AUTHOR: schwarz1009
TITLE: 西洋哲学(古代・中世)
BASENAME: 2020/09/07/181754
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DATE: 09/07/2020 18:17:54
CATEGORY: 哲学
CATEGORY: おすすめ
ソクラテスは、古代ギリシャの哲学者。
古代ギリシャの都市アテナイで、
若者などを相手に酒場などで議論をし、
「人生をいかに生きるべきか」とか、
「真善美とは何か」のようなことを議論して、
相手の何が勘違いで、
どのように考えるのが正しいのかを考えた、
「居酒屋のおっさん」のような哲学者である。
本人は一切の著作を残さなかったが、
弟子のプラトンが代わりに著作を遺したため、
語り継がれることになった。
「ソクラテスの弁明」というプラトンの著作では、
ソクラテスがいかに弁論を行い、
人々との間で「生きるために本当に大切な知識」とは何かを
考えたかが残っている。
思想としては、
「正しい認識は本人の己から生まれる」とか、
「正しいことが何であるか分かっている人は正しいことをする」とかのように、
どのように考え生きることで、
人生でさまざまなことを気付くことができるか、という内容が多い。
有名なのは、
「何も知らないことを知っている人間が一番賢い」という無知の知など。
また、ギリシャ神話の神の言葉を巫女が仰ぐ「デルポイの信託」では、
「もっとも賢い人間はソクラテス」との信託がなされた。
しかしながら、人々を惑わしたなどという罪で、毒の杯を飲んで死んだ。
プラトンはソクラテスの弟子である。
アカデメイアという哲学の学校を作ったことが有名だが、
アカデメイアでは「幾何学を知らざるものこの門を入るべからず」と
書かれていたように、
昔は哲学も幾何学も同じような学問分野だった。
プラトンの思想は「イデア」。
これは、「この世界はもしかしたらまがいものかもしれず、
本当の世界は別の世界にあるのではないか」というもの。
人間は生まれる以前にイデア界に住んでいて、
そのことをすっかり忘れているものの、
何らかのことがきっかけでそのイデア界のことを「想起」する。
また、この世界は本当は嘘の世界で、
洞窟の中に見える影絵しか知らない縛り付けられた人類が、
その洞窟の影絵だけをこの世界であると誤解することと同じであると言う。
イデアの考え方は、遺伝子にも似たところがあり、
馬はたくさんいるが、どれも完全な馬とは言えず、どこかしらに欠点があるが、
本当のイデアにおいては、完璧な馬の理想像があるはずであると考える。
この考え方は、プラトンの弟子アリストテレスによって、
さらに遺伝子に近い「形相」として、
「生物の中に存在する形相がイデアである」とされた。
アリストテレスは、プラトンの弟子。
「万学の祖」と言われるように、
自分一人だけでとても多くの原始的な学問を作ったことで知られる。
政治学、心理学、生物学、形而上学、倫理学、精神論など多岐に渡る。
ものごとの原因を4種類に分類する四原因説では、
「目的もひとつの原因である」とした。
また、神は最初に存在する第一原因であり、
「不動の動者」であるとした。
政治体制としては、王制、貴族制、民主制の、
基本的な体制と、その逸脱した形態を分類した。
また、地水火風については、
「星を表す五番目の元素が必要だ」とした。
アウグスティヌスは、中世ヨーロッパのキリスト教の神学者。
「アウグスティヌス」であって、ローマの初代皇帝「アウグストゥス」ではない。
新プラトン主義の考え方を取り入れながら、
「闇とは光の欠如である」、すなわち悪は善の欠如であると考えた。
また、悪は自分で決めたことだが、善は神が決めたことである、
などとする論説がキリスト教神父的である。
トマス・アクィナスは、中世ヨーロッパのキリスト教の神学者。
「カトリックの教義を作った人物」であると知られる。
アリストテレス哲学を神学に取り入れ、
「哲学だけでもある程度は進めるが、
最後まで進むには神を信じる信仰が必要」であるとした。
また、ビジョンを司るものが神であり、
知性でなんでも考えなくても分かるものを天使とした。
トマス・アクィナスがアリストテレス哲学を取り入れたことで、
中世ヨーロッパはプラトンよりもアリストテレスの考え方が色濃くなった。
女性差別などの問題で、このことが問題の所以となってしまったところもある。