ドストエフスキーの世界観です。
僕が好きなのはロシアの文豪ドストエフスキー。「暗く、重く、長い」と言われることもあるが、若者がこれを読むとはまる。
以下は代表作「カラマゾフの兄弟」。
ドストエフスキーについて言えるのは、あまりに人物の描写を書くのが上手いということ。
普通「この人はこの人の子供」と書けばそれで終わりになるところを、親子関係や恋人関係だとか、どのような人生や家柄を生きてきたのかとか、今何を考えていて誰とどのような関係を持っているのか、ということを書くのがとても上手い。不自然でも単純でもないように、人物の関係性を読んでいて面白く説明する。
あまりに多くの言葉を使って人物の関係性や人生・家柄などを書くせいで、まるで人物を説明するだけでひとつの面白い物語になっている。
また、世界観を書くのも上手い。昔のロシアでは「地位」や「身分」が重要だが、将軍だとか公爵だとかいう当時のロシアの世界を巧みに記述する。まるで帝政ロシア社会そのものを作っているかのようである。また、金や住む場所についても描写が上手い。下宿先、下男、あるいは金を貸すところなども非常に上手く書いている。
ただし、ロシア人のキャラクターが、時に誰が誰なのか分からなくなるところがある。その女性が先ほど書いてあった女性と同一人物なのか、それとも新しく出てきた登場人物なのか分からなくなってしまう。
僕はドストエフスキーの「白痴」について、まだ約85ページしか読めていないが、彼ほどの一流の作家はおらず、またとても面白い小説であるということが分かった。