オイラーの世界観です。
「オイラーの贈物」などを参考にしています。
(オイラーの贈物を参考に執筆・引用しました。)
オイラーの公式は
\[ e^{i \theta} = \cos\theta + i \sin\theta \]
\(\theta=\pi\)を代入して
\[ e^{i \pi} = \cos\pi + i \sin\pi = -1 \]
よって
\[ e^{i \pi} = -1 \]
オイラーの等式、それは\(e^{i \pi} = -1\)。
これは、eやiやπが数学上独立した数ではなく、-1とその他の定数に由来する数であることを示している。
eやiやπは、普通有理数として扱われず、完全に自然数とは別個の数として扱われる。だが、この公式に示されるように、それらの数も-1から派生する数である。
数学上のeやiやπは、決して特別な数ではなく、-1とそれらの定数に由来する数なのである。
数学は多くがそうした「数との遊び」であり、あとはさまざまな数を考えるだけである。その数がどのような数であり、その式がどの数からどのように派生した数であるか、その数が何の数を意味しているのかを考えれば、数学は簡単にできる。数学者はそのように分かっている。
逆に言えば、-1という数は、eやiやπに由来する数である、ということが言えます。そう、私たちが「-1」だと思っていた数は、実際はeとiとπだったのです。
ただし、数学の定理を考える上で必要なのは、「あくまで数として同じになるというだけで、等しいと言う」ということです。たとえば、底辺×高さ÷2が面積だとしても、それだけでは底辺と高さが面積を意味するわけではありません。そのため、3-2=1であったとしても、3-2が1の意味である、というわけではありません。計算結果が等しい、ということにすぎないということを分かっておく必要があります。
後日注記:これはある意味、分数や比率と良く似ています。eとiとπの、ある意味での関係性を成り立たせて、これらの数を組み合わせた数が、-1になるということです。
後日注記:この式を考える上で、iは虚数単位であり、数的な値を持たないため、ここでは無視して構わないでしょう。eとπにはとても密接な値の関係があるということが分かります。
(以下は放送大学「自然科学はじめの一歩 ('15)」を参考に執筆しました。)
オイラーは、ニュートン力学を微分方程式を解くスタイルに変換した。
さまざまな運動と力学に対する課題をオイラーは次々と解決し、微分方程式を使うことで、誰でもニュートンの力学・解析学の本質を知ることができるようになった。
オイラーの等式について言えることは、「人間にとっての普通の数学」と、「宇宙にとっての普通の数学」は異なる、ということです。
人間にとって普通の、身近で親しみやすい数学とは、1, 10, 100のように、10倍ごとに桁を上げていく10進数を用いて、プラスマイナスと加減乗除の四則演算を基本とするような数学です。
ですが、そのような人間にとっての身近な数学は、宇宙にとっては普遍的な数学ではありません。
オイラーの等式では、円周率π、ネイピア数e、虚数単位iが、ひとつの公式として登場しますが、宇宙にとって普通の数学を書くためには、このような記号は必要不可欠なのです。
数学には、微分積分や三角関数の記号も多々登場しますが、それらも、宇宙の数学を書く上では必要不可欠であり、人間にとっては理解が難しくても、「宇宙にとってもっとも普通の概念」なのです。
なので、僕はオイラーの等式\(e^{i \pi} = -1\)について、そんなに素晴らしい大した式だとは思いません。なぜなら、宇宙にとって普通の概念を、宇宙の言葉で記しただけにすぎないからです。
2024.07.28