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小説「塔」

Assy著

=メインの章=

その涙に、黄金の輝き

その心に、純白の悲しみ

銀の竜とともに

さあ行こう、天空の塔へ

◇◇

塔の最上階には、僕の兄で、魔王、ガブリエルが居る。

塔には、魔王の血から生まれた、悪魔たちが居る。

この剣の力と、水晶玉の魔法で

ともに倒そう。悪魔の支配者を。

◇◇

1つ1つの記憶のピースを集めて

宇宙にいる、生命の魔法を水晶玉に集める

全てのピースを集めて、

宇宙の全てを知るのだ。

◇◇

悪魔の子、カイトとの恋愛主導権争いや

少年スバルの、悲しい歴史とともに

仲間を増やして、スバルの親を探す

◇◇

最初の階には、悪魔にいじめられるロボットが居た。

そのロボットと仲間になる。

ロボットは、最初の階の敵に勝つ方法を教えた。

魔剣術、リヴァーソードを覚えた。

◇◇

海の精霊ポセイドナは、記憶のピースが何なのかを解説した。

宇宙人が、かつて、この塔に身を置いていた時のこと。

たくさんの平和な世界を治める、中央集権的な役割を、

塔が持っていた。

宇宙にいる、全ての民族を知っている。

その全ての民族の、全ての魔法と法則を、知ることが出来るのだ。

いつからか、宇宙は、1つの悪魔に統一されてしまい

宇宙の民族は、バラバラになってしまった。

その悪魔こそ、主人公マテルの父、ラファエルであり、

それを継いだ兄、ガブリエルが、今の塔の王である。

◇◇

塔の3階には、ガブリエルの手下、ザトーが居た。

彼は、ガブリエルの伝言を伝えた。

"よく来た、マテル!僕は、君が君の恋人を連れて

ここに来るのを喜ぶ。

僕を倒すのは分かっている。はやく塔の一番上に来い。"

そういって、ザトーを倒すことになった。

ザトーの魔法、タイムロジックは、ザトーの時間を加速度的に速める。

ザトーの剣がマテルをとらえた、その時、突然、ザトーの手が止まった。

マテルの胸についていた、ペンダントを見て、

ふと、これはと思った。

そして、マテルとともに来た、少女スラを見て、

気づいた。このスラは、自分の故郷、アスカの少女だった。

殺すことが出来なかった。

少年スバルが現れる。

ザトーはスバルのショットガンで、簡単に射落とされた。

スバルは、ショットガンの達人で、いつか、悪魔の支配を終わらせ、

宇宙人の集結を望む、少年だった。

◇◇

スバルという少年のおかげで、救われたマテルに

スバルは話しかけた。

自分の村は、昔、平和な村だった。

宇宙第389惑星圏で、平和な原始生活をしていた。

そこに、ある日突然、悪魔ラファエルがやってきて、

村を荒らしまわり、

それから、第389惑星圏では、その悪魔と戦っている。

第389惑星圏は、もうない。

その後に、戦いの荒廃から、滅んでしまった。

最後の救命ロケットで、約100人が、最後に生き残った。

その中で、まだ幼少だったスバルは、

いつか悪魔を倒すことを夢見ていた。

その後、スバルは成長して、18になった。

そのころから、この塔に来て、

戦っている。

勝てない敵とは戦わない。慎重に、見つからないようにしながら、

最新の宇宙兵器、ゴーマイン・ショットガンを使って、

最上階の一歩手前、38階までたどり着いたが

40階の最終階の手前で、運悪く悪魔に包囲されてしまい

魔法エリザーで、塔から脱出した。

それ以来、20階までしか到達できていない。

◇◇

スバルは、マテルと仲間になった。

このスバルには、一緒に逃げた親が居る。

その親は、魔王に幽閉されていて、

救いたいという。

マテルに、スバルが最新のショットガンを与えた。

◇◇

スバルとマテル、スラとロボットは、

記憶の第一ピースを見つけた。

「これが第一ピースか。

透明で、紫の色をした、オーラを放っている。

こんな石のようなもので、何か分かるのだろうか。」

マテルがそういうと、ロボットが言った。

「右手に水晶玉、左手に第一ピースを持って、

目をつぶってください。」

スラが言った。

「これは、太陽の石だわ。

太陽ほどの大きさの生命が、太陽と一緒になって、生きている。

永遠に続く、地球に降り注ぐ光以上の、全ての太陽からのエネルギーが分かります。

あ、新しい魔法を使えるわ。」

そうすると、スバルとマテルの目の前で、大きな火炎放射が発動した。

スバルが言った。

「中の上ぐらいの魔法だね。名前は、ライトファイアだよ。

草系のモンスターを、一撃で全て焼き払えられる。

けど、20階より上の魔族には、効かないよ。」

ちなみに、リヴァーソードは、15階までしか、効かない魔法だということだ。

マテルが言った。

「スバル、魔法に詳しいんだね。

君は、ショットガン以外に、何か力をつかえるの?」

スバルが言った。

「この塔に、昔存在したはずの、大能力、セブンスヒストリーを使える。

でも、これは、一番上の階で使いたい。

なぜなら、1度使ってしまうと、他の魔法を全部使えなくなってしまう。

僕は、この魔法を、最上階のガブリエルを倒すために、いつもとっておいている。

だから、まだ、この魔法を使ったとき、何が起こるか、分からないんだ。」

◇◇

一行は、その後、塔を1つ1つ登って行った。

記憶のピースは、その後、水星、土星、火星、と増えていき、

それぞれの能力を手に入れた。

水星の能力を手に入れたときのこと。

「これは、偉大な神話を、現実のものと出来る、

映像を操る民族の魔法よ。

大海が現れ、敵を水の中に沈め、重りを加えて、泳げなくするの。

名前は、アクアシップ。

階の23階まで使えるわ。」

土星。

「これは、簡単に融和できる生命の、悲しい進歩の歴史。

この生命は、自分と相手を同時に殺して、それが融和し、新しい生命を作る、

そういう進歩の方法をとるの。

魔法は、相手の全員に、瞬時にエネルギーを与えて、電撃を加え、

簡単に死んでしまう、弱い敵を、全員射止められる。

その代り、強い敵にはまったく効かないわ。

名前は、エネルギーウェーブ。」

そして、火星。

「これは、全てが死に絶えた、何もない、放射能汚染の未来人。

おかしくなった生命が、永遠に、さまようだけの星。

能力は、敵全員を、何秒間か停止させるだけの、弱い魔法。

名前は、スリープ。」

その後、階の15階までやってきて、リヴァーソードが使えなくなった。

ロボットとともに修行したマテルは、新しい、強い遠距離の剣術を身に着けた。

「この剣術は、遠くまで、波状で気功を与えられる。

名前は、マウンテンソード。

弱い敵は、この剣術で倒していこう。

強い敵は、スラの魔法、とくに、ライトファイアとアクアシップで倒していこう。」

◇◇

そんな時、一行に、何か、得体のしれない恐怖が押し寄せた。

「なんだ、何か居る?」マテルが言った。

その時、スバルのショットガンがさく裂した。

「そこだ!」スバルの一声とともに、ショットガンの先を見ると、

猫のようなかわいい生き物が居た。

「あれ、かわいそう。猫じゃない」そう、スラが言うと、

「来る!」そうスバルが言って、ショットガンをさく裂した。

見ると、猫はすでに居ない。

スラの右隣に、かっこいいイケメンの男性が現れた。

「あれ?僕に向かって、何と言う無礼だろう。

ねえ、お嬢さん」

その彼は、マテルに詰め寄って、言った。

「はやく、この塔から去れ。

君が、僕の父ガブリエルを倒したいのは、知っている。

僕は、気に入らない。父は良い人間だし、僕らは、ただ、この塔で平和に暮らしているんだ。

さっさと去るんだな。

それより・・・」

彼はスラに行った。

「僕と付き合おう。君の名前は?」

スラは言った。「スラ。スラ・ロード」

彼が言った。「僕の名前は、カイト。カイト・ローサイド」

マテルが言った。

「それより、スラから手を離すんだ。

僕の恋人だぞ。」

カイトが言った。

「そうか、彼女は、君の。

そうすると、君を殺せば、フリーになるんだ。

いつか、君を殺して、この美しい少女と付き合えると、感動できる。」

マテルが言った。

「君の方こそ、去るんだな。」

カイトが言った。

「僕は、もっと上の階にいる。

じゃあな。」

そして、カイトは、魔法エリザーを使って、消えてしまった。

◇◇

そして、16階にやってきた。

ここでは、悪魔が居ない。皆、天使ばかりの世界だ。

そこで、一行は、階の主、カマエルと話をした。

「なぜ、ここには悪魔が居ないのですか?」

マテルが聞くと、カマエルが答えた。

「この種族は、昔、悪魔だったものが、

一度、英雄ミラーとともに、浄化され、魂を入れ替えた。

それらが住んでいる。

この天使たちは、戦ったり、殺したりすることが出来ない。

平和だ。平和が一番良いのだ。

この天使たちは、弱く賢い。あまり強くなく、すぐに死ぬが、

しかし、いつまでも平和を保つ。」

ロボットが言った。

「ここには、あまり長居をしない方が良いです。

すぐに、次の階に進みましょう。」

マテルが言った。「なぜ?良い天使たちだけれど。」

スバルが言った。「やめた方が良い。すぐに次の階へ進もう。

天使たちと居ると、弱く洗脳されて、何も出来なくなる。」

そして、一行は次の階に進んだ。

◇◇

スラは、記憶のピース、金星を水晶玉に得た。

「これは、永遠に続く、何もない星ね。

相手の能力を封じ込め、弱くする魔法、

トゥープアが使えるわ。」

◇◇

次の17階では、逆にたくさんの戦いがある、荒くれた世界に来た。

スバルが言った。「ここでは、誰とも目を合わさず、僕らだけで話をするんだ。

会話していることにして、誰とも何も話さない方が良い。

強くはないが、低い。誰もが馬鹿だから、怖い。」

その時、カイトが現れた。

「やあ、マテルとその仲間の諸君。

僕は、この世界の全員を従えて、君たちと戦う。

まずは、火の玉を繰り出そう。」

そうして、スバルが言った。

「マウンテンソードを使うんだ。

勝負には、2つ、先手必勝、そして、一騎当千だ。」

マテルは、マウンテンソードをうまく使って、敵を攪乱した。

「僕はショットガンで相手の周りに居る荒くれ者を倒す。

アクアシップだ。スラ!」

スバルが言うと、スラが答えた。

「分かったわ。

"大海に存在し古来よりの神、ポセイドンよ。

我が船に希望をともし、力を貸したまえ。

その契約は、私をあなたの親友とし

あなたは私に力を与え、私はあなたに仕えるのだ。"

アクアシップ!」

そういうと、荒くれ者が急に姿を消し、

カイトが瞬間移動して、スラに微笑んだ。

「お嬢さん、君を騙すつもりはない。

あなたを連れ去って、この戦いは終わりにしよう。

それ!ライト!」

そうすると、一瞬、眩しい光とともに、

世界の全てが消え去った。

光の後で、気づくと、居るのは、スバル、マテル、ロボットのみ。

「カイトの姿はどこに行った?スラはどこだ?」マテルが言った。

スバルが言った。「やられた。スラを連れていって、去ってしまった。

最初から、それが望みだったんだ。」

マテルが、目を丸くさせて、言った。

「何てことだ。」

◇◇

去ってしまったスラを思うと、暗い気分になってしまう。マテルが言った。

「どうして?スラに何があるのか、あまりに不安だよ。

魔法も使えなくなってしまった。これじゃこの塔の攻略が難しい。」

スバルが言った。

「これは、塔の攻略は、一からやり直すしかない。

去ろう。魔法エリザーで、この塔を脱出できる。」

マテルは言った。

「残念だが、それしかない。

スラの身があまりに心配だけど、仕方ない。」

そして、一行は、魔法エリザーで、塔を脱出した。

◇◇

一方のスラは、水晶玉を奪われて、幽閉されてしまった。

この牢には、一人の老人が居た。

なんと、この老人は、スバルの父、ダイだったのだ。

「ダイさん。あなたの息子さんが、あなたを救うために戦っています。」

スラが言った。

「そうか。それは良かった。

あの子の自由にさせてあげてください。

私は、悪魔によって、力を消され、何も出来なくなってしまった。

あなたの水晶玉も、取り上げられてしまったでしょう。

私たちには、何も出来ない。ただ、ここで、幽閉されたままで居るしかないのだから。」

スラが言った。

「それでは、あまりに悲しいです。

私の水晶玉があれば、この監視員の魔族など、すぐに倒せます。」

ダイが言った。「それは出来ない。待つのです。いつか・・・」

そうすると、そこにカイトがやってきて、牢の扉を開けた。

「さあ、お嬢さん、こっちへおいで。

僕と幸せな時間を過ごそう。」

そうすると、スラは、腕にかみついた。

すると、後ろの警備員の悪魔たちに連れられて、スラが連れ去られてしまった。

「悪いことはしない。ちょっと、君の体に細工をしたいだけだ。

この薬を飲みなさい。全て、完全に忘れてしまう薬だ。さあ」

そうすると、スラは薬を飲みこんで、意識を失ってしまった。

◇◇

スラは、新しい都市、新しい街、新しい家で目覚めた。

なぜか、最近のことを覚えていない。自分の家に、見覚えがない。

そこで、そこの主人が言った。

「あなたか。この僕のパン工場で働くことになった、新しい女性は。

来なさい。何も分からないだろうが、手荒なことはしない。

きちんと、レジに立っていてくれればいい。

レジの説明書はこれだ。

頑張って働きなさい。」

そうすると、スラは、次の瞬間、さらに全て忘れてしまった。

スラが言った。「私は誰ですか」

店の親父が言った。「やれやれ、また、こういう悲惨な娘がやってきた。

そこに、もう1人、あなたと同じ立場の女性が居るだろう。

あなたより年上だ。一緒に働きなさい。」

◇◇

パン工場で出会った女性は、ハンナという名前。

ハンナは、時々冷静で、時々活発な、普通の女性。

「大丈夫さ。この町は、きれいな街だよ。

一緒に見て回ろう。元気出して。

何も覚えていないとは言うけれど、自分の彼氏を忘れたぐらいで、

普通のことは普通にできるから、さ。」

◇◇

パン工場で働いていると、結構、楽しい仕事だ。

ああ、彼氏が欲しいなあ、と思って、仕事をしていると、

なぜか、遠くの方に、いつか知った覚えのある、デジャブな少年が居た。

「あ、あの人」

そう言いかけると、その彼は去って行ってしまった。

そう、この少年は、マテルだったのだが、

マテルは、いつかスラを助ける、と目標を置いたまま、

作戦を立てている最中に、この付近を通りかかったのだ。

「誰だろう。昔の雰囲気がした。」

それで、スラは、その後も、パン工場で働いていた。

ハンナとともに、パンのことを考えていると、楽しい。

◇◇

「なんだって?諦めろ?そんなことは出来ない。」マテルが言った。

そう、諦めるという話になったのは、なぜかと言うと、

銀の竜にまたがって、天空の塔に上るために、水晶玉が必要なのだ。

「僕は、賛成しない。僕たちが助かっただけで、満足するべきだ。

いつか、僕が塔を攻略するだろうから、その時を待ってくれ。」スバルが言った。

「僕は、水晶玉は無くても、竜の居場所を知っている。

山奥の、アリアラ山のふもとに、竜は居る。

君が賛成しないなら、僕一人で行く。」マテルが言った。

「それならそうすると良い。僕は降りる。」スバルが言った。

「それならそうすれば。僕は、君を軽蔑するよ。」マテルが言った。

スバルは、それで良いと思うばかりに、ひとつ微笑んで、どこかへ去って行った。

◇◇

竜のふもとに来た、マテルは、もう、怒り狂っていた。

そこに、銀の竜が現れた。

「どうした。小僧。もう一人の女の子が居ないぞ。」

マテルは、銀の竜にありのままの経緯を話した。

「それなら、ちょっと待ちなさい。

塔になど、行かなくていい。女の子が、どこかに居るはずだ。」

マテルは驚いた。スラは、塔や牢には居なくて、新しい町で、生活していると言う。

「行きなさい。そこに、スラは居る。

リヤードグランド5番地の、パン屋で働いているはずだ。」

◇◇

一方のスラは、ハンナとともに、パン屋でレジを打ち、パンを焼いていた。

その時、一人の男の子が現れた。

そこまでは覚えている。

そして、今、病院に居ると、その男の子が、なぜかそばにいる。

「僕を見て、気絶したんだよ。君の恋人、マテルだ。」

マテルが言うと、スラが言う。

「恋人?そんな覚えはないけれど。私、騙しにかかる男の人とは、付き合いたくない」

そうすると、マテルには、何も言えなかった。

「僕のこと、覚えてないの?」

スラが言った。「全然。」

◇◇

その時、良いことを思いついた。

「カイトと会わせれば、何か思い出すんじゃないか。カイトはどこに居るんだろう。」

その後、マテルはカイトを探していたが、銀の竜に頼み込むことにした。

竜は言った。

「水晶玉を持って、塔に行きなさい。

スラの持っている水晶玉を借りて、カイトの居る15階まで上がるのだ。」

そして、塔にやってきたマテルは、また、スバルと出会った。

「顔を見せるな、といったはずだ。君の力は借りない。」マテルが言った。

「しかし、それでは、軍備が不足している。僕の持っているショットガンをあげよう。」スバルが言った。

そして、微笑んで、スバルは去って行った。

◇◇

ショットガンがあるせいで、敵は簡単にやっつけられる。

簡単に15階まで来た。そして、カイトに出会った。

「そうか。スラに出会って、記憶は無かったのだな。

僕と一騎打ちをしよう。勝てば、記憶を戻す薬を教える。

負ければ、スラは僕のものだ。」

そして、一騎打ちが始まった。

◇◇

ショットガンとマウンテンソードしかないマテルにとって、

勝ち目のない戦いだった。

それでも、スラを奪われたくない一身で、昔の昔に覚えた、催眠術と分身の術を使う。

相手は、何もしない。見たところ、相手は武器を持っていない。

マテルが放つショットガンを楽々とかわす中で、1つの呪文を唱えた。

"冥府の呪い。天魔の争い。神の滅び。全てをいっぺんに敵に与えよ!"

そして、マテルは、それをマウンテンソードで跳ね返そうとして、

呪いを受けた。そうすると、マテルは、一度気絶し、復活して、血がおかしくなった。

「なんだ、これは、うう、つらい。何も出来ないつらさだ。なぜか、体が動かせない」

そこで、カイトが言った。

「これで終わりだ。スラは、僕のものだ。じゃあな」

マテルが言った。「待て!」

カイトが言った。「なんだ?」

マテルが言った。「せめて、スラの記憶は戻してほしい。」

カイトが言った。「そうだな・・・

君の呪いと、スラの記憶は戻そう。じゃあ・・・」

マテルが言った。「まだ終わっていない!」

そういうと、倒れたマテルが、何かの呪文を言った。

「昔、スラと一緒にならった。この呪文だ。」

"愛する心に、1つの運命。来たれ!黄金の竜!"

そうすると、カイトは、召喚した竜との戦いを見て、言った。

「これは、つまらない。あまりに強い竜だ。

僕は、戦いから降りる。こんなものとは、戦えない。」

実は、この召喚、一度すると、二度と使えない。

最後のとっておきだ。カイトが一度勝ち、マテルがもう一度勝った。

◇◇

そこで、1つの現象が起きた。

なんと、時間がさかのぼって、全てが後戻りし、最初の状態に戻った。

記憶はそのままだ。何だ?これは。

「マテル。私だ。ガブリエルだ。

私の力で、勝負を最初に戻した。

マテルよ。カイトは、私の傀儡だ。」

そういうと、カイトがどこにもいない。カイトという人物は、最初から居なかった。

◇◇

ガブリエルを見て、黄金の竜が言った。

「もう一人、銀の竜が居るだろう。

あれを連れてきなさい。2人いると、使える魔法がある。

こういう時に使う、一番良い魔法だ。

ゴッドハンド、敵を浄化し、完全な味方にできる。」

銀の竜を呼んだ。

竜は呪文を唱えた。"預言者は、全てを作り、滅する。そのもの、神にひれ伏せ"

ガブリエルは言った。「もう良い。私も、そろそろ老化して、誰かと戦いたくはない。

誰かに、この塔の支配を任せるつもりだった。

良い機会だ。君を信頼して、君に塔の所有権を与え、私は、助言を与える役となる。」

そして、この物語は終わり。

◇◇

エピローグ。その後、スバルがマテルのもとにやってきた。

「それなら、僕をガブリエルと会わせてほしい。

僕の親父を解放してくれたら、僕は何も言わない。」

そして、ガブリエルは、ダイを解放して、水晶玉に自分の能力を吸収させて、竜とともに暮らした。

水晶玉は、全てを巻き戻す、木星の、「タイムリバース」を覚えた。暗闇と光の無い、無を知った。

おしまい。

=サブの章=

この魔法の世界、マジック・スペースでは、4つの星と地域がある。

1つ目は、魔法使いの星。魔法使いたちが、魔法の力を使って、施設や機械、能力や技術を使っている。この星では皆が全員魔法使いだ。15歳になった子供は、魔法の水晶玉を授かり、魔法の力を手に入れる。

2つ目は、竜の星。竜たちと竜人たちが、その世界に無数にある塔に住んで暮らしている。それぞれの塔に1つ1つ主人が居て、階を上るにつれて、新しい「記憶のピース」と呼ばれる宝を手に入れ、新しい魔法の技を手に入れる。

3つ目は、天使の星。天使と神々が、翼を持って、楽園に生きている。ものは何もないが、しかし、沢山の聡明な知識の文章と、沢山の知的な活動を行っている。

4つ目は、悪魔の星。何人かの悪の支配者が、この宇宙に手下である沢山の支配者を作り出し、世界を1つの悪魔世界に統一し、奴隷にすることをもくろんで、活動している。

それぞれの星は、星の各地にある「センター」と呼ばれる施設によって、行き来することが出来た。全部の地域には行くことは出来ない。安全な地域だけを、ワープで行き来することが出来る。だが、魔法使いの星では、このセンターを行き来するためには、魔法の水晶玉を持っていることが条件だった。

魔法の水晶玉は、持っていると、3つの良いことがある。1つ目は、センターのワープ機能を使うことが出来る。2つ目は、店で普通に売られている、家電製品や武器に魔法の力を与えて、動かすことが出来る。3つ目は、基礎的な魔法の能力を身に着け、簡単な魔法を使うことが出来る。

タケルは、魔法使いの星に生きていたが、親は魔法使いではなく、竜と天使の子供だった。

それも、ただの竜と天使ではなく、伝説の竜である、ガブリエルの子供だった。魔法使いの星では、親は母親のラファエルだけだった。物心ついたごろから、シングルマザーのラファエルだけに育てられた。父親の居場所は、分からなかった。いつか、魔法の玉を持って、父親を探し当てるのが夢だった。

アカリは、魔法使いの星で生きていた、女の子だった。親は魔法使いの医者で、魔法の玉を手に入れたら、医者になって、魔法の力で沢山の人の病気を治すのが夢だった。

タケルとアカリは、幼馴染だった。

そんなタケルとアカリは、15になろうとしていた。12月25日のクリスマスの日に、2人は魔法の玉を授かることになっていた。そのため、15になる沢山の子供たちとともに、タケルとアカリは魔法の星のセンターに来ていた。

センターの会場の中で、1人、また1人と会場の奥に招かれては、子供たちは魔法の玉を手にした。タケルとアカリは、そのセンターの会場の中で、一番後ろの方で待っていた。

タケルは、アカリにいつも、竜の星に行って、自分の父親を探す夢を話していた。

会場の奥では、誓いの儀式のようなことをして、それぞれが魔法の玉を手にしていた。誓いの儀式を全員終えて、タケルもアカリも、魔法の玉を手に入れることが出来た。

タケルは、アカリに言った。「竜の星に、僕と一緒に行ってみないか?」

そして、アカリは答えた。「良いわ。行ってみましょう。」

そして、2人は、すぐにセンターのワープの機能を使って、竜の星の安全な場所へとワープした。

2人の下に、1つの銀の竜が現れた。

「あなたがたは、魔法使いの星から来た、魔法使いの人間だと見える。

どこに行きたいのか?」

タケルは言った。

「僕の親である、ガブリエルの身元を探したい。」

そうすると、銀の竜は、驚いて、言った。

「ガブリエルは、星の中央にある、自由の塔の頂上に居る。

ついてきなさい。」

そして、銀の竜とともに、2人は自由の塔に来た。

自由の塔の頂上まで、登ることが出来るだろうか?

タケルはアカリに言った。

「このまま、塔を登るけれど、一緒に来るか?」

そうすると、アカリは言った。「もちろん、行きましょう。」

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