BASARAの世界観です。
少女漫画ですが、とても面白いです。僕が一番好きな漫画。女性革命家と王が恋愛するありえないストーリーで未来の世界を描く。作者は田村由美。
後日注記:僕が日本で一番好きな漫画はBASARA。何度も読み返した。
2024.11.23編集
BASARAは、一見少女漫画でありながら少年漫画のように、革命家と王が争い合う「戦いの物語」のように見えますが、実際はむしろ王と革命家の間でさまざまな人間の想いが交錯する「人間ドラマ」です。
BASARAを一度読むと、その人間ドラマの素晴らしさのせいで、登場する人物が全員好きになります。
また、ストーリーは王道で、日本が四つの国に分かれており、その四つの国の王をタタラという革命家が全員倒します。
タタラは男性のふりをしていますが、実際は少女であり、途中で明らかになるまで女性であることを隠し続けます。
この革命家は知らない間に敵対する相手である赤の王に出会ってしまい、なんと赤の王と恋愛関係を持ってしまいます。
そのような「絶対には許されない恋愛関係」の中で、タタラはたくさんの素晴らしい仲間たちを磁石のように引き寄せ、「タタラという革命家の周りにたくさんの登場人物の仲間の関係」が生まれていきます。
僕はこの「生身の人間の関わり合い」が大好きです。
BASARAは僕の読んだ中で、最高の漫画であると思います。
BASARAの主人公であり、タタラの名を名乗る、男であると性別を偽った革命家の女性は更紗という名前です。
ですが、更紗はあまりに強すぎます。
単なる小娘のはずなのに、更紗は最強の革命家です。特に、更紗はタタラ軍を率いる革命家でありながら、たったひとりで勇敢に行動することが多く、極めてたくさんの修羅場をくぐり抜けてきました。
この更紗のことを愛するということが、BASARAのひとつの目的です。
ですが、BARASAは更紗ひとりだけの最強の物語ではありません。たくさんのキャラクターが登場し、そのすべてのキャラクターが愛くるしい「個性」を持っているのです。
特に揚羽がこのような人間であると言えます。揚羽はタタラと赤の王の勢力である四道のどちらにも協力する人間であり、四道がタタラに殺されてからもタタラとの関係を続け、「タタラ軍でもっとも汚いことはすべて揚羽が代わりにやる」といったところがあります。
BASARAは本当に面白い漫画であり、僕が今まで読んだ中で最高に面白かった漫画です。少女漫画ですが、内容はむしろ王道の少年漫画であり、男の僕であっても面白く読むことができます。
2023.08.02
すみません、上に書いた内容だと、まるで揚羽がタタラ軍でありながら敵である赤の王と通じているように見えますが、揚羽はそういうキャラではありません。
赤の王、朱理の信頼できる側近であり、朱理の従兄でもある四道は、揚羽とは主人と奴隷の関係です。揚羽は、四道の家庭で奴隷として育てられた経緯があり、そのために、四道のことを特別な存在として感じているだけで、揚羽自体は、タタラ軍のとても信頼できるキーパーソン的な存在です。
ですが、タタラ軍にそのような、敵と通じている人物がいないわけではありません。蒼の王の元側近であり、蒼の王になり替わろうとしながら、タタラ軍へと参入した、浅葱というキャラがいますが、この浅葱は白の王、銀子と通じています。彼は銀子の息子であり(銀子からは弟であると聞かされている)、「本当の蒼の王は自分である」と銀子に言われて信じてしまいます。ですが、彼もまた、タタラ軍の熊野勢力である那智や聖との「主従関係ではない本当の友情」を知って、徐々に変わっていき、銀子の側近である暗殺者の柊を倒すことに成功(朱理も倒すことができなかった)します。
ですが、一番おかしいのは、敵であるはずの赤の王、朱理と恋愛関係になってしまう、タタラ(更紗)本人です。タタラは鬱金王を倒して革命を為し遂げますが、革命後の日本を統治することはせず、朱理と一緒に外国に行ってしまい、自然環境保護活動を行うようになります。砂漠の出身であるということもありますが、日本を倒した先は世界へと目を向けるところは、ナポレオンとよく似ているのかもしれません。
2025.11.23
また、田村由美のほかの作品も面白いです。最近だと7SEEDSとか(残念ながら途中までしか読んでいません)ですが、昔の作品(特に龍三郎シリーズ)は超面白いです。巴がゆく!(確か読んだはず)も面白かったです。
2024.08.30
書籍