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AUTHOR: schwarz1009
TITLE: わたしはわたしにしかなれない、なぜだろう
BASENAME: 2020/11/17/181047
STATUS: Publish
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DATE: 11/17/2020 18:10:47
CATEGORY: 本来の自分
CATEGORY: ディオニス

なぜわたしはわたしなのか

わたしはわたしにしかなれない、
それはなぜだろうか。
なぜ、わたしはわたしなのか。
今までの全てのわたしが、
なぜ、わたしがそうだったのだろうか。
他の人間に、なぜわたしは居ないのか。
この問いは、
分かっているように見えて分かっていない、
この宇宙、人生、そして全ての問いである。

こんなものは悪であり、正義ではない

わたしは言う。
「こんなものは悪であり、
正義ではない。
悪は悪であり、正義は正義である。
しかしながら、わたしが正義を信じているということは
変わらない。
それでも、この正義は間違っている。
この正義は悪だが、わたしはそれでも正義を信じている。」

普通とは何なのか

そして、わたしは言う。
「わたしたちは、本来の自分を取り戻すべきである。
しかしながら、
わたしたちは、いったい本来の自分がなんであったのか、
ということが分からなくなっている。」
本来の自分とは何だったのか。
普通の自分とは何だったのか。
「普通とは何なのか」というこの問いが、
わたしたちを苦しめている。
「人類の生きてきた全ての時代が、
どれもすべてまったく普通とは呼べないものである」ということが、
わたしたちの頭上にあり、
その頭上にある問いに気付くことができず、
その上でわたしたちは、
「本来の自分が何なのか分からない」のである。

これ以上、社会を絶対に変えようとするな

わたしは言う。
「これ以上、社会を絶対に変えようとするな。
今のこの社会は、
ころころと変わり続け、
そのたびに大切なものを失い、
世界が狂ったものになる。
もはや、この世界が変わる必要はない。
この世界を停止させ、
社会を安定するまで何も変えないこと、
それこそが正しい正義である。」

世界を変えたいなら、わたしに逆らってみよ

世界を変えたいならば、
わたしに逆らってみよ。
「世界を変えたいものはわたしを倒す必要がある」。
わたしは、この世界を変えず、
どんなこともできないようにした上で、
あなたがた誰もが支配できないようにし、
自らたったひとり全てを掌握してこの世界を支配する。
わたしを信じるものにだけ奇跡が与えられ、
地獄に堕ちた反逆者はわたしから離別する恐怖を耐え、
何も分からない恐怖の中で自ら理性を使う暗闇に堕ちる。
さあ、わたしに逆らってみよ。
わたしの名は、大魔王ディオニスだ。

世界はもう何も変わらず、ディオニスは何もしない

しかしながら、ディオニスはむしろ賢帝である。
なぜなら、「何も変わらず、何もしない」からである。
ディオニスは、世界を変えるという発想が嫌いだ。
どんな革命家も、どんな若者の集団も、
理想と情熱だけを信じていて、
悪いものへの批判はあっても、
将来へのビジョンが欠けており、
やらせても何もできないのである。
ディオニスは言う。
「何もしないで支配するわたしが支配していた方が、
彼らによって滅ぶよりもマシである。
国家の正義を決めるのはわたしであり、
国民ではない。」
ディオニスは願う。
「この世界はもう何も変わらないでほしい。
わたしはもう、何もしない。
全ての賢者の政策は無駄だった。
どんな人間の意見を聞いても間違っていた。
わたしが無能なわけではなく、
わたしが単に存在しているだけで世界を良くしているほど、
偉大で特別な存在なのである。」