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AUTHOR: schwarz1009
TITLE: 我はツァラトゥス
BASENAME: 2020/11/16/144240
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DATE: 11/16/2020 14:42:40
CATEGORY: ツァラトゥス

我はツァラトゥス

わたしの名はツァラトゥス。
この世界全てを悟り、
人類の罪を償うことで世界を救済する、
終末の科学者だ。

ツァラトゥス

ツァラトゥスのやったことは、
人類の全ての罪を背負い、
「人類が悪いのはわたしのせいだ」と言った。
ツァラトゥスは、人類の償うべき罪を、
たったひとりで償った。
その報いとして、
ツァラトゥスはこの世界を支配する支配者となった。
ツァラトゥスは神に選ばれた人類の代表であり、
世界全てをたったひとりで救う。

ツァラトゥスは語る

ツァラトゥスは語る。
「世界が滅びたのは、全てわたしのせいである。」
インターネットの言論をおかしくしたのも、
アメリカを極右化したのも、
全て、彼にとっては彼のせいである。
「わたしは、その責任をとって、
この世界を救わなければならない。
わたしがやらなければ、
この世界は滅びたままである。
無責任に逃げ出すことは、
わたしには受け入れられない。」

ツァラトゥスは分からない

ツァラトゥスは、分かっていない。
自分が批判されるべき愚か者であると
信じるツァラトゥスは、
全てのできることを試し、
間違いや過ち全てを解決するが、
そのどれもが神の奇跡であるにもかかわらず、
ツァラトゥスは満足しない。
「まだ何も解決していない」と
信じるからだ。
いつしか、ツァラトゥスは、
どんな人間にも分からない不可知の全てを、
ヘーゲルのような絶対知で分かる学者になったが、
彼はそれでも、「わたしの信じる理想には遠い」と考える。
神と対話したツァラトゥスは、
神のお告げを全て覚えている。
神の言うことは全て正しく、
神の言うこと全てに従わなければ、
この世界を救うことはできない。

ツァラトゥスの民主主義

ツァラトゥスは言う。
「民主主義にした上で、
権力者に大きな力を与え、
嘘をつかず、
公正な政治を行いなさい。
それでしか、
終末の動乱を統治することはできなくなる。
社会主義にする必要はないが、
ひとりの指導者が正しい行いをし、
反対を押し切ってでも前に進めなければ、
気候変動などの困難な問題を解決できない。
しかしながら、嘘をついてはいけない。
国民を騙して嘘をつく、
そのことから社会は崩壊するのである。」

ツァラトゥスの叫び

ツァラトスは叫ぶ。
「わたしは、オープンソースを愛していた。
本当に、オープンソースに、
もっと素晴らしいものになってほしかった。
人々に分かること全てを教え、
わたしの理想全てを実現した。
わたしは、この世界を救いたかった。
すべての子供たちを愛し、
支配ではなく、
この世界を自由にしたままで、
正しい手段でこの世界を変えたかった。
しかしながら、わたしには、
そうしたことができなかった。
なぜ、できなかったのか、
その理由は分かっている。
わたしに、きちんとした一人前の能力がないのにもかかわらず、
わたしは最初から多くを為そうとしすぎた。
しかしながら、神よ。
ほかに、どうすることができたというのか。
わたしに教えてほしい。
わたしは、本当は何をすべきだったのだろうか。
本当は、どのようにすれば、
このような結果ではなく、
この世界を素晴らしい世界に変えることができたというのか。
自由とは、いけないことだったのか。
オープンソースなど、最初から価値のないものだったのか。
そうではない。
わたしは、そうだとは信じない。
決して、わたしの信じた理想は小さくなく、
間違っていなかった。
わたしのできることは、すべてした。
しかしながら、それではまだ十分ではないということが、
わたしは分かる。
わたしは、この世界を、
わたしの全ての行動の責任をとって、
救わなければいけない。
神よ、わたしを導いてほしい。
神よ、できることなら、わたしの罪を裁き、
わたしを赦すまで、わたしを導いてほしい。
わたしはわたしの信じた理想に、
とても長く遠ざかってしまった。
しかしながら、神よ。
わたしはわたしの信じた理想は、
本当は実現可能であったはずだと信じたいのだ。
この希望を、真実の愛だと信じたいのだ。
神よ、居ないとしても、答えてほしい。
神よ、わたしに、償いのための道を与えてほしい。」