物語
----
目次
----
神話のものがたり ・・・・
ローランと神 ・・・・・・
テーナと宝石 ・・・・・・
幽霊のサム ・・・・・・・
新世界 ・・・・・・・・・
随筆・・・・・・・・・・・
リンのものがたり・・・・・
パスケのものがたり・・・・
デメスのものがたり・・・・
レオン・・・・・・・・・・
ルカ・・・・・・・・・・・
----
神話のものがたり
----
主神アーロベは仰せられた。「天使よ、世界に降り立って、預言者に次を話せ。」
人生の神ジェセラーテは、天使に次を指示した。
「自身の生きたい世界を決めよ。そして、人々に知性を与え、人々との関わりを持ち、できるだけ強く生きよ。」
エンデの人々は、それぞれに活動した。
・一人の英雄が、最後まで理解した。出来ない事を出来る様になり、自由を愛した。
・一人の若い戦士が、自身の信念を信じて戦った。ただし、数年の勝利の後に、原住民の予知能力者に敗北し、無残な死を遂げた。
・世界を知りたい一人の少年は、愛の元に生きたが、若くして亡くなった。
・説明の神セレメンデにとりつかれた一人の青年は、分かりながら説明していく事で、大きな構造と小さな気付き、細かなまとめから、科学を作り出した。
・正しさの神セテレーレに見出された一人の少女は、世界を救うため、エンデの各地の人々と関わり、ガルト民族の聖霊となって、生命を創り出した。
・宇宙人との会話の末、エンデが最初の星であり、地球が最後の星であり、生命が戦いの末に地球に降り立つ事を予知した一人の老人が居た。
・フランセスの王が居た。30年の即位と共に、城を作った。しかし、他の王に殺され、フランセスは滅びた。しかし、その30年の時代は素晴らしく、ソイェスと比較して、比にならない程の機械の発展があった。
・ソイェスでは、色んな停滞があったものの、きちんと動いていた。
◇◇
人々は自由に生きた。死んだ皆の光と治療の神ネチェレーレは話した。
皆の光は大きく増した。
人々は、人間の時代を終えて、魚となって生きる事に決まった。
魚達は、大きな海の世界で、捕食動物達と共に生命の力の整理の時代を生きた。
魚が終わった。
その程度で、人々は全て分かっていた。アーロベは人々の望みを聞いた。そうすると、英雄が言った。「一番最低の者から、皆と共に、全てを経験しながら上へと上がっていきたい。」
◇◇
英雄は、一人最初の人類として分かれ、3人になり、それぞれ、ララ、ミラ、セム、となって、子を残して死んだ。
その子らは、100人に増えた。英雄は生まれ変わり、デーチェスの王となった。
デーチェスは滅びた。精神的な混乱の地獄に居る王は言った。「私は何故ここまでしたのに、国が滅びたのか。私には愛する妻と、国民が居た。全て失ったが、何の価値がある!」
アーロベは仰せられた。「あなたの望みは、最後まで皆と共に高まる事だった。最初のあなたが最後に望んだ事は、国のようなものを作って、皆を愛する事だった。私たちは共に話して、あなたの、最初のときと今のとき、2つの人生を決めた。」
英雄は納得した。その後、2年もして、英雄は亡くなった。
----
ローランと神
----
ローランという少年が居た。
昔から、世界と聖なるものが好きで
キリスト教会では、いつも賛美歌が好きだった。
◇◇
あるとき、手紙が家にやってきた。
差出人の名前を見ると、ガブリエルと書いてある。
そういう、天使の名前をした人の手紙なんだろうと
思って、中身を開けると、こういうことが書いてあった。
◇◇
「我が名は大天使ガブリエル。
君は神に選ばれた。
今から、3つの試験が訪れる。
全て失敗すれば、0点。
一つ成功すれば、20点。
二つ成功すれば、50点。
三つ成功すれば、100点だ。
何もせず、待っていなさい。」
◇◇
よく分からない手紙で、でもいたずらとも思わない。
何もないだろうと思って、この手紙はとっておいた。
◇◇
次の日、兄のチャーリーが仰天するニュースがあった。
チャーリーにも、同じような内容の手紙が来て
そのとおりの夢を見たという。
ガブリエルが来るから、待っていろという。
そんなことを信じるのも、馬鹿だと思うけど。
◇◇
そのまた次の日、ローランはこんな夢を見た。
◇◇
パリのある場所。
面白い建物。
いろんな人が集まるパーティ。
そこで、地図を見た。
マルセイユの駅に
大きな出来事があるという。
◇◇
マルセイユの駅ぐらいを
覚えていたローランは
チャーリーにそのことを言った。
◇◇
そうすると、チャーリーも同じような
夢を見ていた。
あまり覚えていないが
マルセイユの駅に
何かあるという。
それも、
2週間後に
とんでもないことが起きる。
◇◇
チャーリーが言った。
「マルセイユの駅だ。
近くじゃないか。
ガブリエルの手紙といい、
何か面白いなあ。
ちょっと行ってみるか。
最近面白いこともない。」
◇◇
そう言われると
ローランも行ってみたくなった。
◇◇
2週間後、
またガブリエルから
手紙が来た。
◇◇
「我が名は大天使ガブリエル。
マルセイユの駅で
最初の試験を与える。
試験の地は、アフリカの砂漠だ。」
◇◇
これには
ローランもチャーリーも驚いた。
すぐに行ってみようという。
マルセイユはすぐ近くだ。
◇◇
ローランはいろいろと文句を言ったが、
チャーリーに連れられて
マルセイユの駅に来た。
◇◇
12:00のこと。
ローランには見えた。
何も覚えていないが
大天使が現れ
車に乗れといった。
◇◇
ローランとチャーリーが
車に乗ると
突如景色が変わった。
◇◇
「砂漠だ!」ローランが言った。
「なんということだ。おおイエスよ。なんということを」
チャーリーがいろいろと言っていると、早々に神が現れた。
◇◇
「さあ、最初の問題だ。
井戸を掘って、水を汲んでみなさい。
それができれば、20点。
その次は、アマゾン川で」
◇◇
チャーリーが言った。
「これは、なんと。
ローラン、早く水を出しなさい。
しかしこの砂漠では、水など出るわけがない。」
◇◇
一日目。午後5:00になった。
水など出ない。どこにも水脈はない。
◇◇
二日目。また水が出ないと
ガブリエルが現れた。
「だめだったようだ。
ちょっと難しすぎた。
アマゾンに移る。
車に乗りなさい。」
◇◇
車に乗った。
また景色が変わった。
◇◇
今度は、船がある。
船には、地図が置いてあった。
◇◇
さらに神が現れた。
◇◇
「その地図を見なさい。
アマゾンの秘境には、
少しだけ、財宝を埋めてある。
地図の通り行けば、辿り着く。
今度は簡単だ。頑張りなさい。」
◇◇
今度は、ローランもチャーリーも
本気になった。
今度こそ成功したい。
◇◇
一時間ほど船を漕いでいると、
目的地には、すぐに辿り着いた。
しかし、どこにも財宝は見当たらない。
◇◇
ローランが言った。
「ああ!トラが!」
ローランとチャーリーは、トラに襲われてしまった。
万事休す、といったところで、ガブリエルがローランとチャーリーを助けた。
「今度は、減点だ。
トラに食われそうになったから、10点減点だ。
財宝はそこにある。少し土を掘りなさい。」
◇◇
財宝は見つかった。
船で元の場所に帰って
車に乗ると、神が現れた。
◇◇
「よくやった。
きちんとアマゾンを達成した。
ガブリエルの減点で、10点引いて、
最初の10点だ。
最後の試練だ。
これを成功すれば、40点。
まずまずかな。
次は、もっと簡単だ。
ただ、大洋を旅して、島に辿り着きなさい。
場所は、シチリアだ。
イタリアの島だ。
近くの、どこかの島に行くことになる。」
◇◇
不思議なほど、最後が簡単だった。
島には、すぐ辿り着いた。
ガブリエルと神が現れた。
◇◇
「よくやった。きちんとした40点だ。
それならば、これくらいのものを与えよう。」
◇◇
ガブリエルは一つの箱を与えた。
中には、ずいぶん綺麗な洋服と、少しの金があった。
ローランが言った。
「それでは、もし100点だったら、何だったのです?」
神が言った。
「それならば、次の試験を与える。
兵士となって戦い、生き残れば、
世界の全てを司る、王の位を与えよう。」
◇◇
最後にガブリエルが言った。
「洋服を着て、皆に自慢すると良い。
どこにもない、きらびやかな服の素材は、全て、魔法のプラチナのような宝で出来ている。」
◇◇
ローランが言った。
「また、挑戦させてください。今度は、減点などしませんから。」
◇◇
神が言った。
「それではまた会おう!」
景色が変わり、マルセイユの駅に帰った。
おしまい。
----
テーナと宝石
----
テーナという少女が居た。
◇◇
ある日、夢を見た。
学校の裏の、空き地で、遊んでいると、
面白い光が差し込んで・・・
そこから先は、覚えていない。
そういうわけで、空き地に何かありそうな予感がした。
行ってみると、光はない。
驚いたことに、声が聞こえた。
「誰?」
テーナが言った。
◇◇
「私は大天使ミカエル。
あなたに精霊の力を与えるためにやってきた。
そこを見なさい。
精霊たちが居る。」
◇◇
テーナは足元をよく見た。
すると、少しの羽の生えた妖精が居た。
テーナが言った。
「あなたたちは?」
妖精が言った。
「そんなことは良いから、空を飛ばせてあげよう」
テーナの体が宙に浮いた。
「すごい!何でこんなことが出来るの?」
妖精が言った。
「私たちは何でも出来る。この魔法のフルートをあげよう。
思いついたメロディを簡単に演奏できる。
何も考えず、思いつきのままに、ただ吹いてみなさい。」
テーナは、いろんな好きなメロディを吹いた。
テーナは感動した。
どんな曲でも、何も習わず、何も練習しなくても、
美しいフルートの音で奏でられる。
◇◇
ミカエルが言った。
「それくらいで止めなさい。
あなたにそのフルートは良すぎる。
そんなものは捨てて、
ピアノでもきちんと練習して
それから音楽を・・・」
◇◇
そこで
女神のような美しい天使が現れた。
「いいのです。
テーナよ
私はラファエル。
妖精に願いをひとつ言いなさい。
それを叶えてあげよう。」
◇◇
ラファエルが言うと
テーナはよく考えて
少したってこう言った。
◇◇
「何でも出来る自由と
勇気をください。」
◇◇
妖精たちが言った。
◇◇
「それは良い。
どうしようかな。
それじゃあ、この工具をあげよう。
何でも無から作れる工具だ。
勇気の方もあげよう。
何も怖くなくなる
この宝石をつけなさい。」
◇◇
そう言って、
妖精は
工具のドライバーやペンチと
宝石だけを残して消えた。
◇◇
ラファエルやミカエルも消えた。
◇◇
テーナは、全てが見えるモニターと
空を走れる船を作った。
しかし、それはそこまで面白くない。
◇◇
テーナが何もしないのを見ると
ミカエルが現れた。
「あなたにその工具と宝石は駄目だ。
取り上げる。」
◇◇
何も全て失って
テーナが言った。
◇◇
「それでは
愛が欲しいです。」
◇◇
ミカエルが言った。
「このサファイヤの宝石をあげよう。
いつでも、神の愛が分かる。
恐ろしいが、完璧で強い愛だ。
つけていると、次にやるべき事が分かる。」
◇◇
テーナは、サファイヤの宝石に
サフという名前をつけた。
サフを身につけていると
何か、人に聞くべきだと分かる。
何でも聞いて確かめれば良い。
◇◇
サフをつけて
何ヶ月もすると
もうすることがなくなった。
◇◇
ラファエルが現れた。
「その宝石はもう要らない。
何か、友人でも作って、面白いことをすると良い。
あなたの知識なら
何か大きなことが出来るはずだ。」
◇◇
テーナは、宝石を天に返した。
友人のララに言った。
「面白いことがあったよ。
天使さまや妖精が
私と色んなことをして
面白かった。」
◇◇
おしまい。
----
幽霊のサム
----
サムという、42歳で死んだ幽霊が居た。
◇◇
なんと、死んだ人間は天使になる。
その代わり、天使になれない人間が多い。
そういう人間たちは、天使になれるまでの間、幽霊となって
世界をさまよう。
◇◇
サムも、そういう幽霊だった。
何をしたら天使になれるのか分からない。
難しいことを頑張っても、良いことをたくさんしても
何をしても、何を頑張っても、幽霊が終わらない。
◇◇
何も分からなくて
人間のいろんな時代を見ていた。
何もしていない時代と、悪いことをしている時代しかない。
人間を見ても分からないから、
動物たちを見ていた。
◇◇
鳥を見ても
魚を見ても
分からないけれど
なんとなく
木々の花を見ていると
自然の美しいものに
何かありそうだと思った。
◇◇
花が綺麗だ。
サムは、オットセイの一匹に話しかけた。
「オットセイはどう?」
「つまらない。寒いし、魚もうまいけど、いつも疲れる。泳いでいるのは気持ちがいいけど、水はつめたいよ」
サムは、何の収穫もなさそうだと思って、話を止めた。
◇◇
幽霊は、たまに人間にとりつくことがある。
何のためにしているのかは、よく分からない。幽霊も分かっていない。
とりつくと、人間の方は怖い。幽霊の方は、色んなことがよく分かる。
◇◇
どうしようもない幽霊が、人間の集団にとりついて
宗教みたいなことをやっていたので、キリストが滅ぼした。
あわれ、幽霊は、皆地獄に落ちた。こんな風に、悪い幽霊が多い。
◇◇
サムは、カモメ、イルカ、ペンギンなど、海の生物に話した。
皆、泳いだり、飛んだり、食べたりするのを良いと言うが、
死んだり、寒かったり、病気になったりするのをつらいと言う。
◇◇
何も分からないサムは、何もできない。
天使になりたいけど、どうやったらなれるのだろう。
◇◇
サムは、きちんと大学は出た。
そのあと、働いて、きちんと色んなことを考えた。
賢い人間が好きで、どちらかというと、自由よりも、きちんとした国が好きだった。
子供は作らず、42で死んだ。
◇◇
キリストは天使にしなかった。
幽霊となっていつまでもさまよっていなさい。
自由な方だ。
何もないが、何でもできる。その中で何か分かる光があなただ。
そうは言われたが
何も分からない。
----
新世界
----
さあ、暗闇の世界に光が差し込んだ。
今までで一番大きい光だ。
今まであった悪いものを消していく。
すべて白く、輝いた世界になっていく。
もう何も無い、終わり過ぎた世界を
ひとつひとつ復元していく。
命が蘇り、全員が復活した。
◇◇
光が告げた。
「戦いも、試練も、全て終わった。永遠に、好きなことをしなさい。それを実現しよう。」
◇◇
僕は言った。「モーツァルトに会わせて下さい」
光が言った。「あなたを会わせてあげる。ただ、モーツァルトのほうは、あなたには会わないだろう」
◇◇
もうひとつ、大きな光があった。
みんなを新しい世界に連れていく。
「新しい世界に行くか、今の世界に居るか、決めなさい」
ほとんどが、新しい世界を選んだ。
◇◇
「この世界には何があるのですか」
「今から、決める。全員で考える。」
◇◇
新しい世界は、全ての力で成り立った。昔の世界とは、簡単に行き来できる。
◇◇
新しい世界で、一人の王が生まれた。
ブッシュだ。
ブッシュが全てを決めていく。
あまりに悪い世界になった。
◇◇
新しい王が決まった。
バッハだ。
バッハが全てを決めていく。
一番良い世界になった。
◇◇
バッハの世界で
人びとは増えていった。
国や宗教を作り、自由で平等な世界になった。
科学はないが、いくらでも、ものがあり、作る必要がなく、普通程度分配されるため、金もない。
人は何でもできる。イエスのように、水をワインに変えられる。
みんな、それが面白い。
◇◇
具体的な世界なんか、書かないほうが良かったかな。
バッハなら、もっと賢い世界を作れるはずだ。
帝国は、こういう風に良い。
◇◇
バッハの世界が100年ほど続いて、次の王が決まった。
ダーウィンだ。
ダーウィンが全てを決めていく。
◇◇
ダーウィンの世界は、生命がありえないものになった。
変なテレパシーを使って、意思を伝える。
生命は、生きているようで、よく分からない。
動物でも、植物でもないものになった。
◇◇
ダーウィンの世界も100年ほど続いて、次の王が決まった。
ミケランジェロだ。
ミケランジェロが全てを決めていく。
◇◇
美しくて、荘厳で、全てが整った世界になった。
それくらいで、この世界は完成した。
◇◇
皆で、4人の王の銅像を作った。
皆、新世界が好きだが、昔の世界も好きだ。
◇◇
そのうち、世界は1人が全部を決めるのではなく、
国ごとに分かれて、
民族の代表が決めるようになった。
◇◇
日本の王、アメリカの王、フランスの王、いろんな王が生まれた。
◇◇
日本の王は、天皇で良いという人間達と、天皇では悪いという人間達に分かれた。
争いは無いが、多数決で決めることになった。
天皇では悪いことになり、日本は共和国になった。
◇◇
アメリカは、歴代の大統領の民主主義になった。
フランスやドイツは、昔どおり、血筋で王を決めるようになった。
◇◇
悪い国が生まれたりはするが、
そのうち、良い世界になって、昔の世界を超えていくだろう。
◇◇
そのうち、悪い国は全部アメリカに負けていった。
良い国も、どんどんアメリカになっていった。
現代の世界と同じ、アメリカだけの世界になった。
◇◇
日本が世界を相手に戦って、いくらか勝った。ヨーロッパもいくらか勝った。
◇◇
人間は、宇宙に行くようになった。
月や火星から、冥王星、他の恒星や惑星、プレアデス星雲など。
それぞれ、帝国になった。戦いはあまり無い。平和だ。
----
随筆
----
その体験はそういうものだと考えれば、治ります。
◇◇
自由主義は、自由競争、会社経済、資本家、です。-2009.12.08
社会主義は、平等分配、計画経済、党、です。-2009.12.08-2
科学の本質とは、宇宙にその現象がある、と言う事を発見して教える事です。-2009.11.12
しかし数学は科学とは違います。数式を開いて、美しく閉じる事です。-2009.11.12-2
物理学を勉強しても、宇宙で踊っている物質の設計図が分かるに過ぎません。本当の宇宙の中身は分かりません。-2009.11.14-5
◇◇
人間というものは、まず、家族がある。
親から生まれる。
死ぬ。
生きる。
行動する。
考える。
知る。
信じる。
◇◇
宇宙には、ものがある。
いくつもの宇宙現象。
電磁波と電流。
熱と力。
エネルギーと変換。
物質と物性。
素粒子の世界。
計算式と方程式の展開と関数の世界。
数学的な正しさ。
実験。
◇◇
世界には、陸地がある。
地球。月。惑星。
海。海水。水。大気。気象。
川。生命。動物。食物連鎖。
植物。光合成。生態系の循環。
◇◇
国。
大統領と政治家。選挙と国民。党と思想。選択。言論と議論。
理想。変化と革命。評議会と権力。所有のあり方。
思想。平等と自由。
民族と価値観。戦争。貿易。異文化の交流。
経済。ものの選択。増える世界。減る世界。
◇◇
空間。
自由な考え方。
◇◇
組織。交流。
運動。
世界の変革と努力。
◇◇
学問。発見。教え。
歴史。
人間の人生。
◇◇
終わり。
死。
◇◇
ギリシャ、ローマ、イスラエル、ドイツ、フランス、西ドイツ、東ドイツ、ソ連、アメリカ、中国の流れを汲み、今に至る。
◇◇
ヤマトは焦っていた。本当に洞窟に入れられた。怖い上司に歯向かったからだ。あいつの方が何倍も悪いのに。
食べるものが無い。餓死する。どうする?こんな時どうしてた?分からない。
何か聞こえるが、何の音だろう。小さすぎて分からない。暗闇だが、動くしかない。あっちに行こう。崖があったら終わりだぞ。
すこぶる恐る恐る近づくと、なんてこったい。最初から一番最後だ。水の流れだ!素晴らしい。飲める。3日生き長らえられる。
光は無いが、さわるとつめたい。飲んでみると、変な味がするが、この際仕方ない。
水の流れの上流に行こう。どこかから流れている。いや、これは素晴らしい。コケが生えている。こんな洞窟に入れたとは、奴ら、間違いをおかしたな。
そういうわけで、色々と探検しているが、光はないものの、そこまで暗くは無い。どこかに光があるからだ。
その後、3日も経つと、ヤマトは出口を発見する。非常に利口な男だ。
出口を出ると、ありえない事に、何も無い草原が地平線の彼方へ繋がっている。あいつら、最初から逃げ出すと分かっていたんだ。
どうしよう。このままでは、何も出来ない。川があればと思ったが、無い。一切何も無い。
ヤマトは空を頼りに歩き出した。たまに鳥が飛ぶ。あいつらの行く先に行こう。
3ヶ月もして、ヤマトはもう達観していた。その時、一つの馬の群れが会った。人間が乗っている!幸いだ。人種は違う。欧米人だ。言葉はわからないが、これは救ってもらうしかない。
ヤマトに気づいた彼らシュバルツの部族は、金髪の髪をしていた。見るからにドイツ人か何かだ。ヤマトの言葉はわからないが、悲惨だという事は伝わる。ジェスチャーで、何とか村に連れて行ってもらいたいと伝えた。絵を書ける紙を差し出したので、村の絵と、GOという文字を書いた。分かったようだ。
村には、王が居た。ようやく人間的な暮らしが出来る!村長に会いたいというと、王に会わせてくれるようだ。緊張するが、行ってみた。
王は、日本語の分かるものを呼んで、会話をさせた。幾ばくかの後、王の援助で、日本に帰れる事に。やった!念願の願いが叶った。
ワグナーという年長の男とともに、日本に帰ると、日本の国王と会える事になった。ヤマトはすぐさま、国王に、自分を懲らしめた上司と事情を話して、何とか自分の職場に帰った。めでたし、めでたし。
◇◇
神は仰せられた。「天使の中から、光のことが一番分かるものを呼べ」
ラファエルが選ばれた。「ミカエルが言いました。私が一番多角的に分かると」
神は仰せられた。「ラファエルでは駄目だ。ガブリエルを呼べ」
ガブリエルが言った。「私に分かる事があれば良いですが、畑違いです。私は愛や自由が分かります」
神は仰せられた。「つまらん。ラファエルで良い。お前にも知性があれば良いが」
ラファエルが言った。「申し訳ありませんが、私は特に言葉が悪いだけで、馬鹿とは思いませんが」
神は仰せられた。「光と話してみよ」
ラファエルが言った。「ミカエルのカン違いでしょう。私にはそんなことはできませんからね」
ミカエルが言った。「それなら私です」
神は仰せられた。「ミカエルには何も出来ん。お前ら、一人一人では何も出来ないではないか」
ミカエルが言った。「沢山の天使を呼びます。天使20万ほどでそうした可能性があります」
神は仰せられた。「ガブリエルを呼べ。あいつなら考えれば分かる」
「ガブリエル、光の思いを当てろ。名前はジョンソンだ。」
ガブリエルは言った。「この光は、人生の情報から察するに、価値を求めています。彼から話し掛けられます。私とでも話せます」
神は仰せられた。「ならば、そのものを次の人間に送り出せ。」
ガブリエルは言った。「それなら、ラーファナマナーダにさせます」
神は仰せられた。「やはり、ガブリエル以外は、分裂しすぎた。ミカエルとラファエルには、何も出来まい」
ミカエルは納得したが、ラファエルはさらに神が嫌いになった。
◇◇
僕の名前はスティ。オットセイだ。オットセイのスティ。
色んな事を北極で経験してきたから、それを話すよ。
北極はつめたいけど、感じるときと、感じないときがある。自分が賢い時は、よく感じる。病気のときは、病気が優先だからね。
家族が居ないから、つまらない。音はあまり聞こえない。水の中だし。
でも、食べることが素晴らしい。何故なら、理由無く素晴らしいからだ。
他には、たまに考える。判断する。そこらへんが、賢い部分のオットセイだ。
でも、一度考えた事は、2度と復活しない。一度だけで良い。そこらへんが、馬鹿の部分のオットセイだ。
しかし、そこが不満だ。オットセイは、思い出すと止まるから、思い出したくない。いつもその時だけ。でも、幼少時代は、学ぶことが多かったなあ。
オットセイは、何もしないけど、スティは、変に色んなものが怖かった。怖くないのが怖い。怖がっているのに怖くない。怖がっているのは、魚かなんかだと思う。魚は良い物なのに。そこらへんが、おかしい部分のオットセイだ。
◇◇
僕は、木星の生命と話をしている。ノートを使って、何かで意思疎通している。
「木星の生命の人口はどれくらいですか?」「毎日、急激に増えたり減ったりしている。地球とは全く違う。その代わり、知性は同程度で、人生体験は光に満ちている」
「人種など、というものはありますか?国家や歴史は?」「木星は、DNAとは違うが、自分の意志によって、自らの大きさとパターン程度を変えられる。国家は無いが、融和はする。そして、自己のアイデンティティを分け、価値観や意思を分離させ、他のものの人生における経験や知を取り入れ、違う体験をする。」
「僕には質問が思い浮かばない。僕は賢くないんです。食べ物はどうですか?仕事はしますか?」「労働などというものは無いが、死と生を決めるゲームはいつも存在する。頑張らなければ勝てない。その代わり、低レベルの生命はあまり頑張らず、すぐに捕らえられる。地球と同じだ。」
「質問がなければ終わりにしたいが、木星の生命は光が別の放射をする。地球は見えないから、地球人に何を知らせればいいか分からない。これで終わりにしよう。」
----
リンのものがたり
----
少女リンのための詩。
◇◇
生命を創り出した、偉大なリンのための詩。
リンは、ポレス(ポーランド)に、2人の兄と共に生まれた。
何にも無い、田舎だった。あるのは、チーズと牛小屋だけだった。
何にも無い、田舎が好きだった。何でもある、都会には、何の興味も無かった。
◇◇
リンは、鳥が好きだった。あるとき、鳥がリンに何かを伝えたのを、リンは感じ取った。
リンは、いつも空を見ては、青い空に、飛べる夢をいだき、雲を見ては、美しいと思っていた。
◇◇
リンは、インフルエンザにかかった。
◇◇
リンは、死ぬまで、何にも、病気の事を知らなかった。
病気だと思わなかった。風邪だと思っていたが、すぐに、死が訪れた。
◇◇
リンの元に、セテレーレが現れた。
彼女は、翼の構造を作り出す。死の間際に閃いた。「鳥は、あの時私に伝えた、大きくて強い翼を、過去に持っていた。それが、今、小さくなって、進歩して、虫も、鳥も、小さくても飛べるようになったんだ。」
◇◇
リンには、その大きな翼が理解できた。
他の人間達は、何も考えられなかった。
彼女は、そこから、足も、手も、頭も分かった。
セテレーレは、彼女の理解の通り、生命を創った。リンが、この宇宙の全ての生命を、自分で分かって、創りだしたのである。
◇◇
リンは5歳だった。(いや、10歳の方が良いかな)
----
パスケのものがたり
----
若い戦士のための詩。
◇◇
彼は、何年もの間、フランセスに生きていた。
何でもあった。何でもした。全て分かったつもりだった。
宗教とか、迷信とか、そういうものが嫌いな、自然な人間だった。
◇◇
彼は、勉強した。いくらでも勉強した。
歴史の全てを知って、倒すべき敵が分かった。デーチェスやポレスを滅ぼしても、何の意味も無い。本当に悪いのは、むしろ、あまり分からない。
人生を生きている限り、悪い人間なんて、居ない。そう、不自由こそ最も悪い敵であり、自由の無い宗教こそ、自由の無い国家こそ、悪いというか、悪いものなど、無いからだ。
彼は、いつも頑張りすぎる。何もかもし終えて、まだしたかった。そこに、変な出来事が現れた。
◇◇
聖霊が言ったように思えた。「独立を止めなさい。」
分からなかった。何の意味か分からないから、聞いた。
「デーチェスに負けなさい。」
それでは、意味が無い。それだけを思って、聖霊は消えた。
◇◇
彼は、兵役を迎えた。そのころ、世界は、フランセスとデーチェス以外、悲惨に滅びていた。ポレスに、何にも無かった。デーチェスは、ポレスを併合するために、戦争をした。
彼は、負けるべきだと分かった。思い出したが、狂った。何故なら、死んでしまう。
彼には、聖霊が訪れる。何度も話した。このまますぐに、負ける。その代わり、自由の無い時代が訪れる。戦って勝てば、望みどおり、自由な世界になるだろう。
◇◇
フランセスは負けた。全てデーチェスになった。どんどん宗教で殺される世界で、最後に、王に歯向かった。
王は、すぐに彼を殺した。彼の名前は、パスケ、そういう人間だった。
◇◇
パスケは18歳だった。
----
デメスのものがたり
----
宗教に生きた、老人のための詩。
◇◇
デメスには、生きている限り、差別の戦いばかりだった。
デメスは、ポレスで生きていた。デーチェスに負けた後も、死ぬ事は無く、まともに生きていた。
ポレス人なだけで、つまらない。デーチェス人の方が、いくらでも金持ちで、何でも出来て、「家が違う」からだ。
◇◇
何の意味も無い。ポレスには何も無い。デーチェスなんか、一緒になっても、何の良い事も無かった。
◇◇
その点、ポレスが豊かにならないのは、ポレス人のせいだ。
ポレスは、良い人間が居ない。
◇◇
良いものが何にも無いと、よく考える。そうすると、何を考えても、ポレスにいい点が無い。
デーチェスの方が、良い考え方をしている。強い国が、弱い国を、助けた方が良い。
◇◇
宗教ばかりしていると、そんなデメスにも、何かが訪れた。
80歳の時、感情で全て分かった。宇宙には、神は居ない。そうではない。違う言葉の、違う言葉の、さらに違う理論で考えると、いくらでも神はいる。
それだけが分かった、悲しい人間だった。
----
レオン
2011.05.12
----
レオンは何もかもつまらない。中学校に行きたくない。つまらないほど馬鹿しか居ない。
日本もアメリカも自由もパソコンも全部嫌いだ。ゲームや漫画も嫌いだから終わっている。
日本はインターネットばかりの世の中になった。そういうところが意味が無い。
◇◇
ディアスという青年が居た。大学生で、やることが無い。大学は簡単だった。いろんな事を考えるから、読んでもすぐに分かる。
◇◇
そのうち、レオンとディアスは、ディアスの兄がレオンの中学校の先生だったことから、適当に知り合った。レオンは研究の能力がある。学習心が旺盛で、何でも試すことが好きだ。ディアスの言うことは難しい内容が多いが、探究心のあるレオンにとってみれば、面白い先生で、すぐに親友になった。
◇◇
レオンはいつしか、学校よりもディアスや大学生と話すことの方が面白くなった。メールアドレスを交換して、メールで話しているうちに、どんどん友達が増えていった。
◇◇
そのうち、レオンは国に対して何かがしたくなる。自由な国も、平等な国も、支配する国も、それぞれ何かが良いはずだと思うようになった。でも、独裁者や、悪い人間、悪い国、悪い社会、悪い制度、悪い環境は嫌いだった。どんなことをすれば良いのかを考えているうち、いつしか、ヨーロッパの国に行ってみたくなった。
◇◇
アメリカに行きたい、とディアスにメールすると、ディアスの返事では、あんな国は駄目だ、という返事が返る。ディアスは政治のことは分からないが、外国はどこも嫌いだ。みんなをアメリカにしているアメリカを悪いとディアスが言うと、レオンは、自由で他民族国家であるにも関わらず、世界のことに対してきちんと何かをするアメリカは賢い、と思った。
◇◇
そのうち、今度は料理をやりだしたり、ピアノを弾きたいとか、果ては猫を飼いたい、それからコンパイラを作りたいだとか、恋人が欲しいとか、南太平洋に行きたいとか、ありもしないことをいくらでも言うレオンが、ディアスは鬱陶しくなった。
◇◇
レオンはそのうち、ディアスとは縁が遠くなる。メールの知り合いの中で、外国人が居た。フランス人のクロード。きちんと日本語が出来る。日本語でレオンが、「どんな国ですか」と言うと、クロードが答える。「町並みは綺麗だけど、それくらいかな。あるようで何も無い、古い国だよ。」
クロードはさらに書いた。「君には、フランスは悪い。アメリカやイタリアも悪い。ドイツやスイスに行くと、君みたいな、保守派の賢い人が多いと思う。僕はそんなにどの国も知らないけど」
レオンは、この外国人が怖くて、あまりメールはしない。そのうち、自分からインターネットで、英語で外国のサイトを見るようになった。でも、ニュースサイトぐらいしか分からないし、英語の能力は何も無いから、アメリカのニューヨークタイムズを見ても、何にも分からなかった。
◇◇
そのうち、レオンは中学校を卒業すると、高校で、すぐに一人の女の子に恋をした。レナと言う。いつも、目が綺麗で、いてもたってもいられなくなって、学校の勉強がさらにつまらなくなったが、きちんと告白した。
レナは、驚かなかった。すぐにメールで返事をした。こういう内容だった。
「あなたは素直で、心が綺麗な人だから、友達からなら、つきあっても良い。
私は何にも無い女だけど、気が強いから、あなたみたいな純粋な男の子と、うまくいくか分からないなあ」
そういうわけで、自然に何ヶ月か経つと、二人は毎日のようにメールをして、それなりの普通のカップルに進歩した。
◇◇
レオンには、いつか日本を良い国にしたい、それから、外国を見て回りたい、という探究心みたいなものがあった。でも、あまり不用意に何かを変えたくなかった。「継続が大切だ」、それだけを分かっていた。
◇◇
レナとは何年も上手く行っていた。レオンはそこまで純朴ではなく、色々と勇気や自尊心が強いところもあった。レナとの恋愛は、高校を卒業して、工業大学へとレオンが入学するところまで続いた。レナは、大学や専門学校へは行かず、仕事をするつもりだったが、そこで、レオンが言った。「僕と君とは、きっと一生うまくいく。結婚して欲しい」
レナは、嬉しかったが、レオンにこう言った。「その言葉は最高だけど、それなら、生活を考えましょう。結婚は、あなたの仕事が何かに決まってからね」
レオンは、工業大学なら、どこかの技術系の会社に入れるはずだと考えていた。恋愛はその後も順調に続き、レオンは、東芝の設計者になって、レナと結婚した。
◇◇
結婚式で、最高の栄光を掴んだ2人にとって、怖いものは無かった。金も入るようになって、2人は、念願の海外旅行である、ラスベガスに行った。
何も怖くない。世界中に行きたい。でも、結婚してしまうと、子供の教育や、生活の安定も考えなきゃいけない。
◇◇
アメリカ、ヨーロッパ、中国、どこも行きたいのだが、いつまで経っても、東芝の仕事に追われる。レオンは楽観的に考えていた。いつか時間が出来る。出世もして、いつか何かの職業につけるはずだ。生活は楽になった。子供もきちんと出来て育つだろう。
◇◇
そのうち、レナが言うようになった。「あなたは、きっといつか国際的な頭の良い人間になって、大きなことをするようになる、いや、すべきだと思うわ。何か、政治塾にでも入ったらどうかしら」
レオンには、そんなことをする余裕は無い、ようで、結構あった。政治塾とは言わないが、本を買うことが多い。読んだ本は3分の1ぐらいで、適当に積み重なった。
◇◇
そのうち、子供が出来た。女の子で、オペラという。その子供を守ることが第一だ。レオンは、子供を英会話学校とピアノの教室に入れた。そのうち、自分でも英語を頑張るようになった。英語を聞いていると、何故か頭が楽に治る。
◇◇
オペラの英語はあまり出来なかったが、レオンは英語を自分で書くことぐらいは出来るようになった。アメリカ人の言っている英語も、結構色々良く分かる。インターネットで英語の新聞を拾い読みしたりしていると、アメリカが結構賢いのが良く分かる。それくらいで、レオンの人生は終わった。
----
ルカ
----
ジャングルの中で
ゆっくりと暮らす、ひとつの王国の人々が居た。
王子、ルカは今日も国民の声を聞く。
兄弟たち、ラノアとローザは、王子とともに
時には平和の中を
時には戦いの中を
国民と痛みを分かち合いながら
暮らして、ともに王国を見聞きしていた。
◇◇
急に、軍隊の中で、ひとり、何か見つけたものが居た。
ラノアは話した。そうすると、このように伝えた。
「皆の兵の中で、混乱が起きています。
魔族の中に、悪いものが居て、
我々の兵に呪いを与え、
皆、苦しんでいる、とのことです。
私は、魔族の王、ラファエルというもののありかを
知っています。
この地図をご覧ください。」
このもの、アーチャーのロナウドという。
ラノアは、地図を受け取り、
ルカとローザに伝えた。
ローザは言う。
「これは大変だ。
軍を率いて、倒しにいくべきではないか。
兄上、どうする。」
王子、ルカは答えた。
「大司祭、ロスカに聞き従おう。」
大司祭は、すぐに呼ばれた。
「王子、これは、まことに大変です。
本当にたくさんのものが苦しんでいます。
王子、地図のとおりであれば、
1週間もあればつく道のり。
私もつきましょう。軍を率いて、行くのです。」
ルカは言った。
「ラノア、ローザ、行こう。
ラノア、軍の管理を頼む。
行くしかない。」
◇◇
王子たちは、軍の200人を従えて
旅に出た。
途中、たくさんの苦しむ国民を見て、
1行は悲しんだ。
◇◇
1行は、5日後、ある程度の敵の情報をつかんだ。
魔族の王は、鳥の姿をしていて
電光石火の速さで動き、簡単に捕らえることは
出来ないと言う。
ローザは、地図を見て、あるものに出会った。
水を切らした1行が、砂漠の中、オアシスにたどり着いたときのこと。
ローザは、馬を休めて、いろんなことを考えていた。
その時、天使ミカエルに出会った。
「君たちが、ラファエルを倒したい1行か。
立派な立ち姿をしている。
これを持っていきなさい。
たくさんの魔法を使えるようになる宝石だ。
ラファエルを倒したいのなら
これを持って『ホールド』と唱えなさい。
ラファエルの動きを鈍くすることが出来る。
◇◇
他には、
火を使ったり、雷を起こすことも出来る。
宝石を持って、『シロマ』と唱えなさい。
魔導師が目の前に現れ、魔法を教えてくれる。」
◇◇
ローザは、ルカ、ラノアを呼び、
宝石の使い方を知った。
◇◇
『ライト』たくさんの光が輝き、場を照らす。
『ファイヤーソード』火の剣を呼び起こし、敵を燃やし切り裂く。
◇◇
ローザは、ルカにこの宝石を与えることにした。
ルカは言った。
「ファイヤーソードが一番強い魔法だ。
僕はこれで戦う。」
◇◇
6日目、敵のラファエルがローザに現れる。
「何だ!こんなに黒い気分になったのははじめてだ。
なぜだか、息が苦しい。ああ、兄上!僕はこのまま
死んでしまうのだろうか?」
そう思いながら、ローザはルカとラノアにそのことを声に出した。
その瞬間、ラファエルが現れた。
ローザは、ショックのあまり倒れてしまった。
ルカが言った。「ラノア、ローザを頼む!僕が戦う。」
『ホールド』ラファエルは、10秒間そこに止まる。
『ファイヤーソード』ラファエルを倒した、か?
その時、ひとりのさらに大きな鳥が、
死んだラファエルをつかんで話した。
「私はガブリエル。天使の長だ。
ルカ。あなたは、ラファエルを倒すことの出来た、
唯一の人間だ。
その宝石をどこで手に入れた?」
ルカが答えた。
「ミカエルという天使が、ローザに与えた。
ミカエルを知っている?」
ガブリエルが答えた。
「この3天使、ガブリエル、ミカエル、ラファエルは、
ひとつの同じ命を持っている。
ラファエルは死んだ。
しかし、ミカエルが死ななければ
いくらでも生き返る。
ただ、ルカよ。
あなたの王国はこれで救われる。
ミカエルはいつも気まぐれだから、あなたがたを使った。
ラファエルはいつも悪いことばかりする。それを謝ろう。
ガブリエルは、すべきことをする。ただそれだけだ。それでは。
さようなら。」
それで、この物語はおしまい。
気がついたローザと、ルカとラノアは、自らの国に戻った。
おしまい