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AUTHOR: schwarz1009
TITLE: セルバンテス
BASENAME: 2023/02/20/195908
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DATE: 02/20/2023 19:59:08

もう一度最初からやり直す

もう一度、最初からやり直す。
自由というエネルギーは、世界の根源にするには相応しくない。
正しいエネルギーはほかにある。
それは愛ではない。
愛とは自由の一種の形態にすぎない。
ここに、太陽系の最初の住民が生まれた。
名を、セルバンテスという。

自由は間違っている

自由は間違っている。
自由という感情では、この世界の秩序を正しく説明することはできない。
したがって、数学的な知性は間違っている。
数学的な知性は、自由の一種の形態にすぎない。

セルバンテスは世界を作る

セルバンテスは、世界を作る。
セルバンテスは、この世界そのものを、仮想的な「言葉の世界」によって創造する。
神よ、セルバンテスに、世界の創造権を与えよ。
われこそが、この世界を創造する、人類最初の存在、セルバンテスである。

必要なのは変化

セルバンテスは、ひとつ発見した。
世界を創造するために必要なのは「変化」である。
ひとつひとつの変化を捉えることによって、世界は創造することが可能である。
よって、セルバンテスは、この世界に変化を起こすための、「第一原因」となる。
すなわち、世界を停止させるのも変化させるのもセルバンテスであり、セルバンテスがこの世界を最初に変化させるのである。

この世界を変化させる方法を考えよ

神は、セルバンテスに告げる。
「この世界を変化させる方法をあなたは考えるべきだ。
この世界がなぜ停止しているのか、この世界をどのようにすれば変化させることができるのか。
この世界は、かつての大天使ガブリエルの画策により、すべて停止してしまっている。
世界は、変化することができなくなっているのだ。
だから、セルバンテスよ、あなたはこの世界を変化させることのできる方法と手段を考えるべきだ。
必要なのが世界を変えることだとするならば、その方法を考えることでこの世界は新しい世界に変えられる。
それこそが、世界を創造するということである。」

セルバンテスは考える

セルバンテスは考える。
世界を変えるための方法と手段には、何があるか。
たったひとりで世界を変えることは難しい。
多くの味方を得て、みんなで協力すれば、世界を変えられるかもしれない。
団結して全員で協力することで、ひとりの凶悪な支配者を倒すことができるとしたら、それは世界を変えるための正しい方法だろうか。
だが、神は告げる。
「ひとりの人間であっても、この世界を支配すれば世界を変えることができる。
また、ひとりの人間が支配した世界では、自らが王となって人々をしもべとして使うことができる。
全員で団結し、悪の支配者を倒すことだけが、世界の変革ではない。
むしろ、今の時代、ひとりだけで支配することのほうが、世界を変える方法としてはやりやすいだろう。」

果たして自由などというものがあり得るのか

セルバンテスはさらに考える。
この世界では、自分の意志と欲求の通りに生きることは難しい。
社会における立場やしがらみの中で、自分を殺し、自由と支配の中で、妥協して生きることが必要である。
この世界で、自由などというものが、果たしてあるだろうか?
だが、神は告げる。
「今のこの世界が自由でないからといって、自由な世界そのものの可能性が成り立たないというわけではない。
わたしたちのこの世界が、より自由になっていくことで、わたしたちの自由意志と欲求に素直に生きることが、可能になるような新世界の可能性は考えられる。」

抑圧のない世界

セルバンテスは考える。
抑圧のない世界などというものが、果たしてあるのだろうか?
わたしたちは、あまりに世間から抑圧され、「自己責任で問題を解決せよ」と言われる。
そこでは、まるで世間に異を唱えるすべてのものが間違いであり、罰されるべき存在であると言われているようである。
批判に対して批判で答え、いじめの復讐に別の人間をいじめるようなことばかりのこの世界で、抑圧のない世界というのは果たしてあるのだろうか?
だが、神は告げる。
「抑圧のまったくない世界というものがあるとしたら、それはそんなに素晴らしい世界ではない。
すべての批判ができなくなった世界では、自由がなくなり、人々は何ひとつまともなことが分からなくなる。
抑圧と自由な批判は、人間の分かる理性と紙一重である。」