ボクシングに関する世界観です。
NHKの「わたしの足跡」という番組で、東京オリンピックのボクシング女子フェザー級で金メダリストとなった、入江聖奈さんの特集をやっていた。
僕は、この人、本当に好きだなあと思った。
番組の中で、「努力は才能に勝る」という言葉もあったが、野球のメジャーリーグで四度目のMVPを取った大谷翔平のように、強い人はたくさんの努力をしている。
番組内でも、大学時代の友人が「トレーニングの回数が凄い。何百回とか、桁が違う」と言っていたように、できる人間は普通の人間よりもはるかに努力している。その努力を誰よりもできるということがまず素晴らしいと思う。
僕自身、2006年から文章を書いてきて、あるいはそれ以前もネットでWikiを書いてきたが、誰よりもたくさん回数をこなすことの意味は分かっている。
それでも入江聖奈さんが素晴らしいのは、「全部の分野を伸ばすのではなくて、ひとつの分野だけを誰よりもできることで、『このことならわたしは誰にも負けない』と思えれば」と語っていたことである。
これは僕の大きな反省点だ。あまりに多くのことをやりすぎていると思う。もっとひとつの、たとえば「美しい文学作品を作る」ということだけを頑張れば、入江聖奈さんみたいになれるのだろうか。
ただし、才能も必要。入江聖奈さんの大きな武器は、「ノーモーションの左ジャブ」と呼ばれる、いつ出てくるか分からない、突発的に繰り出すジャブ。そのような「自分の武器」を持つことが大切だと、入江聖奈さんは教えてくれる。
東京オリンピックの2年後、入江聖奈さんは現役を引退し、カエル研究者として大学院で新しい発見に基づく論文を書いている。それも素晴らしい。何から何まで、僕のお手本のような人だと思った。
2025.11.14
2025.11.28編集