電子レンジの世界観です。機械いじりが子供のごろから好きだった父親の話を参考にしています。
電子レンジは、マイクロウェーブを用いた、水分子を温めることのできる機械。
マイクロウェーブとは、電磁波の一種で、とても波の振幅数の大きい、高い周波数を持った電波のことである。
通常のテレビやラジオのようなメガヘルツ級の周波数ではなく、ギガヘルツ級の周波数を持っている。
このような高周波数の電波・電流は、電子レンジだけではなく、パソコンのCPUなどにも使われている。多くのマイクロウェーブは、通信のために使われていた。
電子レンジは、このようなマイクロウェーブを、通信のためではなく、料理のために使おうとした装置である。
重力の働く空間の周りには重力場ができ、磁力の働く空間の周りには磁界(磁場)ができるのと同じように、電流が流れる空間の周りには電界(電場)ができる。
この電界の周りに電子が存在すると、その電子は電界から力を受ける。
導線に電流を流した時、その電界の周りにある電子は同心円状に力を受ける。
この電流が、直流であれば、電子は一方方向に力を受けるが、交流(+になったり-になったりする)の電気である場合、周りにある電子は行ったり来たりの力を受けることになる。
電子レンジは、このような行ったり来たりの電界に働く力を、水分子に対して与えることで、水分子の中の電子を振動させ、熱を発生させる。
マイクロウェーブを水の分子に当てると、水分子の中の陽子と電子が、マイクロウェーブによって+と-の方向に揺さぶられる。この振動の結果、水分子は互いに振動し、おしくらまんじゅうのように熱を発生させる。
水分子の化学式はH2Oだが、これは中心にあるひとつのOに対して、周りにある二つのHが「く」の字のようにくっついた形をしている。
そのため、水分子はわずかにプラスとマイナスの電荷が偏って対(双極)となった電気双極子となっている。
電気双極子の水分子に対して、周りから高周波の電界の動き(マイクロウェーブ)を与えると、水分子は揺さぶられ、振動して、熱を発生させる。
このため、電子レンジでは、水分子だけが電界による影響から特別熱を発生させる。
2024.09.28編集