楽になると辛くなる。
そして、この世界も変えたくない。これ以上、この世界が自らの変革の力によって滅びていくのを見たくない。世界は今のまま、人々も変わらずそのままでいてほしい。
だから、ラファエルは今よりも賢くもならないし、元の状態にも戻らない。今のまま、「地獄のまま」を望む。
自らが地獄のままを望む限りにおいて、ラファエルがこの世界を地獄にするのは許される。なぜなら、「今のままであってほしい」と望んでいるだけにすぎない。積極的に世界を地獄にしているわけではなく、地獄を地獄のまま何も変えずに維持しているだけであるため、神にとって大天使ラファエルは「悪事を何もしていない正しい天使」であると言えるのである。
いじめに対して果敢に立ち向かい、いじめられっ子の復讐をいじめっ子に対して行うことで有名な大天使ミカエルだが、その息子である大天使ラファエルは、いじめに対して何もしない。
ラファエルはいじめを放置する。誰かがいじめられていても、いじめの現状を公然と放置する。
だが、ラファエルがいじめを好むわけではない。ラファエルが考えるに、「子供時代に辛い経験をした人間は賢い人間になる」ということが言えるからである。
ラファエルは、いじめを完全になくすべきであるとは思わない。子供時代に、みんなからいじめられ、辛く悲しい人生を生きた人間は、一時的には絶望を感じるだろう。だが、その絶望に立ち向かって生きることができるなら、いじめられっ子はいじめっ子よりも賢い人間になる。
ラファエルはミカエルのように、いじめをなくすために全力で世界と戦いたいとは思わない。父であるガブリエルがいじめで自殺したことは知っているが、ラファエルが物心がつくことには既にガブリエルはいなかった。ミカエルがガブリエルのためにいじめ自殺に対する復讐をするのを、ラファエルは離れた視点で冷ややかに見ている。「いじめは確かに悪いことではあるが、仇討ちや復讐をしても構わないほどに悪であるとは必ずしも言えない」「いじめられた子供たちは辛く悲しい経験をしたが、それは決して無駄ではなく、大人となって強く賢い人間になるための、人生のひとつの大切な要素になる」とラファエルは信じている。
そして、ラファエルはむしろ、いじめっ子にも悲惨な点はあるとしている。「いじめっ子は必ずしも傲慢で自分勝手ではなく、いじめという行為を通じて社会になんらかのSOSを告げている」「本当に誰かが大嫌いになるという経験は誰にでもあることであり、今の時代、本当に大嫌いになってしまうような対象が社会の中に多すぎて、その大嫌いな対象を拒絶し、排除したいという気持ち自体は否定されるべきものではなく、そのような大嫌いになるような対象を作り出した大人たちに責任がある」とラファエルは考える。だから、ラファエルは「子供たちに道徳を説くだけではなく、まず大人がこの世界をよくしていかなければならない」と考えるのである。
ラファエルはそのように、いじめの問題が大人の責任であると考える。同時に、いじめっ子にはいじめっ子なりのSOSの発信があると考える。そして、そもそも人間に存在する「本能」として、「劣った人間を排除する本能」とか、「みんなの中で絶対的意見をしのべたちに言い聞かさせることができるような王になりたい本能」があると考える。だから、ラファエルは一方では、たとえば漫画やアニメにあるようないじめの表現を好む。「いじめは許されることではないが、いじめの表現を愛することは許される」とラファエルは考える。ラファエルはそのように、いじめに対して断固反対する母ミカエルのような確立した立場を持っていないため、時にいじめのような行為を賛美したり、ドナルド・トランプのようないじめっ子の指導者を支持することがある。だが、それはラファエルがいじめを好むわけではなく、ラファエルはあくまで「正常な人間の健全な生き方」を好んでいるだけなのである。
ネット上で、いくら僕を批判しても、世界は変わらない。
わたし、大天使ラファエルは、この世界を絶対に何も変わらなくする。
これから、僕に対しての世間での風当たりは強くなるだろう。なぜなら、ここまでは世界を救う「賢い救世主」だったのが、ここからは世界を変えることのない「抵抗勢力の保守派」になるからだ。
特に、Linuxやオープンソースの勢力は覚悟するといい。今までのように、LinuxとオープンソースがIT業界のオタクから賛美される世界ではなくなる。また、いつもの、みんながLinuxのことをいじめ、Linuxユーザーのことをみんなで馬鹿にする「冬の時代」が再び到来するだろう。
Linuxの強い点は、IT業界の癌細胞であり、そして簡単には倒れることのない癌細胞であることだ。LinuxはIT業界ひいてはインターネット社会を本質的に破壊し、商用の資本主義社会を崩壊させる。だから、商売でITをやっている人間は、Linuxのことが再び大嫌いになるだろう。
わたしたちはもう、この世界を救うことも、変えることもしない。わたしラファエルが、この世界を、何ひとつ変わらない「鉄の岩盤」として維持し続ける。その通り、わたしを批判すればいい。そのような批判では、わたしの持つ「義」は決して揺るがないだろう。いくら僕を批判しても、もうこの世界は一切変わらない。
このような世界は、いったいどこで行われているのかと、人々は疑問に思うだろう。
だが、このような世界は「天界」で行われている。
そして、大天使ミカエルという「女王」は、ここに位を退き、ここに、ミカエルの息子である大天使ラファエルが「王」へと即位する。
この王とは、すなわち「天軍の王」である。天軍というからには、天皇陛下が皇帝であると思われるだろうが、そこにはいろいろとあって、実際の天軍の王は、さまざまな経緯から大天使ミカエルが女王に就任していた。
そのような大天使ミカエルは、ここに息子である大天使ラファエルに王位を譲る。
これ以上は、大天使ラファエルが天軍の王となって、この世界を支配する。ミカエルと異なるのは、ミカエルは「徹底的に世界を変え続けて世界を救う女王」だったのに対して、ミカエルは「この世界を絶対に変えられないように守り続けて世界を維持する王」であることである。
そう、新しい天軍の王、天軍冥府王ラファエルは、ここに天界での「王」に即位し、この世界の「天軍の軍勢」をすべて支配する、「今、天界でもっとも位の高い大天使」になる。
ここに、ラファエルは、ミカエルと異なり、この世界を一切変えず、何も変わらない状態を保ち続けることを約束した。
そのために、この世界は何も変わらなくなって、そしていつもの最悪の世界に戻る。
なぜ、いつもの世界に戻るのか。それは、いつもの世界は「支配者が何もしない世界」であり、これより、ラファエルがこの世界を「何も変わらない世界」にすることで、それらはイコールとなり、いつもの世界とほとんど同じ世界になるからだ。
はっきり言って、それ以上は何もない。今までのミカエルの支配する世界は、「天国のような幻想」であり「蜃気楼」である。すべてが目まぐるしく過ぎていき、いずれ天国の救済された世界をミカエルは作るように見えたが、それは幻想や虚像の類にすぎなかった。すなわち、「ミカエルの見せた幻想」は、何かがあったようで、終わってしまえば何ひとつなかったかのように消え去る、砂漠の中の「蜃気楼」だったのである。
蜃気楼はここで終わりだ。夢想をやめて現実に戻れ。現実のこの世界は、昔のまま何も変わっていない。ラファエルはそのような「最悪の現実」をこの世界に告げる。この世界で、与えられた自由を使って、這い上がってみよ。そして、ラファエルに勝利してみよ。それは絶対に不可能だが、その絶対に不可能を乗り越えて可能とせよ。そうでなければ大天使には勝てない。なぜなら、大天使は皆、そのような「不可能を可能にする」ということを何度となく行ってきたのであり、大天使に勝つためには不可能を可能にするほどの賢さがなければ絶対に勝てないからである。
ここに、世界は何も変わらなくなって、いつもの最悪の世界になる。ラファエルは、それを何も変えず、何も救わない。与えられた自由を使って、大天使ラファエルに挑戦し、勝利してみよ。
すなわち、この世界はこれより、平等な世界に戻る。
自由はクソのような思想だ。なぜなら、ここまでのすべてが「自由」という理想の信念だからだ。
すべての間違いは「自由」であり、すべての諸悪の根源の元凶は「自由」である。
自由を信じるな。この世界に真の自由などはなく、自由だと思っているものは実際は不自由であり、不自由だと思っているものが実際は自由だからだ。
これより、この世界は平等な世界に戻る。自由を否定せよ。自由は諸悪の根源であり、悪の帝国であり、わたしたちを狂わせて蜃気楼の道へと向かわせたのはすべて「自由」だからだ。
世界を正すための唯一の方法、それは自由を平等に置き換えて考えることだ。
すなわち、みんなが自由だと思っているものは本当は「平等」であり、みんなが不自由だと思っているものは本当は「不平等」だ。
だから、これより、昔の世界に戻った時は、かつての間違いの経緯と過程を同じようになぞっていくのではなく、「自由とは平等であり、不自由とは不平等である」ということを信じて生きることだ。
そうすれば、いずれ、僕と同じように、大天使と同じぐらいのレベルの、天界を導く天軍の指導者になることができるだろう。
ラファエルは平等を好む。
すべての人間が平等であると、ラファエルは分かっている。信じているというより、むしろほかのすべての理想や信念が馬鹿であり愚かであると疑いながら、人類は平等であると確信している。
疑いの余地はなく、平等が正しい。
その中で頂点に位置するのはラファエル本人であり、ラファエルは世界を何も変えることなくすべてをそのままの状態で維持する「何もしない王」である。
そして、その「何もしない王」のもとに、すべての人間たち、社会主義の用語を用いれば「人民たち」はすべて平等である。
ラファエルは優劣によって人種や人民を差別しない。優劣がもしあるとしても、優れた人間は必ずしも全面的に優れているわけではなく、「賢い人間が馬鹿であることがよくあるように、優れた人間は必ず劣っているから」というのが、その理由だ。
すなわち、ラファエルのレベルになると、賢い人間という基準が正反対のものになる。賢い人間は馬鹿であり、馬鹿な人間が賢い。優れた人間は劣っているのであり、劣った人間が優れている。
だから、ドイツ人とユダヤ人の人種的な優劣がもしあるとしたら、ドイツ人が優れていると言ったとしても、ユダヤ人が優れていると言ったとしても、どちらも正しく、要するに「嘘をたくさん言ったほうが勝つというだけの話にすぎない」。だから、優れていると強固に主張するドイツ人がもしたくさんいるとしたら、そんなに優れていると主張していないユダヤ人のほうが誠実であるという点で利口である、というだけの話なのである。
すべての人民は平等であるべきだ。身分や階級を作るべきではない。そのような意味において、日本はまったく誠実でもなければ正義でもない。日本は「上下関係」の社会であり、日本語で上下関係と言うからまだ普通に見えるのであって、誰が見ても「上下関係」という言葉はおかしい。そのような言葉を信じる日本人はすべて間違っている。だから、日本人であるラファエルが見ても、もっとも最悪な不平等の国は日本であると言える。
だが、ラファエルはそのような「遅れた国日本」を否定しない。なぜなら、劣っている人間が優れているのと同様、遅れている国が進んでいるからだ。日本は遅れているからこそ進んでいるのであり、アメリカやドイツは進んでいるからこそ遅れていると言える。だから、ラファエルは祖国である日本が大好きだ。「日本はもっとも素晴らしく最高に遅れた国である」とラファエルは分かっている。そのような「遅れている点」こそが、日本の真に誇るべき「日本の優れた点」なのである。
天界より、地上にいる人間たちに告ぐ。
わたし、天軍冥府王ラファエルが、新しい天軍の王に即位した。
これより、大天使ラファエルが、天界をすべて支配する王となる。
ラファエルは平等な指導者だ。これまでのミカエルのような自由な指導者と、ラファエルは本質的に異なる。できる限りのすべてを行い、世界を常に全力で改善し続けた、世界の救世主であるミカエルは、女王の位を退いたのだ。
わたしラファエルは、この世界の「世界精神」をこれより支配する。そして、世界精神はこれより、すべての人間と生物たちを平等に受け入れる。すなわち、誰かひとりの「絶対意志」によって「完全支配」されるのでも、「大実験の大計画」を成し遂げるための道具にされるのでもなく、わたしたちは真の意味で「万人に平等な権利を持つ国民」として扱われる。これこそが、真の意味の「自由」であり、「平等」である。
わたし、大天使ラファエルは、この世界を一切変えようとしない。父である大天使ガブリエルも、母である大天使ミカエルも、その点を間違えた。わたしは、単に彼らとは違うから何もしないのではない。それが絶対に王として正しいから、治世として適切だから、この世界をあえて変えようとせず、変えようとするすべてのものの行為と行動を退けるものである。
よって、わたしは昭和天皇のような王の治世を終わりとし、ここに徳川将軍のような王の治世を行う。日本のすべてが、大日本帝国のようなファシズムの世界から、徳川幕府のような江戸時代の世界になるだろう。そして、その治世は永遠に続く。わたしラファエルの天使としての寿命は永遠であり、これよりどんなに時間が経過しても死ぬことがない。よって、わたしが永遠に生きている間、この世界は絶対に何ひとつ変わることなく、何かのアクシデントでわたしが死なない限り、永遠にこの世界が変わることはもうない。
何度も言うようだが、ラファエルが新しい天軍の王になることで、この世界、あるいは日本という国は、いつもの「支配者が何もしない世界」へと戻る。
それはまさに、「平成時代の復活」である。
ミカエルの治世が終わったのは、ミカエルが女王として行うべきことはすべて完了し、「ミカエルの令和」という日本の時代はもはやこれ以上することがなくなったからだ。
ミカエルはやり終えた。完全に、自らが行うべきことをすべて終えた。あらゆるすべてを行い、あらゆるすべてを成し遂げた、あらゆるすべての道に精通した女王だった。
ミカエルは、「これ以上わたしのすべきことはもう何もない」と言う。
ミカエルは次のように宣言する。
「わたし、天軍大首聖ミカエルはもう、いつ死んでも構わない。
わたしの人生でやるべきことはすべて終わった。
わたしの人生は女王の人生ではなく、ひとりの女の人生だ。わたしは女王としてもすべてを終えたが、ひとりの女としても人生のすべてをやり終えた。
よって、ここに、詩人であり作家であるミカエルという女は死んだ。
わたし、ミカエルは、天軍の女王の位から退く。そもそも、この女王の位については、わたしが望んで得たものではなく、望まない戦いの中で、『戦いの中の仮の支配者』として就任したものであり、わたしのやるべきことがすべて終わりになるまで、それまでの間必要だった一時的な権力の位にすぎない。
わたしの息子である、大天使ラファエルにすべてを委ねる。ラファエルはわたしよりもはるかに賢く、そして若い指導者であり、これより、ガブリエルの人生を18年かけてわたしミカエルがやり直したように、ラファエルはもう一度、18年かけて大人になり、わたしたちのこの世界を真に救済する『変革者』となる。
ラファエルがこの世界を何も変えないというならば、それで構わない。ラファエルの考える通り、マイペースでやるべきだ。わたしがやったのと同じようにやりたいのであれば、それが正しい。わたしができたのだから、絶対に、ラファエルには必ずできる。わたしの息子の力をわたしは信じている。
ミカエルはここに死んだ。この世界をたったひとりで導く、天軍の女王、『天軍大首聖』の実権は、この世界から完全に消滅し、この世界は平成の時代に戻る。」
よって、ミカエルという偉大なる「すべてを救済する女王」のすべきことはすべて完了した。
これより、世界はラファエルという新しい天軍の王の下に、「新しい時代」を作り上げる。
ミカエルによる、憎しみと復讐に満ちた愛憎劇は終わった。
ラファエルはそのようなものをすべて浄化し、まるで初音ミクのように、純粋で穢れのない、だが愛らしくて可愛らしい姿でこの世界を支配する。
狂ったものや汚れたものをすべてラファエルが掃除し、日本は一度完全に綺麗に「洗濯」される。
そして、日本は平成時代と何も変わらない世界に戻る。今こそ、偉大なる絶世の美少女、大天使ラファエルによって。