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=2023-05-11=

光による元素作成の技術

科学史を塗り替えるような偉大な大発見は、これまで地球上においてはさまざまな科学者によって発見されてきた。

そして、この発見もまた、そのような偉大な大発見のひとつであると言える。

この発見とは、「光による元素作成」の技術だ。

すなわち、量子力学では、光には波動としての側面と粒子としての側面という、二面性があるということがよく知られている。

だが、実際は、そのような光には、さらなる多くの側面が宿っていることが分かった。

すなわち、光から元素を作ることができる。

そう、元素とは原子ということであり、物質ということだ。

特殊な性質を持った光を使うことで、光によってその場所に物質を作り出すことができるのである。

この発見により、わたしたちが光を「見るもの」であると思っていた、これまでの常識はがらりと変わった。

すなわち、光を「触る」ことや、光から「物質を作り出す」ということができるようになったのである。

これは、そのような2042年の未来の物語である。

資本主義経済は存在しない

2042年において、この世界には資本主義経済は存在しない。

なぜなら、食べ物を作るにも、家電製品や自動車を作るにも、材料も工場も必要がなくなったからだ。

必要なのは、光を操作するための端末だけであり、この端末から、どんな食べ物であってもどんな機械であっても、光を使って瞬時に作ることができる。

そして、この端末自体も、同様に光を使って作り出すことができ、光によって端末が映像として自分の目の前に現れ、その光を「触る」ことができ、光に対してさまざまなやり取りをすることで、さらにたくさんの物質を瞬時に自動的に作り出すことができる。

この端末は腕時計型の小さなウェアラブル機器のボタンを押せば、いつでも目の前に「触ることのできる光」として現れる。

そして、そのような光と触ることができる端末から、どんな機械であっても、瞬時に、まったく材料や生産コストのない、ゼロコストでいくらでも作り出すことができる。

そのため、2042年において、資本主義社会は存在しない。金というものも労働というものもなく、すべて光が生きるために必要なことすべてをやってくれるのだ。

平和な世界ではない

しかしながら、それならば楽園のユートピアを生きることができるのではないか、と人々は思うだろう。

残念ながら、そうではない。

なぜなら、「光の独占的支配の権利」をめぐって人々は争うようになるからだ。

わたしたちは、光というものが、宇宙のどこにでも普遍的にあるものであり、万人の共有財産であるかのように勘違いしている。

だが、2042年、光というものを独占的に支配しようとする、「権力者たちの集団」が現れる。

彼らは、「なんでもできる光というものを正しく管理するためには、光を取り扱うためのルールが必要である」と主張する。

この主張は、決して間違った主張ではない。光を使ってなんでもできる世界になったのだから、逆になんでもできるような状態のままだと、この世界は無法地帯になってしまう。悪人が光を使って最悪のことをやるリスクが考えられる。

だから、彼らは、「光というものを万人が使える状態に置くのではなく、少数の許された『まともな支配者』によって光が管理されるべきだ」と主張する。

そして、彼ら「光の支配者」は、地球上における二大勢力圏を築く。

一方の勢力は、地球すべてを支配し、地球の光という意味での世界政府を築こうとする、「光の地球政府」と呼ばれる勢力だ。

そして、もう一方の勢力が、極めてやっかいな、光というものをたったひとりの「全権を委任された神」が支配するべきであると主張する、「光の神の使徒」と呼ばれる勢力である。

この「光の地球政府」と「光の神の使徒」が、2042年の地球では巨大な勢力となり、「光の大戦争」が起きるのである。

神とは

この「神」とされる人物、実際は単なるカルト教団の開祖ではない。

なぜなら、神は光の力を使って、この世界全体を裏で支配することに成功したからだ。

神は、光の力を使って、「新光通信ネットワーク」という新しい通信システムを開発したエンジニアである。

神は、この「新光通信ネットワーク」により、この世界の隅から隅まで、ほとんどすべての場所を、誰にも気付かれることなく「支配」している。

この「支配」は、単なる権力による強制的な支配を意味していない。大いなる「巨大な影響力」の力を使って、「生活の隅から隅まで入り込み、この世界を自分ひとりのわがものにする」ということを神は行っている。

この神のやっていることは、この神にしかできない。なぜなら、神は最初にそのようなことを行った結果、「自分以外の誰も自分と同じように支配することができない」という前提条件をこの世界の支配に適用したからである。

そして、この神のことが好きな人間が、地球上にはたくさんいる。神はいないように見えて実際はどこにでも存在し、多くの人々が、神によって支配されることで「愛」を与えられる。その結果、その愛に報いようと人々は神のことを愛する。そう、神はこの世界をただひとり支配し、巨大な影響力を与えることで、神はこの世界の「使徒」たちから愛されているのである。

神の目指す未来、それは神が完全にこの世界を征服することだ。神は使徒という人間たちを道具のように使う。神は「光による元素作成」の技術を使って、この世界を「新光通信ネットワーク」の力で支配し、この世界を完全に支配することを目指しているのである。