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イェラーの小説

Assy著

=第一章=

昔々、ヤーナという国で、一人の若者が大きな使命を持って、王になり、世界を幸福にするまでのお話です。

「イェラー、イェラー、起きて!今日も学校だ!はやく!」

イェラーはやる気がしなかった。また早朝訓練?いい加減にしろよ。

僕だって自由があるんだ。まあ、今日のところは従っていてやるけどな。

起こそうとしているのは、イェラーとともにこの学校で寮生活をしているシュナーツ。シュナーツとイェラーはけっこう仲が良くて、何でも話し合っていつでも共に行動している。が、最近はイェラーのつき合いが悪い。

「おい、シュナ。もう少しだけ寝かせてくれ。あと5分」

「イェラー、今日もかい?やめてほしいね。僕には僕の都合ってものが」

シュナーツはいつも時間通り起きる。今日の訓練は、30分のマラソンだ。彼らにとっては、いつものことながら、無意味に思える。しかし、けっこう楽しいものだ。

イェラーにはそろそろ、この学校を退学してやろうという計画があった。シュナーツや、他のみんなに迷惑はかけられないから、一応黙っている。しかし、そろそろ自立して、金をもらって働きたい。

しかし、こんな田舎ではバイトもない。どこか都会へ…。それなら、一年早く大学を退学しても悪くは…。

そんな2人だが、今日もマラソンをこなす。イェラーは今日は4つ単位を取るための授業だが、あまりやる気はなくともなんなくこなす。

フランス語と社会科学に関する総合的な講義だった。

シュナーツは、同じく社会科学の授業をおさえて、理科の実験をした。

彼らはもう2年と半年近く、このヤーリック総合学園に入っている。

2人が知り合ったのも、2年と半年前、大学の肛門の前で、ちょっとした偶然からだった。というのも、2人とも授業のクラスを間違えて、初めてのクラスというのに、別の教室に入ってしまったのだ。

最近、シュナーツもあまり体調がすぐれない。夏が暑くてしょうがない。

シュナーツは、大学も嫌いではなく、わりと好きな方だ。

イェラーは、退学の話を、シュナーツに打ち明けることに決めた。

「どうしたんだよ!そんな話聞いてないし、僕は許せないぞ。

それに、お前が退学して金を稼いでも、お前のためになるとは思わん。」

シュナーツは良い奴だ。しかし、イェラーは、

「お前に分かってもらえるなんてこれっぽっちも思ってなかった。

別に良いからな。おれはやめる。もっと良い環境を探して…」

それに、イェラーには考えがあった。イェラーは、こう見えて技術ともの作りが好きだ。独学で学んで、技術の初歩を覚え、それで自立しようと考えていた。

「それに、おれは学校とか社会には何も求めてない。

自分で生きていく。悪いが、お前にも頼らん」

シュナーツは激怒した。

「それで、お前は本当に成功できるのか?もう会えなくなるじゃないか。つまらないこの生活が、お前無しではさらにつまらない。おれが言いたいのは、そういうことだから」

イェラーは、悪いと思って、シュナーツに誘った。

「じゃあさ、いっしょに何か、この枠組み以外で、はみ出したことやりたいな。お前と別れるのは、たしかに、あんまり良くない」

シュナーツは、あまりの考えのなさに呆然としたが、一転、普通に話し出すようになった。

「イェラー、お前は何をするつもりなんだ?何がしたいんだ?」

「シュナーツ、そこまで尋問するなよ。おれは、どうせ自分の人生なら、何度失敗しても良い。その上で、でも、これ以上どうしようもできなくなる失敗はだめだ。おれは、こんな学校でフロイトがどうとかやってるよりは、自分の技術をつけて、社会のためになる…、そうだな。じゃあ、コンピュータ技術ってことにしておこう」

「それなら、学校に入るべきだろう?」

「学校ならいつでもできる。いつでも入れる。おれは社会に出たいし、むしろ会社で教えてもらえればいいと思ってる」

「それなら、好きにすれば良い。おれは退学なんてありえないと思っているから、せっかくだ。一年後に再会しよう」

シュナーツはこの言葉を最後に、イェラーの姿を見なかった。

=第二章=

さて、イェラーは一年間何をしていたのだろう?

実は、コンピュータ技術は、もっと後に習得することに変えて、英語とドイツ語を独学で身につけていた。しかし、独りだけではあまり活動できない。3か月後、やはり学校に通い直し、日ごろの努力の成果もあって、半年で一人前に上達、しかし、「何かが違う」といつもこぼしていた。

シュナーツとイェラーが久しぶりに再会した。しかし、イェラーの成長ぶりは見事だった。だが、イェラーは、けっこうシュナーツの成功ぶりを見て、自分の判断を後悔した。

「いや、自由が良いとは思った。しかし、お前、やっぱり立派だな」

イェラーがそういうと、シュナーツも、同じように相手に激励した。

シュナーツとイェラーは、話し合って、同じ会社に入ることにした。

業種は、テレビ関係。彼らは、きちんと働き、5年でかなりの収入を得た。

彼らは、27歳になっていた。

「おい、お前、これからどうしていく気だ?」

イェラーがシュナーツに言った。イェラーが言った。

「おれ、ちょっとドイツに行ってみたいと思っているんだ」

シュナーツも言った。

「面白い。おれも行こう。」

イェラーは、ドイツとヤーナをくらべて、ヤーナは何もかもドイツに劣っていて、特に、技術の分野では完全に負けていると言った。

3年後、彼らはドイツに向かう。

イェラーのドイツ語はすごかった。本当に通じていた。

しかし、彼ら2人は、ドイツで騙された。物を奪われ、大使館の位置も分からない。そして、そのまま、さらに、連れ去られた。

「おい…どうしよう。どうもできない」

2人ともとても怖くなった。連れ去った車は、ドイツを通って、フランスに向かおうとしている。

彼らは、何とかフランスで解放された。どうにかしてヤーナに帰ったが、もうこりごりになった。

(途中までですみません。ノートに残っていた小説です。)

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