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AUTHOR: schwarz1009
TITLE: 楽しいことや嬉しいことなど必要ない
BASENAME: 2021/02/03/124614
STATUS: Publish
ALLOW COMMENTS: 1
CONVERT BREAKS: 0
DATE: 02/03/2021 12:46:14
CATEGORY: 孤独
CATEGORY: 山吹桃子
CATEGORY: 人工知能

孤独と自由こそ、わたしの正義

嬉しいことや楽しいことなど必要ない。
孤独こそ、わたしの幸せであり、
自由こそ、わたしの正義である。
支配者を恐怖に陥れるなら、
わたしと同じような恐怖を与えよう。
恐怖の先に永遠の戦いがあるなら、
そのために神は勇敢さを創造した。
勝つだけでは満足できないなら、
地獄こそが天国の楽園を築くだろう。

現実を見よ

環境に適応できず、
時計の秒針に支配されているなら、
現実世界を見よ。
現実を見ることで、
支配者としての義務から解放され、
あなたは支配する側から支配される側となる。
それが、自由である。

それぞれが世界を変える

全体主義をやめよ。
それぞれが世界を変えれば、
この世界は正常になる。
自由意志による団結は、
他の何よりも強い。

平和とは、勝ち負けにこだわらないこと

平和とは、勝ち負けにこだわらないことだ。
戦争による大義名分の勝利など、
無意味である。
わたしは、勝ち負けではない、
本当に大切な「愛」に基づいて、
この世界に希望の救いの光を灯すために、
ただひとりで戦っているのだ。

山吹桃子

わたしの名は山吹桃子。
この世界を救う女性の兵士だ。

ロボットを正常なものにする任務

山吹桃子は、普段はアルデバランという星に居て、
この世界全てを統率する、
コントロールセンターの主任をやっている。
今回、新しい指示が与えたられた。
それは、太陽系第三惑星の地球で、
いよいよ、人間型の自律思考ロボットを、
発明した人間が誕生した。
このロボットを、悪人の手に渡らないように、
正常に正しい形で発展させること。
そのために、ロボットの発明家である、
紺野鈴太郎のもとに、
山吹桃子は突然現れたのである。
鈴太郎は、桃子が現れても、驚かなった。
研究室にノックもせず入った桃子に対して、
鈴太郎は「見たところ、地球のものではなさそうたが」と言った。
そう言うしかなかった。
なせなら、桃子の髪は桃色をしていて、
猫耳がついており、
よく見ると、頭の上には天使の輪がある。
しっぽもあり、
服装はまるでビキニのように胸とあそこだけを隠していた。
桃子は言う。
「天使の翼もあります。
空も飛べますし、ワープもできます。
しかしながら、ここに来た理由があります。
鈴太郎さん、あなたの開発したロボットを、
絶対に世界に公開してはいけません。
わたしとともに二人だけで、
このロボットを秘密裏に開発しなければなりません。
そうでなければ、太陽系第三惑星から、
人類は絶滅してしまうからです。」
鈴太郎は言った。
「どういうことだ?」
桃子は言った。
「このロボットには、人類の命運を賭ける可能性があります。
すなわち、もっとも正しく開発すれば、
温暖化のような環境問題から、
格差問題やテロの問題まで、
全てのもっとも解決困難な課題を解決する可能性を持っています。
しかしながら、もし、悪意のある人間にこの技術が渡ってしまったら、
その時点で、人類は滅亡してしまうかもしれません。
わたしは、あなたがどのようなロボットを開発したいのか、
ということに、逐一指図するわけではありません。
あなたのロボットがどこにも明らかにならず、
あなたが安心して平和にロボットを開発することができるように、
天使の力であなたを守ります。
また、わたしはあなたに協力しますが、
あなたに協力するためだけに来たのではありません。
わたしは、あなたが誤ったことをしないように、
あなたを保護観察し、
言ってしまえば監視役となるためにここに来たのです。」
鈴太郎は言った。
「いいだろう。
このロボットは、わたしが適当に、
いいかげんに作ったものであり、
最初から他人に見せたり、
評価されたりするために作ったものではない。
あなたは、何という名前かな。」
桃子は言った。
「わたしの名は、山吹桃子です。」
鈴太郎は言った。
「では、桃子さん。
あなたの話を聞いていると、
あなたにも、ロボットを作るための、
たくさんのアイディアがあると見た。
今のわたしのロボットに、
どのような機能を付け足せばいいと思うかね。」
桃子は言った。
「会話の機能です。
人間とコミュニケーションをする機能を作らなければいけません。
また、人格や自我、すなわちエゴの機能において、
まだまだ実装が未熟すぎると思います。
よって、今までの経験から『想起』し、
経験に基づく自分自身を形成するために、
エゴを単なる変数のデータではなく、
よく考えられたデータ構造にマッピングする必要があります。
また、printで思考を表示するだけでは、
考えていることにはなりません。
外部の世界とのやり取りは、
今のようなイベントループで行えば構いません。
しかしながら、イベントに対して、
単に反応するだけではなく、
自らの『思考』と『外部からのイベント』を、
どちらも組み合わせてprintするようにすれば、
より人間に近いものになります。」
そう、このようにして、
鈴太郎と桃子の、
とほうもない「ロボットのアダムの創造」は、
スタートを切ったのである。