GIMPに関する世界観です。
GIMPはとても高機能なラスター系写真編集・ペイントソフト。Adobe Photoshopと同等の製品で、写真やイラスト画像の編集に使える。
Wikipedia
ソースコード
GIMP公式のマニュアルは以下。日本語に訳されてはいるが、英語のままの部分もある。
さまざまなサイトがあります。
ほかにもたくさんあります。「GIMP 使い方」で検索してください。
フィルタ効果のまとめ。
僕は、昔Wikipediaで地図の画像を編集していた時代(はるかに昔です)、GIMPを使って色を塗りつぶしたり文字情報を入れたりしていました。
GIMPは、そうしたペイントツールとしても使える、画像編集ツールです。たとえば、色を塗りつぶしたり、フィルタ効果をかけたり、解像度やサイズの変更(トリミング)をしたり、文字を綺麗に入れたりするのに使えます。
僕はPhotoshopユーザーですが、Photoshopの無い環境で画像の編集を行う必要がある場合は、GIMPが使えます。たとえば、UbuntuでダウンロードしたPNG画像をJPG画像に変換して大きさを変えたいなどの時に使うことができます。
フリーのPhotoshop代替ソフトとして、「Photoshopキラー」の異名を持つGIMPですが、意外なことに歴史はGIMPの方が長く、とても古いソフトウェアです。
昔は、UNIXで一般的だったツールキットであるMotifで作られていました。
Linuxで一般的となっている、GTK+/GNOMEアプリケーションは、GTK+と呼ばれるウィジェットツールキットで開発されていますが、GTK+はGIMPの開発者によって開発されました。
GTK+は、GIMP ToolKitの略です。
当時、Motifは完全にフリーではなく、KDEで使われていたQtもフリーではなく、GNOMEのために新しいウィジェットツールキットが必要で、GIMP ToolKitがGNOMEのために採用・開発されました。
ウィジェットツールキットはGUIツールキットとも呼ばれ、WindowsやMacでも存在するような、ボタンやメニュー、スクロールバー、ウィンドウフォーム、テキストボックス、ラジオボタンなど、GUIでアプリケーションのために機能として必要な、「GUI部品」のことです。
GTK+はC言語ながらオブジェクト指向の考え方(GLib/GObject)を導入し、X11とGTK+の間をGDKと呼ばれる単純なグラフィックス描画APIとすることで、C言語のラッパーを作ることでどんな言語にも対応できます。また、WindowsやMacにも容易に移植することができます。これは、GNOMEやCORBAのような「複数のプラットフォームの間で、さまざまな言語でネットワーク通信をするコンポーネントシステム」にとても合致したものでした。
プログラミングの視点から見ると、GTK+はC言語ながらAPIが優れており、「コールバック関数」をイベント駆動で行うことによって、C#/VB.NETのようにGUIプログラムを作ることが出来ます。
今や、MotifもQtもフリーにはなりましたが、今でもGTK+がLinuxのメインのグラフィックスツールキットです。Mozilla Firefoxなどもツールキット部分の描画にGTK+を使っています。Mozillaの場合はさらにXULを使うため、とても高度なアプリケーションになっています。GNU EmacsやGVimなどもGTK+に対応しています。
ちなみに、GUIではなくコマンドラインで画像処理をしたい時は、ImageMagickが使えます。シェルスクリプトなどにして操作を自動化させたい時や、サーバーやネットワークから使いたい時などに使えます。
GTKも参照のこと。
そんなGIMPですが、ペイントツールとしてみると、インターフェースが個性的であり、独特であることが挙げられます。
それは、たくさんのウィンドウを開いて、画面がとてもごちゃついてしまうせいで、そう言われてしまうのだと思います。
ウィンドウがたくさん開いて使い辛いという方は、最近、「シングルウィンドウモード」という画面モードが出来たので、それを試してみてください。ウィンドウが全画面の中でフィットし、キャンバス部分をタブで管理するため、とてもすっきりとしたインターフェースで使うことが出来ます。
GIMPの大きな問題点として、CMYKに対応していないことが挙げられる。
GIMPは、Webやコンピュータで使う、光の三原色であるRGBには対応しているが、印刷物で使われる、インクと色材の三原色であるCMYKには対応していない。
そのため、Web向けの画像やアイコンを作ったり、コンピュータで見るイラストを作ったり、RGBの写真を加工したりすることはできるが、印刷物、たとえばポスターや雑誌などのデザインには向いていない。
注意点として、印刷そのものができないわけではない。RGBの画像だからといって、印刷用途に使うことはできる。
また、Photoshopを使うのであっても、通常はRGBの環境で作業した方が良い。CMYKに画像を変換すると、HDRトーンなどのさまざまな機能が使えなくなってしまう。通常は、デザインをして最後の印刷所に出す段階で、バッチ(Photoshopで使うことのできる、複数ファイルに自動処理をかけられる機能)を使ってCMYKに変換する。
実際、僕は家のパソコンには、CCを買わないと使えないAdobe製品が入っていないため、画像の加工やイラストの作成にはGIMPとInkscapeを主に使っています。
GIMPには、Photoshopと同等のトーンカーブ機能があり、写真補正をするだけであれば、GIMPでも全然いけるからです。
また、Inkscapeは本気で必須です。僕はピアノの鍵盤を四角形で作ったり、パースツリーの図を簡単に描いたりする時に、Inkscapeを使っています。
GIMPとInkscapeがあるとないとでは大違いです。Adobe製品で今まで作ってきたデータ資産がもしなければ、僕は家ではGIMPとInkscapeをメインで使うかもしれません。
GIMPはとても高度なソフトウェアだが、そもそもがフォトレタッチソフトであってペイントソフトではない。
ペイントだけを純粋に行いたいのであれば、MyPaintというソフトがある。
MyPaintも参照のこと。
日本ローカルで見ると、CLIP STUDIO PAINT PRO(クリスタ)やペイントツールSAIというソフトが(有料ながら)存在する。
GIMPやPhotoshopの代わりにこれらを使ってペイントすることも可能である。
僕の作業所にもこれらのソフトが入っていて、僕はペイントする時はペイントツールSAIを使っている。
特に、日本の漫画・イラスト制作者にはクリスタを使っている人が多いようである。
ユーキャンのデジタルイラスト講座もクリスタである。
ペイントツールSAIも参照のこと。
Tux Paintは3歳児にも使えるように考慮された子供向けのペイントソフトウェア。
KDE向けには、Karbon14というドローツールやKritaというビットマップツールがあるほか、KolourPaintというMSペイントに良く似たソフトウェアもある。