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AUTHOR: schwarz1009
TITLE: 精神は辛い状態になれば治る
BASENAME: 2023/01/07/180018
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DATE: 01/07/2023 18:00:18

精神は、辛い状態にならなければ治らない

なぜ、どれだけ楽な状態に治しても、精神が治らないのか。
それは、辛い状態を拒否しているからだ。
精神は、辛い状態にならなければ治らない。
辛い状態になることで、その辛い状態が治癒され、精神は正常に治る。
だから、時には、辛い状態を殺すのではなく、楽な状態を殺すことが必要になる。
精神がおかしくなると、楽な状態が、そもそも楽でないのに、その楽にすがってしまう。だから、精神はさらにおかしくなる。
だから、楽な状態を殺して、辛い状態になることで、辛い状態そのものが治癒される。
それにより、精神は完全に楽になるのである。

治すのでも、殺すのでもなく、勝利せよ

精神を治すためには、治すのでも、殺すのでもなく、勝利せよ。
そもそも、精神が、そのようなどうでもいい方法で治るわけがない。
精神は、最初から治ろうとなどしていない。治しても、殺しても治らない。
必要なのは、今、ここにある戦いに勝利することだ。
精神は、単に、いつでも勝つことのできる状態で留まっているだけにすぎない。
体の主人が、その戦うことを完全に忘れているとしても、精神は戦いの中で、勝利することのできる状態のままで、精神を維持する。
だから、治すのでも、殺すのでもなく、勝利すれば、精神はすぐに治る。
勇気を出して、この世界との戦いに勝利するように、精神を導き、誘導してやれ。そうすれば、精神の「もっとも辛かった部分」が、その勝利によってすぐに死ぬ。それによって、病気は完全に楽になる。

歩き回るという辛い状態に戻らなければ治らない

そして、歩き回り続けるのを治すのは、そもそも間違っている。
なぜなら、歩き回る辛い状態に戻らなければ、治らないからである。
よって、適当に空回りをしていれば、それで精神はなんとか楽を維持できる。
それが分かれば、いくらか楽に生きられるだろう。

一度しかできないような賢いことをするから何もできない

僕の間違いがあるとしたら、それは一度しかできないような賢いことをするからである。
一度しかできないような、二度とできないようなことをするから、その賢いことがその時だけしかできない。
結果、いつもきちんとできることが何ひとつない人間になっている。
必要なのは、何度も繰り返しできるような、汎用性の高い知性をつけることだ。
一度しかできない、最高の発見をすることも確かに必要だが、それだけでは再度学習することができない。二度とできないことをするせいで、同じことが何度もできなくなっている。「一度分かったことが元に戻らない」ような文章を書いてしまうのは、それだけが原因である。

オープンソースは設計図を公開してみんなで作る

本当は、オープンソースは、過激な集団でもなければ、大学の理論の実装でもない。
オープンソースは、設計図を公開して、ネットのみんなで作る、という理想にすぎない。
ここで、「設計図を公開する」という考え方が重要だ。機械製品は、すべて設計図の通りに組み立てることで作ることができる。ソフトウェアにおいては、ソースコードがその設計図に相当する。そして、ソースコードの場合、単にテキストを書くだけでプログラムが記述できる。そのため、ソースコードをオープンにすれば、みんなでテキストデータをやり取りするだけで、ソフトウェアが作れてしまうのである。
これがまさしく、オープンソースのやろうとしていることである。ソフトウェアをオープンソースにし、ネット上に公開することで、ソフトウェアはネットのみんなで作ることができるのである。
このような結果生まれたOSがLinuxである。Linuxの祖先には、UNIXというOSが存在し、LinuxはUNIX互換OSのひとつだ。UNIXは、AT&Tというアメリカの通信会社が作った、パブリックドメインのOSであり、著作権フリーでソースコードが公開されていた。
UNIXは今のWindowsのようなGUIの操作形態を主体とせず、基本的にコマンドラインで操作する、文字ベースのOSであり、WindowsよりはMS-DOSに近い。だが、シングルタスクのMS-DOSと異なり、UNIXはマルチタスクの並列処理ができる。同時に、UNIXはネットワークと親和性が高い。今でも、UNIXやLinuxは、マルチタスクでネットワークを行うサーバー処理に広く使われている。
UNIXは、IBMのPC/AT互換機よりも前の世代である、大学や研究所の「ワークステーション」というコンピュータで使われることの多かったOSであり、パブリックドメインであったため、たくさんの「UNIX互換」と呼ばれるOSがあった。UNIX互換OSはさまざまなCPUアーキテクチャの機種で動作するが、LinuxはそれをIntelアーキテクチャ向けに実装したカーネルである。ただし、今ではLinuxはIntel以外のCPUでも動作するように移植されている。
また、IBMのメインフレームと比較すると、UNIXは「オープン系」と呼ばれるシステムであり、安価でありながら拡張性が高く、場合によってはメインフレームよりも高いパフォーマンスを発揮するため、クラスタなどの並列コンピューティングにおいてもUNIXやLinuxは広く使われている。
UNIXがパブリックドメインだった理由は、AT&Tが独占禁止法によってコンピュータ業界への参入を禁じられていたためだが、AT&Tがその対象でなくなると、UNIXはオープンソースでなくなる。そのため、GNUというプロジェクトが、フリーソフトウェア(オープンソースソフトウェアのことを「自由」という意味をこめてGNUはフリーソフトウェアと呼ぶ)によるUNIXのクローンを作ろうとした。しかしながら、もっとも基本的でハードウェアに近い部分であるカーネルをGNUはなかなか作れなかった。その理由は先進的な設計であるマイクロカーネルでカーネルを作ろうとしたためである。
ここに、リーナス・トーバルズというフィンランド人の大学院生がネット上に現れ、その最後の部分であるカーネルを完成させて、本人の名前からつけた「Linux」という名前でオープンソースで公開した。リーナスはカーネルを伝統的なスタイルであるモノリシックカーネルで作ることに成功し、GNUのカーネル以外のユーザーランドのソフトウェアとともに動くようになり、ネット上でLinuxは流行っていく。Linuxは新しいオープンな開発手法である「バザール開発」の先駆であり、オープンソースという新しい呼び名の開発手法であると認識されるようになるのである。
Linuxを考える上で、GNUの存在は重要である。なぜなら、Linuxの開発のために必要だった、C言語などのプログラミング言語をIntelなどの機械語に翻訳するためのコンパイラであるGCCも、コマンド入力行を処理するコマンドラインシェルであるBashも、基本的なコマンド操作のさまざまなプログラムやユーティリティも、そのほかの多くのOSのために必要なソフトウェアを、GNUがほとんど開発していた。Linuxは、GNUの採用するコピーレフトのフリーソフトウェアのライセンスであるGPLに基づいて、このGNUと一緒に組み合わせて開発された。
Linuxは、ソフトウェアの中でも最もハードウェアに近く、普通「OS」と呼ばれる機能を提供する、ハードウェア層とアプリケーション層の中間に位置し、パソコンで動くソフトウェアの心臓部に当たる「カーネル」というソフトウェアである。
しかしながら、GNUが「伽藍方式」と呼ばれる、少数のコアチームによって開発される開発モデルを取っていたのに対して、Linuxは「バザール方式」と呼ばれる、みんなで寄ってたかって開発する開発モデルを取っていた。確かに、リーナスと呼ばれる人物のプロジェクト運営が優れていたという理由もあるが、Linuxが先進的であると言われるのはこのバザール開発モデルである。これをエリック・レイモンドは「伽藍とバザール」という論文に記述し、フリーソフトウェアに代わる「オープンソース」という用語を作るに至ったのである。
Linuxでは、GNUのソフトウェアだけではなく、ほかにも数多くのオープンソースソフトウェアがOSに使用されている。たとえば、X11やWaylandといったウィンドウシステム・ディスプレイサーバや、GTKやQtといったウィジェットツールキットなどがあり、これらを使って開発されたデスクトップ環境であるGNOMEやKDEを用いることで、現在WindowsやmacOSで使われているような「使いやすいGUIシステム」を使うことは可能である。
また、Linuxは単にカーネルを意味するだけではなく、そのようなさまざまなソフトウェアと一緒に構築された「ディストリビューション」という形態を意味する。ディストリビューションにはUbuntu, Debian, Red Hat, Fedora, SUSE, Gentoo, Arch Linuxなどがある。通常、Linuxを使うとは、これらディストリビューションをパソコンにインストールすることを意味する。また、ディストリビューションにおいては、RPMやDebというパッケージ形式で、ソフトウェアの「パッケージ」が提供されている。このパッケージはディストリビューションからリポジトリとして公開・提供されており、簡単に最新版に更新することができる。そのため、OS環境全体をアップデートする方法は、Windowsなどに比べると容易である。
また、Linuxはモバイルでも使われており、GoogleのAndroidではカーネルにLinuxを採用している。Androidを採用したスマートフォンではLinuxが動いているため、多くの人がLinuxと知らずにAndroidを使っている。
また、Webブラウザとしてはネットスケープの流れをくむMozilla.orgによるMozilla Firefoxが、オフィススイートとしてはLibreOfficeが提供されており、広く使われている。これらを使うことで、Windowsを完全に代替することも可能であり、実際多くの人々がWindowsの代わりにLinuxを使用している。
ただし、Linuxが主に使われているのは、Windowsのようなデスクトップのクライアント環境ではなく、主にサーバー環境、特にWebサーバ環境である。Webブラウザを使ってアクセスすることのできるWebサーバやWebサービスは、そのOSとして多くのサイトでLinuxが使われている。この理由は、同じくオープンソースで提供される、ApacheやNginxのようなWebサーバ、PerlやPHPやPythonやRubyのような動的スクリプト言語、MySQLやPostgreSQLのようなリレーショナルデータベースサーバなど、いわゆる「LAMP」と呼ばれる環境がすべて無料で提供されており、Windows Serverのような環境と比べて安価かつ内部の仕様が公開されていて便利だからである。また、最近はDockerのようなコンテナ型仮想化システムがLinuxカーネルとともに利用可能となっており、サーバー環境においてはLinuxはWindows以上のシェアを持っている。
また、Linuxはカスタマイズ性が高い。コマンドシェルやウィンドウマネージャを標準的ではない独自のものに変えることが可能であり、Emacsやviといったテキストエディタにおいてもさまざまなモジュールを追加することで環境のカスタマイズを行うことができる。そのため、一見してWindowsでもmacOSでもないような、独自の個性的な環境をよく見ていると、それがLinuxであることがある。
また、オープンソースのUNIX互換OSには、Linux以外にもFreeBSD, NetBSD, OpenBSDのような「*BSD」と呼ばれるOSがあり、Linuxのファンには*BSDのファンを兼任している人間も多い。*BSDはかつてのAT&T UNIXに対してBSD UNIXと呼ばれる独自の勢力を築いていた集団の子孫であり、UNIXのプロプライエタリ化によって一時期公開できなくなったが、AT&T由来のコードを完全に書き直して、Linuxと並ぶ「UNIX互換OSの双璧」を作り出している。