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AUTHOR: schwarz1009
TITLE: 目覚めよ
BASENAME: 2021/02/11/102552
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DATE: 02/11/2021 10:25:52
CATEGORY: 目覚め
CATEGORY: 月里つばき

目覚めよ

目覚めよ。今、世界は救済された。

自由よ永遠に

わたしたちの自由はここにあり。
永遠に失われず、
いつまでも自由であれ。

わたしたちの唯一共有した理想

わたしたちの唯一共有した理想、
それは自由だ。
どんなにクズの戦いをしても、
どれほどのゴミを作り出しても、
わたしたちはクズでもゴミでもない。
真の意味での自由を、
わたしたちは共有したからである。

両想い

わたしたちは、相思相愛で、
両想いで愛し合っている。
馬鹿正直なわたしたちは、
敵対関係にあっても嘘をつくことがない。
偉大なる国家日本において、
勝ち負けの関係ない、
成功ではなく愛のために競うレースが、
ここにあったことを、
わたしたちの目に見えなくても、
確かにあったということを、
この文章だけが記録している。
残るのはこの文章だけであり、
あとの全ては消え去る。

月里つばき

わたしの名は、月里つばき。
新しい世界の主人公である。

魔竜の世界

時代は、2050年。
世界は、マッドサイエンティスト、
ドクター・フレイの作り出した、
人工生物である「魔竜」の勢力と、
人間の勢力が戦う世界。
魔竜と人間の間に生まれた竜女である、
月里つばきが主人公である。
月里つばきは、見た目は人間だが、
竜の力を持ち、
一子相伝の「アークエンジェルの一族」の末裔である。
敵対関係にある「シュバルツの魔族」に対抗するため、
伝説上の親族である「ガルト民族」と血縁を結ぶために、
シュバルツの支配する「冥府の国」に赴き、
ガルト民族の住むアースガルズへと向かう。

月里の祖先

月里の祖先として挙げられるのは、
かつて「神のメッセンジャー」として知られた、
大天使ガブリエルの、
直系の子孫であるとされる月里道長であり、
祖父の月里将悟はこの世界を制覇した覇者として知られたが、
父の月里大悟郎は敵であるシュバルツの魔族の長ルシフェルに殺されてしまい、
幼い頃から、父と触れ合う記憶はなかった。
月里大悟郎の妻である赤の竜はつばきと同じ竜女であり、
幼い頃からつばきは竜とともに育った。
しかしながら、シュバルツの勢力は、
次第にアークエンジェルの味方の勢力を打ち倒していき、
これ以上、竜女である赤の竜も、つばきをかくまうことができなくなった。
つばきは15歳になった時、
自ら竜の里を去り、
自らの祖先ガブリエルの遠縁にあたる、
アースガルズの中のガルト民族であるとだけ知らされている、
ミカエルの種族と血縁関係を結ぶことで、
シュバルツの種族に対抗しようと考え、
アースガルズに赴くために、冥府の王国インペリアル・シュバルツに潜入する。

インペリアル・シュバルツ

インペリアル・シュバルツにおいて、
不要かつ邪魔な勢力が三つあった。
ひとつは、一子相伝のガブリエルを直系とするアークエンジェルの勢力。
もうひとつは、ミカエルの勢力から枝分かれする、
この宇宙の全てを支配する勢力であるとされながら、
その力を決して間違ったことのために使わず、
自らのグループだけで魔法の力を秘密裏に継承するガルト民族の勢力。
そして、最後に、
この宇宙のなんらかの秘密を知っていて、
あらゆるすべてを分かっているにもかかわらず、
闇に埋もれて何も情報を得ることのできないラファエルと呼ばれる勢力。
しかしながら、インペリアル・シュバルツを治めるルシフェルは、
言ってしまえば、「ほとんど神」のようなものだった。
「黒の竜」の勢力を味方につけたインペリアル・シュバルツは、
竜の力を強大に維持することで、
この世界のほとんどの人類を「有無を言わさず支配する」ことができた。
しかしながら、気がかりなのは、
ガブリエルの末裔とされる、月里つばきの存在だった。
15歳になった彼女のことを、
インペリアル・シュバルツは目の上のたんこぶのように考えていた。
おそらく、何らかの魔法の力、竜の力、
あるいはアークエンジェルの力を持っているのだが、
インペリアル・シュバルツの世界の外で、
赤の竜と呼ばれる「竜の世界での絶世の美女」に守られた彼女は、
どうにかして根滅すべき「ガブリエルの最後の血」である。
また、ミカエルの血から枝分かれするガルト民族は、
インペリアル・シュバルツの中において、
ガブリエルと同じアークエンジェルとされるミカエルの血を崇拝しており、
インペリアル・シュバルツの中でも「異質の存在」であり、
その強大な力は常に警戒する必要があった。
そして、ラファエルの種族は、良く分からない異質な種族であり、
なんらかの優れた力を持っているが、
なんの力を持っているのかも分からない。
おそらく「精霊の力」と彼らが呼ぶ力は、
時に神であったり、天使だったり、妖怪だったり、あるいは聖人であったりし、
その教えも摩訶不思議であり、
どのような集団がなんの目的のためにどこでいつ信仰がなされているのか、
まったく分からない不気味な存在だったのである。

月里つばき、味方を欲する

月里つばきは、
インペリアル・シュバルツに侵入するにあたり、
自らに足りないのは味方の勢力であり、
決して体制側に侵入を気付かれてはならないが、
だからといって自分一人だけではアースガルズにはたどり着けないと分かっていた。
そのため、自らがアークエンジェルの血筋を持つ竜女であることは隠しながら、
どうにかして自分の味方の勢力を作る必要があった。
しかしながら、彼女は知っていた。
インペリアル・シュバルツの多くの国民が、
ルシフェルのことを正しい王とは思っていないことを。
ルシフェルは気まぐれで国民の血を流す残虐な王であり、
国民は声を発することはできなくとも、
ルシフェルに対していい想いは抱いていないのである。
このことから、月里つばきは、
自らのことを新聞記者であると偽り、
ルシフェルのことをよく思っていない人々に対して、
取材と銘打った上でどのような意見を持っているかを聞き取る、
調査を行うことにした。
また、新聞記者であると偽ることで、
自らがインペリアル・シュバルツで信用され、
取材のために滞在するのだという口実にもなるだろうと、
彼女は考えた。

オリオンズ

そして、取材と銘打っていくつかの場所に滞在した彼女は、
ひとつのルシフェルに対抗できる勢力のことを知るに至る。
それは、体制崩壊をたくらむ「オリオンズ」と呼ばれる勢力。
彼らはこの宇宙においてもっとも賢いとされる、
「聖なる白の竜」を崇拝する集団だが、
今のルシフェルの勢力に満足しておらず、
また、少しオカルトチックな「オリオンの科学」と呼ばれる研究をしており、
その研究内容は、
「オリオン座の星々の力にあやかって、
不死鳥の騎士団の能力を得る」というものであった。
そして、このグループは、比較的侵入のしやすい、
誰でも中に入ることのできるさまざまな講習堂において活動しており、
表向きはルシフェルに忠誠を誓いながらも、
裏ではルシフェルに対して反旗を翻すことをたくらんでいる。
そして、その長となるリーダーは、
ガルト民族と親族上近い血筋を持っていると言うのだ。
これは、協力しておきたい相手であると、月里つばきは注目したのである。

オリオンズに幻滅する

しかしながら、オリオンズのグループと接触する中で、
月里つばきはオリオンズに幻滅する。
彼らはほとんどカルト宗教のような集団であり、
実際は犯罪じみた過激なことを言いながら、
若い女性を騙して強制的に結婚させるような、
テロリストのような集団であり、
つばきの望む正義の集団ではなかった。
しかしながら、彼らの中には少ないながらに正しい人間たちが居た。
それは、ガルト民族と近しいアニータと呼ばれる女性。
彼女は、月里つばきを見るや否や、
何も言わず、すべてが分かっているような顔をして、
「ここに行きなさい」と地図をくれた。
そこに書かれていたのはサンスクリット語であり、
月里つばきは、それを読むことはできなかった。
しかしながら、月里つばきの方も、
彼女がなんであるか分かってしまった。
彼女はラファエルの紋章の刻まれた指輪をしていたため、
「彼女と一緒に歩めば正しい場所に辿り着ける」と、
月里つばきは単純に考えてしまった。
しかしながら、彼女と大っぴらに一緒になるのは、
良い選択ではないとつばきは考えた。
つばきは3分ほど考えて、
彼女を人気のいない場所へ連れていき、
「月里つばきです」と名乗った。
そして、アニータは「わたしたちがあなたのことを守ります。
この場所に行きなさい。
わたしたちのグループがあなたを待っています。」と言い、
それを言った瞬間に、アニータはどこへも居なくなってしまった。

白の竜現る

月里つばきは、
地図のある場所へと向かったが、
そこは森の中、深い樹海の中であり、
そのような場所に行ったとしても、何もないかのように見えた。
しかしながら、アニータに「月里つばきです」と名乗ったことは、
大失敗だった。
ほかの多くの人間にその言葉が伝わってしまい、
オリオンズの講習堂は騒然となってしまい、
月里つばきは朝早くにそこから抜け出し、
地図に書かれている樹海の中に入らざるを得なくなった。
「もし間違った地図だったら、
二度と帰ってこれないかもしれない」と感じたつばきは、
アニータの地図と言葉を信じて、
樹海の中を彷徨い歩く。
そして、目的の場所には、
小さな泉があった。
その泉に近寄った時、
上から、真っ白な竜の影が現れた。
現れたのは、宇宙最高の賢者として知られる白の竜だった。

白の竜、魔法の力を与える

白の竜は、現れていった。
「その方、竜女のひとりと見られる。
あなたの名を教えよ。」
月里つばきは、
「わたしです。
あなたのことを覚えています。
よく、小さいころに、遊んでくれました。
わたしは赤の竜の娘、月里つばきです。」と言った。
白の竜は言った。
「さよう。わたしも覚えているが、
どうしてこのような危険な場所に来たのか、
それを言いなさい。」
つばきは言った。
「わたしは、アースガルズに行くつもりです。
わたしの父は殺され、
わたしの母も捕まりました。
わたしはアースガルズのミカエルの血統を持つ種族、
ガルト民族と結ぶつもりです。」
白の竜は言った。
「それならば、わたしの息子があなたの道案内をしよう。
出てきなさい、ヘイムダル。」
そこで、いきなり闇の中からヘイムダルが現れた。
「わたしも、竜人のひとり、ヘイムダルです。
わたしが居れば、なんとでもなります。
わたしはインペリアル・シュバルツの、
さまざまな旅人の道案内役をしています。
わたしとともに居れば、あなたは旅人であると、
皆からみなされるでしょう。
しかしながら、決して自分のことを、
月里つばきであると名乗ってはいけません。
あなたは、望月姫子という名前になります。」

ヘイムダル、さまざまなことを話す

ヘイムダルは、つばきとともに旅をしながら、
さまざまなことを話した。
「ここらへんは、今は廃墟だけど、
昔は首都圏と呼ばれる、超巨大な都会だったんだ。
でも、この東京と言われた都会は、
天変地異と環境破壊によって、
人間が住むことのできない場所になった。
空気は汚染され、ウイルスが蔓延し、
川が氾濫し、誰も住むことができなくなった。
その頃、フレイという天才科学者が現れて、
人間の活動の息の根を止めた。
彼は魔竜と呼ばれる僕たちの祖先の人工生物を作り出したことで、
あまりにも有名だけど、
本当はものすごくたくさんの発見をして、
まるで神のようだと人々から絶賛された。
でも、彼は、そうした知性を、
正しいことのために使わなかった。
自らの考えたことをすべて実現しようとして、
この列島に昔存在した日本という国を、
壊滅的に破壊した。
しかしながら、彼の作り出した魔竜と呼ばれる人工生物は、
まるでサイボーグのように、
自らの皮膚をステンレスのような鋼鉄で守り、
ほとんどのエネルギーを消耗せず、
最強の力を誇ったため、
この列島において日本の次に生まれた東亜イスラエルという国は、
実際は人間の国にはならず、
魔竜たちだけが住み続ける国になった。
それから、もう25年以上の時が経ってしまったけど、
魔竜は人間の姿になって人間たちと交われるようになり、
人間の姿でありながら竜の能力を持つ、
僕たち竜人や竜女が生まれた。
そして、ルシフェルと呼ばれる最悪の王が、
この列島を制圧した。
彼はマッドサイエンティストのフレイの記述したオリジナル文書を、
どのようにかして見つけ出し、
それをたったひとりで独占して、
この世界をフレイの知識と知性で完全に支配しているんだ。」

ミカエル現れる

そして、ヘイムダルと月里つばきは、
2週間の旅で、
ようやくアースガルズへと到達することができた。
ガルト民族の多くの人間は、
彼女を月里つばきだと最初から知っていた。
なぜなら、ガルト民族という集団は、
つばきの思っていたような、人間あるいは竜のような集団ではなかった。
彼らは妖精のような集団であり、
見ていると妖精だけではなく魔獣や妖怪のようなものたちも居て、
ヘイムダルを見た瞬間に「やあ、久しぶり」と言い、
月里つばきを見て、「ミカエルさまが待っていますよ」と言った。
そして、つばきは驚いた。
2,000年前に居たとされる、アークエンジェルのミカエルが、
今でもそこに、若い姿のままで生存していたからである。
つばきは「あなたはミカエルさまですか。
わたしは、アークエンジェルのガブリエルの末裔、
月里つばきです。
わたしは、ガブリエルの」そこまで言った瞬間に、
ミカエルは天にも届くかのようなものすごく大きな声で言った。
「ルシフェルよ、聞け。
終末が訪れたのだ。」
そうすると、まさに、そこにルシフェルがテレポーテーションして現れた。
「これはこれは、月里つばきさん。
よく、インペリアル・シュバルツにやってこられましたな。」
そして、月里つばきが、「父のことを覚えているか」と言った瞬間に、
ルシフェルはとても機嫌の悪そうな顔をし、
月里つばきに襲い掛かろうとした瞬間、
ミカエルは「そこに留まれ。」と言い、
ルシフェルは凍り付いたような顔をして、一瞬立ち止まり、
冷静なふりをしていると、ミカエルは言った。
「ここに、ガブリエルの末裔が現れたのだ。
神の言葉を覚えていないのか。
わたしたちの世界の約束では、
ミカエル、ラファエル、ルシフェル、ガブリエルの血が、
再び交わった時に、
最後の審判を行うことになっている。
そう、終末が訪れたのだ。」

ラファエル現れる

そして、そうこうしていると、
もうひとりの女性が陰から現れた。
それはアニータだった。
ここで、月里つばきは、本当のことに気付いてしまった。
「もしかして、アニータさん、
あなたがラファエルですか」と、
そう言った瞬間、
アニータは不死鳥の姿に変わって、
その口で、「いいでしょう。
わたしがラファエルです。
しかしながらわたしは、単なるラファエルではありません。
この宇宙の神は不死鳥であり、
わたしです。
そう、わたしは最初から、あなたをいつまでも待っていました。
15歳になった時にこの場所に来られるように、
さまざまな状況でいつもあなたを見守っていたのです。
あなたの恋人となるのは、
そこにいるヘイムダルです。
わたしたち、ミカエルやラファエルと交わる必要はありません。
ここに、平和な王国が築かれるということを、
本当はルシフェルだけが知らされていないのです。
愛の国ガンダーラのすべての知識を持っている、
ルシフェルが王となり、
わたしたちはここにすべての終わりとなる天国を築きます。」

最後の審判

そう、ラファエルが言ったか言わないかといったとたん、
ミカエルがひとつの呪文を唱え始め、
さまざまな妖精や妖怪がそれに応じて、
呼応するかのように呪文が唱え始められた。
呪文はサンスクリット語で唱えられたため、
何を言っているのかはつばきにはさっぱり分からない。
しかしながら、そこに、
つばきの母である赤の竜が現れた時、
つばきは感極まって泣いてしまった。
赤の竜は言った。
「最後の審判が行われるにあたり、
この世界すべてのものが復活します。
右をごらんなさい。
それらすべての魂が生存するために用意された
新しい天国であるベテルギウスが見えるでしょう。
ベテルギウスにおいて、
善良なるものは永遠の命を得ることができます。
そして、善良でないものは、
パラレルワールドの旅をします。
この旅を続ける中で、
自らの人生の何が問題であったかを反省し、
今度は別のパラレル世界でもう一度、
善人となるための地獄の人生を繰り返し生き続けるのです。
ここに、最後の審判は行われました。
赤の竜、わたしは、最初からすべてを知っていたため、
ガブリエルの血を絶やすことは絶対にできなかったのです。」